船の中はずっとカラスでやり過ごした俺。
俺「そんなこんなで俺はついに故郷へ帰還できたのさ。めでたしめでたし・・・ってやばっ!」
足音がしたので急いで近くの木の上にとまる俺
「伍長はどこだっ!?」ダッダッダ
俺(あぶねっ、六人もいるのか!)
山田「第四班、見つかったか」ダダダダ
井伊「なんだ三班か。こっちはまだ見つかってないよ。はぁ・・・なんでこんなことに」
沢田「このままだとミーナ隊長のお仕置きだあああああああ」
山田「ミーナ隊長のお仕置き・・・ハァハァ」
沢田「落ち着け、山田。ハァハァ程度では済まないだろう。きっとゼェハァだ」
山田「いや、ヘァッヘァッだろう」
沢田「違う!きっとアヘェアヘェだろ」
山田「何を言っている。キュッに決まっているだろう」
俺(なんだ変態か)
三村「こらっ!そこの二人!うるさいぞ!それよりペリーヌの方がいいだろう」
益田「何を言う。サーニャさんの方がいいだろう」
とりあえず無視する俺。
俺「・・・とりあえずあの研究所にでも行くか」
俺は研究所に着いた!
ガララララッ
俺「失礼します」
検査員「おっ、あの時の・・・、どうだウィッチは」
俺「大変ですよ。今逃げているところです」
検査員「どういうことだ・・・」
俺「かくかくしかじか」
検査員「そうか。そういえば、例の槍は持ってきているか?」
俺「持ってきていますけど・・・」
検査員「よし、渡してくれ」
俺「はいどうぞ」
検査員「ふんっ!」ボキッ
なんと腕力だけで槍を折る検査員・・・えっ
俺「えっ」
検査員「びっくりしたか?実はこれはお前の戦闘データをとり、
お前にもっとも適応した武器を作るために渡したデータ収集用の武器なのさ」
俺「なんでそんなことを?」
検査員「武器を作るテストって奴だ」
俺「なんて人だ」
検査員「というわけでこれが出来た武器だ。受け取れ」ポイッ
俺「おわわわわっ、投げないでくださいよ。これは・・・槍?」
渡されたのは、30×15センチほどの穂がついた、柄の部分は15センチほどのほどの長さの槍だった。
検査員「これが私がお前用に作った武器だ。説明をしようか。
槍は普通に今までどおりの槍として使うのと他に、穂の部分に魔法力を込めて、
突撃時の威力を増すこともできる。ちなみに穂の部分は多少特殊なものを使っている。
壊したら替えはないぞ。壊れないと思うが。
柄の部分に魔法力を通せば柄の部分を長くすることもできるぞ。
後これは別に武器についてのことではないのだがな、少し頼みごとがある。
実はミーナ隊長の写真が欲しいのだが。撮ってくれるか?安心しろ、このカメラでとった後に
自動的にこちらのパソコンに画像や動画は送られる。たいして時間はかからんよ。
お前の変身後の能力は知っているからな。どうやったか?あの槍と通して調べたんだ。
本当はお前を送り込んだのはミーナ隊長を盗撮する目的だったんだけどな。本当のことを言うと。
まあそれはともかく頼むぞ」
俺「長い長い。絶対にこれは見づらいですよ、全く。
自分の発言にはきちんと責任を持ってください。盗撮の件は別にいいですよ」
検査員「うむ、ありがとう。入浴中ならなお良しだ。
そうそう、槍だが、あの穂に魔法力を込め、空間上に魔法力の塊を設置することもできる。
ちなみに、その魔法力の塊はカメラと通じていてな、大量の動画・画像を同時に撮れる。
盗撮にはもってこいだろう?」
俺「そうだ。こんなにたくさんあって魔法力は足りるんですか?」
検査員「あ、ま、まぁ、な、なんとかなるだろ。うんそうそう、ストライカーユニットだが、
私のオリジナルなんだ。というわけで名前を決めたいんだがな、何か案はあるか?」
俺「えっとですね・・・やっぱり開発者のあなたが考えるべきでは?」
検査員「そうか。ふむ・・・多少気が引ける気もするが、これは五式戦闘脚を基にして作ったからな。
お前のことも少し入れるとしよう。五式戦闘脚改「烏」とでも名付けようか」
俺「おっ、俺の使い魔も入れてくれるとは、ありがとうございます」
検査員「そうだ。ストライカーユニットで思い出したが、この筒をストライカーユニットにはめてみろ」
そう言って彼が出したのは黒い固形燃料のような物が入った八つの筒だった。
それを俺はストライカーユニットにあった八つの穴?のようなものに入れる。
カチッと言う小気味のいい音がなり、しっかりとはまった。
俺「はめましたよ」
検査員「この燃料は魔法力を固めてできる燃料だ。
作り方はいたって簡単だ。この容器の中に魔法力を込めればいい。
ストライカー使用中に点火すると早くなるぞ」
俺「お、ありがとうございます。・・・って!また魔法力ううううっ!?
