904 :
空の王な俺:2011/11/17(木) 16:15:40.09 ID:Rfq5X9gHP
ネウロイ化した大和は、ヴェネツィアのネウロイの巣コアに対し主砲の一斉射を実行した。
そこにウルスラが囚われていることを知らないまま。
巣コアはウルスラのシールドを利用してそれを防ぐ。
シールドからフィードバックされた負荷に苦しむウルスラ。
大和主砲の三度もの斉射を受け止め、ウルスラはついに力尽きる。
消滅するシールド。
四度目の斉射がついにウルスラごとネウロイの巣のコアを砕こうとしたとき、そこに『空の王』が割って入る。
彼は深手を負いながらも、砲弾を弾くことに成功する。
五度目が来る前に、ウルスラをコアから救出せんとする『空の王』だったが……
906 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 16:22:15.11 ID:EKSygncC0
待っていたぞ
905 :空の王な俺:2011/11/17(木) 16:20:56.85 ID:Rfq5X9gHP
しかしいくら力を込めても、男はウルスラを引っ張り出せない。
コアの表面は、琥珀が虫を絡め取るようにウルスラを埋め込んでびくともしない。
加えて男の左腕に殆ど力が入っていないことがウルスラには分かった。強がっていても深手には違いないのだ。
しかしそれを指摘したとて、認めないだろう。この意地っ張りは。
かわりにウルスラは、別の手段を提示することにする。
ウルスラ「撃って」
余「……良いのか?」
ウルスラが小さく頷きながら返すと、男は少し離れた。
余「あい分かった。……ゆくぞ」
余「<●><●>」キン!
出力を抑えた『勅視』が、ウルスラの周囲のコアを削っていく。鑢をかけるように、少しずつ、慎重に。
『勅視』自体がウルスラにダメージを与えることはないが、削られていくコアとウルスラは魔力的な結合がある。
コアがウルスラにシールドを維持するエネルギーを供給したように。
そしてそのコアの展開したシールドへの負荷が、ウルスラにフィードバックされたように。
908 :空の王な俺:2011/11/17(木) 16:27:15.92 ID:Rfq5X9gHP
つまりコアへのダメージが、ウルスラにもかかってくる危険性がある。
果たして、ウルスラが小さく息を漏らす。
ウルスラ「…………っ」
余「どうした!?」
ウルスラ「大丈夫……。続けて。少しくらい強引でいい」
余「……良かろう。しかし、異常があればすぐに言え。」
男は一瞬躊躇うも、再び照射を開始した。
しかし。
ウルスラ「……うあっ」ビクッ
余「ぬ。この方法は諦めるべきか……。」
909 :空の王な俺:2011/11/17(木) 16:32:47.27 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「そんな時間は……」
言いかけて、急に何かに気づいたように言葉を切る。
怪訝顔をする男の肩越しに、ウルスラは海上を見つめていた。
ウルスラ「6時方向、砲撃が来る」
余「大和はまだ静かなようだが。」
ウルスラ「違う。連合艦隊から」
反撃が消えて、ネウロイが力尽きつつあると判断したのだろう。他の艦艇からも徹甲弾による砲撃が始まっていた。
遥か下方にある海面上の艦艇、まるでおもちゃのようなそれらの上でぱっと煙が広がり、数秒してから花火のような砲声が響いてくる。
余「ええい、鬱陶しい……。」
男が呟き、シールドを背後に展開する。
ウルスラはシールドを展開できない。今は男に頼らねば通常の砲弾とはいえ、耐えるすべはない。
砲声からさらに数秒遅れて、弾体が見た目には意外なほどゆっくりと放物線を描いて飛来してきた。
男が奥歯を噛み締める。
着弾。
青いシールドが、ネウロイ化していない通常弾とは言え20cm級の砲弾を受け止める。
紫電が流血のように飛び散る。
余「ぬ……ぐ……!」
911 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 16:36:09.31 ID:EKSygncC0
よっさん頑張れ支援
912 :空の王な俺:2011/11/17(木) 16:38:20.29 ID:Rfq5X9gHP
男が絶える様子を、ウルスラは口を引き結んで見つめる。
ウルスラ「……ごめんなさい」
余「謝るな。」
ウルスラ「でも」
余「言うな。」
強く制止され、思わず目を伏せるウルスラ。
下げた視界の内に赤黒く染まった『玉座』が映る。
ウルスラ「……あなた」
ウルスラが思わず声を上げた。『玉座』の上に血溜まりができていた。
シールドに着弾するたび、男の服の赤黒い染みがじわりと広がり、足元の『玉座』に滴っていく。赤黒い水面に波紋が広がる。
ウルスラはしかし、なにもできない。シールドは張れないし、コアに埋まった手足は今だに殆ど動かせない。
