バーン。ネウロイは砕け散った。

バルクホルン『こちらバルクホルン、ネウロイを撃墜した。今から増援に向かう』

ミーナ『こちらミーナ、増援の必要は無いわ。こっちも今ネウロイを撃墜したところよ』

宮藤『つ、疲れた~』

リーネ「もう飛べません~』

ペリーヌ『二人とも泣き言を言うんじゃありませんの、帰ったらまた坂本少佐の訓練があるんですのよ?』

宮藤『あ゙~そうだった…』

エイラ『サーニャぁ~大丈夫か? 眠くないか?』

サーニャ『ちょっと眠いけど…大丈夫よエイラ』

シャーリー『やっぱこうも別方向から時間差で大型が来るときついなー』

ルッキーニ『なー』

エーリカ『たしかに結構基地まで近づけさせちゃったね』

坂本『ネウロイも学習したものだな…また対策を練っておかねば』

バルクホルン『対策か…。帰ってからの課題が増えたな。
       …ところでミーナ、上手くネウロイに戦力を分割させられてしまったが
       もしまた違う方向からネウロイの増援が来たらどうするつもりだったんだ?』

ミーナ『え? そのための彼じゃない』

バルクホルン『花火大佐…か』

ミーナ『花火大佐なら、少なくともウィッチ五人分の仕事をしてくれるわ。
    それに、彼の場合僚機のウィッチで戦力を縛られる事もあるしね、だから一人で基地を任せたのよ』

バルクホルン『…ミーナ、少しあいつを信頼しすぎやしないか?
       たしかに実力は認めてやれん事も無いが、あいつが基地の最後の砦と言うのはどうも…』

エーリカ『相変わらずトゥルーデは素直じゃないなーネウロイは撃墜したんだしもう良いじゃん』

バルクホルン『ハルトマン、貴様は気を抜きすぎだ。ネウロイは明日、もしかするとまた今日やってくるかもしれないんだぞ?
       しかもそれが一体どんな形でやってくるかなんて分からない。
       それになんだ、最近のお前は、あの男の周りをうろちょろうろちょろと…』

エーリカ『うぇー別に花火の事は関係無いじゃんかー』

バルクホルン『いいや、ある。いずれ私達の僚機になる男だと言うのにミーナの命令を立て続けに破って破って…
       私はあんな奴…認めんぞ』

ミーナ『トゥルーデ、流石にいろいろ考えすぎじゃない?
    仮にネウロイがまた今日やってくるのだとしても、今すべき事は次の戦闘に備えての休養よ
    花火大佐に関しては…そうね、あなたが素直に接してくれば、彼もきっと…』

バルクホルン『もういいミーナ、私は基地に帰還する』

ミーナ『トゥルーデ…』

エーリカ『むぅ…ご機嫌斜めだね…』



―――基地上空


花火「認めない…か」

花火「俺が言うのも難だが、あれだな。自分をプライドか、それとも自信でがっちがちに人格を固めてるタイプか…」

花火「はッ、まさに堅物、だな」

花火「…それにしても、やっぱりあいつが一番いろいろ難しそうだなぁ、ゲルトルート・バルクホルン…」

花火「…あーあ、盗み聞きなんて俺らしくもねえ、さっさと帰って風呂入っか」




―――基地


バルクホルン「全く…ミーナもどうかしている、あんな奴に誰が素直になってやるか」

シャーリー「まぁそう言うなってー、そんな悪い奴でも無いよ花火は」

バルクホルン「…お前はあいつ側につくのか」

シャーリー「なんだよあいつ「側」って、そんなひねくれた言い方すんなよ」

シャーリー「たしかに最初はすっごいツンツンしてたけどさ、最近は話掛けたら無愛想だけどちゃんと返事とかしてくれるし
      それに、この前もなんだかんだ言いつつあいつのストライカーユニットをいじらせてくれたしな」

