「1位だ…ただの1位じゃねえ。俺がとるのは完膚無きまでの1位だ…!!」
漫画『僕のヒーローアカデミア』の登場人物。
名前の読みは「ばくごう かつき」。アニメの担当声優は
岡本信彦
氏。
ボイス集 |
『JUMP FORCE』
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『ULTRA RUMBLE』
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緑谷出久の幼馴染みにしてクラスメートであり、
強力な"個性"(特殊能力)を持ち勉学・運動全てにおいて才能に恵まれていた、出久とは何もかも対照的な天才。
それ故に
唯我独尊を体現したような性格をしており、
一切の挫折を知らずに育ってきたため、
ナチュラルに人を見下す人格を形成するに至り、
逆に人に救けられることすらも「見下された」と感じて極度に嫌悪する。
故に無個性の出久のことは見下しており、中学までずっと彼をいじめていた。
*1
こんな人間でありながら、将来の夢は
オールマイトを超えるトップヒーロー(になって高額納税者ランキングに名を刻む)ことであり、
内申点に響くから煙草を吸わないなど、不良染みた人物ながら所々にみみっちい部分が垣間見え、
編入して間もないクラスメイトからも見透かされ
上鳴電気からは
「クソを下水で煮込んだような性格」と評されている。
ネーミングセンスも壊滅的で、当初希望していたヒーロー名は「爆殺王」「爆殺卿」だったが、
いずれも教師のミッドナイトにコンプラ的観点から却下され、最終的には
「大・爆・殺・神 ダイナマイト」となった。
その上他人の名前も覚える気が無く、殆どの相手はモブ呼ばわりしたり
外見的特徴に由来した呼び方をするが、実力を認めた相手の事は苗字で呼ぶ。
また、自炊も同年代よりは出来る方で、包丁使いを褒められ
てキレたり、
轟一家でご馳走してもらい気に入ったのか
四川マーボーの作り方を
半ギレしつつ教わろうとしたり。
元々他人を見下す傾向にあった爆豪であったが出久への態度は特に苛烈であった。
これは、幼少期に同年代はもちろん大人ですら爆豪を別格視していたにも拘らず、
子供の頃から自分も他人と同じく当たり前のように助けようとする出久を「無能の癖に自分を見下している」とみなして、
徹底的に自分が上だと態度に出すことでマウントを取ろうとしていた。
爆豪にとって、無個性の癖にヒーローになる夢を捨てず、他の同年代のように自分を別格視することなく、
どれだけマウントを取ろうが救済相手と見なす出久は、自身の弱さを浮き彫りにさせるかのような不気味な存在であった。
そして、見下していた出久の個性発現(したことになっている)に加えて、自分と同じ雄英高校に合格したことで、
出久が(元から個性持ちで)自分を騙し内心で見下していたと思い込み明確な敵意を抱くが、
屋内対人戦闘訓練で見下していた出久にまさかの完敗を喫し、生まれて初めての挫折を味わう。
しかし、爆豪はそこで折れることなく事実全てを真っ向から受け止め、その上でNo1になることを改めて決意する。
以降は度重なる大きな事件と様々な経験を経て、問題レベルの増長した性格は少しずつ鳴りを潜めていく。
最終的には信条にしていた「勝って救ける」と蔑ろにしていた「救けて勝つ」の両方を合わせた「完璧な勝利」を信条にする程までに成長する。
出久とは対照的な、優れた能力を持ちながら精神的に未熟なヒーロー志望という立ち位置のキャラで、
序盤と中盤以降では大きく印象が異なるキャラとなっているが、
序盤のいじめ加害者そのものの描写を嫌う読者も多くおり、未熟さ故の精神的成長の道程を評価する声もあれば、
「現実で言えば反省しようがいじめ加害者が警察になるようなものは反対」など
否定的に見る意見もあるなど、
原作ファンの評価は二極化している。
作者も当初は悪意なく人を傷つけるナチュラルボーン天才キャラで行こうとしたらしいが、
「全然面白くない」と思い直して現在のキャラ像にしたらしい。
しかし、一方の出久は爆豪を自分とは違い夢を叶えることができるステージに立った存在と見做しており、
彼の事をオールマイト以上に身近な目標、ヒーローを志す上で欠かせないファクターとして認識している。
同時に爆豪が出久に嫌がらせ同然の方法で
現実を見せつけても、出久が無個性というハンデに折れずその背中を追い続けたことが、
出久の持つ「
厳しい状況でも自分の想いを貫き通す強固な精神性」の形成にも繋がっている。
賛否を抜きにして事実だけ述べるのであれば、緑谷出久というヒーローが誕生するにあたって、
美点も欠点も含めて他の誰でもない「爆豪勝己」という男が出久に必要不可欠な存在だったのである。