おろおろと、その細かく波紋を広げる血溜まりを見下ろしている。
そんなウルスラを見て、ふと男が呟く。
余「そなたが好きだ。」
913 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 16:42:34.66 ID:sMoq+8Y50
お、クライマックスか支援
915 :空の王な俺:2011/11/17(木) 16:44:58.38 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「……え?」
余「そなたが好きだ、そなたが欲しい。そう言った。」
ウルスラは混乱する。いきなり何を言い出したのか。
嬉しいとか恥ずかしいとかより先に、困惑し、後に危惧を抱いた。まるでこれは、別れの言葉のようではないか。
そんなウルスラの内心に気づいてか否か、男が続ける。
余「そなたにこのことを告げておけなかったのが余の最大の悔いであった。
よもや再び見えられるとは思わなかったが、なればこそ真っ先にこれを告げておきたかったのだ。」
余「そなたを、戦利品を獲るには勝利せねばならぬ。ゆえに余は戦う。そなたが気に病むことではない。」
ウルスラ「……私のためなら、死ねる?」
余「無論だ。」
即答。血に染まった横顔が、力強く頷く。
ウルスラはついに実感する。
ああ、本当に、嘘偽り誇張なく、心のそこから、この男は私が好きなんだ。
こんな場面でなければな、と思ったが、しかしこんな場面だからこそ、一分の疑いもなく納得できたとも言えるかもしれない。
私もこの男が好きだ。
だから……だから、もういいではないか。
916 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 16:49:39.04 ID:EKSygncC0
かっけえ
917 :空の王な俺:2011/11/17(木) 16:50:39.33 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「……もういい」
余「ぬ?」
ウルスラ「私のために死ななくていい。もう行って」
余「何を言う。」
ウルスラ「助けに来てくれてありがとう。本当に、嬉しかった。……『あなたのもの』になってあげたかった。でも」
小さく首を振る。
ウルスラ「最後に会えたから、だから、もういい」
余「……黙れ。」
ウルスラ「もう大和から次の砲撃が来る。急いでここを離れて。」
余「黙れと言った。」
ウルスラ「いくらあなたでも、その傷でもう一度あの砲撃を受けてただで済むはずがない。」
余「余がここを離れれば、そなたはどうなる。議論の余地はない。」
ウルスラは黙って首を振る。有無を言わさず。
仕草だけで、男は逆に黙らされる。
918 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 16:53:02.53 ID:icztGcPy0
ふおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
帰ってきたらよっさんがいるじゃねえかああああああああああああああ!!!!!
919 :空の王な俺:2011/11/17(木) 16:55:23.82 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「残ったところで、あなたが少し先に死ぬだけ。私は助からない。
あなたがどういうつもりでも、私はあなたを巻き添えにはしたくない」
ウルスラ「それにあなたが私を護らなければ、とうに大和がコアを破壊していた」
余「余を責めるという――」
ウルスラ「聞いて。そもそも、私がここに居さえしなければ、捕まりさえしていなければ、大和は最初の一斉射で勝利していた」
ウルスラ「私が、人類の勝利を阻んだ」
余「……」
ウルスラ「そのあと沈められた船や人……被害は、だから、わたしのせい。
もうこれは、私個人の問題じゃない。私は今、人類の敵」
余「そなたが……人類の敵……?」
ウルスラ「そう。だからそこをどいて。私を庇うのなんて止めて、」
余「つまり……つまり、人類はそなたの敵ということだな。」
ウルスラ「だからそう言って――」
ウルスラ「……」
ウルスラ「……え?」
920 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:00:11.93 ID:Rfq5X9gHP
余「<●><●>」ギン!
男が“大和に向かって”『勅視』を放つ。艦首側の主砲塔の一部が消し飛び、間近で砲弾が炸裂したような衝撃波がウルスラを襲う。
大和は即時に再生し始めるが、抉られた損傷が大きすぎるのか、それは目に見えて鈍い。
余「余が反撃せぬと思って存分に撃ってくれたものだ。これが返報ぞ、受け取れ!」
余「<●><●>」ギカ!
