628 :以前電磁抜刀犬で行くと言ったな、ありゃ嘘だ:2011/02/01(火) 19:08:14.75 ID:favwLoFo0
第2章「居場所とは(キャラ選択)」
空に3つの姿がある。その内2つは両脚に航空機の前半分を切ったようなフォルムの機械を装着している少女である。
ウィッチだ。
だが、残りの1つはウィッチにしては異形の姿、――犬顔の鎧武者という出で立ちである。
異形の鎧武者は発声機を通して2人のウィッチに話しかける。
『あれが第501統合戦闘航空団、ストライクウィッチーズの――』
男の声である。鎧武者の――男の言葉の続きを、赤いジャケットを着たウィッチが引き継ぐ。
「そう、アレが私達の基地さ」
彼等の目線の先には長大な滑走路を備えた基地があった。基地の頂上には大きな像がそびえ立ち、軍事基地というよりも
神殿を連想させる。
3人はそのまま着陸態勢に入る。最初に赤いジャケットのウィッチ、次いでツインテールの小柄なウィッチ、
最後に鎧武者の男、という順番である。
「お、中佐達自らお出迎えか」
赤いジャケットのウィッチの声を男は聞く。視覚素子を滑走路終端、格納庫へ至るのだろう扉の前に向けると、
2人のウィッチの姿を確認できた。
629 :
電磁抜刀俺:2011/02/01(火) 19:14:00.46 ID:favwLoFo0
「お帰りなさい。それとお疲れ様。シャーリーさん、ルッキーニさん」
新たな2人のウィッチの内、赤毛の少女が2人を労う。
「いやー、正直言うと私たち何にもしてないからなー」
「そーそー、あたし達がもうちょっとで着くって時に俺が撃墜しちゃったし」
「大型を単騎で?それは本当なのか?」
扶桑皇国海軍の軍服を着た眼帯の少女は、驚きを含んだ疑問を赤いジャケットのウィッチ――先程シャーリーと呼ばれた
少女に発する。
「本当さ。ネウロイがビームを撃とうとした所を刀でズバーっと一刀両断」
シャーリーの言葉を受けた赤毛と眼帯の少女は、彼女の言葉に嘘が含まれていないことを確認し、指示を出す。
「分かりました。シャーリーさんとルッキーニさんは他の人達をブリーフィングルームに集合するように伝えてください」
「中佐達は?」
「この方に少し聞きたいことがあります。すぐに終わりますので先に行って下さい」
「ん、分かったよ」
シャーリーはルッキーニを連れ、格納庫内部へとストライカーユニットを降着させに行く。彼女らを見送ると赤毛の少女は
鎧武者の方へと向き直る。
630 :電磁抜刀俺:2011/02/01(火) 19:20:39.86 ID:favwLoFo0
「貴方が俺大尉、で宜しいかしら」
『はい。自分が俺大尉です』
「まずは自己紹介から、だな。私は坂本美緒。階級は少佐だ」
眼帯の少女に次いで赤毛の少女が続く。
「私はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です」
「お前には幾つか質問したいことがある。先に到着したお前の部下たちは何を聞いても「俺大尉に聞いてくれ」の一点張り
でな。皆に紹介する前にある程度の事前知識を得ておきたい」
『成程。了解しました』
眼帯の少女が男の姿――その異形をしげしげと眺め、問う。
「まず1つ。――お前はウィッチなのか?」
男が答える。
『いいえ。自分に魔法力は欠片たりとも存在しません』
少女が問う。
「ならばどうやって?」
『この一刀にて』
631 :電磁抜刀俺:2011/02/01(火) 19:26:26.88 ID:favwLoFo0
男が腰の太刀を引き抜く。赤毛の少女が身じろぎするが、眼帯の少女は眼前に掲げられたそれを見て、
「業物だったようだな……。だが、欠けが酷い。これではもう使い物にならんし、何よりこちらの質問に答えていない」
『それは――』
「私は「どうやって」とは聞いたが、「何で」とは聞いていない」
眼帯の少女の目付きが鋭くなる。
『軍事機密。……というのはどうでしょうか』
「却下だ」
にべもなく言い放つ。武者姿の男は太刀を鞘に戻すと軽く頷き、
『分かりました。説明します、その前に――』
男の眼前、2人の少女は首を傾げる。
「その前に……何だ?」
男は申し訳なさそうな仕草で頭を掻きつつ言った。
『コイツから降りてもいいでしょうか?――流石に長時間は息苦しくって』
632 :電磁抜刀俺:2011/02/01(火) 19:31:15.99 ID:favwLoFo0
―◇―
格納庫に機体を移動させる。格納庫の隅には伏丸用の降着台があり、その周囲には部下の姿も見えた。
「大尉!ご無事でしたか!?」
『よう、1時間ぶり?だな』
伏丸を降着台に固定させながら答える。
『あー、それとな。また太刀駄目にしちまった』
部下の一部はやれやれという顔で、一部は――
「またですか!?今回のは扶桑でも有名な刀匠に打たせた業物ですよ!?これで何本目ですか!?そもそも機体の部品代
よりも太刀代の方が掛かるって兵器としてくぁwせdrftgyふじこふじこ」
―俺・剣術技能・発動・峰打ち・成功!
