エイラ「…………え…?」

サーニャ「…はぁ……はぁ………」

エイラ「な…何だよサーニャいきなり…」

サーニャ「…どうしてそんな事言うの?」

エイラ「だ、だってさ」

サーニャ「どうして俺さんが此処に必要無いの?」

エイラ「そ…そりゃあサーニャが一人で」

サーニャ「………あなたに…………何が分かるの?……何が…分かるって言うの…?」


エイラ「サーニャ………何で…」

サーニャ「一緒に……飛んだ事も…無いのに…………空にいる俺さんを……見た事も無いのに…」

エイラ「何で……泣いてんだよ…?」

サーニャ「……あなたは何も解ってない…俺さんの事も……私の事も…」

エイラ「………それって……どういう…」






俺「さて……っとそこの髪の長いの!今は自由時間の筈だろ?もしかしてサーニャと………サーニャ…?」

サーニャ「あ……」

エイラ「!!」ダッ

俺「あ、おい!……アイツはどうしたんだ?サーニャと話をしていたんじゃ……そうだサーニャ、何で泣いてるんだ?」

サーニャ「これは…」

俺「話が合わなかったのか?それとも性格か?」

サーニャ「だって……あの人が…」

俺「…ちょっと急ぎ過ぎたかもな。俺の責任だ……サーニャの所為じゃない。大丈夫、他の奴だっているさ」

サーニャ「俺さんは何も」

俺「ま、今日は俺が一人でやっとくから戻って良いぞ?隊長には言っておくから」

サーニャ「…い、いえ私は」

俺「気持ちが不安定な状態じゃ駄目だ。今日は休め……その代り明日は…解ってるな?」

サーニャ「……はい」

俺「俺なら平気だ。もうこの基地周辺の空は頭に入ってる …サーニャが居ないからって迷う事は無いぞ?」

サーニャ「…………」

    ・
    ・
    ・


――ハルトマンの部屋

ハルトマン「折角俺を呼んでさーにゃんと二人きりにしてあげたのに…」

エイラ「だって…だってサーニャがいきなり泣いて……それに俺も来ちゃったし…」

ハルトマン「何でさーにゃん泣かしたのさ?」

エイラ「俺なんて要らないよなって……そしたら急に…」

ハルトマン「あ~それは当然だよエイラ」

エイラ「……エ?」

ハルトマン「さっき俺を呼んだ時、話してみたんだけどさー…なんか今まで出たネウロイは全部俺が倒してたみたい」

エイラ「う、嘘だ!そんな風には…」

ハルトマン「実はね…」


~ちょっと前~

ハルトマン「悪いねー急に呼んだりして」

俺「俺と話してて良いのか?隊長に怒られちまうぞ?」

ハルトマン「大丈夫じゃない?…それよりさ、あのサーニャって子…なんか元気無いよね?」

俺「サーニャは人付き合いが苦手だからな…そういう風に見えてしまうのかもしれない」

ハルトマン「違うよ。私が言いたいのは褒められても全然嬉しそうじゃないって事」

俺「それは感情を表に出していないだけで…」

ハルトマン「ううん、あれはどう見ても戸惑ってた。止めて欲しいって顔してたよ」

俺「…お前の見当違いだろ?」

ハルトマン「ホントに戦果があるならあんな顔しないよね。俺はどう思う?」

俺「……だからそれはお前の」

ハルトマン「自分で倒した事くらい報告しても良いんじゃないの…ねぇ俺?」

俺「…何を言ってるんだ?」

ハルトマン「白々しいなぁ。つまりさ、あの子が暗い顔してるのは俺の所為って事だよ」

俺「………俺が…?」

ハルトマン「動揺したね……俺はあの子が私達に認められると思って嘘をついたんでしょ。
      でもさ、そんなの何の意味も無いよ。だって何時かは本当の事が判っちゃうもん」

