ストライクウィッチーズは絶望に包まれた。


巨大なコアが激化し、戦艦を一撃で粉砕出来るほどの猛攻をし始めた。
このままでは空母天城を含めた扶桑艦隊もいずれ全滅し、魔法力が限界に達したウィッチ達も全員死亡するだろう。


俺が望んだ結末、それが遂に訪れたのだった。


――ロマーニャ基地、待機室にて――

兵士「嘘だろ……っ……うぅぅ……くそっ…くそっ……。」
俺の周りの兵士達は無線機から響き渡る報告に対し、しゃくり声を上げて泣いている。

待機室内は、異様な絶望感に包まれていた。

俺(!?………はは…やったよ…!俺の願いが叶ったんだ…!勝手になりやがった…最悪の展開に…!)
誰もが泣き声を上げている中、自分だけは別の空気を吸っているような気分になり始めた。

…そうだ…とてつもない絶望感だろ…!?自分が何も出来ない…何も希望がないってことは…!
戦いたくても戦えない人達の気持ちが分かっただろ…!?もう才能があっても、無意味だ…!

気分が段々と高まっていく。 顔を伏せ、誰にも見えないように微笑んだ。


このままだったら、みんな死ぬのか…でも…別に良いじゃないのか…!?才能があって、今まで飛べてきて楽しんでこれたんだから!!

ふと、俺は原作者が記載していた設定を思い出す。

……まぁ…でも死には…しないのかもな…スト魔女の世界じゃ「501の女の子達ウィッチは殺さない」みたいな事を姐氏が確か言ってたし…

なら…生きながら俺と同じ苦しみを味わうってことか!そりゃいい!!
生まれ持っての才能だけで「彼」みたいにふんぞり返って…「結局は思い通り」って補正がかかってる連中は苦しめばいいんだよ。

脚本通りのアニメキャラには…いい機会だよ……

俺と同じ…苦しみを味わえ、平等にな。

予想外の展開が起こったことにより、沈んでいた気分が急上昇していく。
そして「ストライクウィッチーズ」に関する知識を持っている俺は、あることに気がついた。

まてよ…それなら原作に登場してない非公式の男の「彼」は……死んでもいいんじゃないのか?いや死ぬべきだ。
設定がどうとかじゃない…真烈風斬でもコアは破壊できなかったんだ。なら…もう何も手は無いはずだ。
それに奴が生き残ったとしても、あれほどの被害をもたらしたんだ……軍法会議でも、なんでも…とりあえず処刑されて当然……

……


…最っ高の展開だ!


「彼」が確実に死ぬこと……これこそ、俺の望んだ展開じゃないか!


背筋をもの凄い勢いでゾクゾクとしたものが通過する。それは全身に震えをもたらし、顔をさらににやけさせた。
もう「ワクワク」どころではない。それ以上の期待感が俺の気分を高潮させていく。