鞘ぐるみの太刀、それをまだ固定していなかった右腕を使ってふじこっている部下の首筋に打ち下ろす。ひぃ、と悲鳴を
上げて離れる他の部下の前、峰打ちを受けた部下は突っ伏したまま動かなくなった。
……何だか嫌な手応えだったが、結果として静かになったので良し。
さて、
『まだ文句がある奴はいるか?』
慌てて首を振るその他の部下たち。装着したままだった頭部装甲を外す。……髪が汗で顔に張り付いて気持ち悪い。
633 :電磁抜刀俺:2011/02/01(火) 19:36:15.80 ID:favwLoFo0
「良し。お前達は伏丸のメンテナンスを頼む」
「大尉は?」
「まずは着任の挨拶をせにゃならん。――降りるぞ」
伏丸の前面装甲がスライド。機体脇に寄せられたタラップを降りつつ、後ろで結んでいた髪を解く。
「タオルと上着くれ。体が冷えちまう、それと眼鏡もな」
部下に指示を出しつつ、此方の様子を窺っていた中佐達へと向かう。
「お待たせしました」
中佐はやや動揺したような風で
「ええと、あそこで倒れている部下の方は良いのかしら?」
「ああ、――いつものことですから」
上着を着用、タオルで汗をぬぐいつつ答える。そういうものかしら、と中佐はつぶやくが軽く流す。最後に眼鏡を
掛けて準備完了。
「――それでは、軽く説明と行きましょうか」
634 :電磁抜刀俺:2011/02/01(火) 19:38:24.27 ID:favwLoFo0
以上。第2章序盤でした。
923 :保守代わり投下、電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 03:35:13.12 ID:QD8RtaVT0
俺「ストライクウィッチーズは世界を魅了する」
>>633から
―◇―
私とルッキーニは中佐の指示を一通り済ませ、ブリーフィングルームへと戻った。部屋には既に幾つかの姿が見え、
配属される新人について会話をしていた。
「今度の新人さんってどんな人なんだろうね、リーネちゃん」
「男の人だっていう噂を聞いたんだけど……本当なんでしょうか?」
「殿方ですの?殿方でもこの基地に配属されるとなると……」
「男性のウィッチなんでしょうか?」
「へー、男の人でもウィッチっているんですねー」
「数は少なくても存在はするみたいですわよ?――実物を見るのはこれが初めてになりますが」
宮藤、リーネ、ペリーヌの中では新人=男のウィッチ、ということになっているようだ。
他にブリーフィングルームに来ているのは……
「よっ」
エイラと、それに寄りかかるサーニャが入ってきた。……相変わらず眠そうにしてるなぁ、サーニャ。
「あっ、エイラさん!聞きました?今度の新人って男のウィッチだそうですよ!?」
924 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 03:45:28.89 ID:QD8RtaVT0
「男ー?あんま興味ないナァ」
「エイラさん、宜しければいつもみたいに占って頂けませんか?」
「むー、面倒ダナー」
「……エイラ、占ってあげて」
「うー、サーニャがそう言うなら……」
エイラも相変わらずサーニャに甘いなぁ。……私とルッキーニも同じようなものか。
一人納得しているとエイラが占い終わったようだ。どれどれ……
「えーと、魔術師の正位置、意味は物事の始まり、可能性。新人にはお似合いダナ」
「そういえばシャーリーさん達は新人さんに会ったんですよね?どんな人でした?」
宮藤に話をふられる。
「あたし達も詳しい事はちょっとなぁ。……単騎で大型ネウロイをぶった切ったって事ぐらいしか……」
「大型を?単騎ですか!?」
「すごいです……」
925 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 03:55:37.63 ID:QD8RtaVT0
「ネウロイを切るなんて、まるで坂本少佐ですわね……固有魔法でも使ったんですの?」
「ううん、普通の刀でこうズバーって」
「何いってんだ、少佐の刀なら兎も角、ネウロイは魔法力無しの武器ではマトモに傷つけられないだろー?」
「普通はそうなんだよなぁ。いや、あたしも遠くから見ただけだから何とも……」
