2012年 4月1日 15:30
日本 東京都 港区台場 某総合病院前道路
一台のワゴン車の中



俺友1「もう、3時半か・・・・・・。」ムシャムシャ・・・・・・・・

俺友2「君、まだ食べてるの?」

俺友1「だって、腹減っちゃったんだもの。」ムシャムシャ・・・・・・



俺は「俺友2」。
「神奈川県 私立S大学」の工学部航空学科に在籍している。

今、隣の運転席で、馬鹿みたいにコンビニのクリームパンやらジャムパン等を5、6個たらい上げているのは「俺友1」。
こいつは「俺」の奴と一緒に、経済学部に在籍している。



隣の「俺友1」は第2学年にして「サバゲー部の魔神」と呼ばれている。

S大入学時、サバゲー部の存在がこの大学に無い事を知ったこの男は、
「無けりゃあ、作ってやる!!」と息巻いて、「S大学サバイバルゲーム部」を設立し、その部長になった。

現在、サバ研の部員は「7名」。「俺友1」と「俺」の奴の2人に、後「5人の部員」いる。
彼ら7人は総称して、「S大のホテル・モスクワ」「サバゲー界のB(バカ)中隊」「変人奇人の魔窟」etc・・・・・・・・
とにかく、サバゲー界でもS大内部でも相当悪名高く、性質の悪い集団だ。

当のこの男は、甘いものには目が無いし、酒飲みだし、デブだし、ヒゲが異様に濃いし、21とは到底思えない風体だ。
しかも、我儘で傍若無人、口煩いし、しつこいし。
でも・・・・・・・良い奴だ。



一方、俺こと「俺友2」はというと第2学年にして「航空整備の先生」と呼ばれている。

15の時、中学を卒業した俺は、高校には通わず、親父の航空輸送会社で4年間働いていた。
その理由はただ一つ、「一等航空整備士」の修得だ。
5つの時、親父に連れられて見た自衛隊の航空ショーが、俺の心を動かしたのである。
21になった瞬間、俺は一等航空整備士試験に臨み、見事にその資格を得たのだ。

どう?凄いでしょ?

その後、S大がここ最近、航空科を設立して力を注いでいる、という触れ込みがあった事と、
昔からの親友である「俺」と「俺友1」に誘われた事もあって、大検を取ってS大に入学した。
勿論、成績と単位は上々。
一年下の後輩達も何だかんだで俺の事を慕ってくれてるみたいだし、言う事無しだ。

俺の趣味は撮影。
主に整備講習の記録用であるが、プライベートでも手放すことはない。
無論、今、現在もだ。



俺友2「それにしても、どうしてこんな所に?」

俺友1「この病院にだぁ、あの少女がいるんだよ・・・・・・・。」

俺友2「例のセーラースク水少女?成程ね、それで「俺」の奴を待ちうけようとしてる訳か。」

俺友1「その通りだぁ!!なんか、面白そうじゃないかぁ!?」

俺友2「まあ、面白そうだね。」

俺友1「なんだい?先生はあんまり乗る気じゃないのかい?」

俺友2「先生は止めなさいって。それに、乗る気が無いなんて一言も言ってないだろ?」

俺友1「ははっ、悪い悪い!アイツはもう病院に居るだろうから、病院から出てきた瞬間から
    撮ってやろうじゃないか!あのバカが居るんだから、何か面白い事が起こる事は確実だしな!!
    カメラはちゃんと準備できてるだろうね!?」

俺友2「ああ、もちろん。」



スチャッ



そう言って、俺は俺友1の顔を撮っている。



SW1945~2012
第3話 「僕」



2012年 4月1日 同時刻
日本 東京都 港区台場 某総合病院 エントランス



平日の総合病院のエントランスは、いつも人込みに溢れています。
忙しく働いている医師さん、看護師さんの皆様方。
点滴を引きながら歩く御老人。
診察を待つ御婦人。
そして・・・・・・・。



俺「テツヅキッテ、ナンダァ!!?」デデーン!!

