「正義と愛が俺を動かすんだ」「どこかで聞いたような低級な劇画の台詞はやめてくれ」
「まぁ僕に任せてくださいよ、別にお金は戴きませんから」
「とっ捕まえて地獄の責め苦を味わわせてやる!」
「どんな強い力でも、人の熱い想いに敵う武器は無いんだ!!」
「妖怪は誰も支配しないし、支配されもしない!」
「開け、地獄の鍵よ!!」
「僕は……自分と異なる者を認められない奴が、大嫌いだ!!」
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担当声優・俳優(Wikipediaより引用・改変) |
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野沢雅子
- 1968年アニメ版、1971年アニメ版、ラジオドラマ版、『墓場鬼太郎』
- 『ゲゲゲの鬼太郎のオールナイトニッポン』『妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』『妖怪ウォッチ4』
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戸田恵子
- 1985年アニメ版、『妖怪軍団』『妖怪大戦争』『最強妖怪軍団!日本上陸!!』『激突!!異次元妖怪の大反乱』
- テレビCM『宝くじ ビンゴ5』
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松岡洋子
- 1996年アニメ版、『大海獣』『おばけナイター』『妖怪特急!まぼろしの汽車』『コピー妖怪対鬼太郎 不正商品には気をつけろ!』『鬼太郎の幽霊電車』
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高山みなみ
- 2007年アニメ版、JR境線鬼太郎列車アナウンス(初代)
- 『日本爆裂!!』『妖怪JAPANラリー3D』『妖怪大運動会』
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沢城みゆき
- 2018年アニメ版、JR境線鬼太郎列車アナウンス(2代目)、『ぷよぷよ!!クエスト』『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
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山本圭子
- 1985年アニメ版第62話(火車と入れ替わった鬼太郎)
-
かないみか
- 『水木しげるの妖怪画談』
- PS『ゲゲゲの鬼太郎』
-
青野武
- 1996年アニメ版第95話(釜鳴りが化けた鬼太郎)
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松本梨香
- 『逆襲!妖魔大血戦』『異聞妖怪奇譚』『危機一髪!妖怪列島』
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木内レイコ
- 2007年アニメ版第22話(釜鳴りが化けた鬼太郎)
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佐藤利奈
- 『パチンコ ブラック鬼太郎の野望』
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田村奈央
- 2018年アニメ版第90話(さざえ鬼が化けたG鬼太郎)
- 六浦誠
- 月曜ドラマランド版
- 和田求由
- 『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝 魔笛エロイムエッサイム』
- 渡辺典子
- 『奇想天外痛快爆笑劇 ゲゲゲの鬼太郎』
- ウエンツ瑛士
- 実写版映画2作
- 荒牧慶彦
- 舞台版2作
- 西畑大吾
- TVCM『レノア すすぎ消臭剤』
2025年のセレクション番組『私の愛した歴代ゲゲゲ』ではアニメ1期から6期の担当声優及び実写映画のウエンツ氏がセレクターの一員として名を連ねている。
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水木しげる氏の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』(旧題:『墓場の鬼太郎』)
*1の主人公。「きたろう」。
この世のどこにあるか誰も知らない不思議な森「ゲゲゲの森」に定住している事から
「ゲゲゲの鬼太郎」、
飄々としていながらどこか暗い影を背負った独特の雰囲気から
「墓場の鬼太郎」とも呼ばれる。
かつて地上を支配していた、限りなく妖怪に近い生物「幽霊族(または第一期人類・霊類とも)」の末裔にして最後の生き残りであり、
外見は少年。
目玉おやじを父に持つ。
長髪で左目を隠し、古めかしい学童服と縞模様の
ちゃんちゃんこを着て下駄を履いている。
学童服の素材は仙人の髭製で、百年経っても破れない。下着には天女の羽衣で出来ていると言われるシャツ、
目玉おやじが
桃太郎から貰ったと言われる
鬼のパンツを着用している。
左目は無く
隻眼であり、理由については、
- 「元々無いまま生まれた」
- 「生まれた時、投げ捨てられたことで墓石に目をぶつけて潰れてしまった」
と、媒体ごとに様々な描写があり、一定していない。
性格は基本的に温和。困っている人や妖怪を放っておけないお人好しな所があり、ねずみ男
と原作者にはしょっちゅう「正義病」「単純な子供」などと揶揄される。
また
美人の女性、特に年上の女性には弱く、それにより危険な目に遭った事例も少なくない。
両親は鬼太郎の生まれる前に死亡。だが親父は鬼太郎を残したまま死んでいられないという愛情と執念から、
自らの遺体の眼球に魂を宿らせて生き返り、「目玉おやじ」となった。
「鬼太郎の眼球に
乗り移ったのが目玉の親父」と勘違いされる事がしばしばあるが、これは誤り。
どの作品でも一貫して父親自身の眼球である。
原作漫画を参照すると、幽霊族の最後の末裔である両親は、この世の片隅で細々と暮らしていたが、
ある時夫(=後の目玉おやじ)、次いで妻の岩子が重い病にかかり、やむなく血液銀行に血液を売って食い繋いでいた。
ところが、その血を輸血された人々が、
死んでいるのに生きている状態になってしまい、「水木」という調査員が送り込まれる。
彼は鬼太郎の両親の説得を受け、その事実を隠匿する事を決心するも、やがて病によって両親が死亡。
哀れに思って墓場に埋めてやった所、なんと死んだ母親の胎から鬼太郎が生まれ、自力で土を掘って外に這い出てきた!