俺「っ…う……くっ…くくっ…!」


俺は部屋の隅に移動し、わざと肩を揺らして泣き真似をしつつ必死に笑い声を押し殺した。


――ヴェネツィア上空、彼を取り込んだ巨大なコアにて――

彼「うおおおっ…!!っ…あああああああああっ!!」

彼は手足を大きく動かして、必死に藻掻き続けていた。

しかし一度取り込まれてしまった以上、コアが破壊されない限り脱出することは出来ない。

藻掻き続ける彼の魔法力を吸い取り、巨大なコアは更に破壊を続ける。
一隻、二隻、三隻と、空母天城付近の戦艦を沈めていく。



打つ手は何もなかった。彼の魔法力が限界まで吸い取られ、巨大なネウロイの活動が停止するまで、ただ見ていることしかできない。

彼「これじゃあ…また……あの時の様に……っ…」

彼は両親が来ていた研究所がネウロイによって破壊された時のことを思い出した。
そしてその記憶は「また同じように、大切な人を失ってしまうのか」と精神を追い詰めた。

その彼の精神に対し、ネウロイが答えるように、

彼「!!……まさか……止めろ、止めろっ!!」

巨大なコアの方向が、天城に傾き始めてくる。

次の標準は定まった。

彼の魔法力を吸い取り、周りの子機にエネルギーが供給され、ネウロイ特有の赤いビームを発射させる体勢へと移る。

彼「やめろ…やめろぉおお!!逃げろ……みんな……!!芳佳ぁああ!!!」


――空母天城にて――

ミーナ「全員、早く艦内に避難して!」

彼を取り込んだコアによる侵攻により、扶桑艦隊は壊滅的状況に陥っていた。
しかし直ぐさまミーナは冷静さを取り戻し、今にも崩れ落ちそうな自分を押し殺してウィッチ達を避難させようとする。


