「滅びのバーストストリーム!!」
高橋和希氏の漫画『遊☆戯☆王』に登場するカード。「青眼の白龍」と書いて「ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン」と読む。
カードゲーム「マジック&ウィザーズ」が初登場した回から登場している古参カードの一枚。
あまりの強さ故に生産中止となったカードで、作中で現存しているのは4枚だけらしく、双六が持っている1枚は親友から預かった大切なカードとの事。
主な使用者である
海馬瀬人は、その4枚全てを入手するために自身の財力で相手を破産させたり、
マフィアを動かしたり、
内一人は
自殺にまで追い込んだりと悪行を働いている
(最初は普通に交渉したらしいが、当然ながら断られたため強行手段に及んだという。勿論上記の行為が許されるはずはないが)。
「DEATH-T編」では遊戯への復讐も兼ねて遊戯の祖父「武藤双六」とのデュエルで奪った3体を使って勝利し、双六の青眼を破り捨てた
(アニメ版では後に仕方なくテープで継ぎ合わせて修復していたが)。
「決闘者の王国編」以降も海馬が使用しており、闇遊戯戦では魔法カード《融合》によって3体を融合し、《青眼の究極竜》を融合召喚した。
その活躍から、ファンには「社長の嫁」と言われて親しまれている。
故にバトルシティ編のイシズ戦で青眼が助けに入った時、オベリスクばかり使ってた社長に嫁がキレたと言われる事も
この時流れた曲名が「神の怒り」という事もあって「嫁の怒り」と揶揄される始末
このカードはエジプトの壁画に描かれた瀬人とそっくりな神官が使役している龍を元にデザインされたらしいが……。
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ネタバレ注意 |
青眼の白龍のカードの精霊の元となったのは、古代エジプトで瀬人の前世である神官セトが匿っていたキサラという女性が身に宿していた精霊。
生粋のエジプト人ではなく肌の色で疎まれていたキサラは、その精霊の強さを見込まれセトの庇護下に入った事で、自身を救ったセトを強く慕うようになり、
当初こそキサラの宿す白き龍を王朝の役に立てる事しか考えていなかったセトも、交流を経る内にやがてキサラ個人に愛情を抱くようになる。
つまるところ、上記の通り散々「社長の嫁」だなんだと ネタ言われてきたものだが、 遥か古代、前世の時代には本当に嫁だったのである。
しかし千年眼の邪念に染まったアクナディンによりキサラは殺害され *1、セトもアクナディンの闇に取り込まれてしまう。
記憶編のTRPGの出来事と異なり、史実において起きた実際の出来事では、
アクナディンは闇の大神官と化して早々にキサラを拉致して白き龍をセトに与えつつ彼を手駒にしようと試み、
セトはキサラ救出に失敗した末に本編より早いタイミングで闇の支配を受けるも後に呪縛を解き、
キサラへの想いから神官の責務を放棄してアテムに背き、同時にアクナディンへの復讐のために闇の勢力に味方もせず、
アテムと神官の王国軍、闇の大神官率いる死霊軍に継ぐ、第三勢力として白き龍を操り行動した……という流れだったらしいのだが
(千年ロッドが見せた過去の記憶では、闇の大神官と化したアクナディンだけでなく、アテムとも敵対していたような描写がある)、
その後、上記のアテムとの友情の印である壁画を作らせた事が語られているため、何らかの形で彼とは和解したらしい。
瀬人は上記の映像を垣間見た際に胸を突き刺すような痛みと悲しみを感じており、
劇中における青眼の白龍への執着は、転生後も無自覚に引き継がれていたキサラへの想いが原動力となっていた事が示唆されている。
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通常モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。どんな相手でも粉砕する。その破壊力は計り知れない。(新テキスト)
攻撃・守備が最高の、なかなか手に入らない超レアカード。(旧テキスト)
初登場は構築済みデッキ第一弾の「STARTER BOX」。
ちなみに初の拡張パックである「Vol.1」では、青眼が描かれているのに収録されていないというパッケージ詐欺をやらかしている。
現在でも通常モンスター最高の攻撃力を誇り、サポートに恵まれたステータスも備えている。
初期の頃は何のコストも払わずに出せる実質的な最強のモンスターとして暴れ回っていたが、
生け贄召喚のルールが出来てからは召喚に2体の生け贄を要求するようになり、大幅に弱体化した。
また、原作やアニメも終わり後続の『遊戯王GX』の時代に入っていくと、