続けて、男は海上の艦隊と彼らが発射していた砲弾をなぎ払った。1tを超える鉄の塊が瞬間的に蒸発し、プラズマ化して発光する。
空に向かって落ちる滝のような水柱が、帯と広がって艦隊を飲み込んだ。
ウルスラは唖然として声も出ない。確かに自分は人類は敵だとは言ったが、それを言葉通り解釈する馬鹿がどこにいる?人の話を聞いていないにもほどがあるだろう。
余「案ずるな、峰打ちぞ。船には当ててはおらぬ。少し脅かしてやっただけだ。」
ウルスラ「……自分が何をしたか、分ってる……?」
余「ふん、しゃらくさいわ!」
ウルスラ「えっ……」
余「そなたが好きだ!」
余「そなたが欲しい!」
そのとき確かに時間が止まった。
びょうと吹く風の音だけが辺りを包む。
922 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 17:04:19.96 ID:hCQcJ6cD0
やべぇかっけぇ
923 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:06:10.85 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「え、あ、うん……」
ウルスラ「さっきも聞いた」
幾分冷静に、ウルスラが応じる。
余「そのときそなたは、余がそなたのために死ねるか、と聞いた。これが答えだ。」
あのときはあのときで、「できる」とちゃんと答えているではないか、とか
これが何の答えなんだ、とか
さっきから混乱させられっぱなしだ、とか
それを言うならこの男には、出会ったその日から混乱させられてきたな……、とか
そんな錯綜する内心を、ウルスラは一言の問いに変える。
ウルスラ「どういうこと?」
余「余にとり、余自身より大切なものはそなたしかない。他の何者も、そなたに優先されはしない。
余はそなたのためなら、余自身の命も他者のそれであっても捧げられるということだ。」
今度こそ、ウルスラは絶句した。
余「そなたが世界のために己を殺すというなら、余はそなたのために世界を殺す。」
余「余に人類を滅ぼされたくないなら、諦めるな。」
924 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 17:08:10.63 ID:icztGcPy0
よっさんマジ漢やでぇ・・・
926 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 17:12:05.61 ID:eMvKKl1EO
すごい漢だ……
925 : 忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/11/17(木) 17:11:51.84 ID:5HcSJMWP0
>ウルスラ「え、あ、うん……」
ちょっとワロタ
927 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:12:15.89 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「で、でもたとえあなたにも、ここから私を連れ出すことはできない」
余「確かに、な。」
ウルスラ「だったら――」
余「余のみでは不可能かも知れぬ。なれど、余の力はもはや余の範疇にあるもののみではない。」
男は言いながら、背後を振り返る。
いまだ大和が覗く外殻の穴の向こうに、何かを見ている。
ウルスラ「……?」
余「まったく、いい頃合にやって来るものだな。」
余「『STRIKE WITCHES』!余が朋輩らよ!」
余「手伝ってくれ。そなたらの力が必要だ!」
これも王の直感とでも言うのか。
果たして、完璧なタイミングで、爆煙の渦を突き破って、STRIKE WITCHESが突入してきた。
先頭はエーリカ、男には目もくれず、ウルスラに抱きついていく。
エーリカ「ウーッシュ!!」ガバ
ウルスラ「姉さま!」
928 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 17:15:18.85 ID:T8Jh8dNw0
やべえ・・・この熱い展開たまらん
929 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:17:16.21 ID:Rfq5X9gHP
エーリカ「ウーシュ!良かった、良かったぁ……!」
エーリカは壊れた蓄音機のように、良かった、と繰り返す。その頬をぽろぽろと涙が伝う。
表に現さなくとも、一番ウルスラの一件に心を痛めていたのは彼女だった。
他のウィッチ達も集まってきた。
ミーナ「ウルスラさん、よく頑張ったわね」
宮藤「ウルスラさん……良かった」グス
シャーリー「ハルトマンが飛び出していったときは何事かと思ったけど……。驚いたなぁ」
口々にウルスラの無事を祝う乙女たち。
その輪から少し離れて、坂本が男に声を掛ける。
坂本「お前が私たちに助けを求めたのは初めてだな」
余「うむ。余一人ではどうにもならぬ。」
ミーナ「それは構わないけれど、急いだ方が良さそうね。大和が砲撃を再開する前に」
余「なに、再生したならばまた余が砕いておこう。沈めない程度にな。」
931 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:22:06.42 ID:Rfq5X9gHP
バルクホルン「……大和を撃ったのは、やはりお前だったか」
ウルスラを見ても黙っていたバルクホルンが口を開く。冷たい声音。
ウルスラが生きていた事は喜ばしいし、男がそれを護っていたことも分かっている。
だが、それとこれとは話が別だ。
エーリカ「トゥルーデ!」
バルクホルン「ハルトマン、分っている。ウルスラのためだったのだろう。
だが私たちは軍人だ。看過していいこととそうでないことがある」