宮藤「坂本さん…………うぅっ……。」

坂本「宮藤……くそっ……どうしてこんなことに……っ。」

坂本は魔法力を失った宮藤を抱きかかえ、艦内へと続くドアへ向かおうとする。

宮藤「ううっ…どうして…彼さんが……お願い…誰か助けて……助けて…お父さんっ…」


ミーナ「二人とも急いで!!」
宮藤、坂本、ミーナ3名以外の8人のウィッチ達は天城艦内へとすでに避難している。


その時、


バシュゥゥゥゥ……ズドォォォォォン!! ――


リーネ「きゃぁぁっ!」

バルクホルン「!!……くっ………くそぉ!」

巨大なコアからのビームが、遂に天城に放たれた。
大きな爆風と水しぶきが上がり、空母全体が大きくバランスを崩して左右に大きく揺れた。

彼のインカムから聞こえる悲痛な叫びも、ビームによって生じた爆音によってかき消された。


杉田「くぅっ…!このままでは確実に……援軍を…」

水兵「っ…艦長!駄目です、無線機が正常に作動しません!このままでは外部に通信が…」


杉田「なっ…!…ネウロイは我々を完全に逃がさない気か…!」

先程のビームの被害と、コアより発する扶桑艦隊を取り囲んだ尋常でない瘴気によって、天城の通信機能は不安定になっていた――


坂本「うぅっ……宮…藤っ……。」
先程の爆風と振動によって吹き飛ばされた坂本は、抱き寄せていた宮藤を手放してしまった。

大きな煙が甲板を覆い尽くしている。

坂本「どこだ…宮藤っ…………っ!!……宮藤ぃぃぃぃっ!!」

坂本はその煙の中で直ぐさま立ち上がり、人影が見える方向へと大声を出した。
そしてそこには、

宮藤「……彼……さん…………っ…」

ビームによってはじけ飛んだ甲板の破片や粉塵に埋もれ、それでも彼の名前を呼び続ける宮藤が横たわっていた。


坂本「しっかりしろ!!宮藤っ!!宮藤!」
坂本が直ぐさま駆け寄り、肩を抱いて宮藤に声をかけ続けた。

宮藤「私は…大丈夫です……でも彼さんが……彼さん……っ」

宮藤は何とかして立ち上がるが、坂本の腕を解いて巨大なコアを見つめ、そこから動こうとしない。

坂本「だめだ宮藤…!!ここにいたら……」

ミーナ「宮藤さん!!美緒っ!!」

甲板を覆い尽くしている煙の中で2人を見つけたミーナが駆け寄った。
彼女の目には、大粒の涙が浮かんでいた――


魔法力も限界に達し、飛ぶことも出来ない。自分の命も、仲間の命も、扶桑艦隊内全ての兵士の命も消えようとしている。


恋人や家族を失った時の悲しみをもう一度、感じることになる。

いや、その感情さえも感じる前に自らが死ぬかもしれない。


しかし彼女は絶望の淵に立たせられても、辛うじて堪えていた。仲間のために、大切な人のために…


だが、


ミーナ「二人とも平気!?…はやく艦内へ避――」



彼『ザザッ……や…め……!!うぁ…ザザッ……ぁっ!!』



彼『ザザッ…やめろおおおおおおおおおお!!!!』







バシュゥゥゥゥ……ズドオオォォォォォォォン!!!! ――







――その音と衝撃は、絶望の淵に立っていたミーナをどん底へと突き落とした。

巨大なコアの周りに浮遊する子機から放たれた天城に対しての第二撃目のビームは、8人のウィッチ達が避難していた所へと命中した。


あまりにも呆気なく、一瞬に命を、仲間の命を奪い去った。


映画や本の物語に登場する、

主人公を「引き立てるため」、「殺されるため」以外には何も設定されていない「ザコ」とも言われる「やられ役」、「脇役」ように、

そして自分たちが楽々倒してきた、小型のネウロイのように、


一瞬で、一撃で。


8人の命が奪い取られた。


――ロマーニャ基地、待機室にて――

俺「……………………………」

一瞬だけ回復した無線を通して、俺の耳に届いたのは、彼の声、ネウロイのビーム音、爆発音、天城での状況を伝えた兵士の声、そして、

8人のウィッチ達の最後の「声」、断末魔だった。

待機室が凍り付いていた。周りの兵士達は動かない。俺も同様に口を半開きにし、瞬きさえも出来なかった。
そしてまた、無線機からは何も聞こえなくなった――


え………………?


分からない。

ただ、

疑問を投げかけたい。とにかく誰かに問いただしたい。

なぜ、リーネ、ペリーヌ、シャーリー、ルッキーニ、バルクホルン、エーリカ、エイラ、サーニャは

戦死したのかと――


死んだの…か…?

嘘だろ…?…確かに俺は苦しみを味わってほしかったさ……

………でも…………違うだろ…なぁ……だって死なないはずだろ…

苦しみを分かってくれるだけで…いいはずだろ…そうだろ……俺はそれでいいはずだ…

501は…死なないはずだろ?話が違う…ちがう……

ウィッチだぞ、女の子だぞ、子供だぞ…まだ…20歳にだってなってないんだ…ifの絵だってあるじゃないか…

原作者は言ったじゃないか…っ…「ウィッチは死なせない」って…これじゃあ…元の世界と…現実の世界と同じ本当の…「戦争」じゃな――


俺「戦……争…………?」

家族がいる人でも、仲間がいる人でも、たとえ小さな子供だったとしても、殺される「戦争」――


……これが…俺の望んでたことなの?…確かにストライクウィッチーズは崩壊した…俺をのけ者にし…この世界も…壊れてしまえと思ったけど…
…ウィッチ達は死んだ…。死んだ…そんな…そんなの…だめだ…俺より歳は低いのに……死ぬのはだめだ……死ぬのは…っ…

身体の何処か知らないが、何かがうごめいているような痒みを感じる。脇汗が止まることなく溢れ出て、服に染みを作っていく。

…俺は彼が憎いだけなんだ…!!彼さえ死ねば良いだけなんだ…そんな…なんでだ…なんで……そりゃ…ウィッチ達にも才能があって羨ましい…

…才能?羨ましい…?何をだ?俺は…何を考えてたんだ?才能に嫉妬していたのか…?

いや…だってかっこいいじゃないか…ネウロイを倒せて。…確かに整備兵や俺みたいな奴にだってやるべき仕事がある…それは認めなくちゃならない

だけど…好き好んで「俺は皆のために雑用係をする」なんて言う奴はいるか?いるわけねぇだろ、雑用なんてウィッチと会う機会なんて滅多に無いんだぞ…男のウィッチになることに…誰だって憧れるだろ…

…憧れる?…誰だって?…うん、そうだ…元の世界だって、日本に戦争に憧れている奴ら、戦争を「かっこいい」と思ってる奴らは大勢いるんだ。

だから人を殺す「戦争」のゲーム機であそんだり、軍オタとか言う人もいるんだ。それに…スト魔女だって、もとは人を殺す兵器だってモチーフにしているんだし…

憧れたって当然じゃないか…戦えることに快感を覚えることに……誰かを…ネウロイを犠牲にして、「俺ストSS」のように自分をカッコよくしたいじゃないか……

…でも…彼女達は違う…そんなのに憧れてなんかいないはずだ…戦わなくちゃ…家族や…仲間が殺されるんだ……快感のためなんかじゃない…戦争だから…生きるために戦ってたんじゃないのか?

