八咫烏「俺の知識だ」
俺「うおっ!?喋るカラス!?なぜここに?」
現れたのは扶桑に帰った時も見た、三本足の烏だった。
バルクホルン「なあ、皆。私は夢を見ているんじゃないか?」
ルッキーニ「わけわかんなーい!」
俺「扶桑にいったときかくかくしかじかがありまして」
とりあえず説明する俺。納得していないようだが、気にしない事にした。
すると、また烏が話し始めた。
八咫烏「前お前が神社に行ってからカラスを依り代にできるようになってな。
おまえと限定でテレパシーも使えるぞ」
俺「なんて便利な。ウィッチを口説き落とす方法とか知らないの?」
シャーリー「他には何か出来ないのか?」
八咫烏「今は探し物と道案内くらいかな。
あと俺。だまってろ」
エーリカ「今はってどーいうこと?」
八咫烏「まだ俺と契約してからあまり時間が経ってないから
今までの力を全ては出せてないのさ」
ルッキーニ「ふーん」
バルクホルン「・・・それはネウロイの位置もわかるのか?」
八咫烏「できる。伊達に熊野国から大和国への道案内をしたわけじゃない」
バルクホルン「では頼む」
俺「それって俺からの魔力の供給がなくてもできるの?」
八咫烏「できないな。頼んだ」
俺「大口叩いておいてそれかい。まあいいか」
そう言って魔法力の供給・・・とは言ってもどうすればいいか
わからなかったので、普通に魔法力を発動する。
八咫烏「では早速・・・2体いるな。一体は3時の方向から基地へ向かって来ている。中型。
もう一体。基地内を移動中。位置は第三食料庫」
俺「なんつー便利な」
バルクホルン「食料庫?まさか侵入されていたとは。しかし小型か?」
八咫烏「わからんが、状況からしてそうだろうな」
バルクホルン「上空ネウロイは私とハルトマン。基地内のネウロイは俺とシャーリー、ルッキーニ対処を頼む」
シャーリー「了解だ」
ルッキーニ「おっけー!」
ハルトマン「はーい」
俺「了解でーす。ついでに槍とって来ます」
ついでに風呂にも行った。しかし誰もいなかった。悲しかった。
第三食料庫
シャーリー「行くぞっ!」バタンッ
ルッキーニ「いたっ!」ダダダダダ
ネウロイの不意をとって攻撃。コアのないネウロイだったようで、あっさりと砕ける。
サッカーボール大の小さなネウロイだった。短い煙突のようなものがついていた。
シャーリー「終わったな」
八咫烏「いや、待て、まだ居る。場所は第二食料庫・・・3匹?どういう事だ」
俺「よくわからないが、全部潰せばいい話だろ」
シャーリー「まあ、そうだな。隣だし早く行こう」
基地上空
バルクホルン「しかし、俺にあんな力があったとは」
エーリカ「少しは見直した?」
バルクホルン「まあ、少しはな。しかしまだそこまで実用的とは言えないが」
そう言って基地を見るバルクホルン。基地の周りには灰色の煙が漂っていた。
バルクホルン「なんだ、あれは・・・」
エーリカ「あれって何のこと、さ・・・」
二人が驚いている間にもネウロイは接近してくる。
バルクホルン「いや、こちらのことを先に片付ける。行くぞ!」
エーリカ「うん!」
第二食料庫
シャーリー「行くぞっ!」バタンッ
ルッキーニ「いたっ!」ダダダダダ
二回目である。しかし、部屋の中を見ると、そこには先ほどはいなかったサッカーボール大の2本の煙突がついているネウロイがいた。
そして、それを守るように前にいる3体のネウロイ。俺たちを発見すると、灰色の煙を出してきた。
俺「くらえっ!」ダダダダダ
周りの3体は倒せたが、最後の一体はまだ残っている。
シャーリー「くそっ!」ダダダダダ
シャーリーが撃つが、煙のせいでよく見えず、晴れた頃には逃げられていた。
シャーリー「逃がしたか」
俺「ところで八咫さん、増えてね?」
八咫烏「・・・増殖するネウロイがいてもおかしくはない。ちなみに今は第一食料庫だ。停止している」
シャーリー「う、眠くなってきた」
ルッキーニ「ふわぁ、私も・・・」
俺「・・・原因はあの煙か。俺も眠いぞ」
八咫烏「このままだと全員寝るな。なら折角だ。魔法のテストでもしてみるか?」
俺「どういうことだよ?」
