「ポケモン、ゲットだぜ!」
アニメ版『
ポケットモンスター』シリーズの初代主人公。
英名は
「Ash Ketchum」(読みは恐らく「アッシュ・ケッチャム」)。当然、
キモい方の主人公や
最強の日用品係は無関係。
担当声優は
松本梨香
女史で、『新無印』における幼少期の声優は
武田華
女史。
なお、2022年12月を以てサトシと
ピカチュウの旅に区切りを付けるとし、翌年1月の『めざせポケモンマスター』で終止符が打たれ、
優に25年以上に渡る旅の終わりの報せは、本作が世界的人気アニメ故に世界中に衝撃が走った。
それまでは各地のポケモンリーグへ挑む度にあと一歩の所で優勝を逃すため、
「サトシをポケモンマスターにしたら目的が終わってしまうから世界の修正力か何か働いてるんじゃないのか」
などという皮肉とも同情ともつかぬ声が聞かれていた
外見は第1世代『赤・緑』の
主人公をベースにしている。
名前の由来はポケモンの生みの親にして、ゲームフリークの代表取締役を務める田尻智氏で、
初出は『赤』版で用意されている三つのデフォルトネームの内の一つ(残りは「レッド」と「ジャック」)。
マサラタウン出身の
10歳の少年で、母親のハナコと暮らしていた。
父親はアニメでは未登場であったが健在と語られている他、同じく未登場だが祖父もいるらしい。
「ポケモンマスター」になるという目標を胸に10歳の誕生日に旅立つ予定だったが、
当日に寝坊してしまい、
ゲーム版での相方である
ヒトカゲ、
ゼニガメ、
フシギダネの3匹は先に他のトレーナーの相方として連れていかれた後だったため、
オーキド博士から「
ちょっと問題がある」というピカチュウを貰い、
旅を経て絆を深めると共に、やがて
ロケット団を始めとする悪の組織達の野望を挫いたり、
旅路で出会ったポケモン達に認められる形で仲間に加えたり、幼馴染のシゲルを始めとするライバル達と激闘を繰り広げる事になる。
なお相方がピカチュウになった理由は、3バージョン存在するゲーム版において優劣が付かないようにするためだったとか。
一方でアニメ版の人気からゲーム版の方にも『ポケットモンスターピカチュウ』が発売されたので結局優劣が付いてしまった。
と言うか『ポケットモンスター黄』じゃないのかよ
シゲルからは「サートシくぅん」と呼びかけられ小馬鹿にされる事も多いが、幼少期に壊れたモンスターボールを半分ずつ分け、
将来ポケモントレーナーとして決着をつける約束を交わしており、なんだかんだでお互いにライバルとして認め合っている仲。
『電撃!ピカチュウ』では最終的にシゲルと共に仲良くケンカしながら一緒に旅している姿が描かれた。
バトルでは主に攻撃は最大の防御のスタンスでフィールドを活かした速さと勢いのある戦術を得意とする反面、
攻撃を受け止めて反撃する重量級の扱いは苦手とし、そうしたポケモンでの勝率は悪かった。
例外はセキエイで三タテかましたクラブ→キングラーさんくらい
『サン&ムーン』以降はメルメタルを上手く指示して使いこなすなど多少は克服したが、
基本的にはスピードが高めなポケモンの方が上手く戦わせる事ができるようだ。
どうも
新シーズン開始ごとにバトルの基本がスっぽ抜けたり、せっかく育てた手持ちを一新したりするせいムラッ気というか、
その場のテンションやメンタルが大きく指揮能力に影響してしまうのが良くも悪くもサトシの特徴であり、
