「素晴らしい提案をしよう お前も鬼にならないか?」
漫画『
鬼滅の刃』の登場人物。名前の読みは「あかざ」。
よく間違われるが赤座ではない。っていうか初見で読める人ほぼ皆無だろう
アニメの担当声優は
石田彰
氏。
鬼の首魁・
鬼舞辻無惨の直属の配下である「十二鬼月」の一角であり、
6人存在する最高幹部「上弦」のNo3である「上弦の参」の階位を持つ実力者。
上弦の鬼の中で最初に登場した個体で、
竈門炭治郎と読者に上弦の鬼の強さを印象付けた存在であり、
無惨を除けば炭治郎と最も深い因縁を生んだ敵の鬼である。
自身が強者と認める相手との戦闘を好み、逆に弱者と見なした者は異様なまでに忌み嫌っている。
しかし、一方で相手の強弱に関係なく女性の殺害及び捕食は絶対にしない事が
他の上弦の口から明かされている。
「至高の領域」を追い求めて自身に無限の鍛錬を課し、それ故に強者と認めた人間には鬼になることを勧め、
自身と永遠に戦い続ける事を望む戦闘狂であり、作中でも「
修羅」と評されている。
不平不満の感情を抱かず忠実に命令を遂行するので無惨からの評価はそれなりに高く、
鬼殺隊相手であっても(栄養価の高い)女性を食べない上に殺しもせず、鍛錬だけで戦闘力を向上させようとする件に関しても、
時折呼び出して嫌味を言いこそしたもののそれ以上の処罰はしなかったという。
自分より上位にいる
黒死牟や
童磨に対しては反骨心を隠しもせず、いずれ超える対象と見なしていた。
特に童磨のことは酷く嫌っており、上弦の弍へと昇格した後の童磨の念話絡み
*1があまりにも五月蝿かった為に無惨に苦情を入れた事がある
(後にも先にも猗窩座が無惨に口答えしたのはこの一件のみらしい)。
また、黒死牟にはかつて入れ替わりの血戦を挑んだが敗れたことがあり、こちらにも良い感情を抱いていない。
しかし、その黒死牟は猗窩座を高く評価しており、上弦に君臨した数百年間の中で三回挑まれた入れ替わりの血戦にて生かしておいた鬼は猗窩座のみだったらしい。
劇中における活躍
「鬼にならないなら殺す」
「素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えてゆく
俺はつらい 耐えられない 死んでくれ杏寿郎 若く強いまま」
下弦の壱「
魘夢」との戦いを制した
煉獄杏寿郎と炭治郎の前に姿を現し、
煉獄を強者と認めて鬼に勧誘(本項冒頭の台詞)するが、煉獄が応じるはずもなく戦闘となる。
戦闘技量こそ互角だったが傷や疲労が確実に蓄積され体力にも限界がある人間と、
頚を斬られない限り外傷が瞬く間に治る鬼との差から、煉獄を消耗戦の末に追い詰め、
左目を潰され、肋骨を砕かれ、内臓を傷つけられる重傷を負わせる。
しかし、その状態でも煉獄は猗窩座からの鬼となり延命しろという勧誘に乗らず、
最期の力を振り絞って貫かれた身体を使って鬼の致命的弱点である日光が現れる夜明けまで、
猗窩座を強引に拘束するという形での相打ちを試みる。
消耗戦を行ったのが仇となりその時点で夜明けとともに陽光が射し始めたため、
猗窩座は完全に余裕を喪失し、頚を半ば断たれた状態で抑えられた両腕を自分で引き千切り一目散に逃走した。
しかし、この行動に激高した炭治郎から愛刀を逃げる背後から投擲され、「
逃げるな卑怯者!!」と罵倒される。
結果として煉獄はすでに治療の見込みもない致命傷を負い、対して猗窩座は健在であったが、
一方で下弦の壱と上弦の参が現れながらも、煉獄の奮戦により無限列車の乗客はもちろん炭治郎も誰も死ぬことはなく、
猗窩座は試合に勝って勝負には負けた形だったのであり、
炭治郎はこのことを指摘して猗窩座を
自分の「敗け」から逃げた卑怯者と罵ったのである。
しかし猗窩座は、
炭治郎に内心ブチ切れつつも構うことなく心の中で自らを正当化しながら夜が明ける前に全速力で逃亡した。
「何を言ってるんだあのガキは 脳味噌が頭に詰まってないのか?」
「俺は鬼殺隊から逃げてるんじゃない 太陽から逃げてるんだ
それにもう勝負はついてるだろうが アイツは間もなく力尽きて死ぬ!!」