「この赤ん坊は幽霊の子だ。生かしておいたら、どんな恐ろしい事になるか……」
そう考え、思わず鬼太郎の首を絞めてしまったものの、どうしてもとどめを刺す事ができず、その場を逃げ出す水木。
しかし、再び自分の前に現れた鬼太郎を見た彼は可哀そうな事をしたと反省、自分で鬼太郎を育てる事を決意したのだが……。
水木の末路はこれまた媒体によって変わるが、最終的に鬼太郎は水木と別れ、日本各地を放浪しつつ妖怪や悪人などと戦い、やがてゲゲゲの森に落ち着く。
『その後のゲゲゲの鬼太郎』では日本から南方のとある島に移住し、
そこの酋長の娘と結婚。酋長の座を継ぐ。
一方、実話誌に連載された『続ゲゲゲの鬼太郎』では
高校生に成長し、「田中ゲタ吉」と名乗って生活。
TNKを紛失するなどのスケベなトラブルに巻き込まれたり、
相撲や野球に精を出したりしていたが、やがて
宇宙人の襲来を機に正義の味方に戻らざるを得なくなる。
戦闘能力はやはり媒体によって変化するものの、定番として上げられるのが、以下の三つ。
髪の毛を針に変えて撃ち出す「髪の毛針」、
下駄を飛ばして攻撃する「リモコン下駄」、
自由自在に変形し、相手を包み込んだりする「霊毛ちゃんちゃんこ」である。
このちゃんちゃんこは幽霊族の祖先が死に際に残す「霊毛」で編まれており、着用者が危機に陥った際には意思を持って動く。
また、アニメ3作目では筒状に丸めた先端から霊気を発射するバズーカとしても用いられた。
『続ゲゲゲの鬼太郎』では、鬼太郎の成長に合わせてなんと
編み直されてセーターになった。
なに?その後の展開で普通にちゃんちゃんこが出てきたって?聞こえんなぁ~
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その他の能力 |
髪の毛は伸縮自在。髪の毛針以外にも、相手を締め殺したり、持ち上げて地面に叩きつける「髪の毛投げ」に派生させられる。
髪の毛そのものを取り外して他者の頭に被せれば、その記憶を読む事も可能。
体内にある「妖怪原子炉」という器官をフル稼働させ、強力な熱や光線を放出する。
意図的に自身の手首を切り離して遠隔操作し、諜報活動やかく乱を行う。
この世の何物をも溶かす(ただし自身の胃とその中で飼っている蛇を除く)。
この他にも歯を弾丸代わりに撃ち出す「歯の機関銃」、更には「 鼻毛ミサイル」なる下品な技も持つ。全身武器の塊である。
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肉体の変形も思いのままで、球状やトランク状に変形して防御・奇襲を行い、
紙のようにペラペラになったり、カメレオンのように周囲の景色と同化して敵から身を隠す事も可能。
更なる奥の手として、体内に蓄積された毒素を加工して作った饅頭で相手を毒殺するという手段も使える。相手の血液や生体エネルギーを吸収する事も得意。
アニメ3作目と4作目では「妖怪
オカリナ」という鞭や剣に変形するアイテムを所持しており、
それが無くなったアニメ5作目では髪の毛を
地獄の炎や鋼鉄の針と化して攻撃する「地獄究極奥義」という能力を手に入れたが、
当の鬼太郎自身にも制御が難しいため、みだりに使う事は閻魔大王から禁じられている。
戦闘能力のみならず、虫や動物の言語が理解出来るためにそこから情報を集めたり、
髪の毛を使った「妖怪アンテナ(妖気計算髪)」による索敵能力など、様々な面で隙が無い。
そうした多芸な能力に加え、前述の通り実質的に不死とも言える生命力を誇り、
溶かされても潰されてもちゃんとした施設で時間をかければ元通りに蘇生する。
しかし最大の武器は、日本中の妖怪達との間に存在する、幅広い交友関係であろう。
まあ、基本的に妖怪はのんびりしてるし、戦闘能力など持ってさえいない奴らが多いのだけど。
というか、鬼太郎自身も普段はのんびりしており、かなり危機感が薄い。
上記のチートの塊とも言える能力を持ちながら、敵妖怪にあっさり負けてしまう事もザラ。
*2
