エイラ「あ~めがふってもき~にしない~」ズドドドド

エイラ「や~りがふってもき~にしない~」ズドドドド

エイラ「な~にがあってもき~にしない~っと」パリパリパリパリッ

宮藤「エイラさん、シールド張らないと危ないですよー」

エイラ「?どこ見てんだオマエー」ズドドドド...

バルクホルン「・・・」ズドドドド


俺と友が出発したその日の朝、ミーナから全員に彼らが元の世界に戻った事が告げられた。

シャーリー「あいつらもう帰ったのか・・・あのシャトルに乗りたかったなぁ」

ルッキーニ「せっかく一緒に虫取りしようと思っていたのに~」

ペリーヌ「友さんと新しい花畑を作ろうかと思っていましたのですが・・・」

坂本「結局あの訓練器具の使い方が分からんままだった」

宮藤「でも前に『ここで戦うのは技術の見返りだから』って言ってましたよね、友さんと俺さん...」
...

皆は彼らが帰った事に驚きを隠せなかったようだ。

501で生活する姿を見る限りここに居座り続けるのだと思っていた人も多かっただろう。

皆が自室に戻った後、ミーナに俺と友から他に何か聞いていなかったのか問いただした。

ミーナ「・・・彼らがこの話を切り出したのはつい最近の事よ。その会話以外は何も聞けなかったわ」

バルクホルン「ミーナは何も言わなかったのか?」

ミーナ「故郷に帰りたいって言われたら何も言い返せなかったわ。私達だって同じ身でしょ?」

ミーナ「でも私も彼らの手助けが欲しいと思って・・・」

ミーナは棚から書類の束を出す。

バルクホルン「これは・・・」

それは俺と友のカールスラント軍編入のための書類だった。

ミーナ「ガランド少将に彼らの事を話したら是非軍に誘って欲しいと言われたのよ」

バルクホルン「まさか彼らの素性まで話したんじゃ...」

ミーナ「大丈夫よ。『技術者の男のウィッチ』として説明しておいたから。多分物珍しいと思ったんでしょうね」

ミーナ「でもこれも必要無い物ね...」

ミーナは書類を元に片付けてこちらを向く。

ミーナ「トゥルーデも引き留めようとしたのでしょ?その理由は何かしら?」

バルクホルン「それは・・・」


宮藤「バルクホルンさん!アレを見てください!」

バルクホルン「ん?・・・何だあれは!」

山脈の向こうには1万メートルを超える巨大な柱型のネウロイが聳え立っていた。

ペリーヌ「雲を突き抜けていますわ!」

リーネ「うわぁ・・・」

シャーリー「まさかアレが本体?!」

坂本「お前達はここで待て!」

少佐はネウロイの頂上に向かっていく。

ペリーヌ「少佐!・・・」

少しののち少佐から通信が入った。

坂本「・・・基地に帰投する」

ペリーヌ「ですがまだ敵が...」

坂本「帰って作戦を立て直す。今日は遠出をし過ぎた。そろそろ戻らないと基地に辿り着けなくなるぞ?」


基地に戻った後、私達はブリーフィングルームで作戦会議を行う事になった。

坂本「空軍の偵察機が取って来た写真だ」

壁には今日遭遇したネウロイが投影されている。

シャーリー「全体が撮れていないようだが・・・?」

坂本「高さは3万メートルを超えると予想されている」

シャーリー「3万!高さ30kmって事か?!」

宮藤「えーっと、それって富士山の・・・」

壁にネウロイの予想進路が映し出された。

坂本「これが毎時10kmの低速でロマーニャ方面に移動している」

坂本「厄介なのはコイツのコアの位置だ」

少佐は手に持つ定規でネウロイの一番上を指す。

リーネ「一番上にコアがあるんですか?!」

坂本「ああ、私がこの目で確認した」

ペリーヌ「ですが私達のストライカーユニットの限界高度はせいぜい1万メートル...」

バルクホルン「なら俺と友に転送で上まで送って...」

ミーナ「トゥルーデ・・・もう彼らは居ないのよ」

バルクホルン「・・・すまない・・・先に休ませてくれ」

エーリカ「トゥルーデ...」

バルクホルン「後で作戦内容を聞かせてくれ」

私はそのまま部屋を出て何も考えずに歩いて行った。

バルクホルン(戦っていた仲間が家に帰っただけなんだ。喜ぶのが普通だろ・・・!)