どんな理由があれ、味方を撃つような行為を、軍人は許容してはならない。
それは軍という組織の秩序を崩壊せしめる危険を孕む行いだ。
バルクホルン「で、どうなんだ」
余「いかにも。余が撃った。」
バルクホルン「オペレーション・マルスがそのせいで失敗するとは思わなかったのか。
ロマーニャの解放を、おまえはどう思っていた」
余「知らぬな、そんなもの。」
932 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:27:16.94 ID:Rfq5X9gHP
シャーリー「おいよっさん!」
ルッキーニ「……」
余「む。すまぬな、フランチェスカ・ルッキーニ。そなたにはロマーニャを解放すると約束しておきながら。
だが物事には優先順位というものがあるのだ。」
ルッキーニ「えー……」
.oO(割と普通に最低だこの男……。)
ウィッチーズの心の声が唱和する。
ウルスラ「すいません……」
ウルスラが心底申し訳無さそうに謝り、
坂本「少しは殊勝な態度を見せていたかと思えばこれか」
呆れた声で、坂本が呟いた。
933 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 17:32:23.21 ID:EKSygncC0
さすがブレないな
934 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:32:57.88 ID:Rfq5X9gHP
余「話は済んだか?」
問いかけるようでいて、男は返事を聞く前に体ごとウルスラに向き直ってウィッチーズに背を向けている。
余「ならば手伝え。宮藤よ。ウルスラに治癒魔法をかけ続けるのだ。余がコアを削る。」
宮藤「あ、はい!」
バルクホルン「おい、まだ話は終わっていないぞ!」
余「他の者は――」
バルクホルンの抗議を無視して、男が辺りを睥睨する。その仕草ににじむ緊張感に、乙女らは反射的に武器を構えて円陣を組んだ。
硝煙の内に、殺気が漂う。
余「彼奴らを防ぐのだ。余はコアを削るのに集中する。」
ガサガサと、巣のコアと外殻の隙間を蠢く影がある。
ぼんやりと赤く光るコアに照らされて、しかし殆ど光を反射しないそれらは、暗がりが形をもって這い回っているような印象を与える。
ペリーヌ「巣の体内の免疫細胞か、そうでなければ寄生虫といった感じですわね」
コアの表面、外殻の裏面を無数に這い回る影の正体は、6本の脚を持つ小型のネウロイだった。
遠巻きに様子を伺っていたのが、男の言葉を皮切りに一斉に近づいてくる。
先刻までは、男はウルスラを守ることで結果的にとはいえコアの安全にも寄与していたがゆえに、攻撃の対象ではなかったのだろう。
ルッキーニ「うぇーこんなムシ嫌ーい!」
ミーナ「ええ、なんだかモゾモゾするわ……」ゾワゾワ
935 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 17:34:27.40 ID:EKSygncC0
ミーナさんwwwww
936 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:37:04.48 ID:Rfq5X9gHP
男の行為の是非はともかく、ウルスラを助けることについて、ウィッチーズに反対する者はいなかった。
となれば、妨害してくるネウロイは防がねばならず、またコアに埋め込まれたウルスラを解放せねばならない。
つまり結局は、男の望むとおりに展開は進んだ。
リーネ「でもいいんでしょうか、天城にも秘密でこんなことして」ダン ダン
エイラ「あとで怒られるかもナー」ダダダダダ!
坂本「実はな、私は大和の砲撃を見てるだけで終わりでは不完全燃焼だったのだ。
命令違反だろうが、仲間を救って終わる方が、魔法力の使い切り方としては上等だ」ハッハッハ
ペリーヌ「ぶっちゃけすぎですわ少佐……」
バルクホルン「……」
エーリカ「トゥルーデ、ごめんね?」
バルクホルン「いや、お前が謝ることではない。しかし……」
ちら、とバルクホルンは男を見やった。男は宮藤と協働して、今はウルスラの右足を削り出しにかかっていた。
いつの間にか強引に、最初からそうだったかのように、男のペースにされている。
結局何者も、この男を止めることなどできはしないのだ。
バルクホルン「女一人と世界を天秤にかけて、まよわず女を選ぶ、か」
バルクホルン「馬鹿には勝てんな」フゥ
ため息と共に、バルクホルンは大分風通しのよくなった巣の外殻越しの空を見やった。
雨は完全に止み、ほぼ水平高度に取り残されたような黒雲と、虹がかかっているのが見えた。
937 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:42:43.48 ID:Rfq5X9gHP
―――
――
―
損傷を再生させた大和が、巣の外殻の穴をこじ開けて侵入していく。
ガリガリゴリゴリという、金属同士がぶつかり合って削れる不協和音が響く。
『STRIKE WITCHES』が、大和と入れ違いに巣の外殻から飛び出す。
ある者は艦橋を飛び越え、またある者は船底に沿って這うように潜り抜ける。
最後に男がウルスラを抱えて、大和の測距儀と対空砲塔の隙間をすり抜けて飛び出した。
もうお前に用は無いとばかりに、一目散に離脱していく。
その背後で、扶桑が誇る46センチ砲が、今度こそその第一義を全うした。
1トン以上の重量をもつ砲弾が6発、何の妨害もうけぬままネウロイの巣のコアに突き刺さり、食い破った。
雨雲がはけ切った真夏のロマーニャの空に、真っ黒な積乱雲が沸き起こる。
それは白く輝くコアの欠片を孕んで、人類の戦勝を記念するモニュメントとして一時空にそびえた。
938 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:47:16.09 ID:Rfq5X9gHP