その時、ブリーフィングルームにミーナ中佐と坂本少佐が姿を表した。
「皆さん集まって……いませんね」
「バルクホルン大尉、ハルトマン中尉がまだか。誰か知っている者は?」
「今頃大尉が中尉を必死で起こそうとしてる辺りじゃないでしょうか?」
「またか。……仕方ない。先に進めるとしよう」
「そうね、俺大尉。どうぞ」
926 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 04:03:16.04 ID:7VTxRyAx0
眠れない支援
928 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 04:06:06.74 ID:QD8RtaVT0
(お……)
扉を開けて男が入室する。黒髪黒瞳、長髪を後ろで無造作に縛った眼鏡の男。身長は……170cmちょっとか?
(へぇ、あんな顔してたんだ……)
ジャーマングレーのボトムスにブーツ、黒いシャツの上から、同じくジャーマングレーのフライトジャケット
を着た男はこっちに気づくと軽く目礼し、皆に向かって挨拶を始める。
「本日第501統合戦闘航空団に着任致します、扶桑皇国陸軍技術科、俺大尉であります。軍属前は出雲航空技研
に所属しておりました。至らぬ点も多々あると思いますが、宜しくお願い致します。」
「俺大尉はこの基地で、陸軍の試作兵装を用いたウィッチとの連携試験を行う。皆、突然だが協力してやってくれ」
と、俺が少佐の方に向き直る。
「連携試験……ですか?」
手元の書類を見なおした少佐が俺に問う。
「なんだ、聞いていないのか?」
「性能試験って事は聞いていたんですが、内容まではちょっと……」
「それについて、俺大尉に手紙が」
929 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 04:08:09.14 ID:oj9P/GuE0
しえん
930 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 04:16:20.05 ID:QD8RtaVT0
と、ミーナ中佐は封筒を俺に渡す。
「手紙?一体誰から――。……まさか」
手紙を読み進める俺の表情が暗くなっていく。
「あの不良中年め……!」
という声が伴い、
「……中佐、無線室は何処でしょうか?――扶桑に少々連絡事項が出来たもので」
俺のただならぬ雰囲気を察したのか、中佐が俺に無線室の場所を教える。
「すみません。少々席を外します。……すぐに済みますから」
言うやいなや、俺は部屋を飛び出し、――部屋には事態を飲み込め無いあたし達が残された。すると、
「トゥルーデー、ねーむーいー」
「ええい、いい加減自分で歩けハルトマン!!ブリーフィングに遅れてしまっただろう!!……ん?ミーナ、
新人とやらは何処だ?」
遅れた2人がやって来た。
931 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 04:27:38.64 ID:QD8RtaVT0
―◇―
中佐から聞いた無線室へと急ぐ。不良中年を呼び出している合間も鬱憤は溜まってゆく。
『やあ俺君。調子はどうだね?何、頭(の具合)が悪い?――はは、手遅れだね。諦めたまえ』
「相変わらずイイ空気吸ってるなアンタ。――何故試験内容を連携試験にした?」
伏丸の存在目的。アレは、
「アレはウィッチの代替兵器だ。ウィッチを戦わせぬ為、戦いから守る為の兵器を――ウィッチと共に戦う為に
使うだと?……一体どういうつもりだ?」
『聞きたいかね?――教えてやらん』
『だが私は寛大だ、1つヒントをやろう。――どのウィッチが守って欲しいと頼んだのかね?』
「何?」
『2度は言わん、覚えておきたまえ。――以上だ』
通信が切られる。後には、一人立ち尽くす俺が残される。
932 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 04:30:11.72 ID:m5TMrXdE0
ふとこの流れを読んでたらキ84を思い出した
作者また失踪したのか?