俺「……そんな事は無い」

ハルトマン「自分から話すかもね。『私本当は何も出来てない』ってさ」

俺「………」

ハルトマン「…だからさ、本当の事言ってよ」

俺「………断る」

ハルトマン「どうして?別に虐められる訳でもないのに」

俺「サーニャに確認を取って無い。本当にサーニャが嫌だと思っているなら……幾らでも話す」

ハルトマン「…今の言葉、聞いたからね?」

俺「…そろそろ時間だな。俺は行くぞ」

ハルトマン「私はもう良いよ。…頑張ってね」

俺「お前は寝ていれば良い。夜は寝る時間だ」ガチャ・・バタン

ハルトマン「……鈍いなぁ」

~回想終わり~


ハルトマン「…っとまぁこんな感じ」

エイラ「……何だって?」

ハルトマン「俺も堅物だね。早く言っちゃえば良いのに」

エイラ「そ、それじゃサーニャが泣いてたのは…」

ハルトマン「大方俺の所為だろうね、多分」

エイラ「だったら早く俺に本当の事を」

ハルトマン「ストップ。あのねエイラ、エイラにも悪い所はあるんだよ?」

エイラ「私に!?何で?」

ハルトマン「元々の原因は俺かもしれないけど、泣かせた直接の原因はエイラだよ?それに俺を不要だとか言っちゃって…
      あの子が傷つくのも当然だよ」

エイラ「私が……サーニャを…」

ハルトマン「分かった?じゃあ直ぐに謝らなないとね」

エイラ「…どうすれば良い?」

ハルトマン「簡単だよ。ゴメンねって言えば良いじゃん」

エイラ「で、でも多分怒ってるからサーニャは私の話なんか…」

ハルトマン「じゃあ俺に入ってもらおっか?二人で言った方が早く済むし。それにエイラは俺にも謝んないとね。
      仮にも戦果のある人を不要だなんてさ」

エイラ「そ、そうかもしれないけど…」

ハルトマン「煮え切らないなぁ……よし、上官命令だ!エイラは俺に謝る事!更に俺と二人でサーニャに謝る事!いいね?」

エイラ「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」

ハルトマン「それは無理ダナ……それじゃ~ね~」グイグイ

エイラ「お、おいそれは私の……ってちょっと待t」バタン!

扉越し)「いいから早くしなよ…仲直り出来ないかもよ?」

エイラ「……サーニャ!」バタバタ・・・

    ・
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・

エイラ「どうしよう…サーニャの部屋に行っても『帰ってくれ』ってしか言わないし…やっぱり俺と一緒じゃないと……
    無理なのかな…そ、そうだ!パッと言って終わらせよう、うん。明日の朝一番なら誰も見てないし大丈夫だよな…?」



      *  *  *  *  *  *


――翌日・ハンガー

俺「何とか無事に終わったな……しかしサーニャから聞き出すのは気が引ける…どうしたら」



エイラ「(居た…!)…オイ俺!話があるから来てくれ!」

俺「…何だ髪の長いの、早起きとは感心だが此処では後々に響くぞ?用事なら後にした方が良い」

エイラ「私はエイラ・イルマタル・ユーティライネン!…イイから来い!大事な話なんだ!」グイ!

俺「ま、待て朝飯を「待たない!」ズルズル

    ・
    ・
    ・

――エイラの部屋

エイラ「イイか?今日はお前に…」

俺「腹減った。何かないか?」

エイラ「…あーもう煩い!これでも食ってろ!!」ポイ

俺「……コレは何だ?」

エイラ「お前、サルミアッキも知らないのか?美味いのに」

俺「へぇ…優しいなエイラは」

エイラ「!! い、イイからとっとと食べて私の話を…」

俺「…分かったから少し待て。今食べる」ヒョイ・・・パクパクモグモグ


エイラ「…どうだ?」

俺「腹減ってるしな……美味いに決まッアァァァァアアアァァァッァアァァアアアァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

エイラ「……あれ?」

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    ・
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    ・


俺「……う…」

エイラ「お、目が覚めたか?」

俺「エイラ…?」

エイラ「お前、サルミアッキ食べて急に倒れたんだぞ?全く失礼な奴だな、こんなに美味しいのに」モグモグ

俺「ソレは…食べ物じゃない……」

エイラ「で、メシはもう良いな?」

俺「…もう何も食べたくないからな」

エイラ「よし、それじゃあ話を始めるぞ……………」






俺「…どうした?」

エイラ(……冷静に考えたら私の部屋で俺と二人きり!?…ヤバい……ヤバい…緊張して声が出ない…!)

