【ファイアーエムブレム 封印の剣】

ファイアーエムブレム 封印の剣 とは、【ゲームボーイアドバンス】用のゲーム。

概要

ファイアーエムブレム 封印の剣


他言語

Fire Emblem: The Binding Blade (英語)*1

ふりがな

ふぁいあーえむぶれむ ふういんのつるぎ

ハード

【ゲームボーイアドバンス】

メディア

ロムカセット

ジャンル

シミュレーションRPG

発売元

任天堂

開発元

インテリジェントシステムズ

プロデューサー

山内溥(エグゼクティブプロデューサー)
出石武宏

ディレクター

成広通

プレイ人数

1~4人

発売日

2002/03/29 (日本)

値段

GBA:4,800円(税別)
WiiU:715円(税込)

レーティング

CERO:A(全年齢対象)

対応機能

ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブル
マルチカートリッジプレイ

シリーズ

ファイアーエムブレムシリーズ

移植・リメイク

【Wii U】?:【バーチャルコンソール】
Switch:【ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online】

日本販売数

34万5574本

【ゲームボーイアドバンス】向けに発売したファイアーエムブレムシリーズの1作。
加賀昭三が関わりを持たない初のファイアーエムブレムシリーズ作品である。
発売前は【NINTENDO64】向けに『ファイアーエムブレム 暗闇の巫女』というタイトルで掲載されていた。

ゲーム内容は【ファイアーエムブレム 紋章の謎】のオマージュ要素を中心に、システム面は【ファイアーエムブレム トラキア776】をベースに遊びやすく再調整したものとなり、【ファイアーエムブレム 聖戦の系譜】の恋愛を支援システムとして改良し取り入れられた。
戦闘前情報や大量の武器種などの複雑なシステムが簡略化された他、初心者向けにチュートリアルモードやヘルプを導入し、【大乱闘スマッシュブラザーズDX】から参入した初心者に向けた施策が見られている。

難易度は『トラキア776』よりは低いものの、SRPGの基本を熟知しなければ比較的難しく、当時の週刊ファミ通のアンケートでは「難易度が低い」と「難易度が高い」が混成する奇妙なアンケート結果が載せられていた。
初心者からの評価を踏まえ、以降のシリーズではここから更に新規参入を目指す事となる。

本作で整えられたゲームシステムは後のシリーズのベースとなった。

別バージョン

ゲーム販売当時に各々の雑誌とのコラボレーションや公式ホームページの入賞品として複数のバージョンのカセットがプレゼントされた。
これらはゲームクリア後にトライアルマップで専用の特典マップが遊べるという体で宣伝が行われていた。
殆ど出回っていないため本数が非常に少なく、更に資料と映像の乏しさも相まって現在では確認が困難なものとなっている。
後に配信されたアーカイブ版ではこれらの要素は未収録。

  • 月刊少年ジャンプ版
    月刊少年ジャンプ2002年8月号の懸賞で50名に贈呈。『月ジャンVer.ファイアーエムブレム』と紹介されている。
    当時連載されていた【ファイアーエムブレム 覇者の剣】?とのコラボマップ「グライゼル処刑場」が収録。
  • Vジャンプ版
    Vジャンプ2002年7月号の懸賞で10名ずつ(計20名)に贈呈。
    Vジャンプ(VJ)をモチーフとした「V」と「J」の形をした2マップ(名称不明)がそれぞれ収録されているとのこと。1つのロムに収録できる仕様ではないことから2種類のロムがあると考えられている。
  • 公式大会版
    2002年当時に開催されていた任天堂公式ホームページの戦績上位者に贈呈。
    「山賊討伐」が収録されている。正確にはプレイヤーから任天堂へロムを送ることになり、マップを追加してもらうという形式になるが、すでにそのカセットが特別版も同然なのでここに記載する。

ストーリー

かつて、エレブ大陸を二分した「人」と「竜」が覇権をかけ争った「人竜戦役」。
それに勝利した「人」は、姿を消した「竜」に代わって、大陸全土へと広がっていった。

それから千年近い時が流れ…
大陸は、華やかで高度な文化を誇る西の「エトルリア王国」、派手さはないが堅実な文化と、質実剛健な気風をよしとする東の「ベルン王国」
この二大王国と、それにはさまれる小勢力達、これらのバランスによって全体としては安定を保ってきた。

