第五話「いきなりの休息」
~基地・医務室~
俺「・・・・・・お、あの雲美味そうな形してるなぁ」
シ~ン
俺「・・・・・・ネウロイが来る気配も無し、平和で実によろしい」
シ~ン
俺「・・・・・・う~み~は広い~な大きい~な~♪」
シ~ン
俺「・・・・・・ぐぁっ!!バルクホルン大尉にやられた右腕が、疼くっ!!(完治済み)」
シ~ン
俺「・・・・・・外に出て美緒と海で泳ぎたいなぁ。あわよくば、美緒とそのままイチャイチャし(ry」
医者「俺中尉、独り言も程々にお願いします」
俺「むむ、んじゃ独り言辞めますんで俺と何かお話しましょうよ」
医者「まだ業務が残っていますので、お断りさせて頂きますわ」ニコッ
俺「俺が断られたのもこれで12回目ですねぇ。つれない御方だ」
医者「さて、私は少し出ますので大人しくベッドに居て下さいね。一時間後には宮藤さんの治療も始まりますから」
俺「りょーかいしました。では帰って来たら一緒にお茶を(ガチャ、バタンッ)・・・・・・ふぅ、やれやれ。独り言も飽きたし芳佳ちゃんが来るまで本でも読んどくか」
~三十分後~
俺「・・・・・・・」ペラ、
???「配置に着いた。いつでも行けるよ」
???『うじゅ~、こっちも配置に着いたよ♪』
???「や、辞めた方が良いですよハルトマンさん。俺さんは療養中なんですから」
俺「(ん?部屋の外で何話してんだ?)」
???「しっ~!!今は名前で呼んじゃ駄目だよミヤフジ。それに俺君なら大丈夫だって」
???『この前、医務室の先生を口説こうとしてたしなぁ~。それとお前も名前で呼んじゃってるぞ~』
俺「(!?何故それを知っている!!)」
???「とりあえず配置に着いたなら始めよ!!『俺君のフルーツ強奪作戦!!』」
???『うじゅ~♪リンゴ~♪』
???『桃はあたしのだ~♪』
???「(坂本さんのお見舞い品なのに・・・ごめんなさい、坂本さん!!)」
???「んじゃとつげ(ry」
俺「ごちゃごちゃ煩いよ!!読書に集中出来ないだろうがぁ~!!」バンッ!!
ハルトマン「ひぅっ!?」
宮藤「ひゃぁ!?」
宮藤「うぅ、すみません俺さん」
俺「いやいや、芳佳ちゃんは悪くないさ。こうして治療もしてくれてるし、ハルトマン中尉に無理矢理付き合わされただけだろ?」
エーリカ「むむむ、その言い方だと私が悪の根源って感じに聞こえるよ?」
俺「実際そうだろうに・・・言い逃れは出来んぞハルトマン中尉」
エーリカ「お見舞いに来た人に対してその態度!!実に遺憾だ!!」
俺「ほぉ~、ならお見舞いに来た人がなぁんで窓の外に曲者を配置してるのかなぁ~?」
エーリカ「ぎくっ!!」
宮藤「あはは」
俺「もう出てきて良いと思いますよ~。イェーガー大尉とルッキーニ少尉」
ルッキーニ「良く分かったね~」ニョキッ
俺「分かるも何も、こんだけ近ければ声が聞こえますって。それに・・・中尉達に小型無線機も付いてるしねぇ」
エーリカ「そこまで気付いているなんてねぇ。俺君やるなぁ~」
俺「俺を褒めるのは良いけど・・・その小型無線機、使用許可貰ったのか?」
三人『・・・・・・』
宮藤「ミーナさんに怒られますね」
俺「あ~あ、俺は知らないぞ」
宮藤「はい、これで私の治療は完了です!!大体の傷は完治していると思いますけど、一応医務室の先生に良く見てもらって下さいね」
俺「ん、分かったよ。しかし芳佳ちゃんの治癒魔法は凄いなぁ」
シャーリー「混乱状態のバルクホルンにぼこぼこにされて全治3週間の怪我が4日で治ったもんな」モグモグ
ルッキーニ「でもでも、俺の回復力?も凄いと思う~」パクパク
エーリカ「と言うか、あれで生きてたのが凄いよね~」ムシャムシャ
俺「あんたら勝手に人の見舞いの品食うな!!俺が美緒から貰ったんだぞ!!」
シャーリー「堅いこと言うなよな~。あたし達は仲間だろ?」
俺「それとこれとは違う!!・・・・・・ってもう良いや。それで?芳佳ちゃんを除くお三方は見舞いの品を食いに来ただけか?」
エーリカ「にひひ、それは違うんだなぁ~♪心の底から俺君を心配している私はちゃんとお見舞い品を用意してるよ♪」
宮藤「!?」
シャーリー「まさか・・・」
ルッキーニ「うじゅっ!?」
俺「お、本当か?何を持って来てくれたんだ?」
エーリカ「私お手製のクッキーだよ♪」
三人『(お手製・・・クッキー!?)』
俺「くっきー?ああ洋菓子ってやつか。それって美味い?」
エーリカ「もちろん!!甘くてサクサクしてて、あまりの美味しさに俺君の頬っぺたも落ちちゃうね♪はいプレゼント~」
俺「ふむふむ、頬が落ちるのは怖いがハルトマン中尉が作って来てくれたんだ、ありがたく戴くよ」パカッ
シャーリー「ひぃ!?」
宮藤「っ!?」
