十六夜アキ


「冷たい炎が世界のすべてを包み込む。漆黒の花よ、開け!」
「シンクロ召喚!咲き乱れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!!」

アニメ『遊戯王5D's』のヒロイン。「いざよい アキ」と読む。
担当声優は『特捜戦隊デカレンジャー』のデカイエローで知られる木下あゆ美女史。


カードを使用して超常現象を発揮する「サイコデュエリスト」と呼ばれる超能力者で、
デュエルディスクを通じて、本来は立体映像に過ぎないカードに描かれたモンスターやカード効果を実体化させる能力を持つ。
つまりはセルフ闇のゲームである
この能力は制御が非常に困難で能動的にオンはともかくオフにすることが難しく、
対戦相手が負傷する危険もある上に周りにも物理的な破壊を伴うため、
周囲からも「黒薔薇の魔女」と恐れられ、本人もこの能力を忌み嫌っていた。
当初はサイコデュエリストで構成された「アルカディアムーブメント」所属の敵として登場したが、
不動遊星やジャック・アトラスと同じ痣を腕に持つシグナーだと発覚し、ダークシグナーと戦うために共闘するようになった。

+ シグナーとは
タクシー「赤き竜」に選ばれし、竜の痣を持つデュエリストの総称。
『遊戯王5D's』の世界では5000年周期で世界の存続を試みる赤き竜と、世界を死者の国にしようと試みる冥界の王が戦いを繰り広げており、
赤き竜の力を宿す「シグナーの竜」とそのパートナーである「シグナー」と、
冥界の王の眷属「地縛神」とそのパートナー「ダークシグナー」が、戦いを代行する形で世界の命運を掛けた決闘が行われていた。
前回の周期ではナスカで戦いが行われていたらしく、ナスカにある地上絵は先の戦いに敗れて封印された地縛神達である。
勝者側であるシグナーの竜は時代を超えて姿を変えながら生き続け、劇中ではデュエルのカードとして転生しており、
(遊星の《スターダスト・ドラゴン》、アキの《ブラック・ローズ・ドラゴン》等がそれにあたる)
それ故に地縛神もそれに対応するようにデュエルのモンスターとなり、
劇中における周期では、シグナーとダークシグナーの戦いはデュエルで行われる形式となった。

遊星には明確な好意を抱いており、『遊戯王』シリーズでは割と珍しい正統派なヒロインとしての描写が多いが、
一方で時期によっては解説役空気と化している事もあり、出番や扱いにはかなりムラがある。
最終回では医者になるという自分の夢を追いかけるため、他の仲間同様ネオドミノシティを旅立ち、街に残る選択をした遊星と別れることになる。
しかしお別れの際、遊星からは「アキ、笑顔を忘れるな。お前の笑顔は、世界の誰よりも負けない」と不器用な彼なりの最大限の賛辞の言葉を贈られ、
アキも「その笑顔をくれたのはあなたよ。遊星」と返した。
そのカットでは顔こそ映らないまでも……というか敢えて顔が映らない構図のまま、暗い部屋の中でそっと身を寄せ合う二人の姿が描かれていた。
エピローグでは念願の女医になった彼女の姿が描かれるが、遊星とどうなったのかについては伏せられている。

ちなみにカードゲームができるギャルゲーこと『タッグフォース』シリーズの最終作『SP』では、
5D'sキャラは原作終了後扱いで登場しており、主人公(通称コナミ君)とアキが仲良さそうと牛尾がおちょくってみたら、
滅茶苦茶不機嫌になる遊星が描かれている。

胸が非常に大きく、普段の服やライディングデュエル用のスーツでも胸が強調される格好をしているためそっち方面の人気も高い。
公式も意識しているのか、ゲーム作品などでは本編以上に胸を強調したカットも。

使用するデッキは薔薇をモチーフとした植物族モンスターを中心に構成されており、
切り札として《ブラック・ローズ・ドラゴン》を使用する。

+ エースモンスター、ブラック・ローズ・ドラゴンについて
シンクロ・効果モンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻2400/守1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1:このカードがS召喚に成功した時に発動できる。
      フィールドのカードを全て破壊する。
2:1ターンに1度、自分の墓地から植物族モンスター1体を除外し、
      相手フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
      その相手の守備表示モンスターを表側攻撃表示にし、その攻撃力はターン終了時まで0になる。

シンクロ召喚時に任意で場の全てのカードを破壊する効果と、守備表示モンスターを攻撃力0にして立たせる効果を持つ。
アニメでの効果名は1の全体除去が「ブラック・ローズ・ガイル」、2の効果が「ローズ・リストリクション」。
1の破壊効果は、シンクロ素材の指定が無いことやシンクロ召喚を狙いやすいレベル7であり、
手軽に出せる除去カードとして、多くのプレイヤーに重宝されてきた。
当時猛威を振るっていた全体除去持ちと言えば《終焉の王デミス》や《裁きの龍》などが存在していたが、
あちらと違ってメインデッキを圧迫しないという大きな利点がある。
ただ、それらと異なり「このカード以外の」の一文がないため、自分も巻き込んでしまう一種の自爆技でもある。
とにかく、このカードが登場したことで「永続カードによる封殺盤面」をこれ一枚で突破可能になり、
その強さが買われて制限指定を受けていた時期もあった。