ここぞという時の爆発力でジャイアントキリングを成し遂げる一方、一般トレーナーとのバトルでも勝ったり負けたりを繰り返している。
そのためサトシを良く知る友人知人にロケット団からはどうにも新人トレーナー、生意気な駆け出しトレーナーといった目で見られがち。
また水系ポケモンとの相性が悪いのか、手持ちの水系ポケモンで進化したポケモンがそこまで多くなかったりもする。
一方、
キングラーやゲッコウガなど、進化させる事ができた水系ポケモンはサトシ同様凄まじい爆発力を有した強力なポケモンとなっている。
アニメが長期シリーズ化したため致し方ない面もあるとはいえ、項目冒頭のように各地ポケモンリーグに優勝できない点を揶揄される事も多いが、
実はオレンジリーグ優勝、アローラリーグ優勝、バトルフロンティア完全制覇という素晴らしい成果を収めている他、
各リーグでの戦績もかなり上位に食い込んでおり、間違いなく作中世界的にもトップクラスのトレーナーの一人である。
そのため第七シーズンでは世界最高のトレーナーであるマスターズエイトの第8位として選出され、
世界最強のトレーナーを決めるポケモンワールドチャンピオンシップス・マスターズトーナメントへと参加することになる。
ちなみにマスターズ・トーナメント参加時にサトシが選出したベストメンバーとなる手持ちは、
ピカチュウ、
ゲンガー、ネギガナイト、
ルカリオ、ウオノラゴン、カイリューの6体になるのだが、
歴代の手持ちから単純な勝率のみで算出したベストメンバーは
ヌメルゴン(100%)、ゴウカザル(83%)、ゲッコウガ(80%)、
ワルビアル(75%)、
カビゴン(73%)、キングラー(71%)となる。
っぱキングラーさんなんですわ
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サトシのリーグ戦績(ネタバレ注意) |
- ポケモンリーグ・セキエイ大会:ベスト16
- オレンジリーグ:名誉トレーナー認定(優勝)
- ジョウトリーグ・シロガネ大会:ベスト8
- ホウエンリーグ・サイユウ大会:ベスト8
- バトルフロンティア:完全制覇
- シンオウリーグ・スズラン大会:ベスト4
- イッシュリーグ・ヒガキ大会:ベスト8
- カロスリーグ・ミアレ大会:準優勝
- アローラリーグ・マナーロ大会:優勝
- ポケモンワールドチャンピオンシップス・マスターズトーナメント:優勝
この他、ポケモンリーグ公式戦ではない各都市の地元大会などでも優勝経験があり、
普段の立ち居振る舞いや身内からの扱い・評価などに反して、かなりの実力者だと言える。
そして最終的にはワールドチャンピオンシップスで優勝を飾った事で、名実共に世界トップのトレーナーとなったサトシだが、
それ故に彼は、新たな悩みに直面してしまう。
なら自分が目指しているポケモンマスターとは一体何なのか、と。
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めざせ、ポケモンマスター!(ネタバレ注意) |
実はこの悩み、アニメポケモン制作開始当初から付き纏っているものだったりする。
つまり「ポケモンを友達だと言いながら、 友達を戦わせた上で到達するのがポケモンマスターなのか?」という問題である。
それは結局、人間同士の代理戦争の結果に過ぎないのではないか? そんな単純で無慈悲な答えを子供達に見せて良いのだろうか?
