カエン


「ちょうこうねつの ほのおのあとには、はいも のこらんのだ。」

任天堂がファミコンで発売したロボット格闘ゲーム『ジョイメカファイト』の登場ロボット。
ワルロボとしてステージ4の8体の敵キャラクターのうちの1体として登場。
ステージ4のロボは全てイーロボ(プレイヤーキャラ)の上位互換版であり、カエンはホノオのアッパーキャラ。
倒しても仲間にはならないが、ハードモードをクリアするとSELECTボタンで対戦でも使えるようになる。

ホノオと同じく火の玉を模しているが、デフォルメが利いていたホノオに比べると彫りが深く写実的なデザインで、どことなく禍々しい雰囲気。
カラーも青基調になっている。
なお赤い炎の温度が約900℃なのに対して、青白い炎は約1400℃に達する。まさしく灰も残らぬ超高熱である
(ただし、炎の温度と色の関係が成立するのはや星の光、白熱灯、ローソクといった「輻射」という現象の時のみ。
 水銀灯やナトリウムランプのように成立しないケースもある)。
赤い機体よりも青い機体の方が優れているとは


原作での性能

性能は端的に言って非常に高水準。
ベースであるホノオからしてオールマイティなキャラだったのだが、
そこに火力・移動速度・技の判定発生など満遍なく強化を加えた結果、何をやらせても平均以上の超強キャラと化した。
火力面こそ(壊れキャラだらけのステージ4の基準では)そこそこといった具合だが、
強判定かつ隙が少なく取り回しやすい技を多数取り揃えており、移動速度もかなり速いため、とにかく立ち回りが強い。
双葉社の攻略本でも「各必殺技の若干の隙以外これといった弱点が無い」とお墨付きをもらっている。
というか、その「各必殺技の若干の隙」自体が非常に少ない事がカエンの強みでもあり、基本的に弱点らしい弱点は無いと言い切っていいレベル。
対人戦においてはほぼ不動の最強キャラであるホウオウ、どんな状況からでも永パで1ラウンド持っていくレオと共にこのゲームの3強を成している。
2022年現在では、立ち回り性能の高さとレインボータックルの無敵時間でホウオウクラッシュを比較的安全に迎撃できる事から、
なんとホウオウに対し有利が付くとまで言われている。
が、空中ホウオウクラッシュやフライングレオキックのような露骨な壊れ技は持っておらず、
あくまで立ち回りで勝負するタイプのキャラであるため、プレイヤーの側にも相応の腕がなければ真価を発揮するのは難しい。
立ち回り次第ではホウオウどころか格下相手に痛い目を見せられる事すらある。
一朝一夕で手軽に扱える最強キャラではないのだ。
また、その性質上立ち回りにおける不利を全部永パでどうにかしてしまうレオとは相性が悪い。
レオもホウオウに対しては不利であるため、3強同士で3すくみの関係になっている。

技性能解説

  • キョウパンチ(→+A 10POW)
発生が速く持続が長くダウンを奪うという至れり尽くせりの技で、牽制・迎撃に最適。
判定も強く、ダチョーンワイのそれにちょっと劣る程度のリーチを誇る上に対地対空のどちらもカバーでき、ちまちま振るだけで相手は迂闊に飛べなくなる。
通常技なので威力は低い……のだがダウンさせた後にジャンプキックをガードさせての当て投げを押し付けられるため、
実はヒットさせればそのまま最低23POW(=体力ゲージの1/4以上)は持っていける。
なお、ジャンプキックをガードしなかった場合永パに入って死ぬ

  • ジャンプパンチ(ジャンプ中にA 10POW)
体を「く」の字に曲げて拳を突き出すようなフォームのため、喰らい判定がかなり後ろに下がる。
その上発生も非常に早いため、空対空技としては抜群に強力。
ダウンは取れないが、その分後述の通り低速レインボーウェーブに繋がるなど連携に持ち込みやすいという利点もある。
空中ガードの無い『ジョイメカ』ではかなり凶悪。

  • レインボータックル(←↓→+AorB 18POW)
丸めた体を燃やしながら、緩く弧を描いて相手に襲いかかる突進技。
Bボタンで出すと高く短い軌道になる。
速度も威力もホノオより優れており、しかも出掛かりが無敵なので切り返しにも使える。
ぶっちゃけレインボーフレアよりも対空技してる。
そのうえ終わり際をガードさせれば(見極めが厳しいが)ガード中の相手に投げが確定。
ただし出掛かりの無敵時間以外は意外と判定負けしやすいため、雑な振り方をしていると結構痛い目に遭う。
様々な局面に対応できる万能技だが、ノーリスクで連発できるわけではない。

また、これを使ったお手軽な永パが存在するのもカエンの強みの一つ。
レインボータックルまたは至近距離からのジャンプキックでダウンを取った後、
「歩いて少し前進して敵の背面を取る→起き上がりにレインボータックルの出掛かりを重ねる×n」で相手は死ぬ
流石に空中ホウオウクラッシュやレオのニーめくりのようにどんな状況からでも決まってしまうわけではないが、
一度ピヨらせてしまえばほぼ確定で、安定感もあるので強力。

