スクウェア・エニックスとディズニーのコラボゲーム『
KINGDOM HEARTS』(以下『KH』)シリーズの登場人物であり、『KH』のラスボス。
担当声優は
大塚明夫
氏。海外版では
Richard Epcar
氏が担当している。
豪鬼の英語
音声の人と言えば伝わる方もいるだろうか。
英語表記は
「Ansem, Seeker of Darkness」。ちなみに「聖歌、賛美歌」を意味する方のアンセムは「An
th
em」なので「s」と「th」を間違えないよう注意。
当初、レオン(
スコール・レオンハート)達の故郷であるレイディアントガーデンで賢者として慕われる研究者として名前が登場。
ハートレスを研究していた人物として、レオンやユフィの口から名前が挙げられていた。
しかし、終盤で
世界にハートレスを蔓延させた元凶と発覚。
心の研究をしていたが、その過程で闇の狂気に取り憑かれて心の本質は闇という結論に至り、
エムブレムハートレスを人工的に作り出す機械を作り出し、レイディアントガーデンを壊滅させ、
果ては自らの意思でハートレス化し
*1、ハートレスを使役していた
マレフィセント達「ヴィランズ」の裏で暗躍。
ハートレスが奪った世界の心を集結させて作り出した「キングダムハーツ」で闇の世界を繋ぐ扉を開き、
全ての世界を闇に吞み込もうと画策していた。
ピュアブラッドのハートレスは「闇の回廊」と呼ばれるゲートを通じて光の世界に到来するのだが、
闇の回廊は強力なハートレスでもない限り短時間かつ小規模しか開けないため、到達できるハートレスには限りがある。
しかし、アンセムにより闇の扉が開かれた事で、大量のハートレスが自由に往来できる事態となった。
戦闘では闇属性のエネルギー弾を放って攻撃する他、背後にハートレスのような黒い影を顕現させて戦う。
この「影」だが、アンセム自身は冒頭画像のように腕組みしたまま飛び回るだけで攻撃や防御はもっぱら背後の影が行うので、
攻略本で「影」の仮称が与えられた後もプレイヤーからは
スタンドと呼ばれ続ける事になる。
そして『KHIII』になって判明した正式名称は
「うしろの人」。様々な意味で衝撃的な事実だが、
『KHIII』までずっと登場し続けてきたこいつの正体は結局不明なまま、『KH』から続いた物語は完結した。
うしろの人…一体何者なんだ…
ソラに敗れてアイデンティティが揺らいだ
リクの身体を乗っ取り、
さらにヴィランズが集めたカイリを除くセブンプリンセスの心で「人の心のキーブレード」を作り出し、
(不完全な鍵穴ではキーブレードで封印できないため)ソラがあえてカイリの心を解放した事で、
完成した鍵穴の力で世界の闇の中心で消えた世界の欠片で構成した「エンド・オブ・ザ・ワールド」を形成し、
目的の実現にあと一歩まで迫ったが、ソラ達との戦いの末に敗北。
ソラのキーブレードだけでは扉の封印はできないと嘲笑し、さらなる闇の力を求めて闇の扉に縋るが、
ソラの言葉に呼応するかのように扉から差し込んだ光を受けて消滅した。
アンセムの言葉通り、この闇の扉は内と外の両方から封印しなければならない代物であったが、
彼と同化していたため「扉の内側」に来ていたリクがソラと共に懸命に扉を閉じ、
さらに別の方法で闇の世界に来ていた
王様の助力もあり、
リクと王様を闇の世界に置き去りにするという代償にソラ達は辛くも闇の扉の封印に成功した
(劇中で言及されていないがアンセムレポートで闇の扉はハートレス達のような闇の存在しか通れない事が書かれているため、
アンセムと分離したリクや王様はどの道あの場で扉から脱出できなかった事が分かる)。
+
|
ネタバレ注意 |
実は彼はレイディアントガーデンを治めていた賢者アンセムとは別人。
本名は「ゼアノート」で、記憶を失い行き倒れていた所を本物の賢者アンセムに拾われて、
彼の弟子として勤めていたのだが、上記の通り闇に魅入られてしまい、師を追放しその名前を奪ったのであった。
このため、本物のアンセムと区別する意味も込めて「闇の探求者アンセム」の呼称が使用されている。
また、このゼアノートは正確にはゼアノートという人物が他人の身体を乗っ取った存在である。
この闇の探求者アンセムの元となった人物の設定は時系列が入り組んでいて非常にややこしいため、詳細は こちらを参照されたし。
+
|
以降の作品の活躍 |
『COM』ではリクの心の中に残った残滓が度々リクの身体を乗っ取ろうとしたが、
ナミネやディズの協力もあり、精神世界でリクに敗れて干渉を抑制されてしまう。
同じく闇に導かれた似た存在でありながら闇を拒むリクに疑問を投げかけるが、
闇を恐れない覚悟を決めたリクには「闇を拒んでいるのではなくアンセムが嫌いなだけ」と素気無く返された。
『II』ではディズの協力者として登場したが、
これは闇の探求者アンセムではなく、リクが変異した存在である。
上記のように『COM』にて自分の心の闇に巣食う残滓を抑える術を得たリクだったが、
ソラを救うべく戦ったロクサス相手に追い詰められ、自分が自分でなくなってもソラを救わんと、
ロクサスに勝つべく抑えていた闇の力を完全に開放したため、アンセムと化したのであった。
もう元には戻る事はできないとされていたのだが、
最終的に賢者アンセムの装置が原因で起きたキングダムハーツの暴発の影響で、