看護師(男)「で、ですから、面会の方は事前に面会手続きをしてもらってですねぇ・・・・・・・」ガタガタ・・・・・・・・・・

俺「手続きなんぞメンドクセェェェェェ!!!さっさとあの娘にA☆WA☆SE☆RO☆YAH!!!」



ガシッ!グングングングン・・・・・・!!



看護師(男)「だ、だ~~~~れ~~~~かぁ~~~~!!た~~~~す~~~~け~~~~て~~~~!!!?」ガックンガックンガックン・・・・・・・!!



          • ああいう人がいるから、世の看護師の皆様方の苦労が絶えないんですよね?
看護師の肩をがっちり掴んで、ぐんぐんと揺らすこの人は、社会常識というもの知らないのでしょうか?
まあ、知らないんでしょうね。
とりあえず・・・・・・・・・・・。



僕「俺さん、俺さん・・・・・・」チョイチョイ

俺「おう!!僕!!お前も何か言ってやr」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・!!!!



俺「・・・・・・・・・(-_-;)」

僕「手続き・・・・・・しましょうか?」ニコニコ♪

俺「・・・・・・・・ヤダ。」

僕「・・・・・・・はい?」ビキッ#

俺「イ゛ェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!」



タッタッタッタッタッタッ・・・・・・・!!



僕「逃げますか・・・・・そうですか・・・・・・・・!!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



病院前道路 俺友1のワゴン車の中



俺友1「俺の顔撮ってどうするんだい!?」

俺友2「いや、ピントの調節をね・・・・・・・」カチャカチャ・・・・・・

俺友1「入口を撮りなさいよ!まったく・・・・・・」



ウィーン
タッタッタッタッタッタッ・・・・・・・!!



俺友2「あっ。」

俺友1「んん?どうしたんだい?」



調整が終わったビデオカメラの液晶モニターを覗き込みながら、「俺友2」は呟いた。
俺の顔を撮っていたであろうカメラレンズも何時の間にか、俺の後ろの方を撮っている。
そう、エントランスである。



俺「くそっ!こうなりゃ見てろよぉ・・・・・!!」



ガシッ!ヨジヨジヨジヨジヨジ・・・・・・・ 



俺友1「何やってんだ。あのバカは?」



病院で、何があったのかは知らないが、エントランスから出てきた「俺」の奴は、
病院外壁の壁に伝うパイプの一つにしがみ付くと、それをよじ登り始めたのだ。
締め出しでも喰らったのだろうか?
まあ、喰らったんだろうな。



僕「待ちなさい・・・・・・・!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!



もう一人出てきた。
あれは「僕」の奴だな。
なるほど、アイツを怒らせた訳だ。
高2の子供に追い回される大学二年の大人。
構図としちゃあ、「普通は」カッコ悪いが、あの「僕」なら仕方がない。
アイツは怒ると怖いからなぁ・・・・・・・。
しかも、かなり面倒臭いし。



僕「どうして、貴方は人様に迷惑を掛けるんですか・・・・・?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!

俺「はっ!!オメエみたいな堅物には分からねぇだろうが、人一人会うぐらいで手続きとか、面倒臭くて敵わねぇんだよ!!」

僕「文明を知らない猿じゃあないんですから。少しは常識とか規範とか、そういった言葉を覚えたらどうですか?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!

俺「くだらねぇ・・・・・・心底、くだらねぇぜ!!俺を縛り付けるモノなんざ、この世界にあるものか!!
  俺はその昔、『北海のアンチェイン』と呼ばれた男なんだぜ!?『君はつまらん』。」ドヤァ

僕「貴方という人は・・・・・・・・!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!

俺「おっほぉ!!この窓から入れるぜ!!ほんじゃあ、お先にな!!」



そうこうしている内に、病院の5階位までよじ登ったアイツは、ガラ空きの一つの窓を確認すると、
ゴキブリの如く、そこに侵入していった。



僕「どうやら、徹底的に説教する必要がありますね・・・・・・・・!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!



