ロンドン郊外、深夜

ネウロイの空爆により一部の建物が破壊されていたものの未だに活気は衰えていない

その街の水路脇の道を一人のウィッチが歩いていた

ウィッチ「♪~」

彼女は楽しそうな足取りで道を歩いていく。周りに人はいない。水路の周りをネズミが走っていた

ウィッチ「♪~」

歩く先には小さな岩橋がある。その上で男が静かに佇んでいた

?「時間を20分13秒過ぎてますよ」

ウィッチ「すまないな。本部で色々仕事があったものでね」

ウィッチ「君がミーナの紹介した"男で技術者のウィッチ"か?」

?「・・・ええ、だいたいあってますよ」

ウィッチ「もっと年下だと思っていた」

?「・・・確認しますが貴方はアドルフィーネ・ガランド少将ですね?」

ガランド「そうだが?」

?「もっと年上だと思っていましたよ」

ガランド「この地位を得るまでに多くの苦労をしてるさ。君は...」

俺「ただ単に"俺"で良いです」

ガランド「ありがとう。俺が今日ミーナを通じて私をここに呼んだ、と言う事だな?」

俺「そうです。貴方はカールスラント軍内部でかなりの力を持つと聞きましたので」

ガランド「・・・取引か?」

俺「平たく言えばそうですね。でも貴方達にもお得な話ですよ?」

ガランド「話を聞こうじゃないか」

俺「話したいのは山々ですがここで話す話題では無いでしょうし
  モノを見ないと信用出来ないでしょう。説明に時間が掛かりますが...」

ガランド「そう勿体ぶるな。取引の話を始めてくれ」

俺「了解です。二人をシャトルに転送してくれ」

ガランド「シャト...」

彼らの姿は光に包まれ消えていく

男「今のは・・・」

男「・・・隊長に報告しないと...」

路地から一人の男が去っていったのを誰も気付く事は無かった


ガランド「...で、地位が欲しいと言う訳だな」

俺「ええ、こちらの世界である程度の融通が聞く階級が欲しいんですよ」

俺「その代わりに技術提供を行う...無論大量破壊兵器以外でですが」

友「お茶のおかわりはどうですか?」

ガランド「ああ、ありがとう」

俺達はシャトル船内の船室にいた。中央にはテーブルとイスが置かれ

ガランド少将がお茶を楽しんでいる

ガランド「確かに二人を軍に招き入れるのは簡単だが...」

俺「なるべくその時が来るまで公の場には出たくないんです」

ガランド「分かってる。なら私の第44戦闘団に入隊した、というのはどうだ?」

ガランド「今すぐ階級を上げる事は出来ないが後々それなりの地位に就けるようにはする」

俺「そうして貰えればありがたいです」

ガランド「それにしてもこの科学力...確かに魅力的だな」

彼女はトリコーダーを手に取り食い入るように見ている

俺「進んだ科学は身を滅ぼしますよ」

ガランド「既に滅びかけてるようなものだ。このままネウロイとウィッチで戦っても勝機があるとは思えないさ」

ガランド「今いるエース達が飛べなくなった時一体誰が空を守るのだ?新しいエースを待つのか?」

ガランド「・・・すまないな、こんな話をしてしまって」

俺「俺達でも大方予測出来ています」

友「あと数年後に優秀なウィッチがいないならば幾つかの都市は陥落するかもしれませんね」

ガランド「あまり良い未来では無いな・・・さて、そろそろ帰らせてもらおうか」

少将は席を立つと船室の中を見渡している