俺「話は良いのか?」

エイラ「う…うぁ……その……あの…」

俺「…そういえば昨晩サーニャが泣いてたんだがエイラ、心当たりはないか?」

エイラ「い!? な、何だよ急に!」

俺「サーニャはまだ人付き合いが苦手だから、何気ないエイラの言葉でも傷ついたかもしれん。
  別に責める気は無いんだが、そんな事を言った覚えはないかと思ってな」


エイラ「…………私には…分かんない」

俺「…そうか。悪かったな」

エイラ「…何てこと無いって」

俺「……そろそろ朝のミーティングの時間だろう?俺は部屋に戻る。エイラの話は次の機会にきちんと聞くからな」

エイラ「あ、ああ…」

俺「じゃあな……居眠りするなよ?」パタン

エイラ(………あれ…変だぞ?……確か私は俺に謝って、それから一緒にサーニャの所に行こうと思ってたのに…
    早くしないと駄目なのに…でもどうすれば良いんだろう………)



               空に居る俺さんを見たことも無いのに……



エイラ「空………そうか空だ!」ダッ


      *  *  *  *  *  *


ミーナ「…夜間哨戒がしたいですって!?」

エイラ「イイだろ中佐?一回でも良い!」

ミーナ「いきなり言われてもね…」

エイラ「頼む!普段の任務もちゃんとやるから!!」

坂本「エイラ、どうしてそこまで拘る」

エイラ「私は空の上なら無敵だ!!」

坂本「……何の事だ?」

バルクホルン「積極的な姿勢は歓迎するが、今この部隊には既にナイトウィッチが二人も居る。無意味だ」

ハルトマン「トゥルーデ、折角本人がやりたいって言ってるんだからさ…」

バルクホルン「そんな事より日中の訓練に精を出したらどうだ。お前にも未熟な面はあるんだぞ?」

ミーナ「大尉、ちょっと待って。……エイラさん?
    もし夜間哨戒をするとしても、貴女には日中の訓練や任務もあるのよ?それを全て行う覚悟が…本当にあるの?」

エイラ「ある!」

ペリーヌ「即答ですか…」

坂本「はっはっは!!若いなエイラ…だが根性だけは認めてやるか」

バルクホルン「ミーナ、本当に良いのか?」

ミーナ「本人もそう言ってるし、万が一を考えても夜間の活動が出来る人が増えるのはこの基地にとって利益になるわ。    …断る理由が無いのよ」

バルクホルン「くっ……精々潰れん様にな」スタスタスタ・・・

ペリーヌ「大尉は…何が不満なのでしょう?」

ハルトマン「これ以上エイラに強くなられると嫌なんだよきっと」

ペリーヌ「…まさかそんな事で!?」

ハルトマン「嘘に決まってんじゃん。ペリーヌ焦りすぎ―」

ペリーヌ「あ、貴女が言ったからでしょう!!」

ハルトマン「ホントだなんて一言も言ってないもーん」

ミーナ「それにしてもこれで夜は三人になるわね…」 フ、フザケナイデクダサイ!ヤーイペリーヌメガネー

坂本「シフトはこのままか?」 イ、イクラハルトマンチュウイトイエドモユルシマセンワ!! コイヨトネリーヌ・・・イヤ、トリーヌー

ミーナ「そうね… トネール!!  アタンナイヨー …… ちょっと静かにして?」ニコ
ペリーヌ・ハルトマン「ごめんなさい」

エイラ(中佐…笑ってるのに凄く怖い…此処の隊長だもんな……逆らうのは止めとこ)

ミーナ「全くもう……じゃあエイラさん、今晩から夜間の任務にも参加してもらうけど…良いわね?」

エイラ「お、おう!任せとけ!」

ミーナ「うふふ…でも、出来ないと思ったら直ぐに言ってね。貴女は大切な仲間なんだから」

エイラ「……仲間?」

ミーナ「当然でしょう?…でも、もう仲間と言うよりは家族かしら」

エイラ「家族………中佐、私…頑張るよ!」

ミーナ「ふふ、お願いね」

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――夜・ハンガー

俺「じゃあ行くか。…エイラ?どうした、眠いのか?」

エイラ(…………あれ?)
最終更新:2013年02月06日 22:55