その上、ねずみ男以外の相手の嘘を割とあっさり信じてしまい酷い目に遭う事も多い。
ある回では、目玉おやじも
「鬼太郎にねずみ男のずるさがあったら……」と、鬼太郎の善性を危惧する発言を残している。
今でこそ「
妖怪退治の正義の味方」としての知名度が高いが、貸本『墓場鬼太郎』と、それを少年誌仕様にリメイクした初期作品では、
むしろ
人間を生きたまま地獄に追放するなど、悪行も多く行っていた。
アニメではそういった面が薄まっていった辺り、
嵐を呼ぶ幼稚園児や
はだしでドラ猫を追いかける主婦、
かの名高き怪盗の孫と通じる部分がある。
それでも悪人や妖怪を軽んじる輩には容赦なく怖がらせたり見捨てたりと、妖怪らしいおっとろしいとこはきちんと描かれている。
「人間世界で生きていくのも、楽じゃねえな」
ただし、同じアニメでも深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された『墓場鬼太郎』では原作のシニカルな毒を前面に押し出していて、
従来のアニメ版とは一線を画している。
水木を地獄送りにした後に何やかやあって助け出し、その後も仕方なく彼と同居生活をしていたのだが、
原作ではそのままフェードアウトしてしまう水木への餞として、彼が水神に襲われて溶かされるのを見捨てるシーンが追加されたのだ。
「じゃ!」
「…僕は人間じゃありません……」
2018年から2020年まで放送されていた6作目においても、
「人間の屑」への容赦の無さがより強調されており、
6作目のトラウマ回
の数ある中の1つと言われる「幽霊電車」のエピソードにおいては、
自分の立場を鼻にかけ、社員達に対して理不尽なパワハラを行い死に追いやったブラック会社の社長を、
社員の亡霊達と共に精神的に追い詰め、そのまま地獄送りにした事も
(なお、↑のセリフは地獄へ行く事を拒み助けを求めた社長を見捨てる際に放ったものだが、
その際の表情は
ゴミを見るような目で社長を睨み付けている)。
*3
一方、鬼太郎は「水木」という人物に育てられ、人と妖怪の狭間に立って両者の関係を取り持つのは彼との約束があるからだと言う。
目玉おやじも「水木」と共に水神と対決した思い出話をしており、現在は故人らしいのだが、二人にとって重要な人物のようだ。
この「水木」がいかなる人物かということについては、本編ではそれ以上語られる事は無かったのだが……。
アニメ6作目の鬼太郎は「妖怪と人間は積極的に関わらない方がいい」という基本スタンスを持っており、
沢城女史の演技も相まってどこかダウナーな印象も感じさせる。
他にもねこ娘が長身のモデル体型だったり、そのねこ娘やねずみ男、砂かけ婆ら妖怪達がスマホを使う描写があるなど、何かと話題を呼んでいた。
この6作目の最終回から6年後を描いた物語、そしてその出来事の発端となる70年前に起きた惨劇、
その事件の中心にいた、死んで目玉おやじになる前の「鬼太郎の父親」と人間の青年「水木」の数奇な出会いと交流を、
目玉おやじの回想という形で描いた劇場作品『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は興行収入27億という鬼太郎映画の中でも屈指のヒット作となった。
本作は
終戦直後、
超人的な活力を与える血液製剤『M』の製法を求め哭倉村を訪れた青年「水木」が、
「ゲゲ郎」という愛称を付けられた幽霊族の男と共に、次々と繰り広げられる陰惨な殺人事件と幽霊族を巡る陰謀に挑む物語となっており、
アニメ6作目における鬼太郎の誕生の経緯と
生まれた時から左目を失っていた理由という「謎」が解き明かされていく……。
+
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ゲゲゲの謎(ネタバレ注意) |
哭倉村は村を牛耳る龍賀家一族により、幽霊族の生き血を搾り取って「M」を製造する祭祀場へと作り変えられていた。
これによって絶滅寸前にまで追い詰められた幽霊族は、恐るべき呪詛を蠢かせる怨念の塊に成り果てていたのである。
