チュンチュンチュン...
俺「ん・・・」
どこからともなく小鳥の囀りが聞こえてくる
俺「ふぁぁぁぁ...寝てしまったのか・・・」
机に突っ伏したまま寝ていたらしい。机の上にはレーザー溶接機とアイソリニアチップが転がっている
体にはコートが掛かっているようだが...
バルクホルン「おはよう」
部屋に朝の日が差し込む中、トゥルーデは本を読みながらベットに腰掛けていた。先に起きていたのか・・・
俺「おはようトゥルーデ・・・昨日は遅くなってゴメンね」
バルクホルン「良いんだ。そっちも大事な用があったんだろ?」
俺「大事な用、ね・・・」
バルクホルン「やはり今回のネウロイへの総攻撃に関係してるのか?」
俺「トゥルーデは総攻撃の事知ってるんだね」
バルクホルン「今日起きて管制室に向かった時、話を聞いたんだ」
俺「なるほど。確かに昨日の件は総攻撃に関係する事だけど後で話すよ。皆の前で言う方が良いからね」
バルクホルン「そうか・・・因みにコレはなんなんだ?」
トゥルーデは魚雷を指さしている
バルクホルン「その・・・棺か?」
俺「あながち間違って無いけどこれは兵器だよ」
バルクホルン「これで戦っているのか・・・どう使うんだ?」
俺「敵に向かって撃ち出すのさ。この手の話はまた機会を設けてするよ」
バルクホルン「ふむ。そろそろ朝食の時間だが行くか?」
俺「行きますがちょっと待って下さい...」
机の上にあったチップを魚雷内部の回路に戻し、カバーを閉じておく
俺「これで良しと・・・ピピッ 友、起きているか?」
友≪...はい。起きてますよ≫
俺「まさか寝て無いのか?」
友≪ええ、作業していました≫
俺「・・・調整が完了した。要らない部品も外してある。全て転送してくれ」
友≪スキャン開始...転送します≫
魚雷と外されていた部品が転送されていく...
俺「これから朝食を食べに行くが友も来るのか?」
友≪いえ、まだ終わって無いのでこちらで食べておきます≫
俺「無茶するなよ・・・眠たくなったら寝ておくんだぞ?」
友≪分かってますよ・・・通信終了≫
俺「まったく・・・行きましょう」
そのままトゥルーデに手を差し伸べる
バルクホルン「今日はカールスラントの料理らしいな」
彼女は俺の手を取り、そのまま立ち上がる
俺「あっさりした物が出れば良いですね・・・」
俺達はそのまま部屋を後にして食堂へと向かうのであった...
~シャトル、船室~
友「・・・」カチャカチャ
作業を始めて数時間、装置はほぼ完成したも同然だった
前回作ったのは空間に異常を起こして元の世界に戻る為だった。だが今回はシールド強化のみだ。まだ簡単ではある
友「チップを入れ替えて...」カチャカチャ
シールドに魔法粒子を散布してシールドの強度を上げる...いや、元の強度に戻すのが正しいだろう
友「強化シールド起動時に転送機もワープも使用不可能。システム上回避出来ないか...」
エーリカ「おはよー!」
友「! エーリカですか・・・」
船室の扉からエーリカが覗いている
友「おはようございます。昨日はどうしました?」
エーリカ「夕食を食べてその後は自分の部屋で寝てたよー」
友「そうですか・・・今は忙しいので食事は一人でしてください」
エーリカ「えぇ~一緒に食べようよ~」
友「ですが・・・」
エーリカ「ジーッ」
友「・・・そうですね。少し食事を取りましょう」
友「美味しいですか?」
エーリカ「うん!」
私達は船室に折りたたみ式テーブルを置き、その上に料理を置いて食べていた
友「レプリケーターの食事をここまで美味しいと言うのは貴方くらいでしょうね」
エーリカ「そうかな?普通に美味しいと思うんだけど」
友「普通に美味しいのであって有名料理店の味まで再現出来ませんよ」
エーリカ「あれでしょ?食材の分子構造を特殊なアルゴリズムで圧縮保存してるから本物とは違ってしまうって事でしょ?」
友「正解です」
どうやら勉強していたようだ。前にレプリケーターを弄っていた時に学んだらしい
友「聞きたいんですがこの食事に何か不満はありますか?」
エーリカ「不満って?」
友「例えば・・・もっと味を濃くしたいとかそういった事です」
エーリカ「うーん・・・」
彼女は料理をじっと見ている...
エーリカ「味の変化が欲しいなぁって思う時があるかな~」
友「変化?料理の味を出すごとに微妙に変えるという...
エーリカ「そう思って色々やってみたんだ!」
友「・・・はい?」
エーリカはディスプレイにレプリケーターの内部データを映し出す
エーリカ「料理の味を変える為に塩を加えたり砂糖の量を変えたりしてみたんだ。ランダムで変わるようにしてあるよ」
エーリカ「今はお菓子にしか適応させてないけど・・・他の料理にも適応させて良いかな?」
友「・・・良いでしょう」
エーリカ「やったー! 適応適応っと...」ピピピッ
ココアが塩辛くならなきゃ良いけど・・・後で彼女の調整を取り消しておこう
味は思い込みで左右される。きっと彼女も気付かないだろうし
友「ごちそうさまでした。では私は・・・フラッ」
一瞬目の前が真っ暗になる
エーリカ「友!?」
友「大丈夫です...ちょっと眠気が...」
お腹も一杯になった分眠気が一層強まっているようだ
エーリカ「寝た方が良いと思うよ?」
友「ですが・・・今から俺に報告したい事が...」
エーリカ「アレの事?」
彼女はテーブルに置いてあったPADDを指さしている
友「それです。必要なデータを入力しておいたので渡しにいかないと...」
エーリカ「ヒョイ 私が渡しに行くよ!」
友「エーリカ...」
エーリカ「友は寝ておいてね!」タッタッタッ...