そういうと、「僕」の奴は静かにエントランスを通って院内へと戻っていく。
かなり、ブチキレている様だ。
おお、コワイコワイ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



僕「まったく、あの人はいつもいつも・・・・・・・・!!」イライラ



僕は今、エントランスを抜け、病院内のエレベーター前まで来ています。
目標は5階の何処かに居るはずです。
あの非常識人!!何を考えて行動しているんですか!?



看護師(男)「あ、あのぅ・・・・・・面接てつづk」



ギロリッ!!



看護師(男)「ひいっ!?」

僕「受けましょうか?面接手続き。」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!

看護師(男)「け、結構です!!どどどどうぞ、お入りくださいませ!!!」ササッ!

僕「そうですか。御苦労様です。」ニコニコ♪



僕の親切心(?)が届いたのか、看護師の方は特別に許してくれました。
それ見た事ですか、「俺」さん!!これが礼節(?)なんですよ!!



ポチッ 
ウ゛ーーーーーーン・・・・・・・・・



エレベーターのボタンを押し、待機する僕。
この待ち時間から5階到着までの間がなんとも惜しいので、此処で僕の自己紹介でもしておきましょうか。



僕は今年で17歳。神奈川県「S大付属高等学校」に通う高校二年生です。

家族構成は「祖父」、「祖母」、「父」、「母」、「姉」、そして「僕」の6人で、
「父」の職業は東京郊外の実家で神社の神主に努めており、「祖父」はその神社の隣で道場を営んでいます。

「祖母」と「母」はそれぞれの家事と手伝いといった感じでしょうか。
まあ、共に暮らしているので、いつも一緒です。

「姉」については話したくありません。
どうか、聞かないで下さい。
            • お願いします。

          • さてさて、話は変わります。
僕は祖父や父の教えから、規律や礼節等を大変重んじる人間になりました。
学校でのルールだってすべて守っています。
何たって、風紀委員に立候補しましたから。



『朝は元気良く挨拶をする!!』『キッチリとした「服装」と「心構え」で学業に臨む!!』
『部活動に誠心誠意励む!!』『先生の言う事をちゃんと聞く!!』
『他人様に迷惑は掛けない!!』『廊下を走らない!!』
などなど・・・・・・・・。



随分と子供っぽいルールだと思われがちです。
しかし、最近の学生ときたら、「これ」すらも守れないまでに堕落しきっています!!
はっきりと言って、なっちゃいません!!
そして、あの「女子」・・・・・・・・!!



まったく、「俺」さんもそうですが、あの「女子」もそうです!!
そう、あの「セーラー服スク水少女」です!!
まず、親の顔が見てみたいですね!!
大体、春先とは言え、あんな格好で外を出歩いていたら、下半身を冷やしてしまいます!!
何よりも、女性としての「恥じらい」が微塵も感じられません!!
あの年で水商売の仕事でもしているのでしょうか!?
だとしたら、大・問・題です!!
徹底した指導を執り行う必要があります!!
取り返しがつかなくなる前に!!
まず、最初は「ズボン」を穿かせる事です!!
あるいは丈の長い「スカート」でも良いでしょう!!
とにかく、あの「破廉恥」極まりない服装を修正しなければなりません!!
彼女の人生の為にも!!
絶対に!!


数分後 病院の5階 エレベーター前



コーン♪
ウィーン



僕「さて・・・・・・俺さんは何処に・・・・・・・?」

宮藤「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!???

俺「ハーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!!!!」

僕「!?」



エレベーターから出てきた僕の耳に聞こえるこの悲鳴!!
あの笑い声は「俺」さんに違いありませんが、
とすると、この悲鳴はあの「少女」でしょうか!?

な、何をしたんですか、あの人は!?
ま、まさか・・・・・とうとう・・・・・・ケダモノ以下になり果てたんでしょうか!?
だとしたら・・・・・・・・!!



