第3話 天使
397 :
俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 03:50:58.15 ID:TWMIuuF20
第3話 天使
―1945年 5月 ロマーニャ 501JFW基地 ハンガー 深夜
俺が501JFWに入隊してから2カ月が経った。
その間、俺はガムシャラに働いた。
俺が頑張らないと、アンジーに危害が加わるかもしれないから。
愛想の無い奴だと、他の
整備士達から陰口を言われているのも知っている。
だが、そんなことはどうでもいい。
俺はアンジーが無事なら世界がどうなっても知ったことではない。
もう深夜の2時か…。さすがに他の隊員達はもう寝ているな…。作業をしているのは俺だけか。
ふう、とりあえず一段落したか。コーヒーでも飲んで一服しようかね。その後、作業の続きをしよう。
?「こんな時間に何してんの?」
俺「うおうっ!?」
399 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 03:53:30.03 ID:TWMIuuF20
背後から突然話しかけられた。エ、エーリカ・ハルトマン中尉か…。
ハルトマン中尉は、カールスラント空軍の所属で、人類第一位の撃墜数を誇るウルトラエースだ。
俺「びっくりした…。どうされたんですか中尉、こんな時間に…。」
エーリカ「質問に質問で返さない! ニャハハ、部屋のガラクタに押しつぶされて目が覚めちゃってね。君はどうしたの?」
俺「自分はストライカーの整備をしておりました。」
エーリカ「こんな時間に? 他の人達は寝ちゃったんでしょ?」
そう言うと、ハルトマン中尉は俺の目をジーっと見つめてきた。
中尉の天使のようにかわいらしい瞳に見つめられて頬が熱くなる。
なんか、心を見透かされてるみたいだな…。
400 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 03:54:55.10 ID:TWMIuuF20
俺「はい、自分はまだまだ未熟なので、作業に時間がかk」
エーリカ「君、何か今何か悩みがあるでしょう。」
…。
なんで分かったんだ…? これがエースの勘ってやつなのか…?
エーリカ「ニヒヒ、お姉さんにしゃべってごらん♪ 完全に目が覚めちゃったから眠くなるまでの暇つぶしに聞いてあげようっ!」
丁重にお断りしようと思ったが、吸い込まれそうなほど澄んだその瞳から目をそらすことができない。
仕方ないか…。
このまま中尉が寝ないで寝不足にでもなったら困るからな。
俺「分かりました。話します。ちょっとココアでも淹れてきますね。」
402 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 03:56:10.44 ID:TWMIuuF20
今俺とハルトマン中尉は、ハンガーの中にあるベンチに座っている。
エーリカ「それで、一心不乱に仕事に打ち込まないといけないほど思い詰めている悩みってのは何なのかな?」
おいおい、どこまで見透かされてんだよ…。
俺「…俺には、ウィッチの幼馴染がいるんスよ。生真面目で物事を自分の中に全部抱え込んじまうような不器用な奴なんですけど…
そいつがこの前、戦闘で大けがをしまして…」
エーリカ「…。」
俺「アイツ…本当に死にかけたんですよ…! ギリギリだったんですよ…!
その時から、アイツを戦場に行かせるのがとても怖くなったんです。今度こそコイツは帰って来なくなるんじゃないかって…!」
エーリカ「…。」
俺「今ソイツは長期療養中だけど、きっと復帰したらまた戦場に出ようとするはずです。
俺の想いがどうであれ、ソイツは戦場に出ることを望んでいます。仲間や世界を守るために。
確かに、俺はアイツが戦場に行くのは嫌です。危険な目になんて会って欲しくない…。
でも、アイツの想いを踏みにじるのはもっと嫌なんです…!!」
エーリカ「…。」
俺「俺、どうしたらいいですかね…? アイツの想いも命もどっちも守るには、俺もいっしょに戦うしかない。でもその力がない。
俺には、ただ待っていることしかできないんですよ…。ハハハ…。」
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/16(水) 03:56:26.88 ID:PMXRia0M0
またハルトマン姉妹の失恋スコアが加算されるのか……?支援
404 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 03:58:35.86 ID:TWMIuuF20
ずっといっしょにいたいのに…ずっといっしょにいればきっとアイツは死んだりしないのに…
俺には、それができない…!!
どうしたらいいって言うんだよっ!!
エーリカ「え? どうもする必要ないじゃん♪」
…………………………は?
エーリカ「君は何か勘違いしているね。
君は、待つことしかできないんじゃない。待つことができるんだよ。」
俺「…。」
エーリカ「ただ待つだけってつらいよね。私も、君なんかとは比べ物にならないくらい少ないけど、ただ待つだけっていう経験があるにはあるんだよ。
怖くて、何もできないのがもどかしくて、いっそ逃げ出してしまいたくなる。
君もそうだよね?」
俺「…はい。」
エーリカ「きっと、待つっていうことは一緒に戦うことよりもつらいことなんだよ。
君は、いつも決して逃げることなく待ち続けている。
それで十分その子のためになっていると思うけど?」
俺「でも、待っているだけでは何も…!」
405 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 04:03:21.70 ID:TWMIuuF20
エーリカ「それこそ愚問だよっ♪ 待っている人がいるっていうのが、どれだけ戦う人の力になるのか、君は知らないんだね。」
俺「…。」
エーリカ「待っている人がいるとね、意地ができるんだよ。絶対に死なない!絶対にその人を悲しませない!ってね♪
待っている人がいなかったら私はもう墜ちていたよ、とっくの昔にねっ!」
俺「…。」
エーリカ「ましてや、君の幼馴染は、君みたいにこんなにも強く想ってくれてる人が待ってくれてるんだ。それこそ百人力だよね!」
あの時、アイツは…アンジーはちゃんと帰ってきた。
傷だらけになりながらも…。意識が飛びそうになりながらも…。それでもちゃんと帰ってきた。
あそこで俺が待っていたから。
エーリカ「だから、君は思い悩む必要なんか無いんだよ。
君がするべきことは、その子を待ち続けることと、いつも元気でいてその子に余計な心配をかけさせないことだよっ!」
そう言って、中尉はニヒヒっと笑った。
…その笑顔は反則だ。心の中のモヤモヤしたものが全て吹き飛ぶような魅力的な笑顔。
こんな魅力的な笑顔は今まで…、うん、アレだ、アンジーの笑顔の次くらいだな…うん。
エーリカ「ふむ、その顔はもう悩みは解決したって感じかな…?
