俺「ん・・・ふあぁぁぁ・・・今何時だ?」
目が覚めたが船室は外が見えない以上朝か判断できない。
仕方なく近くに置いてあったトリコーダーを見る。
俺「まだ5時半じゃないか・・・でも二度寝は出来ないし・・・」
横には席に座ったまま寝ている友の姿がある。眠気に耐えられなかったようだ。
友「すぅ・・・ふぅ・・・」
俺「外でも散歩しますか・・・」
ハンガーから出てそのまま基地の周りを歩く事にする。
外は少し明るくなっており、月も傾きかけている状態だ。俺はトリコーダーを持って周囲をスキャンしながら歩く。
俺「それにしても大きい基地だな。歩いて回るには良い運動だ」
海岸沿いをトボトボ歩いていると何かの声が聞こえる。誰が何をしているのだろうか・・・
声のする方向に向かうと刀を構えた坂本少佐が立っていた。
坂本「烈風斬!」
海に向かって居合切りを行う。凄まじい衝撃波と共に海に亀裂が入った。
俺「お見事です。坂本少佐」
坂本「おお、起きたのか」
刀を鞘に納めるとこちらに向き合う。朝から元気なお方だ・・・
俺「おはようございます。武術の訓練でしょうか?」
坂本「新しい技の鍛錬をしていたのだ。ネウロイと戦うためのな」
俺「実戦の訓練ですか?ウィッチは銃火器で戦うものだと思っていました」
坂本「確かにそうだが・・・」
俺「・・・突っ込まない方が良いようですね。鍛錬、頑張ってください」
坂本「待ってくれ。少し話したい事がある」
ハンガーに戻ろうとしようとした所を止められた。
俺「何でしょうか?」
坂本「まず一つ、お前と友が来ている制服は訓練するには不向きだと思うんだが・・・」
艦隊の制服は長い上着に厚手のチュニック、長ズボンで構成されていた。彼らの訓練には不向きだろう。
坂本「後その制服は...アー...非常に目立つ。ミーナの言い付けで整備兵には
お前達の事を他に漏らさないようにと言ってあるが他の人間が見れば・・・
俺「分かりました。後でこの時代に合う服に着替えます」
坂本「了解した。あともう一つ、食堂に食べに来てほしい。宮藤とリーネがお前達の朝食も用意している」
俺「ありがとうございます。今すぐ友を叩き起こして来ますよ」
俺は感謝の礼を述べるとハンガーに向かった。日の出は近いだろう・・・
友「パンツ・・・パンツゥ・・・」
俺「朝ですよ~・・・おーきーろー!」
友「うぅぅ・・・! 朝ですか・・」
俺「色々用意する事が出来たのさ。コンピューター、20世紀の服の資料を出してくれ。運動に適した物を頼む」
眠たそうな友と共に新しい服を選ぶ事になった。
友「新しい服ですか?・・・これ良いと思いません?カッコイイですよ?」
俺「俺は派手なのは嫌だな・・・軍服から良さようのを選んで...」
俺「・・・着心地は良いな」
友「ちょっと違和感は有りますけどね」
資料から良さそうな服を選んで手直しをし、レプリケーターで複製してみた。
友「でも半ズボンにする意味ってあるんです?」
俺「足を出すのがこっちの文化だと思ってね。そろそろ時間だ。食堂に行こう」
友「食堂の位置ってどこなんです?」
俺「食堂の位置は・・・ミーナ中佐に聞いてなかった。スマン」
友「・・・シャトルのセンサーで捜してみま・・・あれ?」
滑走路にストライカーが着陸してきた。
俺「あの人はサーニャ中尉かな?聞いてみよう」
俺達はシャトルから出るとストライカーと武器を片付けていたサーニャ中尉の元に向かう。
俺「おはようございます!サーニャ中尉」
サーニャ「ビクッ・・・お、おはようございます・・・」
友「おはようございます。夜間哨戒ですか?」
サーニャ「コクコク・・・」
友「ふむふむ、それにしてもこの武器は面白そうですね。ロケット砲の一種のようですが・・」
サーニャ「それは・・・」
俺「友の事は放っておいて大丈夫です」
友は懐からトリコーダーを出すと武器のスキャンを始めていた。
俺「サーニャ中尉、食堂の位置を教えてもらいたいんですが・・・」