そして絶対に逆らわず命令に従い、瀕死にこそなるが簡単に治療できて、決して死なないポケモン達……。
ゲームだからといってもそんな どこまでも都合の良い生物である「ポケモンとは何だろう?」という疑問や、
またゲーム内に『 スタンド・バイ・ミー』へのオマージュがある事から「ポケモンのテーマとは少年期の思い出なのではないか?」という考えもあり、
アニメ版制作開始当時の初期プランでは以下のような最終回のプロットが構想されていた。
- サトシとピカチュウは最強のトレーナーとポケモンになるが、ポケモン達の反乱が起こり、ピカチュウはその旗頭として祭り上げられてしまう
- 共存は不可能だとするポケモン達と人間との争いを止めるべくサトシは奔走し、
実際に共存を成し遂げているロケット団三人組の介入でついに人とポケモンは和解する
- そんな過去を老境のサトシが思い返す。
それはサトシが決して出会わなかった夢物語のようで、ポケモンは全て空想のものに過ぎず、実在しなかったのかもしれない
- やがて「さあ、早く寝なさい。あしたは旅立ちの日でしょう」という母親の呼びかけと共に目を閉じたサトシは、少年の姿となって旅立っていく……
幸か不幸か、『ポケモン』は超人気作品となったために最終回が描かれる事は無く、このプロットは没となったのだが、
2017年の劇場版映画『キミにきめた!』ではサトシが悪夢として「ポケモンのいない世界」を垣間見たり、
2020年のポケモンMV『GOTCHA!』でも、こうした要素がテーマとして示唆・暗喩されるような内容となっていたり、
『ポケモン』が長期化したからこそ、制作陣も長くこれらの問題をテーマとして考え向き合い続けていたらしい事が窺える。
これは『ポケモン』の展開長期化に伴い、「少年期の思い出」のメタファーだったポケモン達が、
放映開始当時の子供達にとって、もはや「少年期の思い出」そのものになった事も大きいだろう。
そして放映開始から26年後、通算1240話目にしてついにサトシの物語の最終回が描かれる事になり、その答えが提示された。
世界一のトレーナーとなって故郷マサラタウンに帰ってきたサトシは、
そこでポケモン達と共に穏やかな日々を過ごし、かつての旅路を振り返り、
懐かしい面々との再会などを経て、やがて一つの結論に辿り着く。
「世界中全部のポケモンと友達になりたい。それがきっとポケモンマスターってことなんだ」
それは初期プロットとは似て非なる、しかし間違いなく「ポケモンと共に生きる」事を目指した夢。
サトシはピカチュウや、大事な仲間達と共に、新しい旅へと旅立っていくのだった。
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かなりの朴念仁で、
カスミをはじめ複数の女性達から好意を寄せられているが、気付く素振りは全く無い
(ただし「サトシに恋愛感情を持つカスミ」は漫画『電撃!ピカチュウ』の話であり、
アニポケのカスミはサトシに好意を抱いていると臭わせる描写は多いものの、はっきりと明言された事は無い。
アニポケで明確にサトシに恋愛感情を抱いた最初の女性は4代目女性同行者(=ヒロイン名義ではない)のセレナである)。
というか、
異性との恋愛という概念を理解しているかどうかすら怪しく、
ネットでは「そもそもアニポケの
メインヒロインはピカチュウだし、サブヒロインも
ポケモンだろ」と言われる始末
(放送初期は
美人に鼻の下を伸ばす事も多々あったが、こちらも恋愛とは程遠いものであった)。
一応セレナからは別れ際にキスされており、サトシ側も彼女の想いを理解したようではあるが、恋愛面での具体的な進展はないまま終わった。
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『電撃!ピカチュウ』版のサトシ |
巨大コンテンツとなった事もあってコミカライズや外部メディア出演なども多いが、
中でも有名なのがアニメ開始放映初期に別冊コロコロコミックで連載されていた、
小野敏洋氏(当時は「おのとしひろ」名義)の手掛ける『電撃!ピカチュウ』である。
本作はアニメポケモンよりもリアルでSF的な世界を舞台とし、ポケモンも都合の良い生き物ではなく「未知の動物」という扱いで、
身近な場所にも生息して人間と共存している野生動物でもある一方、ピッピの部族や、古代に神として祀られていた巨大なゴーストなど、