  • セオイスープレックス(相手の近くで→or←+A 13POW)
相手を真上に持ち上げながら大ジャンプし、そのまま地面に向けて投げ付ける技。
性能はホノオのクウチュウセオイナゲと同じ。火力的にやや物足りないのが惜しいが、それでも投げ技は持っていないと困る。
カエンは意外と至近距離で安全に振れる技が少ないので、飛び道具が出ていない状況で間近に踏み込まれた時の選択肢としても重要。足も速いので決まりやすい。
このゲームに出てくる「スープレックス」はだいたいそうなのだが、この技の名前が一番おかしい。
本来スープレックスとは自分の背を反らせて、体の前に抱えた相手を後方に叩き付けてそのままピンフォールに持ち込む技である。
そのため相手を背負ってスープレックスを実行する事は姿勢上不可能である。
イーモン博士もワルナッチ博士も「相手を地面に叩き付けたらスープレックス」と誤解しているようだ……。

  • レインボーフレア(AB同時押し 18POW)
カエンの前後1キャラ分に炎の雨を降らせる。下から大量の火山弾が飛び出しているようにも見えるがそうではない。
例によって、ホノオのファイアーフレアより威力が高い。また、ガードさせると多段削りが発生して普通に当てるよりダメージを稼げる事がある。
しかし欠点もファイアーフレアと同様で、前後方向の攻撃判定が非常に弱く、無敵時間はあるものの判定の発生と同時に切れてしまうため判定負けしやすい。
硬直も非常に長く、万一外してしまうとかなりまずい状況になる。
そもそもの話、カエンには強パンチやジャンプパンチ、レインボータックル等対空の手段が山ほどあるため、
わざわざリスクを冒してまでこれを使う理由は基本的に無いというのが実情。
一応上方向に強い判定を活かしてワイコプターを落としたりはできる。

  • レインボーウェーブ(↓押しながらA 10POW)
飛び道具。威力こそ控えめだが発生前後の隙が極めて小さく、取り回しの良さでは群を抜く。その上打点が低く、攻撃判定も大きめ。
これで相手のジャンプを誘い、ジャンプパンチやタックルで落とすのがカエンの基本戦法。

このキャラに限った事ではないが、発射寸前に十字キー前or後押しで速度調節が可能。
特に低速版を軸にした立ち回りがいやらしく、飛んだところをジャンプパンチで落としてやれば落ちた所にこれが重なるし、
飛ばなかったら飛ばなかったで弾を盾にしながら距離を詰め、投げなどに繋げていく事ができる。
そこからの各種連携がまた強い。え、ガード? 投げられます
地味に見えてカエンの強さを支える重要な技の一つ。


MUGENにおけるカエン

yamabe氏および卵寒天氏によるものが存在し、現在ははいうぇい氏によって代理公開されている。
なお、非常に分かりづらい所にあるので「ジョイメカ」でサイト内を検索する事をお勧めする。

+ yamabe氏製作
  • yamabe氏製作
yamabe氏のカエンはホノオのコンパチキャラとして同梱されており、ディスプレイネームが「Blaze」となっているのが特徴。
必殺技のダメージやコマンドはもちろんの事、画面下の技名表示や喰らい無敵まで原作を忠実に再現。
AIもデフォルトで搭載されている。
yamabe氏製カエンの貴重な大会出演動画(14:55~)

+ 卵寒天氏製作
  • 卵寒天氏製作
氏の製作した他のジョイメカキャラと同様に現代風のアレンジが施されており、
ダッシュ・バックステップ・上下ガードの区別・空中ガード・キャンセルなどが可能となっている。
やられ中無敵は削除され、発生フレームもセオイスープレックス以外調整されている。
飛び道具のレインボーウェーブは波動拳コマンドに変更。ボタンチェンジで3段階のスピードに調整可能(発生10F・威力100)。
レインボーフレアは昇龍拳コマンドに(発生17F・ダメージ180・ガードの場合はダメージ10×9)。
レインボータックル竜巻旋風脚コマンドに変更(ダメージ180・約20Fの無敵あり)。
ただし、押すボタンで発生フレームが9もしくは20になるので使い分けよう。
セオイスープレックスの投げ範囲は前20ドット、後ろ22ドットである。

また、超必殺技としてレインボーウェーブを三つ同時に飛ばす「シンクウレインボーウェーブ」(威力は80×3・発生10F)が搭載されている。
真空なのにレインボー?……と思われるかもしれないが、別に全然どこもおかしくはない。*1
レインボーウェーブからキャンセルで繋げる事もできるが、硬直が長いので注意。

外部AIは乱入者氏によるものが存在。氏曰く「大会で使う場合はLv7を推奨します」との事。
詳細は氏のAIファイルのリドミを参照されたし。

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み


*1
現在の相対性理論学には「星虹」というものがあるのをご存じだろうか。
真空の宇宙空間でも、「光行差現象」と「ドップラー現象」による宇宙の虹があるという考えが一般的になっている。
ただし人間が星虹を観測する事は目のスペックの問題で極めて難しく、
仮に観測できたとしても、七色に見える状態で観測するのは非常に難しいという見解。
理論上では決して無視できない存在だが、人間の身体能力と技術的な問題で事実上観測不能なもの……とされている。


最終更新:2025年01月26日 09:58