そしてその怨念を封じるため幽霊族の骸骨に打ち込まれた楔は、左の眼窩を貫通していた……。
村で起こった一連の殺人事件も、幽霊族の怨霊「狂骨」が憑依した人物が真犯人であり、
殺人事件の犠牲者が全員左目を貫通した状態で死んでいたのも、狂骨と真犯人の復讐対象となったため。
つまり鬼太郎の潰れた左眼、死体の潰された左眼が、真犯人は鬼太郎に繋がる幽霊族であるという伏線となっている。
本編のクライマックス、狂骨が溢れ出して直接・間接問わず関わっていた哭倉村の人々が虐殺されていく中、
「水木」との交流で人間に絶望しなかった 幽霊族の男は、狂骨達の怨念を受け止める事を決断する。
全てが終わった後、村で起こった一連の事件や親友となった幽霊族の男の存在など「この世ならざるもの」に関わった記憶を全て失い、
嵐の夜に自社の血液製剤に関わる用件である夫婦を訪ねた「水木」は、そこで化け物じみた夫婦の遺骸を発見する。
おぞましい姿に怯えながらも哀れに思った「水木」が亡骸を埋葬してやると、その墓場から地面を掘り返し左眼の潰れた子供が這い出てくる。
それこそが最後の幽霊族──ゲゲゲの鬼太郎、誕生の瞬間なのであった。
制作スタッフによれば、この時「水木」が哭倉村に赴かずとも、幽霊族の男によって事件は解決したとのこと。
しかしその場合、彼は人間を見限り、鬼太郎は両目が揃った状態で生まれながら「水木」に投げ捨てられて片目を失い、
結果ゲゲゲの鬼太郎は生まれず、「墓場鬼太郎」になるのだという。6作目の世界ならどっちも大して変わらない?気にするな!
なお、鬼太郎は映画冒頭で廃墟と化した村の跡地に向かう際に「お母さん…」と呟いていたが、
それはこんなおぞましい土地であっても鬼太郎にとっては生涯でただ一度、顔も覚えていない母と過ごせた思い入れのある場所のためである。
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なお、鬼太郎のルーツは戦前からある紙芝居『ハカバキタロー』で、当時は「奇」太郎だったらしい。
一人称はほぼ一貫して「僕」であるが、原作やアニメ2・3作目では時折「俺」「おいら」も使う。
実写映画版のみ、精神的に成熟した鬼太郎を表現するためか、例外的に全編「俺」が用いられている。
水木しげる氏の出身地である鳥取県境港市では、氏の作品をテーマにした観光名所「水木しげるロード」が有名であり、
鬼太郎をはじめとした多数の妖怪のオブジェ、絵タイル、モニュメントなどのコンテンツや、
「妖怪神社」「水木しげる記念館」などの施設が存在しており、町ぐるみで水木作品主体の観光業が行われている。
また境港市を走るJR境線では水木御大のイラストが車体にラッピングされ、
鬼太郎や目玉おやじ、ねこ娘が車内アナウンスを行う「鬼太郎列車」が運行されており、
沿線の駅にも「鬼太郎駅」「ねずみ男駅」などの「妖怪駅名」も付けられているなど、力の入ったPRがされている。
更にアニメ6作目ではこの境港市が舞台となるエピソードが数本作られ、本放送時には1ヶ月の間
鳥取県が番組のスポンサーとなったことも。
これらの試みは創作物のモデルとなった土地や作者の出身地の地域活性化「聖地巡礼」の先駆けとして知られており、
映画『妖怪大戦争』(2005年版)では境港市が物語における主な舞台となった他、
同じく鳥取出身で『名探偵コナン』の作者で知られる
青山剛昌氏を紹介する「青山剛昌ふるさと館」や、
ドラマ『西遊記』のロケ地として知られ、コスプレイベントの際に『
無双』シリーズや『
Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』などのファンが愛用する、
国内最大級の本格的中国庭園「燕趙園」と並び、コンテンツツーリズムによる県有数の観光地として広く知られている。
ゲームにおける鬼太郎
当然これだけの巨大コンテンツとなったため、ゲーム化作品も枚挙に暇がない。
