ファーストコンタクトより、3時間前
4月1日 05:10
扶桑皇国 横須賀 扶桑皇国空軍第二兵器工廠
タッタッタッタッ・・・・・・・
タッタッタッタッ・・・・・・・
宮藤「はあっ、はあっ、はあっ・・・・・・!!」
私は今、逃げている。
目の前の脅威に成す術がない私は、地に足を付け、走って逃げている。
宮藤「それにしても、なんで・・・・・なんで、こんな所に・・・・・・!?」
キュオオオン!!
ガキンッ!ガキンッ!ガキンッ!
宮藤「っく・・・・・・!」
目の前から来る「それ」は、向かってくる。
六つの足を持った、まるで蜘蛛みたいな「それ」は、その一歩一歩を確実に踏みしめながら、向かってくる。
ガキンッ!ガキンッ!ガキンッ!
宮藤「このままじゃ・・・・・このままじゃ・・・・・・!!」
私は焦りだした。
宮藤「・・・・・はっ!あれは・・・・・・!?」
私は「あの」ストライカーユニットを見つけた。
旧式の訓練用だけど、藁にもすがる思いで、私はそれを穿く。
宮藤「お願い・・・・・動いて・・・・・・!!」
あの時と同じだ・・・・・・一度、翼を失ったあの時と同じだ。
違う事があるとすれば、何度、力を込めても、ストライカーユニットは
「まったく」動いてはくれない事だ。
宮藤「お願いだから・・・・・動いてよぉ・・・・・・!!」
ポロポロと出てくる涙。
恐怖と悔しさが入り混じった涙。
ヒュンッ!
宮藤「あっ・・・・・・。」
バキィッ!!
そして、「それ」の足が、私の体を打ち上げた。
私の体は少し空中を舞った後、地面に落ちる。
ドサッ!
宮藤「う・・・・・うう・・・っ・・・!」
ガッ!ギリギリギリギリ・・・・・・・!!
グシャアッ!!
「それ」・・・・・・「ネウロイ」は、私の足から脱げたストライカーユニットを踏みつぶすと、
悠々と私を見下ろしていた。
分かっていたはずだ。
なのに、私はすがってしまった。
最後の希望に。
でも、現実は甘くない。
私はもう・・・・・・
空を飛べない。
SW1945~2012
第2話 「宮藤 芳佳」
宮藤・・・・お前、魔法力は・・・・・・?
いいんです!
みんなを守れたから・・・・・!
願いが叶ったから・・・・・・!
そうか・・・・・
ありがとう、宮藤・・・・・
だが、私たちは2人とも飛べないぞ?
大丈夫です!私たちは・・・・・・・・
1946年 3月31日 05:30
扶桑皇国 横須賀近郊の山村 宮藤の家
チュンチュン・・・・
チュンチュンチュン・・・・・
宮藤「ふあぁ~・・・・・んん~っ!」ノビノビ
スズメが鳴いてる。
そう言えば、みっちゃんが拾ってきた、あの小鳥はちゃんと飛べてるのかな?
宮藤「っと。さて、朝御飯の準備準備っと・・・・・・。」
1945年7月、ロマーニャの最終決戦で魔法力を使い果たした私は、軍を退役し、
再び扶桑へと帰ってきました。
この8ヶ月の間で、私は16歳になり、今も実家の診療所の手伝いを続けています。
私の周りは、相変わらずでしたが、世界の状況は大分変わってきたみたいです。
パラパラ・・・・・・・・
宮藤「え~っと、『連合軍は3月30日、帝政カールスラント本土を占領するネウロイの軍勢に対して実施した「オペレーション・テュール」を
完遂。軍の被害は最小限に留められると共に、カールスラント本土の奪還に成功した』・・・・・・・・。」
宮藤「やぁったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」バンザーイ!!
芳子「うるさいねぇ!!いくら嬉しいからって、そう叫んでばかりじゃ、喉が潰れちまうよ!?」
清佳「芳佳!新聞なんてさっさと畳んで、早く朝御飯食べなさい!今日も早いのよ!」
芳子「はぁ~。やっぱり、新聞なんて、採るんじゃなかったかねぇ・・・・・・。」
あはははは・・・・・怒られちゃった。でも、本当に、本当に嬉しいんです!
