「見せてもらおうか、新しい『ガンダム』の性能とやらを!」
- 型式番号:MSN-06S
- 全高:22.6m
- 本体重量:25.2t
- 全備重量:56.9t
- 出力:3,240kW
- 推力:128,600kg
- センサー有効半径:23,600m
- 装甲材質:ガンダリウム合金
アニメ『
機動戦士ガンダム』の後年の世界を舞台とした小説作品およびアニメ作品、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS(モビルスーツ)。
地球連邦宇宙軍再編計画の一部である「UC計画」のフラッグシップ機としてアナハイム・エレクトロニクス社が開発していた「
ユニコーンガンダム」だが、
その要求された異常に高い性能や秘匿性から、実際の開発までには多数の試作実験機が開発されていた。
シナンジュもそのうちの一機で、「内蔵されたサイコフレームの強度・追従性をテストするための機体」であったとされる。
言い換えるならば、この機体は「サイコフレームの限界を調べるだけの機体」であり、「使い捨て」の機体と言ってもいい。
上記の通り、ユニコーンガンダムは本機体で検証されたデータを元に開発されたため、
ユニコーンやその2号機であるバンシィの「兄」機体とも言える。
或いは「ユニコーンを
Ζガンダムに置き換えた場合の百式ポジション」か。
U.C.0094年、ユニコーンの設計の完成に伴い、シナンジュを含めた試作機や装備品は、
その役割を終えてアナハイム社のフォン・ブラウンから貨物船団で同社のグラナダ工場へと輸送されていた。
しかしそれらはネオ・ジオン残党軍により襲撃・強奪され、追撃した連邦軍部隊も全滅する事態となった。
この事件の首謀者は「シャアの再来」と呼ばれる仮面の男
フル・フロンタル(CV:
池田秀一
)であるとされており、
その後シナンジュは真紅に染め上げた装甲、猛禽類の羽のような大型フレキシブルスラスター、組織の象徴たる金色のエングレービングを施され、
ネオジオン残党軍「袖付き」のフラッグシップ機、かつフロンタルの乗機として再び連邦の前に姿を現わした。
しかしながら、件の強奪事件そのものがアナハイム側と袖付き側との密約に基づく譲渡であったとされており、同様の事例として、
U.C.0083にガンダム試作4号機ガーベラがアナハイム社からガーベラ・テトラとしてデラーズ・フリートに譲渡されている。
その際、ガーベラは出自を秘匿する為に外装や武装等をガンダムのそれからジオン系統のデザインの物に変更されているが、
シナンジュの場合は開発当初からジオン系統寄りのデザインとなっている上、型番から分かる通り、
本機は
ジオング、ヤクト・ドーガ、
サザビーに連なるジオン系ニュータイプ専用機として開発されていた。
地球連邦宇宙軍所属のクラップ級巡洋艦ウンカイで輸送中に強奪され、改修がなされる前の原型機は白or灰色を基調としたカラーリングとなっており、
当時の開発コードは「スタイン01」。スタイン(Stein)とは「原石」を意味し、
後にこの仕様はシナンジュの“原石”であるという事で「シナンジュ・スタイン」と呼称されるようになった。
また、OVA版での初戦闘の際、アルベルト・ビストが提供したシナンジュの参考データの中には、袖付きに改修された後の姿はもとより、
原型であるスタインとも異なる外観データが確認できるが、これは恐らく「改修された場合の想像図」かと思われる。
シナンジュの名には(ジオン系MSにはよくあるように)特に意味は無いとされているが、
映画『レモ/第1の挑戦』に登場する架空の古武術に由来するとも言われる。
装備しているビームアックスはサザビーのビームトマホーク同様、サーベルと斧の両方の使い方が出来、
更に変形させる事でビームナギナタとしても使えるという多機能ぶり。
持っているビームライフルも長射程の狙撃が可能で、グレネードランチャーをマウントする事も出来る。
以上のことから実質、
「ファンネルの無いνガンダム(もしくはサザビー)」とも言える高性能機である
(この頃にはファンネル対策が進んで操縦者への負担の割に効果が上げづらく、挙句ユニコーンなど
サイコミュ兵器をジャックして来るため、
ファンネル使用ハイエンド機の
クシャトリヤがほぼ噛ませ犬の有様。装備からファンネルが外れるのも時代の流れであろう)。
この機体だけでも過渡期の試作機とは思えぬ性能を持つが、更に全長100mもの巨大な外殻(ハル)ユニットとドッキングする事で、
強大な力を持つ巨大MA「ネオ・ジオング」となる機能も備えている。
シャアザクでありシャアゲルググでありジオングであり百式でありサザビーでもあるとか、シャアの亡霊欲張りセットが過ぎる