無断での作戦外行動、そして出撃時より二人ほど人数が増えていることについて、ミーナは報告に四苦八苦することになった。
別に『空の王』を名乗る男が合流したことについても、ウルスラが生きていて、そして彼女を救出したことについても隠す必要はないのだが、
その報告をすると話の流れ上、男がコアごとウルスラを庇っていた話や、大和や連合艦隊に向けて『勅視』を撃った話までせねばならず、はなはだ都合が悪かったのである。
何せ連合艦隊にまで一発撃っている (本人曰く「峰打ち」ではあったらしいが) 。
ともあれ、オペレーション・マルスは成功した。
未だロマーニャにはマザー級ネウロイが残存しているが、ヴェネツィアという補給基地を失った以上、掃討に時間はかからない。
欧州戦線は大きな転換点を迎えた。
939 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:52:15.94 ID:Rfq5X9gHP
深夜。
連合艦隊は大破、あるいは撃沈した艦艇の人員の救助を完了し、ロマーニャ南部の補給基地に向けて帰投を開始していた。
空母天城艦橋上部、満点を望む防空指揮所に、男はいた。頭上を覆うものは何もない。
天蓋一杯の星が見渡せる。男は腕枕で寝そべって、それを眺めていた。
防空指揮所は、その名の通りネウロイの空襲攻撃の際に艦長が適切な回避行動をとるべく指揮を執る場で、
見晴らしのために艦内で最も高い場所に設えられる。
その「艦内で最も高い場所」、というのを気に入った男が、本来ならば常に立っている見張りを追い出して居座ったのだ。
とんとんとん、と軽い足音。
誰かが階段を上ってきている。男が首を捻じ曲げてそちらを見やる。
ひょい、と顔を出したのはウルスラだった。
ウルスラ「起きてる?」
余「寝ておる。」
ウルスラ「起きてる」
ウルスラは階段を上りきり、男の隣に座り込んで男を見下ろした。
男がそ知らぬ顔で応じる。
余「ふむ。……もう動いていいのか?」
ウルスラ「平気。あなたこそ、傷は?」
940 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 17:57:30.32 ID:eMvKKl1EO
さてさて……?
(期待の目)
941 :空の王な俺:2011/11/17(木) 17:57:31.68 ID:Rfq5X9gHP
余「宮藤の治癒魔法が効いておる。どうということはない。」
余「かの娘には、お互い世話になったな。」
付け足すように、男が言った。
ウルスラは頷く。
余「……」
ウルスラ「……」
少しの沈黙。随分と久しぶりな気がした。
基地にいたときは、二人でいる時間の多くはこうした、ただ隣にいるだけのものだった。
ただお互いの気配を感じるだけの、穏やかな時間。
ウルスラはちらり、と男を伺う。
男は上半身をはだけさせ、左腕から肩、腹部に掛けてを包帯でぐるぐる巻きにしている。左の頬には大きな絆創膏。
左腕ははっきり骨折していたはずだが、今は細い添え木を捲いているだけでギプスすらしていない。
942 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:00:11.82 ID:Rfq5X9gHP
いくら宮藤の治癒魔法を受けたとて、こんな所にずっといては海風が沁みるでしょうに。
ウルスラの手が男の傷をそ、と撫でた。
余「ウルスラ?」
ウルスラ「…ぎ」ボソ
余「ぬ?」
ウルスラ「無、茶、を、し、す、ぎ」グイグイ
余「ぬぐああああ!痛、痛いぞ!」
944 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:03:05.07 ID:QhpZK4wU0
ありがとうございます
>>944
余.oO(思考を……読まれた……!?)
945 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:05:40.40 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「生身で、戦艦の斉射を受け止めるなんてどうかしてる」
余「ふん、余にはどうということも――」
ウルスラ「……」グイ
余「痛たたたたた!」
ウルスラ「大怪我してる」
余「ぬう……。」
ウルスラ「一週間も、私を放っておいたし」
余「そ、そなたが生きていることを知らなかったのだ。」
ウルスラ「言い訳しない」
余「……すまぬ。」
946 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:10:44.26 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「あと私のためとはいえ、味方を撃った」
余「それについては、誰に恥じるつもりもないぞ。」
きっぱりと言い切る男。
ウルスラ「うん、ちょっと嬉しかった」
実は。と言いながら、ウルスラは男の胸にしな垂れかかる。
余「ふふん。」
ウルスラ「でも、良いか悪いかの話は別」グイグイ
余「痛い痛い!……ええい、先より粗相を働く手はこれか!」グイ
ウルスラ「きゃっ、ちょっ、くすぐった……い……!」クスクス
ばたばたともつれ合う二人。
くすぐったり捕まえたり、月明かりの照らす露天の指揮所に、押し殺した笑い声が続く。
947 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:11:25.07 ID:EKSygncC0
プリプリするウルスラかわいい
948 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:15:49.06 ID:nLtVGxM50
俺の半径10mが更地になったぜ……