+ 漫画版のアキ
漫画版では根幹から設定が異なるため、黒薔薇の魔女どころかデュエルアカデミアの「クイーン・オブ・クイーン」であり、
後輩からもお姉様として慕われている決闘疾走者(ライディング・デュエリスト)
このため当初から笑顔が多く、登場初期は遊星よりも、決闘疾走(ライディング・デュエル)の腕は上となっている。
ちなみにアニメのライダースーツはなく、この衣装かつノーヘルでD・ホイールに乗っている。
こちらでもサイコ・デュエリストではあるものの、これまた設定が違いそもそも破壊はフィールで皆できるし
デッキトップに触れるだけで次のドローが分かる「フォレッセ・ドロー」という能力を持っている。
この能力で「相手の視界を超能力で共有してピーピングし、ハンデスさせる」という海馬じゃなくても文句を言いたくなる相手に対して、
決闘疾走中なのに「目を閉じたままカードをドローしてそのまま使用」という荒業で勝利を勝ち取っている。

ちなみに、現在は稼働終了しているアーケードゲーム『デュエルターミナル』のアキのボイスの中には、
遊星と勝負した時の形式である「ワン・ショット・ラン」について触れているものも存在していた。

+ OCGスタッフから応援されるヒロイン?
『5D's』の放送終了後に他の『5D's』キャラ同様、彼女が使っていたデッキを意識した『OCG』オリジナルの新規カードがいくつか作られており、
「ブラック・ローズ・ドラゴン」をサポートする「ローズ・ドラゴン」というデザイナーデッキが構築されている。
このカテゴリ自体は正直戦えなくもないけど……と言った感じでファンデッキの範疇を超えない程度の強さなのだが、
その中でも話題を集めたのがこちらの「ブラッド・ローズ・ドラゴン」である。
ブラッド・ローズ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星10/炎属性/ドラゴン族/攻3200/守2400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。お互いの墓地のカードを全て除外する。
      このカードが「ブラック・ローズ・ドラゴン」または植物族Sモンスターを素材としてS召喚していた場合、
      さらにこのカード以外のお互いのフィールドのカードを全て破壊できる。
2:カードを破壊する効果を相手が発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にする。
      その後、自分のEXデッキ・墓地から「ブラック・ローズ・ドラゴン」1体を選んで特殊召喚できる。

1では素で出しても墓地カードを全て除外というハイリスクハイリターンな効果が使用できるが、
ブラック・ローズ・ドラゴンか植物族Sモンスターを素材にしてシンクロ召喚すれば更に強力な効果が使用可能という、
ビジュアル的にも性能的にもブラック・ローズ・ドラゴンの上位種を意識したカードと言える。
しかしながらある意味で最も注目されたのは、2の自身をリリースして破壊効果を無効化する効果の方であろう。
正直言ってブラック・ローズ・ドラゴンとはあまり縁の無い効果……というかモロに不動遊星のエーススターダスト・ドラゴンの効果そのものである。
アニメ本編でもチーム戦にて遊星がアキにスターダスト・ドラゴンのカードを託したことを意識した効果だと思われるが、
歴代ヒロインデュエリストを意識したデザインカードは数あれど、主人公のエースの効果譲り受けるというのは非常に珍しい。

そして、そのスターダストドラゴンのサポートカード「集いし願い」というカードがある。
これはアニメ本編のラスボスZONEとの戦いで使用され、その効果で墓地に眠るチーム5D'sのメンバーから託されたシグナ―の竜の力を、
スターダスト・ドラゴンに全て集中させることで遊星に勝利をもたらしたカードであり、
派手な効果・演出もさることながら、普段の遊星のシンクロ召喚の口上「集いし願いが~」のフレーズがまさかのカード化ということで、
最終決戦の盛り上がりに大いに貢献することとなった。
カード化したのはアニメ終了後しばらくしてからで、その際に一緒に中央に映っている女性と思しきキャラクターが、
「スターダスト・トレイル」という名前でカード化された。

効果自体は「スターダスト」のみならず「シンクロン」や「ウォリアー」にまで対応した、所謂「遊星デッキ」のサポートとして中々悪くないものなのだが、
効果云々以上にデザインがどう見てもスターダスト・ドラゴンのコスプレをしたアキにしか見えなかったため、そっちの方が話題になってしまったのである。

そしてコナミのヨーロッパ公式ツイッターで設定画が公開され、目を開くとアキのあの独特の釣り目であることが確認出来るため、
完全にデザインモチーフがアキそのものであることが分かる。

以上のように主人公である遊星と紐付けられているカードが無数に作成されるという歴代ヒロインの中でも非常に珍しいキャラクターであり、
「カードをデザインしているOCGスタッフから遊星との仲を応援されているんじゃないか」と揶揄されることがある。


MUGENにおける十六夜アキ

hatya氏が製作したキャラが存在したが、現在は氏の引退により公開停止。
ブラックローズドラゴンを使役して攻撃を行うが、攻撃するごとにライフが減る。
なので、基本的に自滅待ちが正攻法となる。
全画面技「ブラックローズガイル」は決まればほぼ勝利は確定だが、
原作再現で相手が生き残るとブラックローズドラゴンが消えて行動不能&ライフ減少で敗北となる。
AIもデフォルトで搭載されており、強さは狂上位~狂最上位とのこと。

出場大会



最終更新:2023年05月13日 17:46