ファミリーコンピューターが同時期に発売された事もあり、1985年放送のアニメ第3作はPC-88版アクションゲームの他、
FCでは『妖怪大魔境』、『妖怪軍団の挑戦』、本編の後日談としてSFC用『復活! 天魔大王』と、オーソドックスなアクションゲームが多数発売。
主役の鬼太郎が多くの特殊能力を有している事もあり、髪の毛針やリモコン下駄などを駆使してステージを突破したり、
道中で多くの仲間妖怪の手助けを得ながら事件を解決していくといった内容になっている。
その反動か、90年代のアニメ第4作目ではセガサターン用サウンドノベル『幻冬怪奇譚』、鬼太郎がきたら助けてくれる
花子さんとは大違いだPS用ホラーADV、
妖怪を仲間にして戦う
ポケモンマスターつーかモンスターマスターつーかGB用RPG『妖怪創造主現る!』などの変わり種が発売された。
PS版については
異様に雰囲気が恐ろしい作品となっている事で有名で、実際にストーリーも七不思議の徘徊する旧校舎や、
おぞましい因習に支配された洋館に閉じ込められ、鬼太郎の協力を得ながらどうにか脱出と生還を目指していく一方、
迂闊な事をすれば恐ろしいバッドエンドが待ち受けているという、キッズ向けの皮を被った本格ホラーである。
おかげでゲゲゲの森に迷い込んでひたすら妖怪達に悪戯しまくって鬼太郎に説教されてお家に帰る「ゲゲゲの森」編が異様に浮いてる
『妖怪創造主現る!』は
どう見てもポケモンだけど鬼太郎を筆頭に水木作品に登場する妖怪が大量に出演、そのほとんどを仲間にして使用できる点は特筆もの。
ストーリーも傲慢な人間と妖怪との対立、そして環境破壊によって生み出された未知の妖怪達と、鬼太郎らしさが踏襲されている。
難易度も
とりあえず鬼太郎さんに全て任せておけば問題なしという程度に抑えめのため、とっつきやすい良作となっている。
2000年代に入ると、アニメが一端空白期に入る中、「水木しげる生誕80周年」と銘打って、今度は原作漫画準拠のゲームが3作同日に発売された。
PS2では
スーパー妖怪大戦SLGの『異聞妖怪奇譚』、GBAとPSではアクションの『危機一髪!妖怪列島』および『逆襲!妖魔大血戦』と、
いずれも原作のユーモラスながらもおどろおどろしい雰囲気を踏襲した、
全部高難易度だけど鬼太郎ファンなら遊んで損の無いゲームとなっている。
『異聞妖怪奇譚』は
ウィンキーソフトまで関わってるからマジで『スパロボ』「向き」の概念があるため高い戦略性を要求されるSLGとなっており、
キャラ性能差が激しいこともあって難易度は高いものの、多くの原作キャラが登場し、原作らしさを踏襲したクオリティの高いオリジナルストーリーが展開される。
『妖怪列島』は各ステージを探索して攫われた仲間を助けつつ鬼太郎のレベルを上げていく、鬼太郎版の
探索型悪魔城ドラキュラといった塩梅の作品で、
ゲゲゲの謎鬼太郎誕生からゲゲゲの森に腰を据え、ねずみ男がうっかり蘇らせた
悪魔城妖怪城の討伐までを描く、とにかく原作愛に溢れている良作。
『妖魔大血戦』は単純な2D横スクロールアクションで、
鬼太郎が原作に出た全ての技を使用可能というのが最大の特徴。
おかげで操作が難しい
豪華声優陣フルボイスながらストーリー面は『異聞妖怪奇譚』と『妖怪列島』があるからと割り切っているせいか、三作品の中ではやや薄味なのが残念なものの、
極めて高いクオリティで原作の世界観を再現したビジュアル面に関しては、とにかく文句の付けようのない作品となっている。
00年代後半にアニメ第5作の放映が開始されると、今度はキッズ向けの方向性に舵が切られ、Wii用『妖怪大運動会』、DS用『妖怪大激戦』が発売。
その後はしばらくゲーム展開は途絶えてしまったのだが、2025年、アニメ6作目準拠のホラーゲームとして複数プラットフォームで『ノロイカゴ』が発売。
妖怪や悪霊の徘徊する閉鎖空間に閉じ込められたプレイヤー達が、鬼太郎からのヒントを頼りに脱出を目指して行動し、
無事に脱出条件を満たすと鬼太郎が来て助けてくれるやっぱり花子さんとは大違いだという海外向けを視野に入れた協力型ホラーになっている。