949 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:16:13.60 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ「えい、えい」
余「ぬ、この!」
ウルスラ「あ、きゃ!」
余「む。」
ふざけあっているうちに、ウルスラがバランスを崩した。
男がその体を抱き寄せる。二人の視線が重なった。至近距離、一瞬の間。
男がふ、と微笑んだ。
余「黙って聞いておれば、余の心労も知らず好き放題言ってくれる。その減らず口を、今封じてくれよう。」
ごく自然に、男の指先が彼女の細い顎にかかる。
ウルスラは抵抗できない。
950 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:22:32.19 ID:Rfq5X9gHP
余「……」
ウルスラ「……っ」
ほんの一瞬、触れるような口付け。
ウルスラ「もう喋ってなかった……」
ウルスラは控えめに抗議する。
余「余とて、腕づくで致したわけではない。逃げようと思えば、逃れられたはずぞ」
ウルスラ「……意地悪」
ウルスラは小さく頬を膨らませる。
男はにぃ、と笑った。
余「まぁ、たまにはな。……しかし。」
ウルスラ「?」
余「足りぬな、まったく足りぬ。」
ウルスラ「……変態」ジト
余「何とでも言え。逃れるなら、今のうちぞ?」
ウルスラはぷいと視線を逸らすが、男の腕の中から動こうとはしなかった。
952 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:26:48.53 ID:T8Jh8dNw0
ウルスラかわえええええええええええええ
951 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:26:25.79 ID:QhpZK4wU0
興奮してきた
953 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:28:11.85 ID:nLtVGxM50
ズボンは脱いでおこう
954 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:28:29.69 ID:Rfq5X9gHP
男は再びウルスラの両肩を掴んで向き合わせた。
顔の近さに思わずウルスラは俯いて目を逸らしかけるが、こらえる。
潤んだ瞳で、挑発的に見つめ返してみせる。できるものなら、やってみれば?
唇の端を小さな舌がチロリ、と舐めた。
ウルスラ「わたしはもう、『あなたのもの』、でしょ?」
しかし余裕のある演技も限界だったらしい。
自分で言っておいて、ウルスラは真っ赤になった。トマトのように。
防空指揮所の床に、青白い月の光に照らされて長い二つの陰がある。
今それが一つになった。
955 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:29:24.32 ID:hCQcJ6cD0
壁?そんなもの無かったんだ
956 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:30:31.52 ID:EKSygncC0
この季節に壁なしは寒い
957 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:34:16.84 ID:Rfq5X9gHP
ヴェネツィア解放後、それを目的に再結成された第501統合戦闘航空団『STRIKE WITCHES』は再び解散した。
戦隊各員はそれぞれの母国に帰るか原隊に復帰し、ウルスラ・ハルトマンもまたノイエ・カールスラントに戻っていった。
『空の王』を名乗る男に関する公式の記録は、そこで途絶える。
もともと正規の軍人としての籍、階級、それどころか固有の名前すら持たないこの男のこと、
それ以前から記録に残すのは難儀させていたようだが、『STRIKE WITCHES』解散後は世界中のどの部隊にもそれらしい記述は残っていない。
ただその後、欧州戦線の各地でしばしば『空をサーフボードで滑る妖精』が目撃されるようになった。
その“妖精”は、見かけるとその日はネウロイに遭遇することがないということで、兵士たちに『幸運乗り』と呼ばれ親しまれた。
958 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:37:24.28 ID:Rfq5X9gHP
戦争はそれから一年後に終結した。
ノイエ・カールスラントで開発された革新的な新兵器群を携え一大反攻に出た人類の前に、ネウロイはその侵略に倍する速度で敗走した。
その防衛線もまた不自然に ――まるであらかじめ当該地域の戦力が削がれていたかのように―― 脆弱であり、一日に100km以上も戦線を後退させることもあった。
最終的にほとんど無人の荒野であった旧オストマルクが解放された日、連合軍参加各国の首脳は連名で戦争の終結と勝利を宣言した。
各国では大々的に戦勝記念の祭典が催され、戦功者たちを煌びやかな賛辞で祀り上げたが、そのどこにもかの男の姿は無かった。
戦後、『空の王』については様々な噂が流れた。
曰く、撃墜され、どことも知れぬ地で朽ち果てた。
曰く、その力を恐れた某国の軍部により拉致・幽閉されている。
曰く、さる聖域 (アヴァロン島ともオリュンポス山とも言われる) で眠っており、再びネウロイが現れた際に復活する。
しかし存在自体が非常識で非現実的なこの男のこと、非存在についてはなおさらあやふやな噂にならざるを得ず、
やがて時を経るに従って、『空の王』という言葉自体、史実を舞台にしたファンタジーと受け取られるようになっていった。
960 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:43:19.70 ID:efP3cVsm0
空の王なら俺の隣で寝てるよ
>>960
<●><●>ギン!