ガランド「後でミーナの元に君達の適当な偽の経歴書と第44戦闘団の転属届を送っておく」

ガランド「これを貰って帰っても良いんだな?」

俺「ええ、調べてもらっても構いません」

ガランド「ありがとう・・・出口はどこだね?」

友「少将の家の位置を教えてもらえればそこに転送しますよ」

ガランド「家は...」

友が少将から家の位置を聞く間に俺はシャトルの軌道を調整しておく

現在シャトルはロンドン上空300kmの軌道上にいた

友「座標の入力完了。転送を開始します」

ガランド「君達の活躍に期待してるよ」

彼女が安全に転送されたのを確認し船のエンジンを起動させる

友「彼女にアレを渡してよかったんですか?」

俺「今のカールスラントの技術ならトリコーダーを解析する事は出来ない」

俺「お土産みたいなものさ」

友「確かにそうですが・・・後技術提供はどの程度の水準に?」

俺「第二世代ジェット戦闘機程度の技術までにしておこう。それ以上はまだ早い」

友「了解。提出書を作っておきます」

俺「コース設定、501基地に帰ろう」


俺達のシャトルはアドリア海方面から501基地の滑走路に進入していった

格納庫内部でシャトルを滞空させ、ランディングギアを降ろし着陸する

エアロックから降りるとトゥルーデがこっちに走ってきた。どうやら待っていたらしい

バルクホルン「タッタッタッ 話はどうなったんだ?」

俺「上手くいきましたよ」

バルクホルン「そうか・・・でも何故そんなにカールスラントでの地位が欲しかったんだ?」

俺「俺達が"未来の人間"としてではなく"カールスラント軍人"としてここにいたかったからかな」

俺「それに・・・トゥルーデと一緒にいれる時間が増えるからね」

バルクホルン「/// い、一応言っておくがもう私は後一年しか飛べない...」

俺「その時は私が貴方を守ります」ニコッ

バルクホルン「ばっ・・・ばか・・///」

友「はいはい~イチャイチャする間があるなら早く寝てくださいね~」

エアロックからこちらに友が顔を覗かせていた

俺「そうだな・・・行こう、トゥルーデ。友も早く寝るんだぞ?」

友「ええ、分かってますよ」

彼は船の中に戻っていく。シャトルのエンジンの光が消えていき航行灯も消された。格納庫の中には月明かり以外何も無い

俺「部屋まで送っていきます。行きましょう」

バルクホルン「そ、そうか・・・」

彼女は何故かモゾモゾしている

俺「トゥルーデ?」

バルクホルン「・・・手を繋がないか?!///」

俺「ててててを握るんですかっ!!   や、やりましょう!!///」

俺は大尉と極めて普通の握手をした

バルクホルン「だからそういうんじゃ無くて・・・!」

トゥルーデは手を引き離すと指を絡ませるようにしてガッチリ握って来る

バルクホルン「さぁ!早く部屋に行こう!//」

俺「は、はい!//」

俺達は手を繋いだまま基地の廊下を歩いていく

かける言葉も無く二人とも顔を合わせるのが恥ずかしくて俯いたまま歩いていた

俺(トゥルーデの手・・・綺麗だと思ったけどサラサラしてて良いな・・・)ニギニギ

トゥルーデの手の感触を楽しんでいると

バルクホルン「お、お前は・・・手フェチという奴なのか?///」

俺「い、いや・・・ただ単にとても綺麗な手と思って...」

バルクホルン「 ///」

俺(そろそろ切り出さないと・・・)