開発スタッフが3・4期世代で思い入れが深く、またPS版のホラー要素に強い影響を受けた事で、
「アニメ風だが単なるキャラゲーではなくきちんと怖い」を目指している。
……まあ脱出条件を満たせないと容赦無く妖怪に殺されてゲームオーバーなのもPS版同様なので、そこはどうにか工夫して頑張って頂きたい。
MUGENにおける鬼太郎
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某スレ民共同製作 |
某スレにおいて 射命丸文と 博麗霊夢の ドットを改変した鬼太郎が、Passer-by氏(或いは339氏ことSchmidt Hans氏)ら複数の製作者の手により作られている。
おそらくMUGEN動画で一番登場頻度の高い鬼太郎。
技は「ちゃんちゃんこ」や「リモコン下駄」など原作通りの技、さらに何故か 運送技や ジェノサイドカッターを使い、
ストライカーとして猫娘やぬりかべなどを呼ぶ。
髪の毛針のヒット数が異常に多い(軽く100ヒットを越える)が、連射しても原作の様に禿げたりはしないので安心である。
またアニメ1~5作目+ゲーム版を合わせた6種のボイスが搭載されており、
1作目ボイスだとストライカーは一反木綿しか呼べない変わりに攻撃力と防御力が1.5倍など、ボイス毎に若干の差異がある。
そのために 音声データだけでも容量が凄く重い。
また、 ろうそくのような専用のゲージがあり、この ろうそくの火が全部消えると 即死技が使えるようになる。
ただしこの即死技、 味方にも当たる。まあ、技名が「トラウマ行進曲」だし。
AIはデフォルトで搭載済み。「簡易的なもの」との事だがかなり強力なAIである。
さらに、別バージョンとして、 ヴァンパイア風システムの鬼太郎も存在。
上記の通常版とは異なり長袖なのが特徴で、 ニュートラルポーズや髪型など、ドットも大幅に描き換えられている。
性能面ではストライカーも一撃技も無い代わりに、ヴァンパイア特有のシステムが組み込まれている。
やはり強力なAIがデフォルトで搭載済み。
現在は双方共にPasser-by氏のOneDriveで公開されている。
前半がVP鬼太郎。ラストのタッグの片方が通常の鬼太郎
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この他に、がんま氏による6期の沢城みゆき女史に変えるボイスパッチも存在したが、現在は公開停止。
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登場妖怪解説 |
ストライカーや必殺技で登場する妖怪達。
ほとんどが3期アニメ準拠のデザインとなっており、中にはSFC用ソフト『復活!天魔大王』のドットを流用したものも。
水木しげる氏の漫画『悪魔くん(コミックボンボン版)』に登場する、悪魔くん=埋れ木真吾を支える十二使徒の1人・第1使徒。
稲妻電撃や 絶対零度など、多彩な技を持つ。 ラーメンが好物。
ちなみに『悪魔くん(コミックボンボン版)』からは ユルグがMUGEN入りしている。
水木しげる氏の漫画『河童の三平』に登場する 河童。人間の少年・三平と知り合い、様々な騒動を起こす。
名前はアニメ映画版のもので、原作では名前は無い。
『河童の三平』に登場する 狸。三平に何度もいたずらをして怒りを買っている。
名前はアニメ映画版のもので、原作では終始「タヌキ」呼ばわり。
『河童の三平』に登場する、ねずみ男的ポジションの小悪党。
ノルマに追われる苦労人で、成績を上げるために三平の祖父の魂を狙った。
後の水木作品にも同じ姿の死神が度々登場しており、『サラリーマン死神』では主役を務めている。
藤田和日郎氏の漫画『うしおととら』に登場する字伏。詳しくは項目を参照。
人間を喰らう 巨大な骸骨の妖怪。アニメ3・4作目では善良な妖怪として登場。
牛車の車輪の真ん中に厳つい男の顔が付いた妖怪。
廃坑に住み、口から吐く光線で人間をダイヤに変えて食べていた。