未だ解明されていない部分の多い、人とは違う知性体、体毛や鱗なども書き込まれた「この世界で確かに生きている動物」となっている。
そして街の外には秘境や遺跡といったもはや人の領域ではない景色が続き、さらに「人を襲って食うポケモン」などの脅威も存在する。
その広大な世界を一人で旅していく事もあって、サトシも原作の子供っぽさ、お調子者な部分を残しつつ、
より大人びた少年へと成長を遂げていく姿が描かれた。
あと出てくる女の子がみんなえっちぃ。まあ作者は別名義でエロ漫画描いてるしな
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『電ピカ』世界のポケモン達 |
- 人を襲って食う野生のポケモンがいる
- サトシやピッピを襲って捕食しようとした野生のイワークや、
数年に一度現れては無差別に人を「ゆめくい」する災害級の巨大なゴースト「ブラックフォッグ」など。 ブラックフォッグ以外にも「ゆめくい」されてから120時間後に蘇生した男性の記録もあるため、人がポケモンに襲われて死ぬ事例は一般的な模様。
- ポケモンが死亡する
- 明確な死体描写は無いがポケモンバトルで負傷すれば流血し、「ひんし」は文字通りの瀕死、
寿命やバトルの結果、あるいは「だいばくはつ」などでポケモンが死亡したと思われる描写が散見される。
- ポケモンの生態は未だ研究途上
- 一例としてピッピとピクシーの進化関係は遺伝子情報からの推測に過ぎず、彼らの進化の瞬間や進化方法は未だに観測されていない。
また「ゆびをふる」についても一般には認知されておらず、オーキド博士が発見して「わしはこれを『ゆびをふる』と呼んでいる」と紹介されている。 加えてピッピは独自の部族文化を持っているが、そうした事を一般人はほとんど知らないため、 「ピッピは宇宙人である」というフィクションが大ヒットしている。
- ポケモンのワザは全て生物的なもの
- 電撃や火炎放射や水流などが各々の体内から放射されるのはアニメ版同様だが、ピカチュウの「スピードスター」は体毛を口に含んで吐き出すなど、
その他のワザの多くもポケモンの生体的なものとして描写されている。
- ポケモンを家畜として飼育している遊牧民族がいる
- 劇中ではケンタロスとポニータを飼育しているモンゴル風衣装の部族が登場した。
またそうした部族の伝統文化から発展したレース競技もあるが、毎年死傷者多数という危険なものになっている。
……などである。一部はアニメ版などでも登場している要素だが、よりリアリティある描写になっているのが『電撃!ピカチュウ』の特徴である。
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本作では幼馴染のシゲルがポケモントレーナー免許を取得し授業免除制度を受けて旅に出た事を知り、
彼への対抗心とシゲルの姉へのほのかな恋心から、勢い任せでポケモントレーナー免許を取得し、
そのまま自宅の軒下で電気ケーブルをかじっていたピカチュウを引き連れて旅立つ事になる。
オーキド博士とも旅先で個人的に知り合う事になり、彼のフィールドワークに同行、
共にオツキミ山脈奥地のピッピ・コロニーを訪れて進化の儀式に立ち会い、以後、交流を持っている。
なのでゲーム版主人公やアニメ版サトシと違い、『電ピカ』版サトシは「図鑑完成」「ポケモンマスターになる」という目標は無い。
加えて本作ではポケモンマスターに「ポケモンリーグに参加できるトップクラスのプロトレーナー」という明確な定義がされており、
捕獲難易度の高いポケモンの捕獲やジム公式戦などで成績を上げ、レベルグリーンに到達する事でポケモンリーグの参加が認められる。
トレーナー免許取得者は毎年何千人もいるが、レベルグリーンに到達できるのは20%、その中でリーグを6シーズン続けられるのはわずか5%。
そのため当初はあまりトレーナーとしての成績が振るわず、「思ってたより楽しくないからやめちゃおうかな」と零す事さえあった。
そんなサトシが各地の人々や、その土地々々のポケモンとの接触、広大な世界を行くロードムービー的な物語が展開され、
2巻ではカスミやタケシと同道し、ロケット団と対決するアニメに似たフォーマットのエピソードが続くものの、
3巻のポケモンリーグ編で リザードンを制御し切れないにも拘らず投入、暴走させてしまうという挫折を経て、