933 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 04:36:30.46 ID:QD8RtaVT0
―――
ブリーフィングルームに戻ると中佐が声をかけてきた。
「……連絡は取れましたか?」
「お見苦しい所をお見せしました。試験内容の確認をして参りました。……ええ、大丈夫ですとも」
それならば構いませんが、と言う中佐に軽く一礼、再びウィッチ達へと向き直る。
「改めて自己紹介を。本日付けで当基地に配属になりました俺大尉です。宜しくお願い致します」
「俺大尉は先ほどネウロイの迎撃を終えたばかりでな。大尉の体調も考え、装備の詳しい説明は明日に行う。
何か質問のある者は?」
「は、はい!」
「宮藤か、どうした?」
セーラー服を着た宮藤と呼ばれた少女がこちらに向く。
「あの、俺さんはウィッチ……なんですか?」
少女の質問に同意見の為か、こちらに視線が集中する。
「……残念ですが、自分はウィッチではありません」
934 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 04:46:38.90 ID:QD8RtaVT0
「え?違うんですか?それじゃどうやってネウロイを?」
「それにつきましては明日、装備の説明と共に行います。……今はこれで納得して頂けないでしょうか」
「――納得出来んな」
俺が最初に入った時にはいなかった――カールスラント軍の制服を着た生真面目そうな少女がこちらを見ている。
「ええと、貴方は……」
「バルクホルン。ゲルトルート・バルクホルン大尉だ」
「では大尉。――どういう事でしょうか?」
彼女がこちらを見定めるように睥睨する。――嫌な予感。
「聞く所によると、お前はネウロイを魔法力に依らずに断ち切ったそうじゃないか。――だがそれは新型のお陰
ではないのか?」
「……」
「スペックに頼る素人との連携などハッキリ言って迷惑だ。貴様自身の純粋な技量を見せてみろ。……結果次第では
納得しないでもない」
「トゥルーデ、幾ら何でもその言い方はないんじゃないのー?」
「黙っていろハルトマン。……ミーナ達はコイツの装備を見ているんだろう。気にならないか? コイツが新型の
能力に依存した腑抜けか、それとも本当に試作兵器を駆る程の者なのか」
935 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 04:55:16.54 ID:QD8RtaVT0
キ84見てたら後半の方の展開が被ってる…書き直したほうがいいのかな…
936 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 04:56:10.64 ID:m5TMrXdE0
>>935
気にしたら負けだず
937 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/05(土) 04:56:20.98 ID:bHXk0W5T0
多少の被りは仕方ねーべ。
テレポーターの俺なんて3人いるんだし。
938 :了解です。このまま投下します。電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 04:59:56.15 ID:QD8RtaVT0
(……ハルトマン?でもアイツは――)
「――バルクホルン大尉。基地内での私闘は禁じられています」
(そんな事より一筋の光明来た!)
「私闘ではない。ただのスパーリングだ」
(光明が一瞬で曇って消えたで御座る)
大尉は既に耳と尻尾を出してやる気満々。……うわぁ。
「バルクホルン大尉。――あまり大きな怪我はさせるなよ?」
最後の希望だった少佐もこの有様である。
(どうしてこうなった……。やはり手間が掛かっても実物見せるべきだったか?)
「どうした俺大尉。怖じ気付いたか?」
939 :電磁抜刀俺:2011/02/05(土) 05:12:51.28 ID:QD8RtaVT0
「こうなったらもう止められない……か。誰か上着と眼鏡を持って頂けませんか?」
「私が持とう。――バルクホルン大尉の固有魔法は怪力。女だと思って手を抜くと痛い目を見るぞ」
少佐に上着と眼鏡を渡す。
「助言有難うございます。……出来れば止めて欲しかったんですが」
「聞こえんなぁ。――ほら、グローブだ。素手は拳を痛めるからな」
(どっから出したんだよ、そのグローブ)
聞いたところで「細かいことは(ry」で返されるんだろう。……大人しくグローブを嵌める。バルクホルン大尉は
既にグローブの感触を確かめたようで、
「ええと、お手柔らか――」
に、という俺の言葉は続くこと無く、突如眼前に迫った暴風によって掻き消された。
――俺・体術/回避技能・重複発動・跳躍回避・成功!
最終更新:2013年02月02日 14:45