古寺を訪れる坊さんに問答を仕掛け、答えられないと食べてしまうという妖怪。
アニメでは3作目のEDにデカデカと登場するのが印象的だろう。
一人で夜道を歩いていると後ろから足音を響かせる姿の見えない妖怪。
「べとべとさん、先へお越し」と言うと消えるという。
伝承では人に痛みの無い傷を作ると言われるが、『鬼太郎』では妖怪城に住み吸引力で相手を捕らえる妖怪として登場。
壺の中に封印されていた餅のような妖怪。妖怪エネルギーを吸って活動し、人間の命令なら何でも聞く。
3・4作目では狸の妖怪という設定で、玉袋が弱点。
不幸な男に富を与える契約をするが、その娘が大人になったら食べようとする卑劣な性格の古狐。
アニメ5作目ではコミカルな興行師、6作目では娘を護る義理堅い性格になっている。
雪女、 雪男とともに北海道の人間を凍らせ魂をアイスキャンディーにして食べていた子供の妖怪。
田んぼに住む大人しい妖怪だが、土地開発のため田んぼが潰された事に怒り、「田を返せ!」と叫びながら熱い泥で人を襲った。
釜の中に住み、野原に和式便器を出現させて用を足した者を釜に閉じ込める一つ目の妖怪。
鬼太郎の髪の毛も吸い込み、無力化してしまった強敵だ。
韓国に住む肉塊のような妖怪。「アリラン」の歌を聞いた者を 老化させてしまう。
4人兄弟だが末っ子だけ巨大で 姿が見えない。
砂かけ婆曰く「地獄よりも恐ろしい」餓鬼道に住む亡者。
アニメ3作目では手の目の命令で若返りの水に手を出そうとする者を喰らっていた。
バックベアードに率いられて鬼界ヶ島を襲った西洋妖怪軍団の一員。
妖怪ラリーにも参加している。
山奥に住み、子供の足の皮を好むという悪趣味な妖怪で、コマ勝負が得意。
頭のキノコを食べた者は丸1日彼の言いなりになってしまう。
むじなが化けたニセねずみ男の背負ったつづらから出現し、妖怪を食べる。
原作では単なる小悪党だが、アニメではねずみ男の兄弟愛が描かれた3・4作目のエピソードが印象深い。
原作ではねずみ男と結託して妖怪クリーニングを設立。クリーニングを利用した者はたくろう火になってしまった。
アニメ3作目では河童王国の侵略者、6作目では遊園地で人間と仲良くなろうとする善良な妖怪として登場。
かまいたちと同じく妖怪城に住む。
蛇になった髪で鬼太郎を捕らえ食べようとするが、口に胡椒をかけられて怯んだ隙に地面に落とされた。
妖狐の王で、ビルを建てようとする人間を戒めるため神隠しにしてしまった。
原作では穏やかだがアニメ3作目では好戦的な性格で、鬼太郎と一戦交えている。
かまいたちや二口女と同じく妖怪城に住む。
口から出す青痰は相手をどこまでも追いかけ、体中のありとあらゆる穴を塞いでしまう。
『復活!天魔大王』にボスとして登場する宇宙妖怪。
身体を液状化したり触手を使って攻撃してくる。攻撃を一切受け付けないため初見殺しになりやすい。
森に住む妖怪・木の子のボス格。木の子達の依頼で迷子の少女を連れ戻そうとする鬼太郎を退ける。
しかし、山天狗が少女を食おうとしたため木の子達が鬼太郎に付いてしまい、指鉄砲とリモコン下駄で叩きのめされ降参した。
アニメ3作目の映画『激突!!異次元妖怪の大反乱』に登場する登場する妖怪ぐわごぜの娘。
ねずみ男と仲良くなるが、妖怪皇帝の手下・朧車に轢かれ命を落としてしまった。
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神凪いくみ氏製作 |
教材用の カンフーマンの画像を入れ替えたキャラである。
同じようにねずみ男も製作されていたが、いずれもYahoo!ブリーフケースのサービス変更に伴い公開停止している。
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柳神鋭治氏 & 三十三氏 |
トレドマンなどの作者である柳神鋭治氏と、 カワイマンの作者である三十三氏による合作の鬼太郎。