4巻のオレンジリーグ編で幼い頃からの憧れだったヘッドリーダー(チャンピオン)のユウジに挑戦するまで、
一貫して 「広い世界を旅する少年の冒険と成長」に重点が置かれている。
バトルに関しても序盤こそアニメ版同様に勢い任せな部分が目立ったが、旅の中での経験を重ね、より戦略を立てて行動している。
顕著な例としては序盤のニビジムを、アニメと違って独力で攻略しているというあたりも彼の才能の片鱗だろう。
アニメ版でのニビジム戦ではピカチュウ単独での勝利にこだわって一度敗北、
その後むちゃくちゃな特訓を経て放電でスプリンクラーを起動し、イワークをギブアップに追い込んだが、
本作ではピカチュウ、オニドリル、キャタピーの連携により、初戦で至極あっさりとタケシを下した事が描写されている。
カスミが「優しいマスターで良かった」、サトシも「ニビジムのイワークはレベルが低かったから勝てた」と言っているので、
タケシもサトシの実力に合わせて調整はしていたのだろうが、
爆発力頼みな部分の多いアニメ版サトシと、冷静にバトルを進めようとする『電ピカ』版サトシの大きな違いの一つと言える。
その後順調にジムバッチを8つ集め、レベルグリーンに到達、セキエイ・ポケモンリーグへの参加を認められる。
前述の定義の基づけば、この時点で彼は「プロのトレーナー」であり、新人とはいえ 「ポケモンマスター」になった事になる。
しかしそれで慢心せず、きちんと出場前にポケモン達のレベルを上げていたため、リザードンに頼らず順調に勝利を重ねていったが、
ライバルのヒロシと3vs3戦で2体引き分けという互角の戦いを繰り広げた後、「互いの隠し玉で決着を付けよう」と提案され、
前述の欠点を分かっていながらついリザードンを投入してしまう。
そしてヒロシのリザードン「ジッポ」との戦いで闘争本能に火がついてしまったリザードンは制御を外れて暴走、
ジッポのボールマーカーの破損もあって オーバーキルしかけた事で試合放棄し、敗退した。
しかし、そこ以外にミスらしいミスも無く「友達にもなれていないリザードンで良い気になっていた、トレーナー失格だ」と自省し、
タケシから「修行や勉強に終わりはない。どんな時でも自分が諦めなければ、求めた分だけ自分の力になる」と励まされ、
志を新たにオレンジリーグへの参加を決意する。
オレンジリーグ・ウィナーズカップのヘッドリーダー戦では、今まで培ってきたポケモンバトルの実力をさらに伸ばし、
仲間であるポケモン達との絆を信じる部分も加わって、タケシやカスミ、ロケット団も認めるほどの立派なトレーナーへと成長した。
さらには、 自力でリザードンを制御できるほどの力量に達しているという、原作アニメでも不可能だった事を成し遂げている。
その決着も「カイリューの破壊光線の反動で空中に飛んだピカチュウが「かみなり」を放ってフィニッシュ」という展開自体はアニメと同じだが、
サトシが「リフレクターで防御を固めて尻尾をバネにして爆風に乗り、カイリューの頭上を取る」という作戦を事前に立てていた上でピカチュウに託し、
ピカチュウは負傷を抱えながらも自分に任せろと率先して交代、防戦一方の中でカイリューがトドメとして破壊光線を発射するまで粘り続け、
最後はカイリューの頭にしがみ付いたピカチュウが咄嗟に口の中に入り込んで内側から「かみなり」を放つという、二人の連携となっている。
そのため ロケット団の助言もあり、この勝利は「サトシとピカチュウ、そしてポケモン達のチームが一丸となって得たもの」という風に描写されており、
この回の扉絵がゲーム版の殿堂入りの構図をサトシの手持ちで再現したものとなっているのも、その印象を後押ししている。
ただ命令する/されるではなく、互いに信頼しあい、チームとして一丸となって掴み取るのが「チャンピオン」というのは、
前述の「友達を戦わせた上で到達するのがポケモンマスターなのか?」という疑問に対するある種の回答だと言えるだろう。
「それにピカチュウは勝つ気で出ていったんだ」
「おれが退けるかっ!!」
その後はポケモン先端科学技術研究所のヤドン騒動で再会したシゲルと二人で旅をしている様子が母に宛てた手紙で描かれており、
セキエイリーグで知り合ったヒロシと再会したり、カスミとの恋愛関係が進展したり、伝説のポケモンと遭遇して「神様みたいだ」と感じたり、