バルクホルン(でも私は俺にあの時オメデトウもサヨウナラも言えなかった・・・)

バルクホルン(私は・・・本当は・・・)

気が付くと私は部屋の扉の前にいた。

急いで部屋に入り棚の中に置いていたコムバッチを取り出す。


バルクホルン「俺、聞いているか? 私だ。バルクホルン大尉だ」

応答は無い。普通の通信のようなノイズさえ聞こえない。

バルクホルン「聞こえるなら応答してくれ 大事な話があるんだ」

月明かりが部屋の中を照らしていた。ハルトマンはまだ戻っていてない。

バルクホルン「俺にとってはおかしいかも知れない」

ハルトマンの部屋には未だに友から貰ったお菓子が置かれている。食べている痕跡は無い。

バルクホルン「俺と初めて会った時よく分からない奴だなと思っていた」

窓から見える星空は昨日と変わらない...いや、昨日とは僅かに違う星空だろう。

バルクホルン「訓練で助けてもらった頃から印象が変わったんだ」

私が見る星空は俺の見る星空と一緒なのだろうか

バルクホルン「俺と一緒にいて楽しい、もっと居たいと思うようになっていたんだ」

空に一つ大きく輝く星がある。一体なんだろう。俺なら教えてくれるかもしれない

バルクホルン「私はあの時、きっとこう言いたかったんだ」

バルクホルン「『行かないでくれ』って」

バルクホルン「俺の事が好きなんだ」

バルクホルン「一緒に訓練して食事を食べて色々話をして・・・そんな日常がずっと続く事を願っていたんだ」

バルクホルン「お前には故郷がある。無論戻りたいと思う気持ちは分かってる。私も同じだ」

バルクホルン「だから私がこの世界を"もう一つの故郷"と思えるまで精一杯頑張ってみせる!何でもする!だから・・・だから!」

バルクホルン「お願いだから戻って来てくれ・・・そうで無くても返事だけで良いから欲しいんだっ!!」

バルクホルン「お願いだ・・・声でも良い・・・返事してくれ・・・」


翌日ミーナから全員にネウロイの状況報告が行われた。

ミーナ「本日未明にロマーニャ艦隊がネウロイに攻撃を行ったけど返り撃ちにされたわ」

ミーナ「これを受けて正式にネウロイの迎撃任務は私達の役目になりました」

ミーナ「昨日決めた通りにネウロイの攻撃をサーニャさん、シールドでの防御をエイラさんに...」

バルクホルン「私に!・・・」

ミーナ「トゥルーデ?」

バルクホルン「私にネウロイの攻撃の役目をさせてくれ!」

坂本「待て、お前はネウロイを撃破出来る武器を持っては...」

バルクホルン「フリーガーハマーはカールスラントで居た時に初期型を撃った事がある。扱い方は心得ているつもりだ」

シャーリー「じゃぁ誰がシールドで守る役を...」

エーリカ「私がやるよ。シールドくらい簡単に張れるし」

ミーナ「・・・サーニャさんとエイラさんは構わないかしら?」

エイラ「せっかく私達の晴れ舞台なのにっ...」

サーニャ「構いません」

エイラ「サーニャァ・・・」

サーニャ「バルクホルンさんはあの空の上に行きたいんですよね?」

バルクホルン「ああ・・・そうだ。俺と友がいるあの空に行きたいんだ。済まないな」

サーニャ「頑張ってください。行こうエイラ...」 パタン

エイラ「待って...待ってよサーニャー.....サーニャ...」 バタンッ パタパタ

シャーリー「まったく・・・お前がそこまで行動するとはな」

ミーナ「ハルトマン中尉、成層圏は誰も行った事の無い未知の世界よ。危険が一杯だけどそれでも行くのね?」

エーリカ「誰も行った事が無い ってのは違うね。俺と友はあそこよりもっと高くて遠い所から来たんだから」

