―そして、何だかんだで俺達がやってきてから数日が経った―
俺弟「ええ、それではまた」
リーネ「はい、また」
俺兄「おい、俺弟。最近リーネちゃんとずいぶんと仲が良さそうじゃないか」
俺弟「うわっ、兄さんどこから！？」
俺兄「何処って、俺達の部屋の前じゃん。で、どこまで仲は進展したんだよ。な？な？」
俺弟「えっ！？」
俺兄「手位は繋いだのか？それともキス位は済ませたのか？もうちょっと凄い事までしたのか！？まさかお前、えっちまで済ませたんじゃないだろうな！？」
俺弟「兄さん、何勝手に妄想してるんだよ……最近ちょっと話をする機会が増えた位だよ？」
俺兄「おいおい、1週間位経ったのにまだ手すら繋いでないのかよっ。俺ならもう最後までいってるぜ？ったく何というか、奥手すぎるというか」
俺弟「だってさ、まだ出会って1週間なんだよ？それに俺の事をどう思っているのかもわからないし……」
俺兄「大丈夫だって。あのお年頃の女の子、特にリーネちゃんみたいなタイプはちょっと強引にいけばすぐおちるって」
俺弟「そんな強引になんて行けるわけないだろう？逆に嫌われるかもしれないし……」
俺兄「まー、うん。嫌われた時は嫌われた時であ き ら め ろ」
俺弟「ハァ、何で一目ぼれなんてしちゃったんだろう……」
俺兄「そんな悩む位なら玉砕覚悟で告るか、諦めちまえよ～」
俺弟「無理だよ」
俺兄「それじゃあ、俺が諦めさせてやろうか？」
俺弟「えっ！？」
俺兄「俺がリーネちゃんを落としちまえばいいな。そしたらお前も諦めがつくだろ」
俺弟「兄さん、それ本気でいってるの？」
俺兄「リーネちゃんは可愛いし、といってもここの11人全員可愛いけどよ、一番落としやすそうだしお前がｇｄｇｄやってるなら俺が頂いちまおうかなーとも思うんだよな」
俺弟「……！」
俺兄「おいおい、そんな怖い顔するなって。冗談だよ冗談。前も言っただろう？」
俺弟「兄さん、どうして兄さんは昔からいつも僕の為に自分のしたい事とかを犠牲にできるの……？」
俺兄「それは、俺がお前の兄だからさ」
俺弟「それだけの理由？」
俺兄「おう、それだけの理由じゃダメなのか？」
俺弟「ダメじゃないけど、それだけの理由で兄さんは今までずっと？」
俺兄「おう、そうだけど。今更じゃねーか？」
俺弟「うん、そうだけど、まさか……」
俺兄「ははは、いいじゃねーか。これからもこのままでさ。俺は今まで、そして今もこうしてる事が割と気に入ってんだよ」
俺弟「……わかったよ兄さん」
俺兄「よし、話しが通じて助かるぜ。さーて昼飯食いにいこうぜ」
(サイレンの音)
俺兄「なんだなんだ！？」
俺弟「兄さん、何だじゃないよ。ネウロイの襲来を知らせるサイレンだよ」
俺兄「ネウロイかっ、はははどこへ行けばいいんだっけ」
俺弟「こっちだよ、兄さんついてきて」
俺兄「あいよ」
～ハンガー～
ミーナ「みんな集まったわね。ネウロイが現れました。坂本少佐、
シャーリー大尉、ペリーヌ中尉、ルッキーニ少尉、リーネ曹長、宮藤軍曹は至急ネウロイの迎撃へ」
俺兄「俺の出撃はなし？」
ミーナ「俺兄大尉と俺弟大尉は基地で待機してもらいます」
俺弟「了解しました」
俺兄「ちぇー、留守番かよー」
俺弟「兄さん、基地待機だってちゃんと意味があるんだからね？」
俺兄「わかってるさー。でも久々に暴れたかったんだけどなー」
ミーナ「次にネウロイが現れた時は出撃メンバーに選んであげますから今日は我慢して頂戴」
俺兄「了解っと……」