サーニャ「あっち・・・」
サーニャ中尉はハンガーの奥の扉を指さした。
サーニャ「あの通路の奥に・・・」
俺「ありがとうございます」
友「爆薬の種類は特定不能・・・このサイズの破壊力は一体どうなのか・・・」
相変わらず友は武器を調べている。
サーニャ「では私はこれで・・・」
そのままサーニャ中尉は食堂とは違う方向の扉に向かっていく。
俺「食堂には行かないんですか?」
サーニャ「ビクッ・・・わ、私は先に寝させてもらいます・・・」
俺「そうですか・・・おやすみなさい、サーニャ中尉」
友「おやすみなさいです、サーニャ中尉・・・コレを開発した開発者はどういった方なんでしょうね・・・」
サーニャ「コク・・・タッタッタッタッ...」
そのままサーニャ中尉は早足で走って行ってしまった・・・。
俺「嫌われちゃったのかな?」
友「ただ単に照れ屋さんだと思いますよ?」
俺「そうなら良いんだが・・・朝食を食べに行こう」
ルッキーニ「おはよー!」
俺「おはようございます」
俺達は何とか食堂までたどり着き、席に着いた。
宮藤「おはようございます!食事をどうぞ!」
俺「おお、これは日本、いえ扶桑食ですね・・・」
リーネ「食べた事があるんですか?」
俺「少しだけですが・・・」
友「これは海鮮スープですか?ズズズ...美味しいですね!」
俺「ふむ、中々栄養バランスも取れている食事ですね。塩分は多めな気がしますが」
「この発酵した豆って何です?」「納豆です。美味しいですよ?」「特殊な菌を使ってるようですね...後で研究したいな」
「漬物もどうぞ!」「ご飯のおかわりありますか?」・・・
ペリーヌ「あんなくさっ・・納豆を美味しそうに食べてますわね」
エイラ「どうやらあの宇宙人、ここの食事が気に入ったようだナ」
坂本「食いっぷりはかなりあるな・・・俺と友は食べ終わったら格納庫まで来てくれ。訓練を行う」
俺「モグモグ...ゴク...了解です」
友「了解です。あ、その豆調べるので少し分けてくれませんか?・・・
俺「ハァハァ・・・食いすぎた・・・腹がぁ・・・ウエェェ」
友「ハッハッ・・・訓練がマラソンなんて聞いていませんよぉ・・・」
食事を終えて(結局俺達は何回もおかわりした)意気揚々と格納庫に来たまでは良かったのだが・・・
友「ハァハァ・・・誰だっけ、杖を振るとか言ってた人は・・・」
俺「予想だからしかたないだろぉ・・・ウップ・・・」
坂本「よし、そこまでで良い!」
俺&友「ハァハァハァ・・・」
坂本「どうやら体力はあるようだな」
俺「ええ、艦隊のアカデミーでマラソンをしましたから・・・ハキソウ・・・」
友「・・・ボー」
坂本「少し休憩を入れよう。10分後に格納庫で続きを行う」
友「リョウカイデス・・・」
友「これがストライカーユニットですか・・・中々大きいですね」
坂本「とりあえず履いてみてくれ」
俺「この中に両足を入れるんですね?素足で」
俺達はとりあえず足を突っ込んでみた。
友「足の中は別次元になっているんですね。この技術を応用出来れば・・・」
俺「・・・どうやって動かすんです?」
坂本「とにかく動くように念じろ!」
友「ずいぶんアバウトな命令ですね」
俺(とりあえず・・・動け・・・動いてくれ・・・)
友も念じているのか顔をしかめている。
ストライカーから翅が生えてゆっくりと回転を始めている。僅かに浮力も発生し始めた。
そのままエンジンの回転数は急激に上昇し、勢いよく風を巻き込み始める。
友「凄い推力です・・・これなら時速500km以上は出せそうですね」
俺「これが魔法の力・・・」
俺達の世界では宇宙艦が光速の千倍以上で航行し、小さいシャトルでも秒速数千キロ以上は出せる。
だがストライカーユニットはそれらとは違う何かを感じさせてくれた。
俺(楽しいな・・・)
エーリカ「お、やってるようだね~」
声のする方向を見るとエーリカ中尉とバルクホルン大尉がこちらを見ていた。
バルクホルン「飛ぶ素質は十分あるようだな」
