あらすじ
突然、2010年の東京に飛ばされてしまった宮藤。
そこで俺と出会い、短い時間だが一緒に過ごすことになる。
2人は打ち解けその生活を楽しんだが、ついに帰る方法が見つかった。
ところが俺まで飛ばされてしまい逆に宮藤の世界へ。
運よく使い魔と契約し、ウィッチとして認められた俺はストライクウィッチーズに入隊。
ビビリながらも何とか初戦をこなす。
エーリカや宮藤と一緒に帰省も済ませ、過ごしていたある日のこと。
予報もなくネウロイが現れる。
しかしそれは罠であり、俺は謎のネウロイと共に撃墜されてしまった。
第7話「私にできること」
俺「ん…」
俺「ここは…」
目が覚めると、俺の目には無機質な白い天井が映っていた。
俺「何でこんなとこ…ってそうだ!あの子は!」
俺のベッドの右側には、宮藤がもたれかかって寝ていた。
魔法力を使い果たしているようだ…頑張って治療してくれたのだろう。
588 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 16:38:11.23 ID:zTYswDuo0
そして俺の左側には…見知らぬ美少女がもたれかかって寝ている。
長めの黒髪をベッドに散らし、スースーと寝息を立てている。
誰だろう…?少なくとも俺の記憶には見当たらない。
まあ起きてから聞いてみればいいか。
宮藤「ふぁ…お、俺さん!目が覚めたんですか!?」
俺「あぁ、おかげ様でね」
宮藤「よかった…わたし…このまま…」グス
俺「わかったわかった、大丈夫だから泣くな。」
安心するように、頭を撫でてやる。
宮藤「エヘヘ…そうですね、ほんとに良かったです」
俺「ところで、この人は誰か知ってる?」
宮藤「いえ、それが…」
その時、扉が開く音がした。
592 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 16:42:29.44 ID:zTYswDuo0
ミーナ「あら、俺さん目が覚めたのね」
坂本「体に異常はないか?」
俺「はい、大丈夫です。」
ミーナ「ならみんなを呼びましょう、色々と相談もあるわ」
―――――――――――――――――――――――
皆が集まり、謎の美少女も起きた。
ミーナ「まずは、俺さん。あなた撃墜されたことは覚えてる?」
俺「悔しいですけど…はい。」
ミーナ「この人はあなたを助けてくれたのよ?」
坂本「瀕死の俺を背負って海から出てきたんだ」
俺「あれ?ってことはもしかして…」
ゲルト「心当たりがあるのか?」
593 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 16:46:34.56 ID:zTYswDuo0
俺「あの時一緒に落ちたネウロイか…?」
ネウ子「はい…そうなんです」
一同「「「「「ネ、ネウロイだって!?」」」」」
リーネ「まさかそんな…」
ペリーヌ「どこからどう見ても人間ですわ!」
ネウ子「騙してごめんなさい…でないとこの人を助けられなかったから…」
ミーナ「あなたは何者なの?攻撃の意思はないのね?」
俺「それについては俺からも話すよ」
そして俺は、あの時何があったかを説明した。
このネウロイについても。
坂本「そうか…しかし、そんなことになっていたとは」
宮藤「ネウ子ちゃんは、その姿は変えられるの?」
ゲルト「なんだそれ?」
宮藤「ネウロイの女の子だから、ネウ子ちゃんかなぁ…って」
奇遇だな宮藤、俺もそう思うぞ。
595 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 16:50:07.42 ID:zTYswDuo0
ネウ子「人間の姿は…これだけなの」
リーネ「ネウロイの姿にも戻れるんですか?」
ネウ子「はい」グニャ
ルッキーニ「まっくろだー」
ミーナ「とりあえず、あなたは人間の姿でいてください」
ネウ子「はい」グニャ
俺「でもよく助かったな…ネウ子が助けてくれたんだろ?どうやったんだ?」
ネウ子「いえ…それは…///」
口篭りながら、頬を染めるネウ子。
何この反応!?