それなら、相談料としてお菓子をもらおうかな♪」
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/16(水) 04:04:58.68 ID:trPUfsB20
EMT!EMT!
408 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 04:08:17.62 ID:TWMIuuF20
俺「お、お菓子ですか?」
中尉は、俺がいつも持ち歩いている飴玉をポケットから取りだして手渡すと、
エーリカ「イヤッホー♪ 飴玉だ♪」
と言って微笑んだ。
その笑顔はさっきの笑顔とは違い、年相応の可愛らしさを含んでおり、不覚にもドキッとしてしまった。
ダメだ…頬が熱くなるのが止められない…。
エーリカ「ありがとー! それじゃ私もう寝るねっ! じゃーねー!」
飴玉を受け取ると、ハルトマン中尉はブーンと言いながらウィッチ隊舎に走って行った。
…。
俺の進むべき道は示してもらったけど…アレ?…胸がドキドキする…。
なんとなく謝っとこうかな…。アンジー、ゴメン…。
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/16(水) 04:10:18.11 ID:kbayCUKaO
ヒャホーイ!!これは良質なEMTだ!!支援
410 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 04:13:27.69 ID:TWMIuuF20
―1945年 5月 ロマーニャ ローマ 病院 深夜
ララサーバル「ソイツだけはダメだ、俺ェー!」ガバッ
ジェーン「うわっ!? 何事ですか!?」ビクッ!
ハアハア…やけにリアルな夢だな…。よりにもよって黒い悪魔だと…?
アイツは天使の皮をかぶった悪魔だ…。だまされるんじゃない…俺…!
………………。
いやいや。よく考えたら俺に限ってそんなことある訳がない。うむ、私に隠れて他の女に手を出すなどありえないな。
ジェーン「大丈夫ですか、ララサーバル中尉? 汗びっしょりですよ?」
待てよ!? 今の思い詰めている俺では、何をしでかすか分からんぞ!?
ジェーン「ひぇ!? 余計なお世話でしたか!? 睨まないでくださいっ!」ビクッ!
もしかしたら俺が…
411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/16(水) 04:14:15.97 ID:trPUfsB20
その時アンジーに電撃走る
ざわ・・・ざわ・・・
412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/16(水) 04:15:03.32 ID:PMXRia0M0
おもしろい事になってまいりました
413 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 04:18:38.38 ID:TWMIuuF20
妄想中
サーニャ「…。」テクテク
俺「…。」ジー
サーニャ「…?」
俺「…。」ジー
スタスタスタ ガシッ バタリ ギシアン
とかあるかもしれない…。サーニャヲソンナメデミンナー!
それはまずい…それはまずいぞ、俺!
ウィッチに手を出すのは確かにイカンが、それよりもその子に手を出すのがいけない!!人として!
それにしても、この目の前の女の子は俺と1つしか違わないのになぁ…。
ジェーン「ちょっ、なんでそんな哀れみのまなざしで私を見てるんですか!?
何ですか!? ちっちゃくてかわいそうとか思ってるんですか!?」
ま、まあいくらなんでもこれはないだろう。アイツはヘタレだし。
だが、誘惑とかされたらまずいんじゃないか…?
414 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 04:23:08.44 ID:TWMIuuF20
妄想中
俺「イヤイヤ」
シャーリー「ホレホレ」タユンタユン
俺「…。」ムラムラ
シャーリー「ホレホレ」タユンタユン
俺「ウオー」フージコチャーン
ガシッ バタリ ギシアン
ありえる…!充分ありえる…!ソレアタシノー!
俺もやっぱり大きい方がいいのか!? 私のでは足りないのか…!?
あ…ゴッドフリー大尉…ごめんなさい…。
ジェーン「わ、私の胸元をそんな申し訳なさそうに見ないでください…。
なんか馬鹿にされている気がします…。」
415 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 04:28:10.03 ID:TWMIuuF20
というか、別に私とアイツは恋人同士という訳ではないんだから、アイツが他の女に手を出したって何の問題も無いだろう。
そうだ…何の問題も無いんだ…!
ジェーン「ちょっ!? 中尉!? そんなに枕を引っ張ったら千切れちゃいますよ!?
ていうかなんでそんなに怒ってるんですか!?」
よし、決めた。次会ったら殴る。特に意味はないけど。
そろそろ寝るか…。
ララサーバル「ゴッドフリー大尉、お騒がせしました。おやすみなさい。」
ジェーン「え!? はい、おやすみなさい…?」キョトン
おやすみ…俺…。
416 :俺とララサーバル []:2011/02/16(水) 04:33:17.66 ID:TWMIuuF20
俺「オペレーション 『マルス』…
マルス
軍神…か。
お前にぴったりの言葉じゃないか? アンジー。」
次回 俺とララサーバル 最終話 軍神
最終更新:2013年02月03日 16:16