ところが、その安定が突然崩れた。
東の大国「ベルン王国」が国王「ゼフィール」の命の元、各地へと侵略を開始したのである。

大陸南方の少勢力「フェレ家」の嫡男「ロイ」は、病気の父に代わりフェレの軍を率いて敢然とその侵略に立ち向かっていく…。

ゲームシステム

基本的な部分は『トラキア776』から引き継ぎつつ簡略化されている。

  • トラキア776から廃止されたもの
    • 捕える
    • 制圧以外の特殊な勝利条件(ストーリーのみ)
    • スキルシステム
    • 装備盗み
    • 疲労
    • 再行動(踊りではなくキャラクターが一定確率で再行動するもの)
    • 指揮レベル
    • 壊れた武器が手元に残る仕様
    • 馬から降りる
    • 追撃必殺係数(仮)
  • 武器種
    炎・雷・風魔法が「理(ことわり)」へと統合。理>光>闇>理…の3すくみとなった。
  • 3すくみ
    本作から3すくみはダメージ自体に補正が加わるように変更され、より重要性が増した。
    戦闘前情報でも3すくみの有無が表示される形で目に見えて分かりやすく変更されている。
    また3すくみを反転させることで槍に有利になる剣なども新たに登場している。
  • 力と魔力
    本作では『紋章の謎』のように攻撃に該当するステータスが一つだけに戻り、物理職は「力」、魔法職は「魔力」が攻撃ステータスの名称となっている。
    それに伴い物理系と魔法系の両方を使用する兵種は廃止。トルバドールも杖しか使えない。
  • 杖の性能
    本作以降、「リブロー」などの遠距離杖の射程は魔力の数値が関わるようになり、魔力が高いほど遠くに使用できる。
    また相手を状態異常にする杖は魔力で相手の魔防を上回れば必中であったが、本作から通常武器のように回避が可能になった。
  • 支援関連
    『聖戦の系譜』のように隣接していると支援が進む形に変更。
    支援会話を行うと支援レベルC→B→Aと上昇し、Aまで行くと最大の効果を得られる。
    効果はユニット毎に設定されている属性によって異なる。
    会話ではキャラクター同士の何気ない会話だけでなく、本編では出て来ない人間関係や過去について知る事もできる。
    本作では1マップで稼げる支援量の数値が定められており、適当に隣接させただけではなかなか上がらない仕様である。
  • 救出
    『トラキア776』の「かつぐ」が「救出」という名称で登場。役割はほぼ同じ。
    ステータス画面で救出というステータスも追加され、体格に応じていくつまで救出できるのかが明確になった。
    また、騎馬系ユニットも騎乗者の体格に応じて救出が可能に。
  • 再移動
    騎乗ユニットの再移動は「攻撃」と「杖」では行えなくなった。(非常に紛らわしい事に、この条件は『聖戦の系譜』と真逆)
  • ヘルプ
    ユニットやアイテムの整理画面でRボタンを押すとヘルプが表示される。
    アイテムや能力値などの詳細的な説明の他、キャラクターの簡単な説明も確認できる。
  • 出撃位置の入れ替え
    進撃準備時に出撃位置を自由に入れ替えられるようになった。
    マップ上からユニットを直接選んで入れ替えられるため、『紋章の謎』の時より非常に扱いやすい。
  • 進撃準備の武器屋
    進撃準備画面で武器屋に行って最低限の装備品を買えるようになった。ただし価格は5割増しのボッタクリ仕様であるため、あくまでも緊急用。
  • 輸送隊のユニット化
    本作では輸送隊が【マリナス】というユニットとして登場。
    マリナスに隣接するとマップ中に輸送隊を利用できる。
  • オートセーブ
    電源を消しても消した所で中断データが保存される。何度やり直しても同じ場面になる。
    ただし闘技場の対戦相手のクラスとレベルが出た所でリセットした場合は別で、戦闘前からやり直せる。
  • 通信闘技場
    本作では育てたユニット達を通信ケーブルを使って戦わせる事もできるようになった。最大4人プレイも可能。
    戦闘は戦略マップではなく、各々のターンで攻撃するユニットを1体選択して戦わせるという設計。
  • 実行命中率(仮)
    本作の命中率は判定に使われた2つの乱数の平均値以下であれば当たるという仕様が取られており、表示されている命中率と実際の命中率が異なる。
    平均値を取るという事は50に近い数字が出る確率が高くなるため、例として上げると命中率75%の場合、実際の命中率は87.75%となる。命中率25%の場合だと実際は12.75%。
    要するに50%以上の攻撃は当たりやすくなり、49%以下の攻撃は外れやすくなる。
    基本的には味方の方が命中率が高い状況で戦うため、味方有利のシステムである。
    数値が信用できなくなるシステムではあるものの、命中回避の試行回数が多くなる『ファイアーエムブレムシリーズ』において、80%や90%といった数値がほぼ必中となり、10%や20%といった低命中が高確率で回避できる等といった利点は、プレイヤーが確率に踊らされる負担を大きく軽減する作用があると考えられている。
    以降のシリーズでもたまに採用されている。
  • 隠しコマンド
    戦績画面で「←、←、→、→、L、L、START」のコマンドを入力すると、パスワードが表示される。これは当時の任天堂公式HPで開催されていたプレイヤー成績ランキングを収集するためのものだが、開催期間が発売から一ヶ月と短く、参加者も900人しかいなかったため知名度は低い。
    パスワード自体はそこまで長くないのだが、ゲーム中に必殺を連発したなどだいぶプレイ中の細かいことまでわかるらしく、投稿するとプレイ内容に応じてプレイヤーの采配がちょっとした英雄譚のように文章で表示される。
    2023/12/31にこの機能に関しての動画投稿が行われており、通信闘技場でも入力可能であると判明し、チームに合わせて入力した場合はそのチームに依存したパスワードが表示される。
    更にメインメニューで実行した場合は6番目の枠に保存されたトライアルマップの送受信が可能であることが判明した。
    この機能は限定トライアルマップ「グライゼル処刑場」「山賊討伐」などが、別のカートリッジへ再配布可能であることを示している。(参照)