…才能?…羨ましい…?……あこがれる?………何のための戦争?それは…本当の…現実と戦うこと…が…


――パソコンがあって、戦争もない平和な日本から来た俺は……戦争の英雄に憧れる人だったり…

スト魔女SSのようにネウロイを倒して…イチャつきたい…格好良くなりたいって思うSS筆者と同じ考えを持つ俺は……

あんな…「嘘っぱちの正義」や…「戦争」を……自らが活躍する場の「きっかけ」としか…見ていなかった俺は…

…俺は…っ…――


自分でも何を考えているのかが分からなかった。俺はウィッチ達の死によって混乱していた。「俺は一体何に憧れていたのか」「何を理想としていたのか」「何故彼女達を恨んでいたのか」と。
しかし直ぐにその問いを放棄したくなり、ある一つの結論に辿り着いた。

………とりあえず、彼が悪い…彼が最悪な奴であることには変わりない…あいつが…殺したんだ………

……でも……だからなんなんだよ…

だがその結論さえも、俺は放棄した。

………なんなんだよ…分からねぇよ………なんで……

ウィッチが…死ぬんだよ…。

戦争…戦争…って…何なんだよ…っ…。

なんで…なんで…なんでっ…死ぬんだよ…。

名前も、顔も、性格も知っている、「ストライクウィッチーズ」が好きだから覚えた8人のウィッチ。
もう彼女達と会うことは出来ない。死亡したのだから。

俺「うそだろ………おかしい…っ…おか――」


………………宮藤と…坂本少佐と…ミーナはどうなったんだ?

黙り込んでいる無線機の近くにいても、何も分からない。
俺は立ち上がり、フラフラと歩いて待機室から出て行った。

誰も俺を止めなかった。




――その数分後、一時的に回復した無線を聞きつけたウィッチ隊の援軍が、許可無しにほぼ壊滅状態の扶桑艦隊へと駆けつけた。

しかし、目的は彼を取り込んだ巨大なコアの破壊ではなく、生存者の救出のために。

結果、多くの犠牲を払ったものの、援軍のウィッチ達により辛うじて一命を取り留めた者達もいた。
その中には、ミーナ、坂本、宮藤の3名も含まれていた。




――ハンガーにて――

おじさん「――しかしこの結末だ……今まで731部隊に関わっていた人間の罰は重い、自分たちだけ生き延びようとするなど決して許されなかった……。」

カチャ……ギリッ…

おじさん「せっかく助けてもらったのにな…すまねぇな……俺…」


おじさん「…ぁ……ぁああああああああああぁぁぁ!!!」


…カチッ

パァン!!…

ピチャァ……ドサッ………


ハンガーに訪れた俺は、後に明かされることとなる特攻機「梅花」付近でおじさんが頭から血を出して倒れている姿を目撃した。
目は開いていたが、瞬きはしなかった。口は開いていたが、呼吸していなかった。

右手には拳銃があって、俺は映画「SAW」を思い出した。

猛烈な鉄の臭いを鼻に感じ、地面にひろがっている大量の血は想像よりも黒いことが分かった。


おじさんは、死んでいた。


グロテスクさと知人の死で喉が詰まりそうになる。異臭が鼻を充満し、異質な光景を目の当たりにした俺は気持ち悪くなったが、嘔吐したくてもできなかった。
しかしどうしても楽になりたかったために、隅に移動して2本の指を喉の奥に突っ込んで無理矢理吐き散らした。