そしてそれは
逆もまた然りであり、オール・フォー・ワン解放によるヒーロー社会崩壊の中、
敵の狙いが自分と知った出久が皆を巻き込まないよう雄英高校を離れた際の爆豪の行動でその最たるものが見られる。
爆豪勝己という少年がヒーローとして必要な心構えを確立させたきっかけを作ったのも、
他の誰でもない美点も欠点も含めて「緑谷出久」という幼馴染であった。
とはいえ、彼が雄英高校で成長できたのは出久一人の影響によるものというわけではなく、
入学当初の最悪な性格の頃から臆さず接してくれた
切島鋭児郎をはじめとする他のクラスメイト達が、
四方八方に喧嘩を売って噛み付いて回る爆豪を見放さず、なんだかんだと付き合い続けてくれた事も大きい。
特に切島は協調性皆無の爆豪を何くれとフォローして回り、その性格や人間性に理解を示し、さらに戦闘では共闘する事も多く、
爆豪も切島を罵倒しつつも何だかんだと一緒に行動し、アニメ劇場版『2人の英雄』では一緒に旅行するほどの仲になっているなど、
爆豪にとって数少ない健全で対等な友人となっている。
+
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戦闘能力 |
起爆性を持つ汗を分泌する個性「爆破」の使い手。
「弱い発火・爆破性を持つ酸化汗」の父と「グリセリンを生成し 常に美肌」の母の両方の「個性」を引き継いだとみられ、
ほぼ「ニトログリセリンの汗」で相違ない( ニトロは硝酸・硫酸・グリセリンの混合物)。
攻撃力に関して言えば同期では 轟焦凍と並んでトップクラスであり、
爆破を直接敵に当てて攻撃する用途だけでなく、高速・空中での加速・移動や爆発を閃光弾代わりに使うなど応用も効く。
ただしその一方、あくまで爆発という現象を引き起こす「だけ」なので戦闘用途以外への応用はし辛く、
更に格闘戦を行う場合は一緒に戦う味方への配慮も必要となるなど、
単に戦闘を行うだけではない「ヒーロー」の能力としてはやや使いづらい性質も持ち合わせる。
作中では爆豪自身の身体能力や頭の回転の早さによってそうした欠点を補っており、
時には相手の個性を直感的に見極め弱点を突く、天才的な戦闘センスこそが彼の最大の武器とする向きもある。
また能力の発揮に汗を使う都合上、暑い夏は戦いやすいが寒い冬はスロースターターになりがちという弱点も抱えており、
爆豪は通常のコスチュームとは別に冬季専用コスチュームを用意するなどの対策を取っている。
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上記の通り、出久に対しかなり拗らせた思いを抱いている人物の為「これ、どっちかが女性だったらえらい事になってるよな」とは、
ファンの間ではよく言われる話である。性別変更してなくてもお腐れ様方の大好物とも言う
特に彼の母親「爆豪光己」が正しく女体化した勝己そのもので超美人な事もあって、彼の女体化は想像しやすい。
昔『危険がウォーキング』っていう、ニトロの汗を出すヒロインが巻き起こすドタバタラブコメ漫画があったっけなあ…
女子になったデク相手に上記の仕打ちをやってたら本気で洒落にならないが、公式で女体化ネタをやったりしたので、
現在はどちらのパターンもそれなりに見受けられる。
MUGENにおける爆豪勝己
出場大会
*1
具体的には出久が大事に書き溜めていたヒーロー研究ノートを爆破、
「地元中学からの唯一の雄英高校受験者/合格者になる」という自分の経歴の邪魔だから雄英への志望を取り消すよう強要、
極め付きは「来世は個性が宿ると信じて屋上からのワンチャンダイブ」という自殺教唆が描かれている。
これだけ見ればタバコを吸わない程度で内申点が良くなるわけもないような内容だが、
周囲のクラスメイトや教師さえ強力な個性を持つ爆豪を恐れ、かつ彼におもねる形でいじめを看過しているため、
雄英への入試でも問題にはならなかった(あるいは問題になったとしても試験結果を左右するほどではなかった)。
一方の出久も「無個性ながらずっとヒーローになるための努力をしていた」と言えば聞こえは良いが、
半ば現実逃避的にヒーローの研究ノートを書き溜めるだけで、特に体を鍛えたりその他の勉強を頑張ることも無く、
いじめを受けて心が折れかけ、爆豪の言う通りの「クソナード」でしかなかったのが第一話の状況である。
オールマイトとの出会いが無ければ、仮に受験したとしても出久が雄英高校に合格することは無かっただろう。
とはいえ『僕のヒーローアカデミア』は、こうした彼らが「最高のヒーロー」になっていく物語であるため、
第一話時点ではヒーローらしからぬ少年達であるのは、むしろ当然と言える。
最終更新:2025年04月01日 23:01