八咫烏「俺が神であった頃はいろいろできた。今もいろいろできるかもしれない」
俺「なんて適当な。でもどうやって?」
八咫烏「うーん、多分変身する時と同じ感じでいけると思うけどな」
俺「つまり、念じればいいのか?試してみる」
シャーリー「どうだー?できそうか?」
俺「無理だぞ!どういうことだ!」
八咫烏「うーん、もしかしたら魔法の発動にも依り代・・・いや、媒介か?ええいなんでもいい、とにかくなんかが必要かも」
俺「えええー・・・羽でおっけー?」
八咫烏「ああ、簡単な魔法ならそのくらいでいいと思うぞ。もっと強力な魔法だと別のが必要だと思う」
俺「まず変身してぇー」バサッバサッ
俺「羽を振ってぇー」バサッバサッ
適当に、羽が五枚落ちるように念じながら羽を振ると、ぴったり五本だけ落ちた。おお、魔法すげー。
八咫烏「よし、念じろ」
俺「飛べ、羽っ!」
ルッキーニ「すごーい!手品?」
俺「いや、違う・・・と言うか槍使えばいいから別にやらなくてもいいんじゃ」
シャーリー「せっかくだしその羽、槍の先端に付けたらどうだ?」
俺「確かに便利そうですね。そのネタもらいます」
そう言って、くっつくように念じるとくっついた。便利だ。
シャーリー「そろそろ行くぞ、準備は?」
ルッキーニ「だいじょーぶ!」
俺「大丈夫ですよ」
シャーリー「よし、行くぞっ!」バタンッ
基地上空
すでに交戦してから10分は経過していた。しかし、
バルクホルン「なんだこいつは、装甲が固すぎる」
エーリカ「シュトゥルムも効かないなんて・・・」
バルクホルン「しかし、もっと不気味なのは」
エーリカ「一切攻撃してこないのに、基地には近づいて来てる事、だね」
バルクホルン「だからこそ、攻撃の手は緩めるなよ!」
エーリカ「誰も緩めなんかしないよー」
そんな事を言いながら、再び盾型のネウロイに攻撃。しかし、まったく効かない。
それでも彼女たちは攻撃の手を緩めない。
ルッキーニ「いたっ!」ダダダダダ
シャーリーとルッキーニが周りにいた4体のネウロイを撃ち、
それが終わったら俺が槍で突撃する、というのが今回の作戦だ。
ルッキーニ「あと1体!」
シャーリー「いけっ、俺!」
2つの煙突を背負ったネウロイに接近、すぐに槍を刺した。しかし、
あたりどころが悪かったのか、即死ではない。
ネウロイ「キュシイイイイイイイッ!」ビーッ
ネウロイも負けじとビームを放つ。一発こそシールドで耐えたが、
このままでは基地にまで被害が及ぶ。
俺(えっと・・・そうだ、羽を爆発させればいいんだ!)
ドガアアアアアンッ
五本の羽が一気に爆発。部屋が一個使い物にならなくなった!
基地上空
バルクホルン「いきなり動きを止めた?」
エーリカ「基地の煙も晴れてるねー」
俺「と、とりあえずネウロイ一体倒したからいいでしょう?」
執務室、俺は頭を下げていた。
ミーナ「いいえ?」ニコッ
俺「そんな、どうかお慈悲を。どんなことでもしますから」
許しを請う俺。
ミーナ「言ったわね?」
俺「えあっ、あっ、違いますこれは言葉のあやでございますですあります」
ミーナ「では、これをお願いね?」ドシンッ
俺の目の前に現れたのは膨大な数の書類の束だった。
俺「・・・」
俺「しゃあない。始めるか」
八咫烏「おう、頑張れ」
俺「そうだ、なんか便利な魔法ないの?」
八咫烏「お前が自分で探せばいいだろ?」
俺「・・・使えない魔法だ」
そう思って最初の書類だしせっかくなので目を通す俺。
俺「っ!?これは・・・」
三時間後
俺「まだ半分ってどういうことなの・・・」
いまだに目の前には膨大な数の書類の山。
なぜかと言うととても簡単な事であり、すべての書類に目を通しているからである。
一番最初の書類が俺の処遇に関するものであり、その内容は要約するとこれからずっと基地掃除
と言うものだったので、これから先にも何か自分に不都合な書類があるかもしれないので
全部に目を通していたらこうなった。どうしてこうなった。
七時間後
俺「おわった」
ついに目の前の膨大な量の書類がなくなった。
俺「早く部屋に戻ろう」
最終更新:2013年02月02日 14:20