江戸時代後期において、肥後国(現在の熊本県)に出現したという妖怪。
「アマ
エビ」ではないので注意。
新聞の4コマ漫画ではアマビエがアマエビと間違って伝わった結果、オチで甘エビの買い占めが起こったという回もあったりするが
当時の瓦版(ページトップの画像)によれば、
夜ごとに海が発光する怪現象が起きたため、土地の役人が調査に赴いた所、「アマビエ」と名乗る謎の生物が出現した。
アマビエは「当年より6ヶ年の間は諸国で豊作が続く。しかし疫病も流行するので、私の姿を描き写した絵を人々に早々に見せよ」と予言めいた事を告げ、
そのまま海の中へと帰って行ったとされている。
アマビエの絵は当の役人がその場で描いたものを写したもの、とされており、姿に関する記述は他に無い。
「アマビエ」の記録は上記の1つのみであるが、「アマヒコ」あるいは「アマビコ」と読める妖怪が、
隣国の日向国(宮崎県)や越後国(新潟県)に出現した記録が残されており、やはり「豊作や疫病を予言する」などの共通の特徴を持つ。
そのため、民俗学者であり妖怪蒐集家の湯本豪一氏により、
「実はアマビコを
書き間違えたか
聞き間違えた結果、アマビエが生まれたんじゃないか?」という見解が述べられている。
また、湯本氏はアマビエの他に、「神社姫」「人魚」「件(くだん)」など、
類似した逸話を持つ「
予言する幻獣」を、「予言獣」または「予言と除災の幻獣」と名付けて分類している。
他にも、漫画家にして妖怪研究家であった水木しげる氏も、
時に不吉な予言をもたらすという西洋の人魚の伝承とアマビエの類似性を指摘しており、
「アマビエは西洋の人魚に近い種類」という見解を述べている。
一方で、西洋の人魚の予言の多くは不運の前兆のみであるのに対して、
アマビエは予言のみならず疫病への対策についても言及している点が、大きく異なる点だという。
水木御大の著書『日本妖怪大全』で「アマエビ」と思いっきり誤植されてるのは内緒だ!
なお氏の代表作たる『
ゲゲゲの鬼太郎』でもアニメ第5期にてレギュラーで登場している(声は
池澤春奈女史)。
元の伝承では色に関する言及が無かったが、こちらでは「高飛車で我が儘な自称アイドル」という設定のためか、
ピンクのロングヘアーという目立つデザインとなっている。
この他には『地獄先生ぬ~べ~ NEO』にも登場している。
こちらでは「自身の姿を見た人間に、自身の絵を描く事を迫るが、あまりに恐ろしい姿のために見た人間は恐怖で凍り付いてしまう」
という恐ろしい妖怪であり、悪行が祟って海岸に封印されていた所、封印が解けて子供達を襲う。
……が、恐怖に耐えて描き上げた郷子の
絵があまりに下手過ぎたため、呆れて海に帰ってしまった。
出現事例が上記の一件だけという事もあってか、『ゲゲゲの鬼太郎』(しかも第5期限定)でのレギュラー出演以外ではぶっちゃけマイナーな妖怪であったが、
2020年の新型コロナウィルスパンデミックの際に「疫病退散のご利益がある
*1アマビエ様の力を借りるために皆で描こう!」等の呼び掛けの下、
ツイッターなどのSNS上でプロ・アマ問わずアマビエを描いて投稿する「アマビエチャレンジ」により
空前のアマビエブームが到来。
一気にメジャー妖怪の仲間入りを果たした。今回のMUGEN入りも、そうした流れの一環と思われる。
MUGENにおけるアマビエ
飯場半氏による手描きのアマビエが公開中。サイズは
KFMの半分程度の
ちびキャラである。
氏曰く「MUGENではっちゃけてふざけたい」というコンセプトで製作されたのだそうな。
このキャラは妖怪拳法「水木拳」を用いて戦うという設定であり、徒手空拳の他に
ビームライフルやガンダムハンマーにミサイル、
あと何故か特撮ヒーローミラーマンの
必殺技を用いて戦うキャラとなっている。
……拳法ってなんだっけ?
超必殺技「アマビエ光線2020」では強力な光線を発射するが、頭身が小さいので空中の相手に当たりにくい。
また、
某救いのヒーローの
ボイスを発したかと思えば、上記ミラーマンの声で「スライサーV!」と叫んでみたりとカオス。
なんなんだこの妖怪。
AIは未搭載だが、IX氏による外部AIが公開されている。
ちびキャラ故に相性が出やすいが中々強く、隙の少ない飛び道具の「スライサーV」で牽制し、ゲージが溜まればアマビエ光線2020をぶっ放してくる。
2023年3月26日の更新では新たに「攻めスイッチ」が追加され、設定次第で積極的に近接戦を挑むようになった。
出場大会
*1
ただし「絵を見せよ」とは言ったが、見せたら
何が起きるかは(疫病が収まるとは)
言ってない、と言う指摘もある。
もしかして、予言が当たったら事を言い触らしてほしかっただけなのかも?
最終更新:2024年02月28日 23:50