バルクホルン「あの、花火大佐がか?」

シャーリー「うん」

バルクホルン「…」

シャーリー「ま、バルクホルンも素直になりゃ花火もちゃんとそれに応えてくれるさ」

バルクホルン「…そうだろうかな…」

シャーリー「さて、それじゃあハンガーに行くか」

バルクホルン「なんだ、お前は風呂に入らないのか?」

シャーリー「ん? ああ、今日の戦闘でストライカーユニットの部品がちょっといかれちゃってな
      私はこれから整備に行くよ」

バルクホルン「そうか」

シャーリー「一緒に入りたかったのか?」

バルクホルン「馬鹿、そんなわけあるか」

シャーリー「そうかい、まぁ整備が終わったら入るつもりだから、それまで待っててもいいんだぞー?」

バルクホルン「さ、さっさといかんか!」

シャーリー「へいへい、分かったよ」


―――風呂

バルクホルン「素直にと、言われてもな…」イソイソ

バルクホルン「そんな簡単に行く訳が無いだろうシャーリー…」イソイソ

ガララ

花火「やっぱ風呂の適温は68℃だな」

バルクホルン「あ」

花火「んあ?」

バルクホルン「…」

花火(…うわー糞めんどくせえ状況だなおい、何で俺入ってるのに気付かねえんだよこいつは
   ここはさっさと逃げるか…いや、タオル巻いてるとは言えこの状態でどこにも逃げる場所なんてねえな
   それに、ここで逃げると間違いなく俺の基地内での評判とか信頼とか色々やべえしな…やっぱ謝るか?
   謝るにしてもどう謝ればいいんだよ畜生…見てすみませんでしたーっつってりゃ良いのか? いや、それだと軽すぎるか
   …それにしても、うん、なんだ、下着はそっけないけどバルクホルンて結構胸あったんだな…
   ってちげえよ馬鹿、こんな窮地に立たされて何考えてんだ俺は…)

バルクホルン「な…な…」フルフル

花火(ま、不味い! 叫ばれる! それだけは…)

花火「駄目だ!」

バルクホルン「ぎゃ…んん!!」

花火「し、静かにしろ…!」ガッチリ

花火(やっべえ! 口塞いだうえ関節まで決めちまった…! と、とりあえず人気の無いところに!!)