ミーナさんやバルクホルンさん、ハルトマンさん・・・・・カールスラントの皆さんの故郷が、こうして戻ってきたんですから!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1945年7月にロマーニャ公国で行われた「オペレーション・マルス」。
その成功を皮切りに、世界とネウロイの勢力図は一気に変化していった。
同年8月から12月に掛けてオストマルク、ダキア、スオムス等の欧州諸国の奪還及び完全掃討に成功。
翌年の1月には帝政カールスラントの国土奪還作戦「オペレーション・テュール」を発動。
そして、同年3月30日に、作戦は成功。この作戦成功に伴い、欧州全土の奪還が完了したのである。
そして、世界各地に点在していたネウロイの軍勢も、各国軍の奮闘や派遣された統合戦闘航空団各部隊の活躍により、その勢力を縮小していき、
1946年3月においては、小規模のネウロイの残党が、各国の軍に対して小競り合いを仕掛ける程度に治まっていた。
戦火が治まっていく一方で、連合軍は、ネウロイの侵攻で蹂躙された欧州全土の国土回復復興支援計画「レコンキスタ」の5月からの始動を宣言。
世界各国でルートが制限されていた船舶や飛行機による海外貿易、一般人による旅行等も軍の監視を条件に緩和された。
世界は「戦争」から「平和」へと、徐々にその道を歩みだし
ネウロイとの大戦は終結しつつあった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同年 同日 16:00
扶桑皇国 横須賀 扶桑軍横須賀基地 軍用倉庫
宮藤「みなさん!!お菓子の差し入れです!!」
診療所で手伝いを終えた私は、今日も、基地のみんなにお菓子の差し入れを持ってきました。
扶桑軍
整備兵2「実家の手伝いがあるんだし、別に無理しなくてもいいんだよ?」
宮藤「大丈夫です!無理なんてしてませんから!」
そうは言ったものの、今日は朝から患者さんが立て続けに来ていて、結構大変でした。
正直に言ってしまうと、かなり疲れています。
ちょっと眠くなってきました。
ウトウト・・・・・・・・
扶桑軍整備兵1「そう言えば、ストライクウィッチーズの仲間達はどうしてるんだい?」
宮藤「ふぇ・・・・・・?あ、ああっ!?そ、そうですね・・・・・・」
いけないいけない!本当に寝るところだった。
それにしても、「仲間達」かぁ・・・・・・・・。
連合軍第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」・・・・・・。
私と坂本さんが抜けた後、「ストライクウィチーズ」は解散する事なく、今も空を飛び続けています。
ネウロイの脅威が完全に消えた訳ではないので、気を抜けない状況には変わりはありませんが、
世界が平和へと向かって進んでいることもあり、みんなの心にも大分余裕が出てきたみたいです。
また、みんなに会いたいなぁ・・・・・・・。
「へぇ、手紙が毎週来るんだ・・・・・・」
「はい!この間なんか、ミーナさんの誕生日にですねー・・・・・・」
「あのスペードのエースの歌かぁ!一度でも良いから、聞いてみたいなぁ・・・・・・・」
「
シャーリーさんとバルクホルンさんのプレゼントがまったく同じものだったらしくて・・・・・・」
「ははっ!仲が良いねぇ・・・・・・・」
30分後
扶桑軍整備兵1「よっし、休憩、終わり!!作業に戻るぞ~!!」
扶桑軍整備兵2「それじゃあね、宮藤さん!」
宮藤「頑張って下さいね!」
随分、話し込んでしまいました。
さてと、明日も早いし、早く家に・・・・・・・。
宮藤「あれは・・・・・・・?」
詰所を出ようとした私の目に「あるものが」移りました。
宮藤「ストライカーユニットだ・・・・・・・。」
訓練用に使われている零式脚だ。
二人の整備兵さんによって運ばれている「それ」は、少し旧式の物でした。
宮藤「・・・・・・。」
私の夢は叶った。
私には、もう魔法力は無い。
それに、私のこれからの人生に、もう魔法力は必要ない。
治癒能力も使えなくなったけど、そんなの、技術や知識でいくらだってカバーできる。
だからこそ、今も診療所で私は頑張っているんじゃないか。
宮藤「ああっ、もうっ!!私ってば、考えすぎだよ・・・・・・。」
きっと疲れているからだろう。
だから、こんな事を考えるんだ。
宮藤「少し、眠ろうかな。夕飯までには、時間があるし・・・・・・。」
そう思って私は、さっきまで整備兵さん達が座っていた椅子の一つを借りて、
少し仮眠を取ることにしました。
宮藤「・・・・・・すーぅ・・・・・・・すーぅ・・・・・・・」
1946年 4月1日 04:50
宮藤「んっ・・・・・あれ・・・・・・・・?」
倉庫の窓から見える、暗い空。
どうやら、そのまま寝てしまったようだ。
しかし、マズイ・・・・・・・!!
二人ともカンカンに怒っているに違いない!
もう、寝てるだろうけど・・・・・・・。
宮藤「ど、どうしよう!!?早く家に帰らないと・・・・・・・!!」
慌てた私は、倉庫を出て、そのまま基地の正門に向かった。
ガシャーン!!