奇跡的にリクは元に戻る事ができた。
『3D』ではマスター・ゼアノートの力で時間移動した個体が真XIII機関の一員として呼び出されリクの前に現れる。
また、リクの心に閉じ込められた方のアンセムもまたリクの窮地に便乗して活性化した。
また、後ろの影が決戦後にリクとキーブレードを意味深に見つめながら消えるなど、意味深な描写も見られた。
『III』では過去から心だけ呼び出されて器のレプリカに移される形で再度登場。
キーブレード戦争の準備をする傍らで、かつて賢者アンセムが匿っていた少女「被験者X」の行方を捜索する任務を受けていた。
リクと王様が闇の海岸へ向かうより前に闇の海岸へ赴き、アクアを闇の海へ落として賢者アンセムを拉致。
被験者Xは古のキーブレード使いの疑いがあったのだが、ある日忽然と姿を消しており研究も中止され、
賢者アンセムが何かしら研究の末によからぬ事実に感付き彼女を隠したのではないかと問い詰めようとしたが
(結論から言えば賢者アンセムは彼女の失踪で研究の中止を決めたのであり、失踪には全く関与していなかった)、
賢者アンセムの研究施設があった幽霊屋敷にて本格的に尋問する目前にハイネ、ピンツ、オレットの横やりを受けて、
「おいおいおいおい 入って来るな!」という悪ガキの侵入に困る兄ちゃんのような元ラスボスらしからぬ反応で注意するが
(あまりにアンセムらしからぬギャップに収録現場のスタッフも爆笑したそうな)、
突如ダスクの群れが乱入したため、賢者アンセムを奪還されてしまう。
ダスクが邪魔をしたため、ノーバディを操れる存在=機関員に 裏切者がいると悟ったアンセムだが、
なんと特に対処も報告もせずに静観することを選択した。
実は表向きマスター・ゼアノートに従っていたものの、リクと長年対峙しては敗北を繰り返したことで光の強さを認め、
それ故に従来の闇の探求も計画の成就にも興味が無くなっており、最初から負けを悟った状態で最終決戦に挑み敗北。
自分とリクとの旅の終わりを惜しむような発言をしつつ、一同に旅を続けるようにと激励のような言葉を遺して消滅した。
|
|
原作中の性能
『KH』では合計3回戦闘を行う。
メニューを開けない上に途中でアンセム以外にダークサイドとの戦闘も挟むので嫌でも消耗戦を強いられるので注意。
ドナルド、グーフィーと共に3人で戦う。
近接戦では後ろの影の攻撃、遠距離では闇の刃を放つ
飛び道具を主に用いる。
最も厄介なのが「屈しよ!」のセリフと共に背後の影をソラに乗り移らせる「憑依」で、
これを受けるとソラは一時的に攻撃できなくなり(「たたかう」
コマンドが「フリーズ」に代わる)、
解除するまで逃げ回るしか打つ手が無くなる。
ソラ1人で戦うため仲間のサポートを受けられず、
さらに1回戦目の技に加えて足元に衝撃波を放つ攻撃や連続突進攻撃を使用するため、難易度が上がっている。
巨大化した上に後ろの影を肥大化させた戦艦のような異形の怪物を顕現・同化した形態。
ソラが飛び回り、部位破壊を繰り返しながら最終的にアンセム本体を倒す戦いとなっている。
特筆すべきはその部位破壊込みの戦闘回数で、
- ソラ1人でアンセム本体と戦闘し、倒すとアンセム本体がバリアを張り防御に徹する
- 闇の穴に向かい大量のシャドウ(雑魚敵)を全滅させてコア(1)を破壊
- 大小8つの砲台を破壊して障壁を解除
- グーフィーと合流し、大量のダークボール(中級敵)を全滅させてコア(2)を破壊
- 意思を持った艦首「フェイス」を戦闘の末に破壊
- ドナルドと合流し、大量のインビジブル(上級敵)を全滅させてコア(3)を破壊
- 無防備になったメインコアを破壊
- バリアを解除されて無防備になったアンセム相手に3人揃って最終決戦
という連戦に次ぐ連戦を繰り返す。
アンセム本体以外は強くはないが、途中でメニューから回復できず、
ダメージの蓄積やMP・アイテムの消費が加速度的に重なるバトルとなる。
近距離ではダブルセイバーを振るう「アンセム
乱舞」、
遠距離では「サンダー」や周囲を浮遊する闇の球体から発射する「ダークレーザー」を使用する。
また、「MP吸収」で定期的にこちらのMPを減らしてくるため、
MPは温存せずガンガン消費して攻撃にて再回収する戦い方が望ましい。
最終決戦では暗黒の球でソラ達を引き寄せて最終的に球を起爆させて大ダメージを与える「大いなる闇」を使用する。
MUGENにおける闇の探求者アンセム
テラ大地氏の製作したキャラが公開中。
ワープを備え、優秀な機動性を持つだけでなく、
「レーザー」「ダークブロウ」「ダークショット」などの広範囲攻撃を多数備え、
攻撃範囲に死角の無いキャラとなっている。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
*1
原則ハートレス化した者は人間時代の自我を失うが、アンセムは元の姿と自我を保ったままハートレス化している。
これは、自らの意思でハートレス化した者に限り、記憶や人格を保てるためである。
実際、同作でソラもカイリの心を解放する際に自分の意思で心を身体から捨てた際に、
姿はシャドウと化したものの、自我は辛うじて保てていた。
また、次作『KHII』でも『ライオン・キング』のスカーもアンセムに近い理屈で生前の姿のままハートレス化していた。
最終更新:2022年09月17日 03:53