おいいいいっ!まさか魔法力の消費考えてないとか言うオチじゃないだろうな!?」
検査員「・・・」
俺「なんだその意味ありげなちん ゴンゴン
「こちら(自称)第501統合戦闘航空団親衛隊第三班だ。そちらに脱走兵の俺伍長はいるか?」
検査員「こいつらか?お前を追っているというのは、俺」
俺「こいつらタイミングが最悪だああああ!ありえねえ・・・グルか?」
検査員「そんなわけないだろう。よし、裏口から出ろ。あとこれはここの電話番号だ」
そう言って白い包みを俺に投げる俺。キャッチして俺は言う。
俺「うおおおおい!唐突に何してんのアンタって人はああああああああ!」
検査員「また来いよー」
俺「何いい話っぽくまとめてるのアンタあああああ!?」
「入るぞー」
検査員「早く逃げろ」
俺「無念なりいいいいいいっ!・・・とりあえずさらばですな」バサッバサッ
その間に彼は写真軍をたくさん机の上に並べていた。
少したち、(自称)親衛隊が入ってきた。
山田「この机の上にあるのは・・・ウィッチの写真!?」
沢田「なんだと?これは・・・欲しい!凄く欲しい!」
検査員「一枚500円だ」
山田「買ったああああっ!俺はこの10枚!」
沢田「俺も俺も!俺も買う!」
三村「お前ら落ち着け、これは罠だ・・・このペリーヌの写真を1つ」
隠れてドア隙間から見ていた俺は思った。
俺(なんじゃこりゃっ!?商売だと・・・汚いぞこいつ)
とりあえず逃げた俺
俺「ま、まあ武器は大切に使わせてもらいますか」バサッバサッ
俺「どうしよう、帰ろうかな。でもこのまま帰るのもなんだかなー」
そう思いながらゆっくり帰っていたとき、前にカラスが二匹ほど
カラス1「近頃ここら変は厳しいな」バサッバサッ
カラス2「まったくだ・・・われわれにはこの下界は少し厳しすぎたかも知れぬ」バサッバサッ
俺「へ、変なカラスだー!」バサッバッ
カラス1「なぬ?変・・・?まさか余の正体を一瞬にして見破っただと?」カァカァ
カラス2「汝、名乗れ。何者だ。まさか組織の使いか?だとすれば容赦はせん」カァカァ
俺「なんだ組織って。というかお前達何だよ」バサッバサッ
カラス1「我は神槍グングニルの精神が具現した物にしてこの世に断罪を下す物」カァカァ
カラス2「そして私もまた聖槍であるトライデントの精神が具現した物であり、
神に変わりこの世を粛清する物であり、尚且」カァカァ
俺「ほ、本気でやばい。速く逃げよう。・・・そうだ、さっき言っていた点火って奴もしてみよう」バサバサッ
念じただけで点火は完了したようで、今までよりずっと早い速さで俺は逃げた。
俺「ひ、ひどい目にあった」バサッバサッ
カラス3「近頃ここは厳しいよなぁ」バサッバサッ
カラス4「おう、満足にごみ袋もあされない」バサッバサッ
俺「へぇ・・・ここら辺のカラスはごみ袋あさってんのか。さっきの奴らも・・・?」バサッバサッ
カラス3「おいてめぇ、なにこっち見てんだあっ!?」バサッバサッ
カラス4「おめぇ、ただじゃ済まさ」
再び点火して戦線離脱。
俺「誠に身勝手ながら逃げさせていただきます」
「おいお前待て待てオイ!」と聞えた気がした俺であった。
俺「懐かしいなこの神社。昔遊んだな」バサッ
あまりにも展開が急なので説明しておくと、点火で先ほどの空域から離脱後、
地元の神社へ行ったのである。行った理由としてはここがカラスを祭っていたからなんとなくである。
とりあえず俺は人間に戻った。
俺「さて、なんか変わってることはあるかな?・・・ん?」
俺は気付いた。神社の鳥居にカラスがたくさんいることに。
俺は気付いた。神社の柱にあったはずの銅像がなくなっていることに。
俺は気付いた。俺の眼の前に三本足のカラスがいることに。
俺は気付いた。おなかがすいていることに。
俺「腹減ったな」
三本足「おいおい・・・第一声がそれかよ」
俺「むっ、さては貴様、俺の使い魔だな?」
三本足「そうだが、いまさら気付いたのか?」
俺「いかにも。では教えてもらおう。なぜ男の俺に魔法力がある」
三本足「簡単だよ。お前が元々持ってた」
俺「おい待った。確か魔法力は10代の女性にのみある力だろ?