『GX』版の青眼の白龍ともいえる《サイバー・ドラゴン》が登場し、ライバル格のエース・超火力・三体融合等多くの共通点を持ちながら、
その圧倒的汎用性で戦場を蹂躙し、当然それと比較されるブルーアイズは所詮過去の遺物などと呼ばれ不遇の時代を送った。
そんな中でも光属性の生け贄召喚を行う際に2体分の生け贄に出来る《カイザー・シーホース》、
青眼専用の「サンダー・ボルト」であり、
必殺技カードの開祖となる《滅びの爆裂疾風弾》、
ブルーアイズ融合体を見せる事で名称コピーと墓地肥やしを行える《E・HERO プリズマー》、
手札に来たブルーアイズを処理しつつドロー出来る《トレード・イン》に、墓地に行けば《青眼の白龍》をサーチする《伝説の白石》など、
強化を受けるカードは増えていったのだが、何よりも幸運だったのは、
アニメでピックアップされたものが悉くブルーアイズをサポートしてくれるテーマだったという事であろう。
まず『遊戯王GX』では光と闇の戦いをテーマにおいて光の結社たるものまで登場し、光属性へ多くのサポートが登場していった。
そして続く『遊戯王5D's』では、シグナーと呼ばれる主人公勢にドラゴンのモンスターがエースとして配置され、
更に同時期に稼働した『デュエルターミナル』においても、氷結界の龍やドラグニティなどでドラゴン族を大きくピックアップしていたため、
非常に多くのドラゴン族サポートカードが生まれ、それら双方ともブルーアイズと相性の良いものであった。
さらに、2013年にはブルーアイズをテーマとしたストラクチャーデッキ「青眼龍轟臨」が登場。
この構築済みデッキだが、新規・再録共にブルーアイズをサポートするカードがこれでもかとばかりに収録されており、
その内の1枚に効果・イラスト両方にキサラをイメージした「青き眼の乙女」が入っている。
また、当時のプレイヤーをして「3箱買って改造するだけで強く仕上がる」とまで言わせる程の完成度を誇っている他、
CMでは当時の商品宣伝係だった『遊戯王ZEXAL』の主人公、九十九遊馬ではなく海馬瀬人が宣伝を行っている。
社長の性格的に何処の誰とも知らぬデュエリストに宣伝されたくなかったのだろう
「強靭にして無敵!我が魂!!青眼の白龍!」
こうして世代が進むごとにドラゴン族・光属性・通常モンスターであるブルーアイズを使いやすくするサポートカードが充実するようになり、
トドメとばかりに遊戯王OCGが15周年を迎えた時、初代を大々的にピックアップしたデュエリストパックやコレクターズパックを売り出し、
その一環で「ブルーアイズ」をカテゴリーとするサポートカードを得て、その強さは一気に開花していったのである。
現在ではファンデッキの枠を超え、大会でも一線を張れるモンスターとして活躍している。
2024年には双六が所持していたカードを再現した「心宿し青眼竜」も登場した。
ブルーアイズモンスターではあるが「竜」表記なので青眼の白龍サポートカードの大半の恩恵を受けられず、
むしろ「千年の十字」サーチ効果からエクゾディアデッキで採用される。
『ラッシュデュエル』ではレジェンドレアとして登場している。
MUGENにおける青眼の白龍
chuchoryu氏の製作したコンプゲー用のキャラが存在。
キャラ単体も某所で公開されている。
同氏の
真紅眼の黒竜と同じく飛行しながら移動出来る。
そのため、一般的なキャラと対戦させるとお互いに攻撃が当たらずグダりやすいため、
普通の大会では使いにくいかもしれない。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
*1
通常ならば千年アイテムの力を用いれば一般人から魔物や精霊を抽出することは可能だが、
キサラは生まれつき魂と魔物が融合している特異な存在であり、キサラの意識がある内は白き龍の力を解放することはできず、
キサラが危機に陥った時のみ白き龍が顕現し、その間肉体は魂を失った状態になりキサラの意識は無くなる。
つまり、白き龍を使役しようとするなら、どう足掻いても白き龍だけ個別に取り出すことは不可能で、
それは彼女の魂ごと白き龍を抽出しなければならない、つまりキサラの死は避けられないのと同義であった。
マハードが幻想の魔術師と魂を融合して誕生した「ブラック・マジシャン」、アクナムカノンの魂と融合していた「精霊ハサン」など、
魔物や精霊が本体の魂と融合して強い力を発揮するケースは他にも実例があり、白き龍の非凡な力も宿主の魂と融合しているためと思われるが、
マハードとアクナムカノンは魔術による後天的な融合かつ代償として人の身を捨てており、
人の身のまま先天的に融合状態だったキサラは上記2人とも異なる異端な存在である。
最終更新:2025年03月18日 17:20