キャラクター

主要の味方キャラ

主要の敵キャラ

他のキャラクターは【ファイアーエムブレム 封印の剣】/キャラクターを参照。

ゲームモード

  • 中断から始める
    中断データから開始する。
  • 記録から始める
    記録したデータから開始する。
  • 記録を写す
    記録されているデータを別のデータにコピーする。
  • 記録を消す
    不要になったデータを消す。
  • 最初から始める
    ゲームを最初から始める。
  • エクストラ
    通常とは異なるゲームを楽しめるモード。
    • トライアルマップ
      ゲームクリア後のメンバーで遊べる1話だけのキャンペーンマップ。
      それぞれ特殊な状況のマップで戦闘する。本編には無かった防衛などの勝利条件もある。
      最大で5つのマップがプレイ可能。
      6番目のマップは配信専用の枠になっており、
      当時の月刊少年ジャンプ2002年8月号の懸賞で配布された『月ジャンVer.ファイアーエムブレム』に収録されている「グライゼル処刑所」
      Vジャンプ2002年7月号で配布された「V型マップ」や「J型マップ」
      戦績ランキング上位の入賞者に配布された「山賊討伐」が確認されている。
      ゲーム内にはデータは入っていない。
    • 通信闘技場
      育て上げたユニット5人で対戦する通信対戦モード。マルチカートリッジプレイで4人まで戦える。
    • チュートリアル
      セシリアの指示の下、ロイ達3人を操作して基本を学ぶ。
    • サウンドルーム
      ゲーム中に使用されたBGMを聴けるサウンドテスト。

関連作品

紹介動画

リンク

移植・リメイク

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最終更新:2025年05月07日 23:28

*1 『ファイアーエムブレム ヒーローズ』等での名称