こんなに簡単に手に入るのか?」
三本足「えっ、違うぞ。男にも魔法力を持ってるやつはいるだろ。知らないの?」
俺「うん」
三本足「知らないのか。まあいい話を戻そう。いるんだ」
)
_ ,, -ー=- 、 ヽ 異議あり!!
ゝ、ニ 二 _ ミミV, )
マ二 ニ、 r' ..,,_ ヽソ, `v'⌒ヽ/⌒ヽ/ ,. ‐- .. _
`ヽ、 { a`' tij` _! / __ `` ー- 、
|ノゝi ,_〈 , ィ/ ゝヽ ̄ヽ ー- '
/ t -‐ ,'" _ / { {ヽ、_ ヽ' ノ_,.〉
/! `>、 _/_ -ァー- 、_ ... -‐ ' ヽヽ、 `>、..ノ=┘
/j >-‐ ' ´/ / / / _ノ \ `ー '!
, -‐ 7´/{⌒| / _/ j >‐'
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/ ,' > .|/ レ ゚ノ | ,.. -‐ '"
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| ヽ| / / ' ` ヽ、 /
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│ 俺 |
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│それならば男のウィッチがいてもおかしくないだろう!どういうことだ!
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三本足「落ちつけ。そして黙れ俺。契約方法は知っているか?」
俺「知らん」
三本足「だろうな。契約方法は『使い魔自身がウィッチのお尻にタッチすること』らしい」
俺「おいまてらしいってなんだ」
三本足「気にするな。あまり覚えていないだけだ。とりあえず話を戻そう。
常識的に考えろ俺。女の尻を触りたいと思うやつは数あれど、
男の尻を触りたい奴はいるか?いないだ
話をしている途中に突っ込む俺
俺「つまりお前は・・・ホモだったのかああああああああああ!」
あらぶる俺
三本足「違ええええええええええええ!ぶっ殺すぞてめえええええええええ!」バサバサバサッ
あらぶるカラス
俺「ひいいいいいいっ!ごめんなさい!」
三本足「話を戻すぞ。後、ホモじゃない。要は俺の勝手な判断と言おうか」
俺「えっ」
三本足「俺に対する信仰が薄くなってきてな。なにか依り代がないとすごしにくくなってな」
俺「ふーん」
三本足「そこにちょうど魔法の素質があり、まだ契約していないお前が通りかかったから契約した」
俺「へー」
三本足「ちなみに、お前が朝いきなり変身してたのは俺の仕業だ。何ができるか試したかったんだが、
その時はそれしかできんかった」
俺「お前の仕業か。メチャクチャ焦ったぞ。何であの時教えてくれなかったんだ」
三本足「いきなり出たら余計焦るだろお前」
俺「それもそうだな」
三本足「そうそう、ここは俺を祭っている神社だぞ」
俺「りょーかい、って俺の使い魔って噂のバター・・・カバー・・・ババァガラスぅ?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/18(月) 15:55:38.11 ID:GnrsFAkn0 [22/24]
三本足「ヤタガラスだ馬鹿者。こんな伝説上の生き物が力を貸してるんだ。ありがたく思え」
俺「ふいふい」
三本足「とりあえずはもう基地に帰ったらどうだ?いい加減に」
俺「それもそうだな。それじゃ・・って、使い魔がここにいるのに大丈夫なのか?」
三本足「うん、大丈夫」
俺「さいですか」
俺(かかったなアホが!俺が律儀に帰るとでも思ったか!)
三本足「そうそう。俺のお陰ででお前は今なかなかの戦闘技術を得ていたりもするぞ」
俺「なにそれすごい。まあいいや。さよーならー」
そう言っておれはカラスになる。きちんと変身できたし、
振り返ればもう三本足のカラスはもういなかった。
鳥居にはまだたくさんのカラスが居たが。
最終更新:2013年02月02日 14:19