ハルユニット自体も有線サイコミュ兵器を含む無数の武装の塊だが、その最大の力は背部ユニットからサイコフレームの疑似結晶、
「サイコシャード」を光背のごとく発生させ、シナンジュのサイコフレームのオカルトじみた機能を際限なく拡張する事にある。
操縦者のエゴのまま無限の力を振り撒くその姿は
銀河切り裂く血塗られた巨神を彷彿とさせる。
六つの巨腕に禍々しき光背を背負い、正道行く者に生の虚無と死の闇黒を説くその威光はほとんどブッダであり反ブッダ
そのプラモは
1/144スケールでも全高1m近い威容を誇り、GP03デンドロビウムに次ぐお家に置くハードルの高すぎるデカブツとして名高い。
BB戦士だと組みやすいのもデンドロビウムと同じ(それでも1/100スケールのプラモくらいのサイズはあるが)。
BB戦士版はそのサイズから他のBB戦士や小さめのフィギュアなどを乗せられる点もデンドロビウムと同じである
ちなみにネオ・ジオングは小説版には登場しておらず、OVA版で初登場している。
後に小説版と繋がるネオ・ジオングが登場するエピソードとして「不死鳥狩り」が作成され、
これをOVA版から繋がる映像作品として再構築して製作されたのが後述の『ガンダムNT』である。
『ラスト・サン』は(フェネクス絡みで)犠牲となったのだ…
「撃っちゃうんだなぁ、これがあ!」
- 型式番号:MSN-06-S2
- 全高:25.2m
- 総重量:54.2t
- ジェネレーター出力:3,240kw
- スラスター総推力:128,600kg
- 材質:ガンダリウム合金
- 装備:ビーム・サーベル、ハイ・ビーム・ライフル、65mmバルカン砲、グレネード・ランチャー、バズーカ、シールド
(HGUC 1/144 シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.) 説明書より引用・改変)
『ガンダムUC』直後に起こった3機目のユニコーン「フェネクス」を巡る事件を描く『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』では、
ジオン共和国軍が「袖付き」残党の仕業に見せかけるための擬装を施したシナンジュ・スタインが登場した。
各部の形状は地球連邦軍の機体のように直線的であり、特に白いカラーリングと顔のデザイン等から「ガンダム」を想起させる外見となっている。
本機用の頭部ブレードアンテナも開発中だったのだが、最終的に装備されることは無かった。
なお、こちらの作品でもハルユニットの予備機を引っ張り出してII(セカンド)ネオ・ジオングとなっており、
最後はビスト神拳で割とあっさり破壊された先代よりも、むしろ相手が弱い分伸び伸びと大暴れしている。
パイロットは共和国軍所属の強化人間だが、「失敗作」の烙印を押されていた
ゾルタン・アッカネン(CV:
梅原裕一郎
)。
癇癪持ちで味方相手にもギスギスを振り撒き、コロニー内では御法度のビーム兵器を躊躇なく発砲するなど紛れもない狂人だが、
「赤い彗星の再来」候補の出来損ないとして冷遇されてきた彼が「俺を見ろ!」と暴れる姿は、悪役にも拘らず憎み切れぬ人間味があり、
小形尚弘監督からも
「頭の中に小学五年生がいる」「スタッフのお気に入り」などと言及されている。
挙句YouTubeの「ガンダムチャンネル」で公開された動画『ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!』のナレーターを務めた
本作は相手側も非ニュータイプの主人公が乗るνガンダムのサイコフレーム試験に使われた試作機「ナラティブガンダム」であり、
半端者同士が互いの背負った宿命に導かれ、「本物のニュータイプ」を巡ってもがき足掻く物語である。
『UC』にてシナンジュの設定が公開された当初は、
『ガンダム・センチネル』にて「サイコ・フレーム試験機」とだけ設定されたμガンダムと結び付けられたりもしていたが、
ナラティブガンダムもまたμガンダムとの関係が示唆されており、因縁の対決とも言える。
そんな物語を表すように登場人物達が縺れ合うキービジュアルは、
『ジョジョ』の単行本の表紙絵「
ナラティブ組体操
」などと評された。
余談ながら、ナラティブガンダムはせいぜい中の上程度の腕と言われた操縦者の投影のように中途半端な性能で、外観も「痩せっぽち」と言われ、
劇中では(主人公側の問題もあって)敵機をただの一機も撃墜出来なかったにも関わらず、装備換装をした全形態で見せ場があり、
最後は身を挺して主人公をヒロインに送り届けた事から「忠臣」「生き様がカッコ良かったガンダム」「タイトルを背負うに相応しい主人公機」
などと評する声がある。
+
|
SDガンダムシリーズでは |