宮藤「な、なに・・・・・・・今の音・・・・・・・!?」
私は、音のする方向を見た。
「第二兵器工廠」
と、書かれた建物からだ。
宮藤「・・・・・・・」ゴクン・・・・・・・・・
基地の人だろうか?
じゃあ、誰?
宮藤「・・・・・・見に行ってみよう。」
そうして、私はその建物の中に入っていった。
20分後 冒頭の続き
宮藤「うう・・・・・・う・・・」
お腹が痛い。
打ち上げられた時の箇所が痛み出してきた。
打撲程度のモノだろうが、私の動きを止めるには十分すぎる。
意識も薄れてきた。
私はこのまま殺されるのだろうか?
キュオオオオオオン!!
ネウロイは声を上げる。
それにしても、このネウロイはどうやって、此処に来たのだろう?
扶桑の軍だって、警戒ぐらいはしてるはずなのに。
なのに、このネウロイは横須賀の基地のど真ん中に現れた。
警報も鳴っていない。
一体、どうなってるの?
宮藤「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
キュオオオオオオ・・・・・・・・・・
宮藤「止まっ・・・・・・た・・・・・・・?」ガクン
ふと、ネウロイは声を上げるのを止めた。
そこで、私の意識は落ちた。
???2「ランドS型の停止を確認。リモートコントロール、正常に作動中です。」
???1「そうか・・・・・それにしても、どういうことだ?」
???3「俺に聞くな!!その鉄屑が急に暴走して、『こっち』まで来ちまったんだよ!!」
???1「まったく・・・・・『現地住民』まで巻き込むなんて・・・・・・。」
???2「どうしますか?」
???3「殺しちまえば良いだろう!?こいつはネウロイを見てる!!
もしかしたら、『トビラ』の存在まで・・・・・・!!」
ジャキン!!
???4「待て。殺すのは得策じゃない。」
???3「ああっ!?テメエは「3年目」だろうが!!そんな奴が、俺に指図すんじゃねえよ!!!」
???4「落ち着け。もうすぐ、此処の兵士が来る。この娘の体から、お前がトチ狂って撃ち込んだ『50AE』の弾丸が見つかってみろ。
それこそ、取り返しがつかないだろ?第一、殺せば必ず痕跡が残る。」
???3「ぐうっ!?」
???1「・・・・・他に良い策があるのか?」
???4「・・・・・・・・この娘を連れていく、『俺達の世界』に。」
???3「はぁ!?何言ってんだお前!?」
???4「落ち着けって、言ったろ?日本の何処か適当な場所に捨て置いとけば、それでいい。東京辺りでいいだろう。」
???1「そんな不確実な方法で大丈夫か?」
???4「大丈夫だ、問題ない。目が覚めて、事の次第を喋っても、俺達の世界じゃおとぎ話にもならんだろう。」
???2「・・・・・・向こうで、この娘が『トビラ』を見つけたら?」
???4「『トビラ』の大体の位置は特定できているんだろう?何度も言うように、問題はないさ。」
???1「・・・・・良いだろう。」
???3「(くそっ!!・・・・・・こんなガキ、生かす必要あるかよ!?)」
???1「何か、不服か?」
???3「・・・・・・いや、無い。」
???1「では、一度戻ろうか。『我々の世界』に・・・・・・・。」
宮藤「・・・・・・・・・。」グッタリ
そして、3時間後のファーストコンタクト。
宮藤「ううっ・・・・・・・」
俺「どうやら、生きてるみたいだな。」
僕「とりあえず、救急車!!レスキュー隊!!誰でも良いから、きてくださぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
俺「携帯使えよ・・・・・・・・。」
僕「そ、そうですね!!僕とした事が・・・・・・・!!」
連絡後。
俺「はぁ・・・・・。それにしても、たまんねぇなぁwwwこのスク水美少女!!一体何者よ!?空から落ちてきたのかな!?シータ的なさぁ!?」
僕「知りませんよ!!それに僕は、こう言った、恥じらいを知らない女性が嫌いなんです!!」
俺「なんだよ、なんかの事故かも知れねえだろ?冷たい事言うなよ?」
僕「はぁ・・・・・・救急車が来るまでに、僕の説教でも聞きますか?」
俺「勘弁してくれよぉ!こんな朝っぱらから・・・・・・!!」
僕「その朝っぱらから、スク水少女見て欲情してるのは、どこの誰ですか!?さっきまで、ナーバスだった癖に!!」
俺「欲情なんかしてませんー!!言い掛かりをつけないで下さぁ~い!!」
僕「そうですか?ズボンのとある一点がもの凄い盛り上がりを見せているんですけど?」
俺「言わんといてぇ!!///めっさ、ハズかしぃ!!///」
僕「はぁ・・・・・・。」
第2話終了
最終更新:2013年02月03日 16:53