バルクホルン「んー!!」


―――サウナ

花火「ここならひとまず大丈夫か?」

バルクホルン「んー!! んー!!」

花火「ああ、わりい」

バルクホルン「はぁ…はぁ…こ、この変態!!」

花火「あー…悪かったって…」

バルクホルン「私をどうするつもりだ!!」

花火「い、いやぁ…叫ばれると困るからちょっとばっか…な?」

バルクホルン「き、貴様…こんな事してただで済むと思うなよ!」

花火「だから悪かったっつうに…」

バルクホルン「はぁ…糞、だから私はこんな奴、信用出来ないんだ…」

花火「……どこらへんが信用出来ねえんだ?」

バルクホルン「全部に決まってるだろう」

花火「(このやろう…)ぐ、具体的には?」

バルクホルン「…命令を聞かない。態度が悪い。周りの事をまるで気にしない。
       訓練をしない。言葉遣いが悪い。同僚を攫う」

花火「最後のはいただけねえな」

バルクホルン「全て本当の事だろう」

花火「ま、俺も無理に信用しろとは言わねえけどよ、慣れてるとはいえここまで嫌われると傷ついちまうなぁおい」

バルクホルン「ふん」

花火「はッ…俺がこの基地を任せられたのがよっぽど気に食わなかったんだかな」ボソ

バルクホルン「違う!」

花火「ああ?」

バルクホルン「別に私はそんな事を思っている訳じゃない! あれは…お前を戦前に出してまた
       勝手な行動を起こさせないようにするためであって…!」

花火「対抗心を燃やすのは結構だけどよ、場所と状況を考えろよ」

バルクホルン「べ、別に対抗心など燃やしていない! 私は!お前にこの基地を任せられた事に腹を立ててるんだ!」

花火「おいおい落ち着けって、頭に血が上ってんのか?」

バルクホルン「私はいたって冷静だ! 興奮などしてい…ない……」フラ

花火「言わんこっちゃねえ、大丈夫か? 頭冷やせよ」

バルクホルン「う…うるさい! 私はもう出る!」

ガチャン

花火「…」

花火「だー! めんどくせえ! 何なんだあいつは?」

花火「俺は本当の事を言っただけだっつうのに…ったく、女心ってのは理解しがてぇもんだな」


―――数日後、ブリーフィングルーム

ウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ミーナ「…皆居るわね?」

坂本「出撃しないのか?」

ミーナ「今回は先日のネウロイの襲撃パターンを予測して、班を四つに別けたいと思うの」

ミーナ「とりあえず、花火大佐はこの前と同じく基地の防衛で…」

バルクホルン「待ってくれミーナ」

ミーナ「どうしたの?」

バルクホルン「私を花火大佐の代わりに基地の防衛にまわして欲しい」

花火「…」

ミーナ「分かったわ。ではエイラさんとサーニャさんも防衛に…」

バルクホルン「その必要は無い」

ミーナ「どうして?」

バルクホルン「この基地を守るのは私一人で十分だ。それに、その二人を迎撃班に回した方が効率も良い」

ミーナ「…分かったわ、では改めてメンバー振りを…」




花火(変な所で意地張りやがって…どうなっても知らねぇぞ俺は)

エーリカ(トゥルーデは結構無茶するからなー、いざとなったら花火が助けに行ってよ?)

花火「人の心に問いかけるな」

エーリカ「ついうっかり」


―――空

第一迎撃班、坂本・宮藤・リーネ・ペリーヌ
第二迎撃班、ミーナ・エーリカ・エイラ・サーニャ
第三迎撃班、花火・シャーリー・ルッキーニ
基地防衛班、バルクホルン

花火「…で、何で俺の班にこの能天気コンビにいるんだか」

シャーリー「能天気とは失礼な奴だなー! 戦闘になったらバリバリなんだぞー?」

ルッキーニ「バリバリー!」

花火「…まぁそれなら良いけどよ」

シャーリー「ここは何とかなるだろー…それよりも、あいつ大丈夫かな、一人で基地を守るって張り切ってたけど」

花火「バルクホルンの事か」

シャーリー「うん、たしかにあの堅物軍人は強いけど、ちょっと心配でな」

花火「はぁん………ん、おいでなすったみたいだ」

ルッキーニ「おおー結構居るねー」

花火「お前らはどうする? 何なら俺が一掃してやっても良いんだぜ?」

シャーリー「たまには撃墜数稼がなきゃ上層部がうるさいからな! 私は前に出るよ」

ルッキーニ「シャーリーが出るなら私もー」

花火「じゃ、俺は適当にちびちび牽制しとくから、後はお前らで頑張ってくれ」

「「ラジャー!」」




バルクホルン「はぁ…案外暇だな…」

バルクホルン「いやいや…暇で何よりでは無いかゲルトルート・バルクホルン」

バルクホルン「そうだ、こういう時は素数を数えよう…2 3 5 7 11 13 17…」





坂本『おりゃあああ烈、風、斬!!』

宮藤『凄いです坂本さん!』

ペリーヌ『早くこっちも手伝いなさい豆狸!』

リーネ『まだいっぱいいるよ芳佳ちゃん!』

花火「…あっちは大丈夫そうだな…っと、周波数を合わせて…」

ミーナ『エイラさんは右から回りこんで! 挟み撃ちにするわよ!』

エイラ『うおー何でよりによってこんな手ごわいネウロイがこっちに来るんだよー!』

エーリカ『文句言わない! ほら、来るよ!』

花火「…」

シャーリー「おい、そっちいったぞ!」

花火「へいへい、ドーン」

ルッキーニ「い、一発で…」

花火(あっちの戦況はちょっと悪そうだな…まぁハルトマンがいるし問題無いか、後は…)