バルクホルン「確かにそうだ・・・彼らは簡単に宇宙まで行けるんだ。私達はウィッチだ。行けないはずが無い。作戦は絶対成功する」


私はあの後サーニャ中尉から借りたフリーガーハマーで練習を行っていた。

バルクホルン「・・・」バシュッ

フリーガーハマーの模擬弾は遠く離れた目標物の近くに命中する。近接信管があるといえども命中させないといけない。

エーリカ「ここで練習してたんだ」

バルクホルン「ん?・・・ハルトマンか」バシュッ

エーリカ「フリーガーハマーはどう?」

バルクホルン「MG42の分解組み立て作業よりは扱いが楽だな」バシュッ

バルクホルン「シールドの練習をしなくても良いのか?」

エーリカ「いつも通りシールド張るだけだからしなくて良いでしょ」

バルクホルン「それはそうだな・・・」バシュッ

その後何も会話は無く、ただフリーガーハマーの発射音が流れるのみだった。

バルクホルン「もし・・・」

エーリカ「?」

バルクホルン「もし作戦が成功して・・・いや、成功したら」

バルクホルン「残った魔力全てロケットブースターにつぎ込んでもっと高く昇ってみないか?」

エーリカ「・・・」

バルクホルン「魔法は思いで強くなる。もし私の願いが強ければ宇宙まで行けるかもしれない」

バルクホルン「一番高く昇った所でこのコムバッチで通信をするんだ。今は届かないかもしれないけどあの空の上なら届くかもしれないだろ?」

エーリカ「トゥルーデ死んじゃうよ?」

バルクホルン「大丈夫だ。俺ならきっと私の通信を聞いて飛んでくるはずだ。そして私達を転送で助けてくれる。そうなるはずなんだ・・・」

エーリカ「・・・トゥルーデっていっつもそうやって突っ走るよね。無茶だと分かっていても」

バルクホルン「別にお前はついて来なくても良いんだぞ?私だけで上を目指すから...」

エーリカ「私も友の出すお菓子をもう一回食べてみたいんだよねぇ~・・・」

バルクホルン「ハルトマン?」

エーリカ「古い頃からの付き合いでしょ?一人では行かせないよ?」

バルクホルン「・・・ありがとう//」バシュッ


そう、必ず作戦を成功させる。そしてあいつらに会いに行くんだ。それだけを願って私達は空を飛んだ。


エーリカ「トゥルーデ!!」

バルクホルン「これでも食らええええぇぇぇえええ!」バシュバシュバシュバシュ...

ネウロイのコアにフリーガーハマーの炸裂弾が命中していく

高度33km、既に対流圏を超えている。昼なのに空は満天の星空だ

ロケット弾は確実にコアに命中していた。

私はネウロイが破片となる様を予想していた・・・

だが閃光が収まった時、そこには何も変わらないネウロイの姿があった

バルクホルン「そんな・・・全て命中したのに・・・」

エーリカ「トゥルーデ危ない!」

ネウロイの第二射をハルトマンが受け止める

エーリカ「これ以上は魔法力が持たないっ・・・!」ガガガガガ...

シールドの面積は次第に小さくなっていく

バルクホルン(このままじゃ作戦さえ成功出来ない・・・!)

ロケット弾の予備弾倉はあるものの今の状況下で装填は出来ない

バルクホルン(なら方法は一つ)

フリーガーハマーを捨ててロケット弾を抱え、ロケットブースターを点火させる

そのまま曲線を描くようにネウロイに突撃した

エーリカ「トゥルーデェェェ!!」

ネウロイは私に気付きこちらにビームを撃ってくる。

バルクホルン「お前らに私を止める事が出来ると思っているのかぁぁぁあああ!!」

旋回でビームを回避し加速を続ける。衝突まで数秒ほどだろうか

バルクホルン(こんな大きいネウロイを倒したら俺も気付いてくれるだろうな・・・)