案の定、その事に加えて炭治郎達を仕留め損なった件を無惨に咎められ、「上弦の参も堕ちたものだな」とまで吐き捨てられてしまう。
自身のプライドをズタズタにされた猗窩座は完全に激昂。投げつけられた日輪刀を粉々にし炭治郎に報復を誓うのだった。
「貴様の顔…!! 覚えたぞ小僧
次会った時はお前の脳髄をぶちまけてやる!!!」
一方で、当の炭治郎は刀を紛失したことで彼の担当である刀鍛冶に殺意全開で追い回される(なお折った時もあったので二度目)のだがそれはまた別の話
しかし猗窩座の考え通り、ほどなく煉獄は残されたわずかな時間で遺言を述べて出血多量により絶命し、
炭治郎達に加勢すら叶わない己の未熟さを強く自覚させると同時に大きな喪失感を植え付けたが、
一方で煉獄から託された命と使命を決して無駄にしないように決意し、彼らを奮起させる出来事となった。
今まで戦った鬼とは格の違う強さと品性を印象付けた一方で、その後の無惨や同僚からの扱いに加え、
炭治郎の言葉を笑い飛ばせず結構堪えているような様子から、読者からは半ばネタ的な意味で同情されていたが、
後述する最終決戦において本人も鬼になった際に忘れていた過去が後に明かされたことで、
炭治郎の言葉が偶然にも古傷を直撃していたことが判明。本気で同情されることとなった。
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ネタバレ注意 |
きっと治す 助ける 守る
俺の人生は 妄言を吐き散らかすだけのくだらないものだった
元々は「狛治」という江戸時代の人間。
父は身体が病弱で伏せがちだった上、母も死別したのか自分達の元を離れたのか物心ついた時には既に居らず、
貧しく悲惨な家庭環境の中で父のために犯罪行為を行っては薬代を稼ぐ生活を送っていた。
狛治は父のためなら罪人になることも厭わなかったが、彼の父は家族思いの息子が自分のせいで罪を犯すことに心を痛め、
同時に息子にそんなことを強いる自分の病弱な身体を呪い、せめて狛治だけでも真っ当な生き方をさせたいとある日自決してしまった。
「貧乏人は生きることさえ許されねえのか 親父」
「こんな世の中は糞くらえだ どいつもこいつもくたばっちまえ」
狛治は荒れに荒れ、その上それまでの所業から死罪こそ免れたが所払い(追放)刑になり故郷を追われ
(狛治に刻まれた罪人の証の入れ墨は6本だが、当時の法律では普通なら前科4犯で死罪。これでも父の件で情状酌量が与えられたのだろう)、
生きる目的も見失ったまま喧嘩に明け暮れる日々を送っていたが、
そんなある日「慶蔵」という男に出会い、八つ当たり同然に挑むも叩き伏せられる。
慶蔵は素手の武術「素流」の達人であったが貧乏で、生活費を稼ぐために家を空けがちな慶蔵は、
看護疲れにより自殺した妻の代わりに娘である恋雪の世話をしてほしいと狛治に頼む。
狛治は罪人である自分を信用する慶蔵を最初は訝しむも、病弱な少女に亡き父親の面影を見て、
慶蔵の弟子として鍛錬しながら住み込みで恋雪の世話をするようになる。
そして三年が経ち狛治が18歳、恋雪が16歳になる頃には、彼の献身的な看病の甲斐もあって恋雪は大幅に回復していた。
そんなある日、狛治は彼と恋雪の仲を見た慶蔵から「恋雪と結婚して道場を継いでほしい」と持ちかけられ、
前科持ちである自分でよいのかと戸惑うも、恋雪からも嘆願され、誰よりも強くなって一生彼女を守ると誓う。
「私は狛治さんがいいんです 私と夫婦になってくれますか?」
「はい 俺は誰よりも強くなって 一生あなたを守ります」
苦難ばかりの人生を過ごしていた狛治だったが、ようやく真っ当な幸せを手に入れた……かと思われた。
だが悲劇は突如として訪れた。
亡き父親の墓前に祝言を上げるというめでたい報告をしに行って帰った狛治を待っていたのは、物言わぬ死体となった慶蔵と恋雪であった。
実は慶蔵の道場は、侍でもなく何の後ろ盾もない慶蔵がひょんなことで道場・土地を手に入れたことを逆恨みした隣の剣術道場から嫌がらせを受けていた。
また剣術道場の師範の息子は以前から恋雪に横恋慕しており、無理に連れ出して体調を悪化させたこともあった。