俺弟「何事もないといいですね」
ミーナ「ええ、そうね。何事もなくネウロイを倒してみんな無事に帰ってきてくれればそれでいいわ」
俺兄「まだみんなかえってこないのかよー。待機あきたー」
俺弟「少し遅いね……何かあったのかな」
ミーナ「俺兄大尉、俺弟大尉。至急出撃準備をしてください」
俺兄「待ってました！」
俺弟「ミーナ中佐、現場の状況は？」
ミーナ「どうやら現れたネウロイは強力な個体のようです。コアの位置もわかり大分ダメージを与えたみたいですけど再生速度がすごく早いみたいで長期戦になっているみたいです」
俺弟「となると、弾薬の残数も？」
ミーナ「ええ、残り少ないわ」
俺兄「よっしゃ―！俺兄いくぜいくぜいくぜ！」
ブーン
俺弟「兄さん勝手に飛び出して！ミーナ中佐、僕も行きます。大丈夫です、僕と兄さんで何とかしますから」
ミーナ「ええ、期待しているわよ」
俺弟「坂本少佐、聞こえますか？」
坂本「ああ、聞こえる。俺兄と俺弟の2人が増援で来る旨は既にミーナから聞いている」
俺弟「弾薬の残りはどんな状況ですか？」
坂本「皆残り少ないな……リーネのボーイズに関しては残弾数０の状況だ」
俺弟「わかりました、後１－２分で到着しますので無理をしないでください」
坂本「ああ、わかった」
俺兄「向こうはやばいって？」
俺弟「実質僕達2人で倒さないといけない状況かもしれないね」
俺兄「上等！お前、アレはいけるな？」
俺弟「勿論。兄さんこそ、アレはいけるんだよね？」
俺兄「おうよ！俺もお前もアレをやれるんなら、何ら問題ねぇ！」
俺兄「いくぜ魔眼開眼！red eyes！」
俺弟「魔眼開眼……blue eyes」
坂本「俺兄と俺弟はまだなのか」
シャーリー「坂本少佐、もう弾が切れるぜ」
ルッキーニ「こっちはもう無くなっちゃったー」
ペリーヌ「こちらももう……魔法力も危ういですわ」
リーネ「ごめんなさい、私がミスせず一回でコアを打ち抜けたらこんな事にはならなかったのに……」
坂本「リーネのせいではないさ。射線を塞いでしまった我々のミスだ」
宮藤「みんな下がってください！私がシールドで攻撃を受け止めて時間を稼ぎます！」
俺兄「時間を稼ぐ必要なんてないぜー芳佳ちゃん！」
宮藤「俺兄さん！」
俺弟「リーネさん、僕のボーイズMk.I対装甲ライフルを使ってください。多分、コアの破壊に必要になりますから」
リーネ「はい、わかりました！」
俺兄「行くぜ俺弟！びびってちびるんじゃねーぞ！」
俺弟「何年一緒にやってきたと思うんだよ！」
坂本「俺弟、リーネに武器を渡してしまって大丈夫なのか？お前の持つ武器は小ぶりな剣だけじゃないか」
俺弟「ええ、大丈夫ですよ坂本少佐」
坂本「そうか、よし！弾薬の残っているものは俺兄と俺弟の援護を！」
俺兄「援護ならなしでいいよ坂本少佐。俺と俺弟の2人でいい。慣れていないと俺の武器の巻き添えを食らうかもしれないしね」
俺弟「坂本少佐、ここは僕達に任せてください。リーネさん、コアの狙撃は頼みます」
リーネ「……はいっ！」
俺兄「俺弟！まずは上空からくる小型4匹をアレで撃ち落とせ！」
俺弟「わかった！形成しろ、アルテミス！」
俺弟：装備：アルテミス（固有魔法:魔弓）
俺弟「……僕に射抜くべき道を指し示してくれくれ、blue eyes！」
目に映し出される情報の中に変化が現れる。ネウロイに向かって4本の光の道が映しだされた
俺弟「ネウロイは4匹、道が4本視えるってことは4本必要か」