『新約SDガンダム外伝 救世騎士伝承』に 深紅騎士シナンジュとして登場。
ブリティス国王キングガンダムIII世に仕える円卓の騎士の一人。
専用機兵の 将機兵エクリプス・プロヴィデンを所持。
第3章でIII世の皇子2人が聖杯を入手するため冥府を訪れた際、冥府を治める妖精女王 ディアナに仕える 純白騎士シナンジュ・スタインが登場。
こちらが生前III世に仕えていた本物のシナンジュで、地上にいる深紅騎士はシナンジュそっくりに化けた偽物だったことが判明した。
第4章では第一皇子である 皇騎士フリーダムガンダムがキングガンダムIV世として即位する戴冠式の最中、
深紅騎士と共に行方をくらませていた機兵のエクリプス・プロヴィデンが自動操縦でブリティス城に自爆特攻を仕掛け、
混乱の中で深紅騎士は聖杯を使って冥府の門を開いた後、正体を現す。
深紅騎士の正体は、かつてアルガス騎士団に倒された騎士バウが力を得て蘇ったシナンジュ・リバウンド(モチーフはリバウ)だった。
冥府の底からジオン族の無数の死者が湧き出すが、妖精女王が派遣した死者達も冥府の門を通って救援に駆け付ける。
シナンジュ・リバウンドはIV世と純白騎士シナンジュ・スタインに討ち取られたものの、闇の皇帝ジークジオンの魂がジオン族の怨念を取り込み、
シナンジュ・リバウンドを器に「炎獄皇帝ジークジオン・イグニス」(モチーフはネオ・ジオング)となって復活した。
『SDガンダム アルティメットバトル』では漆黒武者 頑駄無獅難鷲が登場。
名前の通りシナンジュ・スタインを元にしたガンダム顔。 SD戦国伝ワールド出身。
自分ではなく戦友の 破殺駆が頑駄無一族でもないのに頑駄無大将軍として選ばれたことにショックを受け、
闇の権化に魂を取り込まれて暗黒の化身と化してしまった。
さらに 時空を超えたりカードを使って召喚した歴代キャラを使役できるアカシックヴァインダーを入手。
神が不在であった『 SDガンダム外伝 伝説の巨人』時点のスダ・ドアカワールドを支配しようと襲撃したが、
同じくアカシックヴァインダーを所有して時空を駆ける 騎士ユニコーンガンダムが世界を守るために現れ、
互いが召喚した軍勢によるSDガンダムキャラ同士の 大戦が勃発した。
しかし、騎士ユニコーンガンダムにはSD戦国伝ワールドの別の闇の権化・赤魔神シャンブロが寄生しており、
獅難鷲のアカシックヴァインダーを得ることでパワーアップしてスダ・ドアカワールドを支配しようと密かに企んでいたのだった。 勝手に戦え!
|
MUGENにおけるシナンジュ
数々のガンダム機体を手掛けたSTG氏による、『第3次スパロボZ』以降のグラフィックを用いて製作されたものが存在。
イントロでは
リゼルを撃破して登場する。
見た目こそ『スパロボ』
ドットであるものの、
実際には様々なガンダムゲームを参考にしている。
通常技は『バトルオペレーション2』のビームサーベルのモーションであり、
他にも地上投げ技が『ガンダム無双シリーズ』、
必殺技のほとんどが下記の『EXTREAM VS.』ベースとなっている。
超必殺技に至っては、1
ゲージ技のビームサーベルコンボとビームライフル連射は『Gジェネレーションオーバーワールド』、
2ゲージ技のビームライフル&バズーカは『第3次スパロボZ』の時獄篇と天獄篇の演出を合体させたものであるなど、
氏の過去作である
ナイチンゲール同様、ガンダム関連に精通しているからであろうこだわりが随所に見受けられる。
こういった再現のためか、実際には『スパロボ』で使用していないロケットバズーカやビームナギナタも実装されているものの、違和感無く溶け込んでいる
(そもそも上記GIFの
ニュートラルポーズ自体、『スパロボ』に存在しないモーションである)。
『EXTREME VS.』の虹ステ(「虹ステップ」の略。格闘攻撃をステップでキャンセルするテクニックの事)も使用可能な他、
ライフが一定以下かつ3ゲージある時に一撃技であるネオジオングが使用可能になり、使用後は
一定時間相手から受けるダメージを全て1にする(設定で変更可)。
これは原作OVAでもあった、
ユニコーンガンダムとバンシィノルンの武装を破壊したシーンを元にした効果であると思われる。
また、ネオジオング使用後は2ゲージ技のサイコフィールドが解禁。効果は使用時に回復に加えて、リジェネ効果が付与される。
使用後は赤黒いオーラが放出されるのだが、これらはなんと映像化されていない小説版の再現である。
AIは
狂ランク全般に対応したものがデフォルトで搭載済み。
同氏製作の他MS系と比較しても桁違いの機動力を活かし、ブーストやデブリ蹴りで距離を詰めつつ格闘でガンガン攻めてくる。
「ならば受けて立つまで、ガンダム!!!」
出場大会
最終更新:2024年10月17日 03:08