そうした経験を重ねて多くの事を知っていくうちに「まだまだ知りたい」「だから旅を終わらせたくない」と、旅を続ける旨を伝えていた。
『電ピカ』版サトシの目的はポケモンマスターになる事ではなく、このポケモン達の暮らす果てしない世界をどこまでも旅していく事なのだ。
他にアニメ版との差異を挙げるなら、ポケモン達を種族名で呼んではいるものの一応ニックネームを付けている点があり、
判明している限りではピカチュウは「ジャン=リュック・ピカチュウ」、オニドリルは「アッカ・オニドリル」、
ピジョンは「ピジョン・ビジョン」、キャタピーは「キャタピー・ランドルフ」というのが正式な名前のようだ。
一人旅なのもあって、各々の好みに合わせたポケモンフードの調理や味付けなどもきちんと自力でやっている。
また、セキエイリーグではキングラーが試合中に進化した描写も無く、リザードンも事前のレベル上げの中で進化した事が触れられているのに加え、
オレンジリーグ制覇時の手持ちはアニメ版と同じくピカチュウ、リザードン、フシギダネ、ゼニガメ、ケンタロス、ラプラスだが、
アニメ版ではカビゴンが言う事を聞いてくれないため急遽ケンタロスを選出したという形だったのに対し、
本作では試合前夜に対戦相手の試合記録などを参考に、手持ちメンバーを真剣に検討した上でケンタロスを選んでいる。
さらにオレンジリーグ後を描いた最終回では手持ちからオニドリルを「そらをとぶ」で飛行するのに使用しているため、
どうやらポケモンを逃さず、預けっぱなしにもせず、きちんと育成し、状況に応じて手持ちを交換しているらしい。
このあたりはアニメ版サトシ君も大いに見習って欲しい
ちなみに余談ながら、前述のアニメ版ポケモンの最終回でサトシが棒を投げて選んだのは分かれ道の左側だったが、
本作のコミックス最終巻カバー裏でサトシが靴を飛ばして選んだのも、分かれ道の左側だったりする。
棒を投げて右の道を選んだシゲルとの言い争いの決着がどうなったかは分からないが、
アニメ版と『電撃!ピカチュウ』が共に「タイプ:ワイルド」で締め括られている事も合わせて、
「少年の旅に終わりは無い」という事なのだろう。
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ネットミームとしてはピカチュウの「10まんボルト」をはじめとしたポケモン達の技を受けてもピンピンしていたり、
平均体重72kgのヨーギラスを肩に乗せながら平気な顔で移動するなど人間離れしたフィジカルを見せる事から「
スーパーマサラ人」と称されたり、
松本女史が『
遊☆戯☆王』にて獏良了を演じた事から「闇サトシ」という声優ネタも。
『アニポケ』における耐久力や身体能力の異常さはサトシに限った事ではないが。タケシもサトシと一緒に「こうそくいどう」で自動車に追い付いたりしているし
なお、サトシの超人ぶりは2016年度の『おはスタ』における「おはスタポケモン部 山本部長の勝手にポケモンランキング」のコーナーで、
「実はサトシが超人かもしれないランキング ベスト3」と特集が組まれ、無印以外における映像の数々が放送された。
またその他のミームとしては冒頭のセリフでも言われている「ゲットだぜ」のセリフについて、
現在完全に定着して多くのユーザーがポケモンに対して「ゲットした」と言うようになっているが、
実はこの表現は完全にアニメオリジナルで、ゲームでは一貫して「やったー! ◯◯をつかまえたぞ!」が使われている。
英語版テキストでも「Gatcha! ◯◯ was caught!」と、ほぼ同じ内容の表現になっている。
加えて「ポケモンバトル」という表現もアニメオリジナルで、原作では「ポケモンしょうぶ」で一貫している。
ちなみにサトシのセリフ自体は英語だと「Pokémon! Gotta catch 'em all!」で、
意味としては直訳すると「ポケモン、全部キャッチしなくっちゃ!」といった感じになるため、
日本語が「ポケモンをゲットした」という捕獲宣言なのに対し、「いずれ全部キャッチしてやる」という決意表明になっている。
一時期、公式サイトにおいてサトシと文通ができる「サトシにメールをしよう!」という企画もやっていたが、
いざ始まると、あまりに希望者が殺到し過ぎて早々に中止へ追い込まれた。
MUGENにおけるサトシ
出場大会
最終更新:2025年05月24日 13:49