俺弟の右手から放出された魔力が1本1本形状の違う4本の矢へと変化してゆく
俺弟「まだ道は4本視えるってことはこの形状でいける！」
左腕に形成されている魔弓アルテミスに4本の魔力の矢を同時に番え、引き絞りネウロイへと狙いを付ける
俺弟「射抜けっ！」
放たれた4本の魔力の矢は別々の軌道を描き、迫りくる小型ネウロイへ吸い込まれるように着弾。
そして4体のネウロイは四散
俺兄「よしっよくやったぜ俺弟！次は前方から小型ネウロイ３……ここは俺だ！」
ショットガンを構える俺兄。しかしまだ引鉄は引かない
俺兄「まだまだ……もっと引きつけて…３・２・１・いまだ！」
ダンッ！ジャコンッ。ダンッ！ジャコンッ
発射された後、散らばった小粒の弾が接近した3匹のネウロイに次々と降り注ぎネウロイを四散させる
俺兄「よしっ！俺弟、大型から攻撃が来るぞ。俺のケツから離れるなよ！」
俺弟「わかってる！」
俺兄「さーて一気に接近するぜっ！」
黒と白のストライカーがビームの雨を潜り抜けネウロイへと接近してゆく
俺兄「生きてるか！」
俺弟「当たり前！」
俺兄「よしっ、大型に攻撃を仕掛けるぞ！いつも通りにいくぜっ」
俺弟「うん、こっちは援護に回るよ。まずは弾幕を張る！！」
俺弟は次々に大量の魔力の矢を生成。と同時に纏め撃ちで魔力の矢の弾幕を張ってゆく
そして矢とビームの雨の中を潜り抜け、俺兄はネウロイへと接近。担いでいた大剣をネウロイへと振り下ろす
俺兄「こいつの一撃は重たいぜ！」
パキッ……キィィィン！
折れた。ネウロイに振り下ろされた大剣が根本から折れた。
俺兄「ええええええ！？ちょっ、もう限界が来てたってのかよ！」
俺弟「兄さん何遊んでるの！？」
俺兄「遊んでねぇよ！おい俺弟、お前のショートソードを貸せ！ここでやるしかねぇ！」
俺弟「わかった。落とさないでよ！」
俺弟は腰に下げていた青色のショートソードを俺兄の方向へと投げた。そしてそれを俺兄がキャッチ。しかしネウロイの攻撃は俺兄へと集中する
俺兄「一瞬時間を稼いでくれよ！っとあぶねーな！」
俺弟「仕方ないなぁ……ちょっとヘイト稼ごうか」
まさに16連射。次々とネウロイへ魔力の矢を放っていく
俺弟「さーネウロイ。こっちをかまいにこい…」
連続で矢を撃ちこまれたネウロイも流石に怒ったのだろうか？攻撃の矛先を俺弟へと切り替える
俺弟「よし、兄さんは無視して暫くは俺を狙えよ！」
ネウロイの攻撃を避けつつ、反撃に矢を放ってゆく。連射・剛弾・拡散・曲射さまざまな種類を織り交ぜネウロイの装甲を削る
俺兄「よし、あいつはうまくやってるようだな……あの大剣結構気に入ってたんだけどしかたねぇ。やるか……融合＜フュージョン＞！」
俺兄自身の持つ赤いショートソードと俺弟から先ほど受け取った青いショートソードが混ざり合い、1本のロングソードへと姿を変える
俺兄「ま、こんなもんかね。いつまでもあいつにネウロイを任せっぱなしにするわけもいかねーしな」
俺弟「おっと、回避回避っと。回避性能２が欲しいところだねこれは」
俺兄「待たせたな！」
俺弟「遅いよ！」
俺兄「すまんすまん。どんな形にしようか考えててな」
俺弟「適当でいいじゃないか」
俺兄「いやいや、見た目は大事だぜ？どうだこのカッコいいロングソード」
俺弟「はいはい、カッコいいカッコいい」
上空でもこんなやり取りをしているが二人は話ながらひょいひょいとネウロイの攻撃をかわしていた
俺兄「ま、とっとと終わらせますか」