ファミコンのアクションゲーム『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境』のネタを多く取り入れており、
様々な攻撃方法やぬりかべ等の仲間妖怪のアシストを再現している他、
劣悪な操作性、後ろから雑魚敵がやってきて鬼太郎に当たると即死、子泣き爺が敵を捕まえると自動で鬼太郎に向けて攻撃が放たれるなど、
自分が不利な方向にまで 原作再現ネタを盛り込んでいる。
また、専用ステージとして妖怪大魔境ステージも公開中。
妖怪地獄に登場した巨大ボス達が次々現れるという、往年のファンにはたまらない演出がある。 しれっと第5期デザインになってる奴もいたりするが
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Tohru Sama氏製作 |
MUGEN1.0以降専用。
GBAソフト『危機一髪!妖怪列島』のドットを用いて『 JUS』風に仕上げた ちびキャラ。
波動コマンドと 竜巻コマンドで簡単に必殺技を繰り出せ、中にはねずみ男のオナラで怯ませたり、猫娘が縦横無尽に引っ掻くユニークな技も。
また、真空波動拳コマンドで繰り出せる超必殺技は、お馴染みの 「ビビビビン」という効果音と共に 999連発のビンタをカマすという豪快なもの。
小さいながらもしっかりと原作のテイストを再現したキャラである。
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「扉の向こうで何かが起こる!」
「君の後ろに黒い影!」
「見えない世界の扉が開く……」
出場大会
*1
実は鬼太郎は全く同じ『ゲゲゲの鬼太郎』というタイトルで少年マガジン・少年サンデーの2誌で連載されており、
しかも両作品は設定が根本から異なるため
(マガジン版は基本的に鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男のみで各地を放浪している。サンデー版は仲間と一緒に一か所に定住している)、
そういった経緯に詳しくないファンは、
ファン同士で鬼太郎の話をしているはずなのに微妙に話がずれているという事態に陥りかねないので要注意。
更にアニメ3作目に合わせてマガジンで『
新編ゲゲゲの鬼太郎』が連載されている最中、
コミックボンボンでも『最
新版ゲゲゲの鬼太郎』が連載され、
紛らわしい事に『
新ゲゲゲの鬼太郎』という作品もそれ以前に発表されている(これらは全て設定が異なる)ため初心者は注意が必要。
これ以外にも設定の異なる鬼太郎作品が大量に発表されており、
更に言うなら水木しげるや水木プロ以外の手による鬼太郎が2004年にコミックボンボンで、2018年に別冊コロコロで連載されている。
どれを最初に読んだかによって読者が抱く鬼太郎のイメージは大きく変わってしまうだろう。
伊達に半世紀以上も続いているわけではないのだ。
*2
一見無敵に見える鬼太郎にも弱点は存在し、そこを突かれて窮地に追い込まれる事が多い。
中でも、霊力の源である頭髪と霊毛ちゃんちゃんこを敵に奪われるという展開が多く、
この二つを失っただけで鬼太郎はほぼ全ての超能力を失い、ただの子供になってしまう。
逆にこれらを手に入れた者は鬼太郎の能力を継承し、原作漫画でもちゃんちゃんこを着たねずみ男が毛針を使用していた。
また、『鬼太郎の世界お化け旅行』では魔女にベラドンナ草のジュースを飲まされて超能力を一時的に封じられたり、
化け猫に体内に寄生されて衰弱死しかけるなど、全体的にピンチの描写が多い。
*3
なお、6作目以前のアニメシリーズでも「幽霊電車」を基にしたエピソードが2期を除いて放送されていたが、
そちらでは、妖怪なんていないとバカにしていた2人組が想像を絶する恐怖を味わう様を面白がっていたり、
同様の考えを持つ自分勝手な人間に己がかつて犯した罪を思い出させるなど、ある意味でマシな描写になっている。
いずれにせよ、どれが恐ろしいと感じるかは人それぞれだろう。
最終更新:2025年08月16日 11:52