2年後 ロマーニャ501基地跡地

エーリカ「ここに来るのも2度目になるね」

 目の前の慰霊碑に花束を置きながらエーリカが呟いた。
 2年の間に身長は少し伸び、胸も少々大きくなったが外見はあまり変わっていない。
 ただ服が軍服ではなく、チェック柄のワイシャツで、下にジーンズという動きやすい格好をしている。
 戦争が終わった後、彼女は軍を退役した。

エーリカ「ねえ、俺は今幸せかな?」

 慰霊碑に書かれた文字を見ながらエーリカが呟く。
 それにこたえるように風が髪を撫でた。




俺「いやいやいやいやまるで人が死んだように言わないでくださいエーリカ」  

 背後から俺が声をかける。彼もまた殆ど姿は変わっていない。
 相変わらず袖も大きなままだ。

エーリカ「ホントに心配したんだからね!」

俺「それ、去年も一昨年も聞きました」

エーリカ「そうだったっけ?」

俺「そうですよ。まあ、実際死ぬかと思いましたけどね」



 あの時、突然ヴィオレットがオルタンスのぶつかって発射され、
 シールドによって弾かれた俺のユニットが偶然足にはまり、半回転してユニット側が下になった。
 その衝撃で偶然オルタンスの引き金が引かれ俺の魔力が回復し、急激な魔力増加に耐えきれずユニットが爆発。
 さらに爆風で落下速度が緩み姉のユニットが手を伸ばせば届く距離にあった。
 それを海面スレスレで履き終わり、なんとか生還に成功した。


俺「奇跡としか言いようがありませんね。まあ脚を大やけどしましたが」

エーリカ「俺のお姉さんが俺を生かそうと頑張ってくれたんじゃない?」

俺「……意外とそうかもしれませんね」

エーリカ「それでさ」

 一呼吸置いてエーリカが俺に詰め寄る。

エーリカ「俺は今幸せかな?」

俺「……はい」

エーリカ「聞えないよーはいもっと大きな声で!」

俺「幸せですよ!」

 やけくそ気味に俺は叫んだ。

俺「……本心ですから、恥ずかしくありません」

エーリカ「嘘つき。恥ずかしいくせに」

俺「ああもう次行きますよ次!」

 袖からバイクを取り出すと、ヘルメットも一緒にとりだしエーリカに渡す。
 ヘルメットを被ると二人はバイクにまたがった。

エーリカ「次どこだっけ?」

俺「カールスラントですね。バルクホルンさんから遊びに来いと通信がありましたし、ミヤフジさんから手紙もあずかってます」

エーリカ「俺もトゥルーデって呼べばいいのに。呼んでいいって言われたんでしょ?」

俺「なんというか呼びにくいんですよ……。さ、行きますよ」

 エーリカは俺に腰に手を回し抱きつく。

エーリカ「ねー俺ー」

俺「何でしょう?」

エーリカ「結婚しよ」

俺「エーリカが20歳になったら……というかこれは普通男のほうが言うものでは」

エーリカ「だって俺って全然そういうこと言わないもん。それにちょっとくらい早くてもいいじゃん」

俺「後一カ月もしないでしょう」

エーリカ「……じゃあカールスラントで?」

俺「多分そうなるでしょうね」

エーリカ「そっか! じゃあ行こう行こう!」

俺「しっかりつかまっててくださいよ!」

 ねえ俺。
 なんです?
 やっぱりハッピーエンドが一番だよね。絵本も、物語も。
最終更新:2013年02月02日 13:13