コアが壁のように迫って来る。私は覚悟を決めて目を瞑った

だが来るはずの衝撃が来ない

目を空けると私は光の中に浮いていた

バルクホルン「この光は・・・まさか!」

俺「少なくとも天国では無いですよ」

光が消え、私はシャトルの中に実体化した

バルクホルン「俺・・・本当に俺なのか?!戻って来てくれたのか?!」

シャトルの操縦席には俺が座っており、後部座席では友が何かを操作している

俺「色々話をしたいのは山々ですがまず先に問題を片付けないといけません。少々お待ちください」

シャトルのキャノピーにはあのネウロイが映っていた

俺「攻撃目標は敵ネウロイ、フェイザーで真っ二つにしろ」

友「了解 フェイザー発射」

機体からオレンジ色のビームが発射される

ビームはネウロイの頂上に命中しそのまま縦に真っ二つにしていく

俺「あんなに大きいなら少しだけ研究用にちょっとだけ転送で採取しても良かったな」

友「もう遅いですよ。敵ネウロイの反応消失」

ネウロイは爆散し破片となって散っていった

俺「では・・・シャトルで基地に戻っておいてくれ。途中でエーリカ中尉を回収しておくように」

俺「ミーナ中佐には簡単に事情を説明しておいてくれ。あまり難しく言うなよ?操縦は任せた」

友「了解」

俺は席を友に譲るとこっちまで歩いてくる

俺「トゥルーデ、別の場所で話さないか?」

バルクホルン「うん・・・」

俺「コンピューター、俺とバルクホルン大尉を海岸に転送しろ」

コンピューター「命令を明確にしてください」

俺「・・・501基地から転送範囲内の静かな海岸だ」

すぐに転送が始まり数秒後にはどこか分からない海岸の砂浜にいた。

周りは崖に囲まれており何故か砂浜の上にビーチパラソルとシート、SPEMの缶が転がっている。一体どこのリベリアンが捨てたものなのだろうか

バルクホルン「これらはお前が...」

俺「さすがにこんなに用意周到では無いよ。誰かの忘れ物だろうね」

俺はグチャグチャになっていたシートとパラソルをちゃんと設置している

俺「よしと・・・トゥルーデはそこに座ってくれ」

私は言われたとおりにそこに座った

俺「まず・・・どう話せば良いんだろうか」

俺「あの後俺達は・・・いや、良いんだ。この話は別に必要無い」

俺「一番大事なのは俺達がこの世界に残る事を決断した事。まずこれだけを伝えておきたい」

俺「俺達はこれからなるべくこの世界に干渉しないようにする。だがもし俺達の力が必要にされる時は公の場に出る事になるだろう」

俺「後、もう俺達は宇宙艦隊には所属していない事になったんだ・・・説明が上手く出来ないけどね」

俺「今の俺達は"進んだ技術力と魔法力を持つ男達"って感じかな」

俺「・・・ごめん。本題に入ろうか」

しばしの沈黙の後、トゥルーデの方が先に口を開いた

バルクホルン「私はお前の事が...」

俺「貴方の気持ちは分かっています!ですが・・・ですが・・・」

俺「俺は恋愛というものをした事が無いんです!」

バルクホルン「えっ・・・」

俺「だから・・・恋という物が分からないんですよ!」

バルクホルン「・・・大丈夫だ。私も恋愛は初めてだ。正直お前に抱く気持ちが恋なのかは良く分からない」

バルクホルン「でもその人といるのが楽しいと思ったりずっといたいと強く願うのを恋というのなら・・・私はお前が好きなんだと思う」

俺「俺もその定義に当て嵌めるなら・・・貴方の事が好きです」

俺とトゥルーデはずっと真顔で見つめ合っていたのだが

俺「こ、こここの次は何するべきでしょうかっ?!///」

バルクホルン「私に聞くなっ!!///」

結局友から通信で呼び出されるまで二人とも顔を真っ赤にしてそのままうろたえるだけであった・・・


シャトルが戻って来てしばらく後、501のメンバーは格納庫中のシャトルの前に集まっていた。

ミーナ「ではこのままここに残るという事ね?」

俺「ええ、そういう事です。厄介でしょうが...」

ミーナ「良いのよ。貴方達には色々助けてもらったし・・・なにより家族でしょ?」

俺「そういってもらってありがたいです」

宮藤「シャトルの上に何か付いているようですが・・・」

シャトルの上には大型の装置が付けられている

今彼らにコイツを説明する...必要は無いだろう。もう使うことも無い

エイラ「後船体もちょ~とキレイになってる感じがするぞ?」

友「その辺りは気にしないでください」アセアセ

エーリカ「友・・・」

友「あっ・・・え、エーリカさん・・・」

エーリカ「・・・友が居ないと本当にさみしか...」

友「エーリカさんのために新しいお菓子を見つけてきたんですよ!」

友はどこからともなく馬鹿デカイお菓子の袋を取り出す

友「ボンボン・ショコラにポテトチップス、ポ○キーもありま...」

エーリカ「ばか・・・」

友「えっ?」

エーリカ「・・・友のバカァァァアアア!!!」

友「イタッ! ちょっと! イタタッ! 何で攻撃するんで...イテェ!...」

俺「これ美味しそうですね~」

俺は袋の中からポ○キーを取り出してみる

俺「トゥルーデ、一緒に俺達が居なかった間の出来事を話して欲しいんだが...」

バルクホルン「そうだな・・・私の部屋で飲み物と一緒に食べよう。私は飲み物を...」パタパタ...

シャーリー「あいつらもあいつらで・・・コレを貰っていくか。ルッキーニも好きそうだし」ゴソゴソ

リーネ「コレは紅茶に合いそうだと思いません?」ゴソゴソ

ペリーヌ「美味しそうですわね・・・」

エイラ「サルミアッキが入ってないなぁ・・・」ゴソゴソ

ミーナ「ちょっと甘いの以外無いのかしら・・・」ゴソゴソ

坂本「酢昆布無いのか・・・残念だな」ゴソゴソ


友「ビクビク」
最終更新:2013年02月03日 16:25