僕「と、止めないと!!」



タッタッタッタッタッ・・・・・・!!



僕は声のした病室へと走ります!!
これは緊急事態です!!
「廊下を走らない!!」と言っている場合じゃありません!!
このままでは、あの「性獣」が少女にナニをしでかすか分かりませんから!!



ガラガラガラ!!



僕「俺さん!!児童ポルノ法を御存じでs・・・・・・・!?」



扉を開けた僕の目に飛び込んできた状況は次の4点です。



まず1つ目「荒らされたベッド」

次に2つ目「ベッドの隣の机に置かれた一枚のメモと3万円」

そして3つ目「開けっ放しの窓」

最後に4つ目「『俺』さんと『女子』の姿が病室にない」



僕「・・・・・・・へ?」



何ですか?この状況は?
一体、何がどうなって・・・・・・?



同時刻 病院前 俺友1のワゴン車の中



俺友1「おwwwまwwwえwww!『あんな事』して、よく無事でいられるよなぁwww!!」ゲラゲラ!!

俺「そんなのいいから、さっさと車出せ!!『僕』の奴が来るぞ!!」

宮藤「なっ、ななななっ何なんですかぁ!?」コンランチュウ

俺「あらあら・・・・・何を驚いていらっしゃるのですか、マドモワゼル?
  ワタクシは貴方の為を思って、『あのような真似』をしたのです。
  当然でしょう?」

俺友2「その取って付けた様な紳士キャラはいらないからね。」

俺友1「似合わねぇし、つまんねぇんだよ、バカ。」

俺「なんだぁ、ヒゲ!全部剃るぞ、それ!」

宮藤「(い、いきなり何なの!?訳が分からないよ?!どうなってるの!?
   えっ!?ええっ!!?というか、私はどうなるの!!?)」

俺「とりあえず、メシ喰いに行くぞ!病院食じゃあ、この子の元気は取り戻せねぇしな!」

俺友1「金は?まさか、俺達が払うんじゃないだろうな!?」

俺「しゃーねーだろ?だって、俺の持ち金は全部・・・・・・」



病院の5階 病室の中



ワナワナワナワナ・・・・・・・


僕は今、「メモ」を見ています。
「3万円」と一緒に置かれたメモを。
その内容は・・・・・・



 よう、「僕」。

 この手紙を見ている頃には、俺はもう、あの超カワユ~イ少女と一緒にこの病院を飛びだしてるだろう。

 まったく、色々とヒッデ~病院だな此処は。

 金払って此処で診てもらおうって奴らの顔が見てみたいぜ。

 まあ、エントランスでいっぱい見たけど。

 けどまぁ、入院費払わなきゃマズイから、とりあえず「コレ」で払っといてくれ。

 細かい事はお前に任せたから期待してるぞ、「僕」
君?           「俺」より

 PS やっぱこの子、チョウ☆カワイイ!!
    モノにしたい!!絶対にモノにしたい!!
    性格良さそうだし!!俺の保護欲にビ~ンと
    来ちゃったよ!!
    ていうか、幼顔にスク水のコンボがパネェ!!
    セーラー服のトリプルコンボはマジパネェ!!!
    やっべえよ!!マジでハンパネェ!!
    嬉しすぎて、狂っちまいそうだぜぇ!!!!  



僕「・・・・・・・」ワナワナワナ・・・・・・・!!



クシャクシャクシャ・・・・・・・!!



僕はあの人が書いたであろうメモを握り潰しました。

さて、あの人を追いかけましょう。
おっと、その前に実家に寄って色々と
「装備」を整えないと。
何せ、相手はあの人ですから。
「殺すつもり」で修正しませんと♪
たまには、あの人の「お遊び」に付き合ってあげるのもいいでしょうしね♪



僕「ふっふっふっふっ・・・・・・・!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・!!



第3話 終了
最終更新:2013年02月03日 16:53