そうしている間にトゥルーデの部屋に到着した

バルクホルン「送ってくれてありがとう・・・その、あれだ・・・おやすみなさい!」

そういってトゥルーデは勢い良く扉を開ける

俺「トゥルーデ!もし良かったら・・・」

バルクホルン「な、なんだ?」

俺「明日ロマーニャに行きませんか?」

バルクホルン「それは・・・で、デートというモノなのか?!」

俺「はい!一緒に色んな店を回りませんか?」

バルクホルン「私と行っても面白くないかも...」

俺「貴方とだから行きたいんです!」

バルクホルン「そうか・・・私はデートというのは初めてなんだ。よろしく頼む///」

俺「では明日の朝食後、シャトルの前で待っててください」

バルクホルン「わ、分かった。楽しみにしてるよ」

俺「ではおやすみです、トゥルーデ」

バルクホルン「おやすみなさい」

そのまま俺は自分の部屋に走って行ってしまった

バルクホルン「俺とデートか・・・デート・・・///」


次の日、格納庫内部

俺は朝早くから起きてシャトルに行き、友を叩き起こしてデートの用意をしていた

友「ふぁぁぁぁぁ...格好はそんな感じで良いんじゃないですかぁ?」

俺「変な所は無いか?本当か?」

友「100人中89人は良いと言うと思いますよ」

俺「なら上出来だろう」

続いて持っていく装備を用意する

俺「タイプ1フェイザー、コムバッチと怪我した時の皮膚再生器、お金は紙幣と小銭に分けて持つ」

俺「トリコーダーは...」

友「はいどうぞ。ロマーニャの観光や商店、レストランの情報を入れてあります」

俺「ありがとう。もしネウロイの襲撃があればすぐ転送...」

友「大丈夫ですよ。敵が来ても我々で対処します。今日は楽しんでくださいね?」

俺「・・・すまないな。行ってくるよ」

船の外ではトゥルーデが待っていた

俺「おはようトゥルーデ。待たせてごめんね」

バルクホルン「私も今来たばかりだ。後良い服が無かったから...」

俺「トゥルーデは軍服も凛々しくて似合ってるよ」

バルクホルン「・・・ありがとう///」

俺「では・・・ローマに行きましょう」

シャトルの中からキャノピー越しにこっちを見ていた友に目配せをする

すぐに俺とトゥルーデはローマまで転送された

バルクホルン「・・・ここは・・・」

転送先はどこかの路地裏のようだ

俺「待って下さい・・・」

トリコーダーから地図を呼び出して本通りまでの道のりを調べる

俺「こっちです。行きましょう」

トゥルーデに手を差し伸べた

バルクホルン「ああ、行こう!」

トゥルーデも手を握り返してくれる

俺(デートしながらのローマ・・・まさに未知の世界だな)

俺達はローマの人ごみの中へ足を踏み入れていった...


友「転送完了...ふあぁぁぁ・・・もう寝よう」

彼らが無事転送されたのを確認し、コンピューターに指示があればすぐ転送するように設定しておく

船室に戻り片付けていたベットをもう一度引き出した

友「今日はネウロイ来なさそうだし寝ても良いだろ・・・」

友「コンピューター、ライトを消してくれ」

毛布を被り眠ろうとした矢先

?「おーいあけろ―!!!」ドンドンドン

何かがエアロックを叩いている

?「もうあさですよー!!!」ドンドンドン

静かにしてほしいんだが・・・

?「」ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン....


友「うっせぇんだよ、この安眠妨害野郎が!!!」

ベットから飛び起き、脇にあったフェイザーライフルを掴む

エアロックを開けて外に向かってフェイザーを掃射した

?「やっとあけて...

ディンディンディンディンディンディン...

周りにあった工具や棚、予備の部品が吹っ飛ぶか蒸発した

今まで叩いていた誰かはギリギリの所でビームを避けてどこかに逃げ隠れたようだ

友「さぁ~かわいい子猫ちゃん~出ておいで~♪」ディンディンディン...

何かの羽音が聞こえる。格納庫の上の方からだ

虫「⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーンwww♪」

友「何あの虫・・・うぜぇんだよ!!」ディィン

虫「」ジュッ

虫は蒸発し、巻き添えを食らって鉄骨が真っ二つになる

?「」ガタガタガタガタ

シャトルの下に気配を感じる。覗いてみるとエーリカ中尉が隠れていた

友「あぁ?今まで叩いてたのは貴様か!」

エーリカ「ひぃぃぃ...」

友「・・・はぁ...くだらない。もう寝よ」

そのまま船内に戻りフェイザーを放り捨ててベットに寝転ぶ

危険が去ったのを感じたのかエーリカ中尉も船内に入って来た

エーリカ「船に入ろうとしたら何で撃たれなきゃいけないんだよー!!」

友「さっきの攻撃はごめんなさい。でもお願いなんで眠らせてください」

友「コンピューター、エーリカ中尉のコンピューターアクセスを許可しろ」

友「...好きに情報を調べるなりレプリケートしてもらっても構いません」

エーリカ「そういうんじゃ無くて...

友「Zzzzz....」

エーリカ「・・・一緒に色々したいのに・・・ばか・・・」
最終更新:2013年02月03日 16:26