一度は剣術道場の師範が手出しをしないと誓っていたのだが、師範が亡くなり2人の結婚を聞いた跡取り息子が周囲の門下生から焚き付けられたこともあって、
戦っても勝てないからと道場の井戸に毒を仕込む暴挙に出たのだ。
しかし本命の標的であった狛治は犯行当日に遠出していたため難を逃れ、
代わりに慶蔵のみならず恋雪までも犠牲になってしまったのである。
さらに犯行現場をたまたま目撃した者がおり、狛治に露呈したのであった。
またしても大切な人を守れなかった狛治は修羅と化し、復讐心のまま剣術道場を襲撃し門下67名を素手で虐殺。
復讐を完遂した狛治だが、実父を失った穴を埋めてくれた恩人と愛する者までも同時に喪った事で呆然自失となり、
全身を返り血で染めたまま宛も無く夜の街を徘徊していた。
そんな時狛治が出会ったのは、道場襲撃事件を発端に「鬼が出た」という噂を耳にして興味を持った鬼舞辻無惨であった。
自暴自棄となっていた狛治は反射的に彼を殺そうとするも、次の瞬間には無惨の手刀で顔を貫かれ、血を大量に注ぎ込まれてしまう。
果たしてこの大量の血に耐えられるかと邪悪な笑みを浮かべる無惨だったが、
幸せになろうとした矢先にまたもや全てを失い生きる事そのものに価値と意味を無くした狛治にはどうでもいい事だった。
「もう…どうでもいい…全て…が…」
かくして狛治は大量の血に適合し、彼の生来の身体能力と恋雪への「誰よりも強くなる」という誓いのみを妄執として備えた「猗窩座」が誕生したのである。
無限城編の激闘の中で「透き通る世界」に至り、戦気や感情が一瞬だけ完全に喪失した炭治郎を感知できず、
頚を切断されてなお下の身体のみで活動を再開して頚を再生させ始めるという、先の領域に進化しかけるも、
炭治郎を気絶させトドメを刺さんとする自分を食い止めようとする冨岡の姿に既視感を抱き、
さらに死してなおあの世へ行かず「狛治」の傍にいた恋雪の魂の声が届いたのをきっかけに、
失っていた鬼となる前の記憶をフラッシュバックさせる。
しかし時間が経ち過ぎて彼にとっては今更な話で、不完全に再生する身体で八つ当たりも同然に冨岡と炭治郎にトドメを刺そうとするも、
寸前で目を覚ました炭治郎から目覚めた直後で力が入らなかったため刀がすっぽ抜けてしまったため苦し紛れの拳を受ける。
かつて慶蔵に殴られた時のように。それは軽症にもならない弱い一撃だったが、「狛治」にとっては決して小さな一撃ではなく、
それを機に彼はかつて慶蔵から与えられた言葉と本当に嫌っていたものを思い出し、奥義である滅式を己自身に打ち込んだ。
「弱い奴は嫌い」と散々言っていた猗窩座だが、振り返ってみると自分自身を強者と称することは一度もなかった。
彼が本当に嫌っていた弱者とは、大事な時に戦えず、弱い卑怯者達から誰一人守れず、何も救えず、自分一人だけ生き残り、
師範から受け継いだ武術を血で汚し、親父の遺言を守ることなく、恩人や愛する者の遺志を尊重することもなく、
一時の激情により安直な復讐で苦しみから逃げた卑怯者の自分自身であったのだ。
しかし、決着はついたという「狛治」の意思に反して、「猗窩座」としての身体は再生して行く。
「狛治」はそれを拒否し、自身の敗北を認めて地獄へ行くことを望み、この世とあの世の狭間で父親と慶蔵に再会。
己の不出来を二人に謝罪し、彼らもそんな「狛治」を責めることなかったが、次の瞬間に無惨の呪縛が「狛治」を「猗窩座」に戻そうとする。
だが、その前に現れたのは、妻となるはずだった恋雪。
最愛の人を目にした猗窩座の瞳からは涙が滂沱として溢れ出し、無惨の呪縛を自ら断ち切った。
その後も無惨の声は聴こえていたがもう狛治に届くことはなく、人間の姿に戻ると子供のように恋雪に抱き着いて泣きじゃくりあの日守れなかったことを謝罪。
恋雪もまた元の狛治へと戻った事に歓喜の涙を溢しながら彼を優しく抱き留める。
そして狛治の魂は地獄に送られ、本来は天国に行けた恋雪、慶蔵、狛治の父もまたそれに同行。
「ごめん! ごめん! 守れなくてごめん!! 大事な時傍にいなくてごめん!!