俺弟「ああ、早く終わらせよう。でかいの一発お見舞いしてやるさ」
俺弟の左腕の魔弓がサイズアップ。そして右手に形成するのは今まで射てきた矢と比べると巨大な1本の矢
俺弟「半分位は吹き飛ばしてくれよ。いけっ！」
大型ネウロイに向けその矢を放つ
…着弾。
着弾と同時に矢が爆ぜごっそりとネウロイの一部を削ぎ取る
俺弟「はずれ、兄さん！」
俺兄「ああ、あそこまで吹き飛べばコアの位置は大体予想がつく！」
壱閃、弐閃、参閃、死閃……俺兄の振るうロングソードが紫の軌道を描き残ったネウロイの体を切り刻む
俺兄「コア見っけ！」
俺弟「リーネさん！コアが露出した！撃てるかい！」
リーネ「はい、確認しました。撃ちます！」
ドンッ
リーネが放つ魔力がこもった13.9mm弾がネウロイへ着弾する。がダメ。コアの位置より微妙に外れた位置に着弾
俺弟「外れたっ。兄さん、もう少しコアの周りを削って！」
俺兄「あいよ！」
俺ブラザーズは徐々に再生していくネウロイの装甲を再び破壊してゆく
俺弟「リーネさん、もう一度！」
リーネ「はい、この銃の癖はさっきので解りました。今度は外しません！」
ドンッ
再び放たれた13.9mm弾が今度はネウロイのコアへと突き刺さる
そして13.9mm弾が突き刺さったネウロイのコアはヒビが入っていき……砕け散った
コアが砕け散ったネウロイはその体を維持できず、崩壊。白い光となって海上へと降り注いでいった……
俺兄「よし、終わったな。融合解除っと」
俺弟「アルテミス解除……まさかこんなに消耗するとは思わなかったよ」
俺兄「硬かったしな。まさかお気に入りの大剣が1発で折れるとは思わなかったぜ」
俺弟「こっちがびっくりしたよ。やる気あるのかと小一時間位問い詰めたかったし」
俺兄「わりぃわりぃ。でも終わった事だから気にするなよ」
俺弟「はいはい」
俺兄「おっと、お前のショートソード返すぜ」
俺弟「しばらくは兄さんが持っていてよ。また次の戦闘で使う事になるだろう？」
俺兄「間違いねぇ。それじゃ、預かっておくぜ」
坂本「あの2人、訓練の時にもできるとおもったがこれほどとはな」
バルクホルン「ああ、俺兄はただ大口を叩いているだけかと思ったが……」
エーリカ「俺弟も凄かったねー。後方からちまちまやるタイプかと思えば、前に出ることもできるみたいだし」
坂本「ああ、次からはあの2人を編成に組み込む為にもう少し色々考えなければいけないな」
リーネ「俺弟さん、銃ありがとうございました」
俺弟「ごめんね、最初にこれの癖を言っておけば外す事なんてなかったはずなのに」
リーネ「いえ、聞かなかった私も悪かったんです」
俺弟「いや、そこは僕が悪かったよ」
リーネ「いえ、私が」
俺兄「このまんまじゃ同じことを繰り返すだけだぜ？似たもの同士さん」
俺弟「そうかもしれないね」
リーネ「かもしれませんね」
俺弟「それじゃあ、今回はどっちも悪かった、という事で」
リーネ「はい。それで」
俺兄「さー帰ろうぜ。さっきから坂本少佐達がこっち見てるぜ？」
俺弟「ああ、兄さん分かったよ」
リーネ「はい、帰りましょう。帰ったらおいしいお茶を入れますね」
俺弟「それは楽しみです」
俺兄「ああ、楽しみだな。お茶だけでなくてお菓子も出るんだよな？」
リーネ「はい、もちろんです」
こうして俺ブラザーズの501での初戦闘は勝利で幕を閉じた……
だが俺兄と俺弟はまだ知らない。これから起こる残虐ともいえる運命を……
最終更新：2013年02月04日 14:46
