「覇王! 翔 吼 拳 !」
旧SNK制作の『
龍虎の拳』シリーズに登場する格闘技の流派「極限流空手」の奥義の一つ。
主人公
リョウ・サカザキをはじめとした極限流一門が使用する、
両手から自身の身長と同じくらいの巨大な気の塊を相手に向けて撃ち出す飛び道具。
お覇王とも言われる。
初代『龍虎の拳』における幕間デモの名台詞、
「武器をもった奴が相手なら 『覇王翔吼拳』を使わざるを得ない」
でお馴染みのあの技である。
初代及び『2』のCPU戦では最初から使える訳ではなく、
「超必殺技伝授」という
ボーナスゲームをクリアする事で初めて使用が可能になる。
そういう意味でも特別な技であった。
必殺技を上回る「
超必殺技」というシステムを初めて打ち出したゲームは『
龍虎の拳』であり、
やはり同作で登場した超必殺技「
龍虎乱舞」が稼働当初は隠し要素であった事を考慮すれば、
この覇王翔吼拳こそが
対戦格闘ゲーム史上初の「超必殺技」であると言わざるを得ない。
その
コマンド「→←↙↓↘→+パンチ」も当時においてはインパクトのあるものであり、
以降は他のゲームでも超必殺技に準じる技のコマンドに採用され、
格ゲー界では「覇王翔吼拳コマンド」もしくは「覇王コマンド」として名を馳せる事となった。
『鉄拳』界隈ではジャイアントスイングコマンドとか言われたりするが
初代『龍虎の拳』では
ガードしていても弾かれてピヨる事すらある、「超」
必殺技というに相応しい、ブッ飛んだ性能であった。
正確には、龍虎の拳では一定値以上のダメージを受けるとダウンするようになっているのだが、
覇王翔吼拳は
削りだけでこの条件を満たすため、ガードしてもダウンするのである。
ただし、体力が減れば防御力が上がるため、瀕死になれば普通にガードできるようになる。
一応、龍虎のシステムでは
飛び道具に通常攻撃を当てると打ち消せるので、タイミングよく弱攻撃を出す事で無効化する事も出来なくはなかったが、
弾速が尋常ではなく、失敗は死に直結するため、覇王翔吼拳を撃つ/撃たれるごとに緊張の一瞬が訪れる事となった。
Mr.カラテの
「覇王翔吼拳を会得せん限り、お前がわしを倒す事など出来ぬわ!」という台詞にはそれだけの重みがあったのである。
ただし、その代わり
発生は尋常じゃなく遅いため、適当に撃った所で当たってもらえる事はまず無い。
ぶっちゃけ武器(銃)を持った相手では、技が出る前に蜂の巣にされそうである
近距離では撃つ前に潰されるし、遠距離なら相手もガードするなりジャンプするなり打ち消す覚悟を決めてみたり、
結果の如何はさておき対処する事自体は極めて容易。
そういった点を鑑みても、非常にハイリスク・ハイリターンなバクチ技と言える。
その後、『龍虎2』では若干発生が早くなったものの、
『龍虎外伝』ではまた遅くなった。
ミニゲームをクリアしなくても使えるようになったのは良いが、修行の成果が出てるんだか出てないんだかよく分からない流れである。
ちなみに『外伝』では「龍虎乱舞だけでなく覇王翔吼拳でも
アルティメットKOを決める事が出来る」という、
噂というか情報が雑誌に載ったりもしたが、
デマ、もしくは開発段階で無くなった。
というのも、『外伝』では「各キャラ1人につき超必殺技は1つのみ」という仕様により龍虎乱舞が超必殺技とされ、覇王翔吼拳は通常必殺技へ格下げとなった。
すごい漢の
下敷きで覇王翔吼拳が跳ね返せるようになったのもそれが理由である。
そのためどう頑張っても覇王翔吼拳では脱がせられない。どうしても脱がしたければ乱舞を使いましょう。
なおその後の『KOF'96』以降、逆に前作までその措置を受けていたのから一転し、超必に返り咲いた。
……が、
脱衣KO自体が削除されたのでやっぱり覇王翔吼拳では脱がせられない。
せっかく香澄も参戦してきたのに…脱衣KOが復活した『XIII』以降も復帰してないため、彼女を覇王翔吼拳で脱がすのは夢のまた夢である
最早ネタ込みでリョウの代名詞とすら言えるこの覇王翔吼拳であるが、
『KOF EX2』の隠しエンディングではリョウが覇王翔吼拳を連発するというおぞましい光景を見る事が出来る。
外伝でしかも隠しエンディングとはいえ本家がこれをやっちゃうのはすごいと言わざるを得ない。
ところで、リョウの父で極限流総帥たる
タクマ・サカザキが使用するのは
「覇王至高拳」である。
硬直時間がわずかに短く威力も高いなど、概ね翔吼拳の上位互換である。
『龍虎の拳2』では、気力MAXでしか出せないはずのこの技を、やはり気力MAXでしか出せない
龍虎乱舞のフィニッシュに使用し、格の違いを見せ付けている。
さらに『KOF』の龍虎乱舞MAX版のフィニッシュでは
三連発する。
後に『KOF2000』の龍虎チームEDでは、街を一つ壊滅させるだけの威力があるゼロ・キャノンを、
覇王至高拳で相殺するという人間離れにも程があるマネをやらかしている。
武器をもった奴相手どころか、
衛星兵器相手にまで
生身で対抗出来る事が証明されたのである。
『2002UM』では裏タクマにこれを元ネタとするMAX2
「覇王獅咬拳」が追加され、ついに極限流は
ごんぶとビームを放つ域にまで達した。
まぁ、
この時だけ本気になっているのだろうが…。本気になった際に
互角の人も素手で隕石粉砕してたし。
というかこの親父は本当に人間なんだろうか?