だが、スッキリしない。

吐瀉物の処理は当然せずに俺はハンガーから出て行った。

10分後、ロマーニャ基地にて待機中の兵士達へ避難命令が下された。









――数日後、彼を取り込んだ巨大なコアがロマーニャ本土へ上陸。ネウロイによる市街地への攻撃が開始する。
しかしその打開策として立てられた作戦により、司令部は各国に駐屯している幾つかのウィッチ隊を集結させた。

そして、彼を含む巨大なコアを破壊する作戦が遂行された。


――ロマーニャの上空にて――

彼「……ょ………し…………」

彼に残っていた魔法力は0に等しかった。何日もコアに取り込まれたままで、体力は限界。そして「精神崩壊」と言うに相応しい状態だった。
仲間や数多くの死を目の当たりにしていたのだから。喉は嗄れ、自ら命を絶とうと舌を噛んだのか、それとも鼻血を出したのか分からないが、
顔は血で赤くなっていた。

コアの活動も彼の魔法力が低下したため、格段に鈍っている。

しかし巨大なコアは子機を操り、攻撃を仕掛けてくるウィッチ達に最後の反撃していた――


小型ネウロイ「ピキィィィィィ!!」バシュゥゥゥゥ…!!

ウィッチ「……っ…まだっ……まだぁぁ!!」ブゥゥゥゥン!! バシュゥゥン!

ビームをシールドで防ぎつつ、彼がいる位置へと上昇していく。
そして機銃の標準が彼を捉えた。

ウィッチ「人…!?でもっ……この人を撃たなくちゃ………くぅぅっ!!」


…カチャ…ダダダダダダダダダ!!


パリィィィィィン…


バシュン!……ビシュンビシュン…ブチィッ…プシュゥウ……

銃撃は防御力を失ったシールドを貫通し、彼の体に命中した。

体に穴が開き、肢体の一部が離れる。その光景を見たウィッチが泣きそうな顔になる。

彼「……ぁ……あああっ……。」

片腕が千切れ、プラーンと前のめりになった彼は、目の前に誰かがいる様な気がした。

死を直前にして、幻想がより鮮明に目に映ったのだった。


宮藤の笑顔。



彼「っ……はぁ……っ……ょ…」



彼「芳……」






彼「ょ………し…………―――」




――ダァン!







彼の頭は打ちぬかれ、エネルギーの供給源を失ったコアはその後完全に沈黙した。


作戦は、成功に終わった。



「彼」の死と共に――









――6日後、扶桑、宮藤診療所にて――

清佳「戦況…報告…?……そうですか……はい、お勤めご苦労様です。」

宮藤の母、宮藤清佳は玄関にて手紙を受け取り、振り返って廊下を歩いていく。

居間の座布団に座り、中身を確認した。

清佳「ロマーニャ……作戦………これは確か………芳佳の………」ガサッ…
一枚目を読み終わり、二枚目に移る。

清佳「…!!………………。」……ガサッ
眼つきが変わる。そこから読む速度が格段に変化した。

そして全てを読み終え、すぐさま中身を封筒に戻した。

清佳(この内容を……芳佳に…伝えてはならない……。)

不安な目をした清佳は、庭の縁側に続く廊下へと振り向いた――



宮藤「………………。」

宮藤は庭の縁側に座り、晴れた空を眺めていた。
その眼の色は、空の色とは対称的に黒く歪んでいた。



チリーン…



チリーン…



チリーン…――




風と風鈴の音だけが、宮藤の耳に響く。


宮藤「…………どうして……。」






――ドン ドン ドンッ …


清佳「はっ、はい…っ。」

戸を叩く音を聞きつけて、清佳は立ち上がり玄関へと早歩きで向かった。


下駄を履き、ガラガラッと戸を開ける。

そしてその目の前には、一人の男が立っていた。


清佳「はい………あぁ、あなたは。すみません、毎日此処に来てもらって……。」









俺「――…いえ、こちらこそ………芳佳さんは、いらっしゃいますか…?」
最終更新:2013年02月03日 16:00