ネウ子「着水時の衝撃を和らげる為に…その…抱きしめて…///」
俺「そ、そうなのか。ありがとうな」
目の前で、しかも照れながら
美少女にこんなこと言われたらこっちだって嬉し恥ずかしくなる。
596 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 16:54:30.39 ID:zTYswDuo0
宮藤「わ、私だってずっと介抱してたんですから!」
それに答えるように、ネウ子も言い返す。
ネウ子「私だって…がんばったもん…」
2人の視線が火花を散らしている。
このままでは…と思っていると、少佐が助け舟を出してくれた。
坂本「そこまでだ、まだ話の途中だから大人しく聞け」
宮・ネ「了解」ショボン
そこからしばらく話し合いが行われた。
要約すると、こんな感じだ。
- あのネウロイ(ネウ男)は相当強い
- ネウ男もネウ子もシールドが使えるのは、ウィッチの魔力も微量ながら吸収したから
- 姿は、ネウロイ時と人間時の2種類。
- ネウ子は裏切り者として、追放された。
- ネウ子は全面的に協力する代わりに、基地に置いておく
ミーナ「全員、異論はないわね?」
ゲルト「まあ悪い奴ではなさそうだ」
シャーリー「大丈夫だろー」
エイラ「サーニャに近づくナヨ」ガルルルル
598 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 16:57:55.39 ID:zTYswDuo0
反応はまちまちだが概ね良好だ。
俺も助けてもらったわけだしな…
坂本「さて、こんな時間だ。そろそろ夕食にしよう」
―――――――――――――――――――――――
俺はずっと眠っていたせいか、腹が減ってたので食事を楽しみにしていた。
していたんだが…
宮藤「俺さん、納豆も健康にいいからどうぞ!あ、混ぜてあげますね?」グリグリ
ネウ子「煮物も…栄養つくよ…?」
このピリピリした雰囲気は何なんだよ。
他の奴らの生暖かい視線が身体に刺さる。
ネウ子「まだ病み上がりだから…あーん…」
俺「じ、自分で食べれるからね?」
宮藤「ご飯のおかわりどうですか?あ、お茶も飲みますか?」
俺「いや、もうお腹いっぱいだから大丈夫だよ」
2人のバトル(?)にげんなりしていると、他の面々も会話に混ざる。
599 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 16:59:11.62 ID:zTYswDuo0
シャーリー「モテる男は辛いねぇ」ニヤニヤ
俺「病み上がりだから、看病してもらってるだけだよ」
俺だって、それだけとは思ってないが自爆することもないだろう。
ミーナ「ネウ子さんは何故これだけ私達の味方をしてくれるの?」
ネウ子「私は…彼と違って…俺さんと芳佳ちゃんの魔力が多かったから…」
坂本「もう1人はそのリングの魔力を取り込んだわけか」
ネウ子「だから私は…俺さんや芳佳ちゃんの気持ちとか…知識とか…そういうのも得たの…」
シャーリー「なるほどねー、道理で俺が好かれるわけだ」
宮藤「ななな何を言ってるんですかシャーリーさん」
エイラ「隠してもバレバレダゾ」
サーニャ「芳佳ちゃんは嘘が下手だから…」
そんなことを言ってると、ルッキーニがとんでもないことを言い出した。
601 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:02:17.14 ID:zTYswDuo0
ルッキーニ「じゃあ、さいしょーどーきんすればいいじゃん!」
俺「ぶっ、げほっ、…そ、それはマズいんじゃないかな…?」
ゲルト「なんだ、そのさいしょーどーきんという奴は」
シャーリー「…ルッキーニ、それをどこで?」
ルッキーニ「んとねー、整備兵のおっちゃんが居て、3人の事聞いたら」
「がっはっは、そりゃあお嬢ちゃん妻妾同衾すりゃ解決ってもんよ!」
ルッキーニ「って教えてくれたの」
シャーリー「よし、アイツだな…。それからルッキーニ、その言葉を忘れるんだ」
ルッキーニ「えーなんでー」
ミーナ「ルッキーニさんにはまだ早いわね」
エーリカ「案外いい解決法かもよー?」ニシシ
宮・ネ「そ、そんな破廉恥な///」
リーネ「全く同じ反応してるね…」
ペリーヌ「元が一緒ということですわね」
603 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:07:05.09 ID:zTYswDuo0
賑やかなもんだよ本当。
というか整備兵のおっちゃん!それ解決になってないから!
いや俺は大歓迎だけれども…って何言ってんだ…
あと、多分シャーリーにこってり絞られると思うぞ。
―――――――――――――――――――――――
――風呂
俺「あー、極楽極楽」ザバーン
俺「毎度毎度、これは癒されるねー」
傷にも沁みないようだし、と体を確認していると扉の開く音がした。
まさかこんな時間に入浴か!?
とりあえず俺は反射的に岩陰に身を隠した。
ネウ子「俺さん…居ないんですか…?」チャポン
俺「ネウ子か?」
ネウ子「良かった…居たんですね」
俺「あぁ…だが何故風呂に」
ネウ子「俺さんの背中を…流そうと思って…」
これは驚いた。
しばらく動けないでいると、ネウ子が申し訳なさそうに聞いてきた。
604 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:12:46.26 ID:zTYswDuo0
ネウ子「やっぱり…迷惑でしたか…?」
俺「いやいやいや、全然オッケーだよ」
ネウ子「そ、それではこちらに…」
俺まで緊張してきた…
しかし見れば見るほど、ネウロイとは思えないな。
宮藤の魔力を取り込んだせいなのかも知れないが、髪は真っ黒、胸は控えめ。
綺麗なその黒髪が、少し肩にかかって扇情的に…って落ち着け俺!