961 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:43:24.92 ID:Rfq5X9gHP
―――
――
―
終戦から約4ヵ月後、11月も終わりのノイエ・カールスラントはノイエス・ベルリン。
欧州とは逆の四季をもつこの地では、短い春が終わり初夏を迎えようとしていた。
大草原を吹きわたる風には新芽の放つ緑の匂いが濃い。
このカールスラント人第二の故郷では、大戦初期に失陥し、そして末期に奪還したその第一の故郷への帰還事業がひと段落していた。
ノイエ・カールスラントに生活基盤を確立し、この地に骨を埋める覚悟を決めた一部を除いて、
ほとんどの市民が既に欧州に帰還し、復興のために汗を流している。
ノイエス・ベルリン郊外にはカールスラント技術省管理兵廠、かつて彼方より欧州のネウロイへ向けた殺意の発信源であった施設がある。
戦争中は日夜明かりを灯して新兵器・軍用機材の開発を行い、軍用トラックの出入りが引きも切らなかったが、
しかし今はほとんどの人員が本国へと招集されて、残った資料の整理などの細々とした仕事をこなす数人しか残っていない。
かつて活発な議論が交わされていた会議室も、電動鋸が唸りを上げていた工房も今は閑散として、
半開きの戸が風に揺らされてカタカタと鳴る音が響くのみ。
その佇まいはかつての日々を懐かしんでいるようでもあり、また同時に幾分かほっとしているようにも見える。
962 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:49:25.49 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラ・ハルトマンはまだここにいた。
資料室で研究日誌を読みあさったり、もはや使用される予定もない機材に油をさしたりして日々を過ごしている。
助手「でもウルスラさん、もう本国の研究所から辞令来てるんじゃないんですか?なんで戻らないんです?」
博士「そうねぇ。ご家族ももうあちらにいらっしゃるんでしょ?」
兵廠に残った数少ない研究員が問いかける。
リベリオン合衆国から派遣されているこの変わり者の博士とその助手は、彼ら自身母国から異動の辞令を受けている身ながら、
「あっちは退屈だから」という理由でなんだかんだと居座っている。
ウルスラは読んでいた論文から目を上げると、同様の質問を何度か受けてきたときと同じように、一言で答えた。
ウルスラ「人を待ってる」
965 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:53:45.93 ID:Rfq5X9gHP
二人はウルスラと別れ、廊下を歩いていた。
助手は後ろを振り返り、ウルスラのいる部屋と十分離れたのを確認して、なおも声をひそめて話しかけた。
助手「でも博士、ウルスラさんが待ってるってひと、欧州で戦ってて行方不明なんでしょう?」
博士「らしいわね」
助手「戦争が終わってもう四ヶ月が過ぎようってのに何の音沙汰もないってことは……」
博士「おおっとォ、皆まで言うなぃ」
助手 「!?」
博士「健気じゃぁないか、来ないと知れてる男を待つあの姿」
助手 「うわ、誰だコイツ……っていうか男だなんてウルスラさん言ってませんでしたよ」
博士「アタシの若い頃にそっくりだよ」
助手「聞いてねぇし。っていうか若い頃っていつですか?タマがついてた頃ですか?」
博士「今もついてんよ!」
ギャーギャーバタバタ
966 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:54:19.23 ID:hCQcJ6cD0
あれ?
…あry
967 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 18:56:50.63 ID:efP3cVsm0
おいオッサン混じってるぞ
968 :空の王な俺:2011/11/17(木) 18:58:12.74 ID:Rfq5X9gHP
個性的なリベリアンの中でも特に個性的な二人がそんな会話 (と取っ組み合い) をしている丁度その頃。
一人の男が施設の扉をくぐっていた。
新聞片手に暇そうにしていた警備兼受付の女性は、その男を一目見て、丁寧な対応をすべき相手だと思った。
彼女には軍隊のことはよく分からない。現地採用の事務員であった。
しかし男の着ている軍服が、町に繰り出している兵卒や、いつもここで研究をしていた下級将校のものとは違う、
むしろごくまれに大仰なアポイントメントと共に訪ねてきては、そういった下級将校がその研究成果を解説するのをふんぞり返って聞いている連中……
ようは「軍の偉い人」が着てそうな軍服であるのは分った。
そういう連中に比べると、目の前の男はずいぶん若かったが。
男は特に目を引く顔立ちというわけではなかったが、その立ち居振る舞いは落ち着いて、借り物ではない風格が漂っていた。
開いたドアから吹き込む風が、埃避けと思しき薄手の外套をはためかせるのを、片手で軽く払う。
それだけの動作にもどこかしら気品のようなものを感じさせた。
一つ一つの所作は緩やかだがのんびりとした印象はなく、むしろ夏の空の積乱雲が進むような重々しさがある。
いわゆる軍人のキビキビとした動作とは対照的で、それこそ今男が着ている高級将校風の軍服に似つかわしかった。
受付「おはようございます」
まるで技術省本省庁舎のエントランスホールにいる受付のように丁寧にお辞儀をして挨拶する。
実際には、閉鎖寸前の研究兵廠の、埃のたまった小さな机の受付であるのだが。
「うむ。」
男は見た目通りの偉そうな、良く言えば鷹揚な態度で頷く。
969 :空の王な俺:2011/11/17(木) 19:02:59.04 ID:Rfq5X9gHP
受付「本日はどのようなご用件で?」
「xxx研究室所属のウルスラ・ハルトマン女史に取次ぎを願いたい。」
受付「かしこまりました。アポイントメントはございますか?」