約束を 何一つ守れなかった…!!! 許してくれ! 俺を許してくれ!
頼む 許してくれ…!!!」
「私たちのことを思い出してくれて良かった 元の狛治さんに戻ってくれて良かった…」
「おかえりなさい "あなた"…」
それに伴いまるで誰かを抱擁するような姿勢の「猗窩座」の肉体もまた再生を止め、呆気にとられる炭治郎と冨岡の前で崩壊した。
炭治郎達は彼の過去もこれらの魂のやり取りも知る由もなかったが、炭治郎の嗅覚は感謝の匂いを感じ取り、
死す前に猗窩座が浮かべた感謝を伝えるような優しい微笑みが嘘ではないことを察して当惑したのだった。
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戦闘能力 |
主に徒手空拳を主体とした戦闘スタイルを取る。
シンプルな戦闘スタイルな分欠点らしい欠点がなく、超常的生物である鬼の身体能力と戦闘技量も相まって、
鬼殺隊の柱ですら真っ向からの戦いでは圧倒される程の戦闘力を持つ。
肉体の再生速度も下位の鬼とは比べ物にならない程強力で、切断されてもその部位が瞬きの速度で元通りになる。
このため、肉体の一部を欠損させて動きを阻害して隙を作ることすら不可能。
血鬼術「破壊殺」(はかいさつ)は自身の足元に「壱~拾」までの数字が描かれた雪の結晶のような陣を出現させる。
人間が持つ闘う意思(闘気)を感知する効果があり、視覚外の対象の動きすら正確に読み取れる。
これにより、「無限列車編」では煉獄に加勢しようとした 嘴平伊之助がどこから斬りかかっても確実にやられる事を肌で感じ取り加勢を断念。
後に、この伊之助の体質が「破壊殺」ひいては猗窩座攻略の鍵となった。
「無限城編」では 冨岡義勇が速く正確な攻撃で隙をついてカウンター攻撃を仕掛けても、
更に速く正確な攻撃で迎撃して決定打を与えることができなかった。
オートで迎撃する効果は無くあくまで闘気を感知するための能力であり、迎撃・防御は純粋に猗窩座の技量に依存している。
また、身体能力強化の効果も付随しているらしく、発動時のみ 拳闘から衝撃波を放つ遠距離攻撃を使用している。
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余談であるが、モバイルゲーム『
実況パワフルプロ野球』の鬼滅コラボにおいて実装された煉獄杏寿郎はレアな特殊能力「ささやき破り」を保持していた。
逆説的に猗窩座の「お前も鬼にならないか?」は特殊能力「
ささやき戦術」という事に。
MUGENにおける猗窩座
Luciano Machado氏の製作した、『
JUS』風
ドットを用いた
MUGEN1.0以降専用の
ちびキャラが存在する。
無惨を除けば鬼の中で初めてMUGEN入りしたキャラである。
通常攻撃は突進技や
コンボ性能が優秀で、ほとんどが近接戦に特化しているが、
衝撃波を放つ
ゲージ技も存在しており、ちびキャラながらリーチは比較的優秀。
AIもデフォルトで搭載されている。
「さあ始めようか 宴の時間だ」
出場大会
*1
十二鬼月は無惨の許可さえあればテレパシーの様な形で自分より下位の鬼の思考に介入して話しかける事ができる。
最終更新:2026年06月24日 20:31