バルクホルン『1579 1583 1597 1601 1607 1609 1613…』

花火「何言ってんだこいつ」

サーニャ『大変です! 超大型のネウロイの反応アリ!』

花火「おお? まだいんのか」

ミーナ『こんな時に…! 一体どこにいるの!?』

サーニャ『基地の真上です!!』

花火「…マジか」




バルクホルン「3067 3079 3083 3089 3109 3119…駄目だ、疲れた」

バルクホルン「一体何をやっとるんだ私は…」

バルクホルン「ただジっとしているのがここまで落ち着かないものだとはな…」

バルクホルン「…それにしても…やけに曇ってきたな、あんなに晴れてたのに」

バルクホルン「おお…何て分厚い雲…雲? 違うな…あれは…雲では無い…のか…?」

バルクホルン「だとしたら…………おい…う、嘘だろう?」




花火「シャーリー、ルッキーニ、そこまでだ」

シャーリー「え? どうしたんだ!?」

花火「戦況が変わった。下がってろ、一気に片付ける」

ルッキーニ「え? え?」

シャーリー「ルッキーニ、こっちに来い」

花火「いくぞ―――スターマイン」

ヒュガガガガガガガガガガガガ

シャーリー「おお…あんだけいた小型が…」

花火「よし…おいシャーリー、基地までぶっ飛ばすぞ、着いて来い。ルッキーニは隊長んとこに増援に行け」

シャーリー「わ、分かった!」

ルッキーニ「らじゃっ!」

花火「間に合ってくれよ―――龍勢」ゴッ





バルクホルン「はぁ…はぁ…何て大きさだ…これじゃコアまで届かん…」

バルクホルン「だが、ここで引き下がるわけには行かない…!」ババババババババババ ガチン!

バルクホルン「ジャムったか!?」

ネウロイ「キィィィィィィィィィン!!」

バルクホルン「く…駄目だ、避けきれ…」

バルクホルン(シールドを…! なんとか防いだか!?)ガコン

バルクホルン(しまった!? ストライカーユニットに被弾し…)

バルクホルン(くそ…つまらない意地なんて張らなければ良かった…な…)

シャーリー「バルクホルンーッ!!」

バルクホルン「リ、リベリアン…?」

花火「はッ、よく粘ったじゃねえか」

バルクホルン「花火…」

花火「シャーリー、バルクホルンを」

バルクホルン「はぁ…うう、情けない…私は…基地の一つも守れやしなかった…」

花火「…確かに、自分から言っといてこのザマだもんな、すげえ惨めだわ」

花火「それでも、今のお前は結構輝いてんぜ?」

バルクホルン「…そう、か」

花火「そんじゃシャーリー、そいつ連れて基地に戻れ」

シャーリー「お前一人で大丈夫なのか?」

花火「当たり前だろ」

バルクホルン「…花火」

花火「おお、なんだ」

バルクホルン「…後は頼んだ」

花火「はッ、任せろ」

シャーリー「じゃあ飛ばすぞ! しっかり掴まってろよバルクホルン!」ブロロロロロロ



花火「…行ったな」

花火「―――――さ、て、と、お料理の時間だ、ネウロイ」


―――――
―――

バルクホルン「ん…」

エーリカ「おお、起きた」

バルクホルン「ここは…? ネウロイはどうなった?」

エーリカ「ここは医務室、ネウロイはちゃんと花火が撃墜したよ」

バルクホルン「そうか……はっ、花火は!?」

花火「いる」

バルクホルン「うお!?」

エーリカ「花火ってねー、トゥルーデが起きるまでずっと見てたんだよ」ニシシ

バルクホルン「そうか…すまなかった」

花火「これでちったぁ俺の事見直したろ?」

バルクホルン「…べ、別にそんな事…」ゴニョゴニョ

花火「はッ、やっぱ可愛くねえな」

エーリカ「そんな事言わないー」
最終更新:2013年02月02日 14:54