「アポイントメント?うむ、無論である。一年以上前からな。」
受付「 (一年?) ……ではそのようにお取次ぎ致します。失礼ですがお名前を伺っても?」
「要らぬ。『迎えに来た』と伝えれば、先方には分かるはずだ。」
受付「?? はぁ、かしこまりました」
「ところで、ずいぶんとここは寂れているようだな。」
受付「え、ええ……。なにぶん閉鎖寸前なもので。みなさん、カールスラント本国にお帰りになっちゃいましたし」
「ふむ。ずいぶん、待たせてしまったようだな。」
受付「え?えーと、」
「よい。余手ずから探すことにしよう。」
言うだけ言うと、男は受付を残してスタスタと奥へ歩いて行ってしまった。
971 :空の王な俺:2011/11/17(木) 19:05:56.03 ID:Rfq5X9gHP
ウルスラは、トラックの搬入口に面した工房のシャッターを開け、論文を読んでいる。
吹き込む柔らかな風が、ぱらぱらとページを捲っていく。
ウルスラは片手でそれを抑えると、もう片方の手を翳して空を見た。
昨日よりほんの少し高いところを通る太陽が眩しく輝いている。
新鮮な緑の香りに満ちた風が頬を撫でる。
ウルスラは心地よさ気に目を閉じて深呼吸すると、微笑んで小さく呟いた。
ウルスラ「……早く迎えにこないかな」
工房の奥の廊下から、ゆったりとした足音が近づいてきていた。
(終わり)
975 :空の王な俺:2011/11/17(木) 19:09:21.73 ID:Rfq5X9gHP
終わったぁぁぁぁぁぁぁぁ!
イェア!
イェア!!
イェアーーーー!!!!
終わったぁぁぁぁぁぁぁああああああああああおあああおおおおおおおおおおおおおあああああああ!!
長々とお付き合いどうもありがとうございました。
一カ月、長くて二カ月くらいで終わるつもりだったんだぜ?
なのに3.11のときもこれ書いてる最中に被災してて、で完結したのが今日だぜ?
あああああーー疲れた。
でも書いてて面白かった。
俺この主人公好きだわ。
972 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:07:34.56 ID:Y0+hukYB0
乙・・・なんか、寂しいな。
973 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:09:09.69 ID:T8Jh8dNw0
完走おめでとう!
でも、終わってしまうのは寂しいね
短編でもいいのでイチャラブ期待してます
977 :空の王な俺:2011/11/17(木) 19:11:24.53 ID:Rfq5X9gHP
>>973
短編的なものっていうか、次書くやつにスポットで出してみようかなとかは考えてる……けど、
今回以上のイチャイチャは書けるか分らないの。
974 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:09:18.97 ID:EKSygncC0
いいのぅ
こういう終わり方好きよ
976 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:09:28.08 ID:efP3cVsm0
(俺が先にドアを開ける音)
乙
さぁて、今からもう一回一気読みしてくるか
978 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:11:30.78 ID:IAbngiMrO
乙!
他作品の影響で失恋女王と呼ばれてた彼女を
最後まで導いてくれてありがとう!
979 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:13:22.25 ID:EKSygncC0
全力の乙!
おもしろかったよ
980 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:13:27.07 ID:icztGcPy0
乙!
さて俺も書き溜めがんばるか・・・・
982 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:14:13.13 ID:AqJptuLAQ
くそぅ!
涙と読み返しと完結した寂しさと喜びで
何か考えてたが思い出せねぇ!乙!
983 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:18:51.86 ID:QEuA0j8wI
よっさん乙でした!!
984 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:21:17.15 ID:cZ9l5/S7O
乙!
990 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:30:53.26 ID:eMvKKl1EO
乙!!
いや、お疲れ様でした!!
内容もさることながら、終わり方も素晴らしい!!
短編でもありましたら、是非ともまた宜しくお願いします!!
本当にお疲れ様でした!!
名作をありがとうございます空の王様!!!
991 : 忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2011/11/17(木) 19:31:22.38 ID:Bta0f4z10
乙!!!
992 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:32:58.60 ID:viru+NxsO
おっつ乙!楽しく読ませてもらってた!
長い間ほんっとにお疲れ様でした!
996 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/17(木) 19:41:42.79 ID:+IMUFcOR0
乙乙!
ウルスラとの距離感良いよ、たまらなかったです
ご愛読ありがとうございました...
最終更新:2013年02月02日 13:49