ルッキーニ「にゃぁ!?」
ハルトマンから受け取った可愛らしい模様の箱を、俺は何だかんだ言いつつも嬉しいのだろう、微笑みながら開けた。
「へぇ~、これがくっきーか。何だか黒いのな」
俺が嬉しそうな声をあげる中、箱の中身を見た三人は悲鳴にならない声を上げる。
そこにあるのは黒・黒・黒。何者にも染める事が出来ない漆黒の闇に似た色の物質であった。
「(こ、これがクッキーだと・・・?)」
「(あ、あたしこんな物見たこと無いよ・・・)」
「(ま、まさかこれがバルクホルンさんの言ってた・・・)」
宮藤芳佳は思い出した。
カールスラントのとある部隊の整備兵達数十名が一斉に腹痛を起こし、失神した事件をバルクホルンから聞いた事を。
そしてその腹痛を起こさせた物を作った人物が・・・
「今日はちょっと上手く出来たと思うんだ~♪」
目の前で少し照れた風に可愛らしい笑顔を浮かべる『黒い悪魔』エーリカ・ハルトマンこの人である事を。
「(そしてこのクッキーが暗黒物質なんだ・・・・・・)」
暗黒物質、通称『ダークマター』・・・バルクホルン達はハルトマンの作る食べ物らしき物の総称をそう呼んでいる。
そして『黒い悪魔』とその『黒い悪魔』が作り出す『暗黒物質』には手を出すな、とカールスラントでは常識にさえなった。
ミーナとバルクホルンがハルトマンに料理を禁止しているのもこれが理由だ。
「
初めて食べるもんだからなぁ~。まあ美味いって言うんだから美味いだろ」
「(はっ!!)」
暗黒物質を1つ手に取った俺を見て芳佳は記憶の世界から生還した。
そして三人は『本当に食べたら人は失神するのか?』と言う好奇心の気持ちと『食べる前に止めるべきか?』との気持ちで揺れ動いてしまう。
「(・・・でもあたしに被害は無いから)」
「(うじゅ、黙っとこ~)」
「(俺さん、ファイト!!)」
結局の所、三人は好奇心が勝り静観する事にした。
意外と冷徹である。
俺「んじゃ戴きます」パクッ
三人『ゴクリ・・・』
エーリカ「ど、どうかな?」
俺「うっ!!」
シャーリー「やっぱ駄目か!?」
宮藤「俺さん!!」
ルッキーニ「うにゃ~!!しっかり俺ぇ~」
俺「う、美味いぞハルトマン中尉!!なるほど、これがくっきーか。普通に美味いな」パクパク
三人『・・・・・はぁ?』
エーリカ「ほ、本当に?不味くない?」
俺「少し焦げてるかもしれないが、これも手作り感が出てて良いと思う。中尉はこんなに美味い菓子も作れるなんて偉いなぁ」モグモグ
エーリカ「でも前の部隊の皆に食べさせた時は不評だったんだよね。だから本当は自信無かったけど・・・」
俺「そりゃそいつらの味覚が悪いんだよ。現に俺は満足しつつ食べてるしな。ハルトマン中尉は自信持って良いさ」
エーリカ「俺君・・・えへへ、ありがと♪それじゃ今度から私が作った物は俺君が食べてくれないかな?」
俺「もちろん喜んで引き受させてもらうよ。こんなに美味い物をたくさん食べられるなら大歓迎だ」パクパク
エーリカ「にしし、初めてこんな事言われたから何か嬉しいなぁ~♪」
宮藤「(あれ?もしかしてバルクホルンさんが言ってたのは嘘なのかな?)」
シャーリー「(見た目は悪いが、意外と美味いかもしれないし)」
ルッキーニ「(わっけわかんな~い!!)」
俺「ん?三人も食うか?こいつは美味いぞ」
エーリカ「あ、そうだね。皆も食べてみてよ♪」
宮藤「そ、そうですね。1つ貰います」パクッ
シャーリー「お、おお~サンキュー」パクッ
ルッキーニ「あ、ありがと~」パクッ
三人『・・・・・・むごぅっ!!』
クッキーを食べた三人の頭には走馬灯らしき物が過った・・・・・・。
楽しかったみっちゃんとの遠足・・・。
最高速を出した時の身体を包んだ風の気持ち良さ・・・。
シャーリーの胸に抱き着いた時のふわふわ感・・・。
全てが懐かしく・・・暖かかったあの思い出・・・・・・。
三人『・・・・・・・・・・お邪魔、ぐふぅ、しました』
そう言って三人は言い様の無い感情と痛みで震える身体に鞭を打ち・・・トイレに向かった。
そしてクッキーを食べて気付いた。
俺中尉はこの世で唯一、暗黒物質の効かない程の味覚音痴だと言うことに。
俺「なんだ?用事でも思い出したのかな?」
エーリカ「さぁ?まあ良いから食べてよ♪」
俺「焦って食う物じゃ無いだろ?ゆっくり味わいながら食うからさ」
~その頃のもっさん~
坂本「ふんっ、せいっ、でやっ!!」ブンッ
坂本「ふぅ~、やはり素振りは気持ちが良いな!!早く俺と一緒に行いたいものだ!!」
坂本「リハビリに海で泳ぐのも良いな。そう考えるとやる気が出たぞ~!!せいっ、やぁ!!」
坂本「びしばし鍛えるからな、俺ぇ!!」
最終更新:2013年02月02日 12:53