坂本「おお、丁度良い所に来てくれた。彼らをこれから飛ばしてみようと思う。手伝ってくれないか?」
俺&友「これから飛ぶんですか?!」
坂本「そうだ。お前達なら飛ぶくらい簡単に出来るだろう
「無論お前達をそのまま空に放りだすとは言ってない。彼らがアシストする。指示の通りに飛ぶだけだ」
俺「そ、それは安心ですね・・・」
坂本「そういう訳だ。バルクホルンは俺と、エーリカは友とペアになってくれ」
エーリカ「りょ~かい~」
バルクホルン「了解した」
そういって彼らは横にあるストライカーユニットを起動させる。
そのままホバリング状態で俺達の横に着く。かなりの操縦能力を持つようだ・・・
坂本「簡単な操縦技術を教えてやってくれ。任せたぞ」
バルクホルン「了解。俺、私と肩を組んでくれ」
俺「分かりました」
俺(バルクホルン大尉ってかなり体格が良いんだな・・・)
バルクホルン「どうした?」
俺「い、いえ何でもないです//」
友「肩の位置が合いませんね・・・」
エーリカ「だって友って身長高いじゃん~」
友は俺よりも背が高い。見た目だけなら宇宙艦の保安部員にも見える風貌だ。
友「そう言われてもどうしようも無いですよ。まぁ飛んだら関係無いでしょうし」
バルクホルン「用意出来たなようだな・・・これから訓練飛行を行う」
友「イヤッッホォォォオオォオウ!」
エーリカ「張り切ってるねぇ~」
バルクホルン「・・・彼の操縦能力は確かなモノだな」
俺「そのようですね・・・」
彼女達に付き添われて飛行を行い、簡単な機体の制御を教わった。
俺は旋回が出来る程度にはなったのだが・・・
エーリカ「確か友ってあのシャトルを操縦してたんだっけ?」
俺「ええ、そうです」
バルクホルン「一般的に飛行機の操縦が出来る者は上達し易いと聞いてたが・・・」
俺「シャトルの操縦は自動で行われるのが普通なんですけどね」
あのシャトルは恐らく艦隊で唯一の"操縦桿で操縦する艦艇"だろう。
友「艦隊では脳内シナプスで船をコントロールする技術があると聞きましたが、これはそれを遥かに超える機体ですよ!」
「自分の思うがままに動く・・・なじむ。実になじむぞ!」
俺「それは良かったな・・・ハハハ」
友は楽しそうに空を舞い(エーリカ中尉はずっと見てるだけだった)
俺は地道にバルクホルン大尉から操縦法を教わっていたのであった・・・。
訓練が終了した後(友はもっと飛びたいと不満そうだったが)食堂で夕食をいただく事となった。
友「モグモグ・・・おかわりお願いします!」
リーネ「どうぞ~」
ミーナ「まったく子供のようね・・・」
俺「もし食料面で不足が出るなら...
ミーナ「大丈夫です。余裕はありますし、どんどん食べて下さいね?」
俺「すみません。後バルクホルン大尉に貸してもらいたい物があるんですが」
バルクホルン「ん?何だ?」
俺「飛行技術の教本とこの基地の地図を貸して貰えないでしょうか?道に迷わないようにしたいので
他にも世界地図も貸してもらいたいです」
友「モグモグ・・・私もストライカーユニットに関する資料を貸してもらいたいですね」
バルクホルン「教本は持っているが他は持ってないな。中佐は持っていますか?」
ミーナ「地図は私から貸します。ストライカーの資料は・・・」
シャーリー「あたしから貸そう。後明日空いているなら実物を見ながら教えるがどうだ?」
友「有り難うございます。訓練が終わった後に行かせてもらいますね」
友「地図のデータをコンピューターに反映させておきました。トリコーダーからも呼び出せるようにしておきます」
俺「分かった。船の点検は終わらせておいたよ。もう寝た方が良いぞ?明日も訓練だろうし」
友「うーん...私は眠たくなるまでこの資料を読んでおきます」
友は横の席に腰掛けて資料を読みながらコンピューターにアクセスし始めている。
俺(俺も教本を読んでおくか・・・)
最終更新:2013年02月03日 16:24