俺「じゃあよろしく頼む」
ネウ子「これぐらいで…大丈夫?」ゴシゴシ
俺「でも何でいきなり風呂なんだ?」
ネウ子「扶桑には、裸の付き合いというものがあると…私の知識にありました…」
なるほど、知識や感情も受け継いだわけね。
ネウ子「一旦流しますね…」
ネウ子がそう言った時、突如扉の開く音がした。
先ほどとは違い、それは荒々しいものだった。
605 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:17:20.25 ID:zTYswDuo0
宮藤「一体何をしてるんですかぁ!!」
ネウ子「俺さんは…怪我してたから…背中流してるだけ…」
宮藤「そ、それは私がしようと思ってたのに…」
ネウ子「早い者勝ち…」
宮藤「む~~、交代です!交代!」
ネウ子「ダメ…」
俺「喧嘩しないで、公平に。代わりばんこでね?」
ネウ子「ん…それで妥協する…」
宮藤「じゃあ私が右半分で、ネウ子ちゃんは左半分ね」
ネウ子「うん…」
しばらくして、お湯をかけて洗い流してくれた。
まさかとは思うが…
宮藤「次は前ですね!」
やっぱりか!
608 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:22:20.28 ID:zTYswDuo0
俺「いや、前はいいよ。自分で出来るし」
ネウ子「そう言わずに…やってあげる…」
俺「大丈夫だから…って、何でにじり寄ってくるの?」
宮藤「逃がしませんよ?ネウ子ちゃんはそっちからお願い」ジリジリ
ネウ子「了解…」ジリジリ
こういう時だけ結託しやがって…
バスタオル姿の2人が迫ってくる。
うん、慎ましい胸がなんとも…ってそんなことしてる場合じゃなかった。
この後、壮絶な追いかけっこをしたが何とか逃げ切れた。
全く扶桑魔女ってのは恐ろしいね…
―――――――――――――――――――――――
ザザーン ザザーン
俺「夜は少し冷えるな」
俺「ここだな…例の場所は」
誰にも見つからぬように海岸に来ていた。
深夜だから皆寝静まってると思う。
俺は今日1日で、2つのことを考えていた。
610 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:27:50.66 ID:zTYswDuo0
1つ。
今回の事は俺の責任が大きく、俺が何とかすべきだということ。
2つ。
奴を倒すには力がいる。固有魔法うんぬんではなく、もっと莫大な力が。
その為にはどうすればいいか。
そして俺は、ある結論に至った。
だから海岸に来ているのである。
ネウロイに出来たのなら俺も出来ないことはないだろう。
「世界間移動時の放出魔力の取り込み」、つまり奴らと同じ方法。
これが俺の出した結論だ。
時計を見ると、午前2時55分。
すっと鷹が現れ俺に質問してきた。
鷹「お主はそれで良いのか?」
俺「ああ」
鷹「どうなっても知らんぞ」
俺「ああ」
鷹「…なら我から言うことは何も無い。」
鷹「いや、1つだけ助言だ。お主には仲間がいる。それを努々忘れるな」
俺「ありがとうな」
音も無く、俺の使い魔は消えた。
611 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:30:04.34 ID:zTYswDuo0
2時57分。
宮藤からこっそり拝借したリングを装着する。
2時58分。
ちなみに今回向こうに行くのは1枚の写真である。
俺の一番大切な――ストライクウィッチーズ全員で撮った写真。
2時59分。
俺は魔法陣の外側から手をかざす。
外からなら大丈夫だろう。後は気合だ。
そして、3時00分。
魔法陣が発動した。
俺「ぐああああああああああああああ」
膨大な魔力が俺に流れ込んでくる。
しかし負けてはならない。
これを制御し切れなければ、俺は死ぬ。
俺「くっ、くっそおおおおおおおおおおおお」
必死で抗い、その魔力を自分の支配下に置こうとする。
その最中、これは走馬灯という奴なのだろうか?
俺の脳裏にある日常の1シーンが浮かんできた。
612 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:33:09.25 ID:zTYswDuo0
―――――――――――――――――――――――
宮藤「そんなに落ち込まないでください、俺さん」
俺「だって、もう入隊して2週間なのに手も足も出ないなんて…」
宮藤「私だって始めはそうでしたよ」
俺「でもなぁ…」
宮藤「私はね、お料理得意だったからそれも頑張ったんです」
宮藤「訓練では中々上達しないけど、せめて私にできることをしようって」
宮藤「それでみんなにも認めてもらえて、訓練も続けられました」
宮藤「大事なことは、自分にできることをするってことです」
俺「俺にできること、か…」
宮藤「人間なんてのは、違って当たり前でそれが個性です。
それを補い合って、人は生きていくんです」
宮藤「だから私は空で戦います。みんなの為にお料理もします」
宮藤「好きだから、守りたいから」
宮藤「俺さん、あなたにできることは何ですか?」
613 :パラレルワールド[]:2010/12/09(木) 17:36:00.92 ID:zTYswDuo0
俺「そ、それは…ごめん。わからないよ」
宮藤「ゆっくり考えてください、まだまだ時間はありますから」
宮藤「って、ちょっと偉そうだったかな…」
俺「いや、ありがとう。宮藤はちゃんと考えててすごいな」
宮藤「エヘヘ…それほどでも」
―――――――――――――――――――――――
俺「俺にできることは…こうするしかないんだ!!」
魔力と戦う内に俺は、意識を失った。
次回予告
強大な敵、ネウ男が現れたのは自分のせいだと責任を感じ
奴と同じ方法で自分も強くなることを選んだ俺。
そして、攻めてくるネウ男と他のネウロイ達。
その時ストライクウィッチーズは―――
最終更新:2013年02月02日 13:17