しかし『龍虎2』では、
空手を始めて1年足らずのユリ・サカザキまでもが覇王翔吼拳を習得していたりする。
作品によっては虎煌拳からの溜め撃ちで覇王翔吼拳に派生させることができたりする他、
男達が出来なかった空中から覇王翔吼拳を放つ
天翔覇王翔吼拳を編み出せたのは流石の応用力と言えよう。
でも流石に
龍虎乱舞は使えない…と思ってたら『2002UM』でついに習得してしまった。
まるで極限流奥義のバーゲンセールだな…
さて一方、リョウのパロディキャラである
ダンはこの技のパロディである
「我道翔吼拳」という技を使う。
射程距離は
我道拳並みの短さだが、攻撃範囲は
覇王翔吼拳並みの大きさ。
威力も中々高く、しかも超必殺技ではないので連発可能。意外と侮れない性能である。
そしてとうとう、『
スーパーストリートファイターⅣ』にて
ウルトラコンボと化した
「覇王我道拳」という技まで使い出した。
しかも今までやらかしていたのはSNKとのクロスオーバー時だけだったのがカプコン自身の手によって。
何故なら開発元のディンプスは旧SNKメンバーが中心だからである。
ただでさえ極限流化しまくっていたサイキョー流が、この技によってさらに極限流に近付いてしまった。
ただし、オリジナルと違って、この技を放ったダン自身も吹っ飛んでしまう。
続編の『ストV』ではVトリガーに降格となったが吹き飛ばなくなった。さらに
「使わざるを得ねぇ!」と叫ぶ。
絶対確信犯だと言わざるを得ない
ちなみに、
その彼の兄弟弟子が使う「
真空波動拳」も飛び道具系超必殺技として比較対象にされやすいが、
共演した『カプエス』においては、各レベル真空の方が覇王翔吼拳よりヒット数が1多いという設定になっており、
当然同じレベルで打ち合えば真空の方が1ヒット数抜けてくる。貫通力の真空と巨大さの覇王翔吼拳と言うべきか。
今は亡きデラックスボンボンでのコミカライズでは、リョウとロバートの合体技などこの漫画のみのバリエーションがいくつか登場する。
「覇王拳」は虎煌拳の空耳(もしくは誤植か設定を間違えている)疑惑があるが
ニコニコ動画における覇王翔吼拳
画像掲示板「ふたばちゃんねる」発祥のネタコラ「お覇王翔吼拳」をまとめた動画がこちら。
現在のところ第5集までアップロードされている。
ランキングでは過去最高5位にまで入った人気MADであり、おかげでリョウは『ニコニコRPG』にパーティキャラとして参戦を果たした。
覇王翔吼拳さまさまである。
2010年にはSNKeyによる恋愛ゲーム化が発表となった(違
とか言ってたら2019年に本当に恋愛ゲームが出たと言わざるを得ない |
こうした影響もあってか、MUGEN動画においても、極限流一門の挙動に対して「○○を得ない」というコメが大量発生する。
トドメ字幕でも「覇王翔吼拳」という技名ではなく「使わざるを得ない」と書かれる事が多い。
覇王翔吼拳はもっと評価されるべきと言わざるを得ない。
おまけ:武器をもった奴が相手なら 「覇王翔吼拳」を使わざるを得ない
こ れ は ひ ど い 。
最終更新:2024年04月18日 09:54