彼女はPADDを持つとそのままシャトルから飛び出していった
友「・・・ここは彼女に任せますか・・・」
食器類をレプリケーターに再処理させ、そのまま自分のベットまで戻る
数える間もなく私は眠りについた...
友「Zzz...」
~食堂~
俺「・・・朝から中佐と少佐が本部に?」
俺「なるほど・・・」モグモグ
テーブルには様々なパンや紅茶、ベーコン、ソーセージ、ゆで卵、ヨーグルト...朝に合う食事だ
俺「本部から命令を受ける為でしょうか・・・宮藤軍曹?」
彼女はパンの入った籠を持ったままボーッと突っ立っている
宮藤「・・・! な、なんでしょう?」
俺「顔色悪いですよ?」
バルクホルン「何かあったのか?!」
宮藤「いえ何も・・・アレは私が悪かったんですから」
俺「? 何があったんでしょうか?」
俺「なるほど、あのKATANAにそんな力があったんですか・・・彼女が烈風斬に固執する理由が分かりましたよ」
バルクホルン「どういう事だ?」
俺「烈風丸は使用者の魔力を吸い取り、それを攻撃に変える」
俺「魔力をうまく捻出出来なくなった彼女にはうってつけなのかも・・・いや、逆に命を縮めていますね」
ペリーヌ「それは一体どういう...」
俺「昨日の戦闘の後、気になってシャトルのセンサーで少佐の体内にある魔法力を調べましたが...」
俺「後二、三回飛べれば良い方でしょうか。ほぼ枯渇状態です」
ペリーヌ「そんな・・・少佐が・・・」
エイラ「待ってくれ、少佐はその事を分かって戦っているのか?」
俺「そりゃ気付いているでしょう。自分の体の事でしょうし」
俺「ですが・・・烈風斬を使いこなせるなら・・・」
シャーリー「何かあるのか?」
俺「いえ、流石に憶測では言いたくない。少佐達が帰ってくるまで待ちましょう」
~ブリーフィングルーム~
中佐と少佐が戻って来た後、俺と501のメンバー(友は寝てしまったらしい)はオペレーションマルスの概要を聞いていた
壁にはネウロイの巣と連合艦隊の位置が投影され、中佐が説明を行っている
ミーナ「持てる全ての戦力でネウロイの巣ごと殲滅し一気に肩を付ける。以上が最終決戦の内容よ!」
バルクホルン「もし失敗したら?」
ミーナ「失敗した場合...」
壁の地図が縮小していき、最終的にロマーニャ全体を映し出す
ミーナ「ロマーニャ全土はネウロイに明け渡し、501航空団も解散する事になります!」
バルクホルン「バンッ 明け渡す!? 501が解散!? そんな馬鹿な話があるか! ミーナは...」
俺「俺から話したい事があります!」
ミーナ「...何でしょう?」
俺「所謂プランBです」
俺は席を立ち、そのまま前に向かう
俺「もし大和のネウロイ化が失敗、もしくは大和がネウロイを撃破出来なかった場合...」
俺「シャトルに搭載された光子魚雷を使い、ネウロイの巣を攻撃、破壊します」
坂本「その光子魚雷はネウロイを倒せるのか?」
俺「総放出エネルギーはTNT火薬15kt分です。耐える事は出来ないでしょう」
シャーリー「15ktって...15000t分もあるのか!?町は大丈夫か?」
俺「15000tは巣を破壊出来、尚且つベネツィアを傷つけない威力として計算されてます。友の計算ですし安心してもらって大丈夫かと」
ミーナ「貴方の行動は上層部も知っているのかしら?」
俺「ガランド少将以外は知らないと思います。無論我々も連合艦隊に姿を現さずに攻撃を行いますので誰も気付かないまま終わるでしょう」
ミーナ「大和の護衛任務の方は?」
俺「俺と友も皆と一緒に行きます
ただ先に友がシャトルをロマーニャとベネツィアの国境付近の海岸に着陸させておく予定です。何か質問は?」
皆は納得したのか質問が出て来ないだけなのか黙っているが...
ルッキーニ「...じゃあ絶対に大丈夫だよね!?」
俺「ええ、安心してもらって下さい」
ペリーヌ「確実に命中させられるのですか?」
俺「たった数百キロで外す事はしませんよ」
俺「その前に貴方達は大和がネウロイを撃破する事を期待してないんですか?」
シャーリー「そりゃなぁ~ウォーロックがあのザマだったからなぁ・・・」
エーリカ「少なくとも俺と友は大和より信用出来るよ!」
バルクホルン「私も同意見だ」
俺「ありがとうございます。ですが俺は大和が撃破する事に掛けていますし、大和が成功するまでは大和の護衛任務に就きますよ」
坂本「・・・そうか、お前達がやってくれるのか・・・」
俺「坂本少佐」
坂本「ん?」
俺「無茶しないでくださいね?」
坂本「・・・分かってるさ」
彼女は恐らく烈風斬でネウロイを倒そうと考えているのだろう
大和が失敗し、光子魚雷を撃ち込む時に少佐が烈風斬を掛けに行く...なんて事になったらこちらとして非常に困るのだ
光子魚雷が爆発すると周りに強力なエネルギーが放出される。近くにいればほぼ即死
ロマーニャを守った後に一人のウィッチの焼死体を見る事になるのは御免だ...
ミーナ「では今作戦は全員で大和の護衛任務に就き、失敗時には俺さんと友さんがコアを破壊するという事になります」
ミーナ「作戦開始時までは各自休んでおくように!解散!」
最終更新:2013年02月03日 16:27