前回のあらすじ
男「はっはっは、おーい坂本!」
坂本「めんどくさい海軍の上官が来た。もういやだ」
男の演舞を終え、昼食をとるために食堂に集まった。
男「いやあ、欧州で扶桑食を味わえるとは思わなかった。それも実に美味いときたものだ」
宮藤「えへへ、ありがとうございます」
リーネ「食後のお茶は……紅茶より扶桑茶のほうがいいですか?」
男「いや、せっかくだ、ここは紅茶を頂こう。ブリタニアの本格的な紅茶を体験できる機会などそうそう無いからなあ」
坂本「肝油でも飲んでればいいのに……」
ミーナ(さっきから美緒の様子がおかしい……。でも子供っぽく怒る美緒も可愛いわね)
男「お、そうだ坂本。ワシが送ってやった肝油はもう全部飲んだか?」
坂本「うわっ!?」
ペリーヌ「しょ、少佐?」
男「なんだ変な声を出して。滋養にも良いものだからしっかり飲めと昔から言っていただろう」
坂本「い、いえ。ちゃんと使わせていただきましたよ。皆にもふるまったりしたのでもう無くなりましたが」
男「なに、あんな不味いものを他人に飲ませたのか。酷い事をする奴だ」
坂本「なっ!?自分の分まで私や竹井に飲ませていたあんたが言うのか!」
男「はっはっは、そんな昔のことなどもう覚えとらんわ。それにしても
初めて肝油を飲んだお前の顔といったら、実に傑作だったな」
坂本「しっかり覚えてるじゃないか!もう我慢できん!即刻扶桑へお帰り頂く!」
男「はっはっは、しばらく竹井の顔も見とらんし、竹井に会ってからでもいいだろう。そうだ、明日にでも竹井に会いに行かんか?」
坂本「お1人でどうぞ!私は任務と訓練がありますので!ふんっ」
そう言い捨て、坂本はズンズンと足音を立てながら食堂を後にした。
男「むう、少しからかいすぎたか。いかんいかん、機嫌を損ねてしまったかな」
ペリーヌ「ご無礼を承知で言わせていただきますけど、中将ともあろう方があんな子供じみた言動をするのはいかがかと!」
エイラ「おいおいツンツン
メガネ、髪が逆立ってるぞ」
ペリーヌ「だまらっしゃい!」
男「ふむ、確かに。だがな、クロステルマン中尉。坂本は昔からどうも頭が固い奴でな、
時折誰かがこうしてからかってやらねば折れるか潰れてしまう気がするようなしないような」
ペリーヌ「そんなあやふやな根拠で少佐をからかわないでくださいまし!」
ミーナ「あの、坂本少佐とは古くから交流が?」
シャーリー「そうそう、話を聞いてると、昔の教え子だったような感じだよな」
男「教え子ではないがな、坂本とは扶桑海事変のころに知り合ってな。ワシの隊と坂本の隊が数ヶ月ほど共に行動する時があったのだよ」
宮藤「へー、そうだったんですか」
男「そうだ、『扶桑海の閃光』!宮藤さんも見ただろう。あれにワシもチラと映っているのだよ。
フイルムを持って来たから皆で見て欲しい!」
宮藤「え、あ、はい……」
シャーリー「おお、聞いたことあるぞその映画。一度見てみたいと思ってたんだ」
男「そうかそうか、フイルムは君達に寄贈しよう。扶桑の軍人の雄姿を是非目に焼き付けて欲しい!」
エイラ「面白そうだな、サーニャ」
サーニャ「うん。……っ!?」
サーニャが黒猫の耳と尾を発現させる。それと同時に魔道針が発動された。
サーニャ「敵です!」
サーニャの言葉と同時にサイレンが鳴り響く。
ミーナ「各員戦闘態勢へ!すみません、こんな時に。男中将は……」
男「ワシなぞにかまわなくても良い!急いで迎撃へ向かってくれ!」
ミーナ「了解!行くわよみんな!」
男「そうだ。ビショップ曹長、これを持っていくといい」
男が投げた黒ガラスの小瓶をリーネが受け取る。
リーネ「これは?」
男「お守りだ。使い方は坂本が知っている。さあ、行った行った!」
リーネ「はいっ、ありがとうございます!」
ウィッチ達は格納庫は向かった。
男「さて、ワシは城の天守閣から拝見させてもらうとしようか」
坂本「来たかミーナ」
ミーナ「少佐、状況は?」
坂本「あの中型一匹だけなんだが、装甲が堅くてな。それにコアが移動するタイプだ、烈風斬が当たらなくて参った」
坂本の前方には、中型ネウロイがのろのろと飛んでいた。
その姿は亀のように分厚そうな装甲を背負ったものだった。
ミーナ「分かりました。それじゃあ……」
リーネ「あの、坂本少佐」
坂本「ん、どうしたリーネ」
リーネ「男中将からこれを頂いたんですけど」
坂本「男中将から?ああ、これか。ちょうどいい、使わせてもらえ」
リーネ「えっと、使い方は少佐に聞けって言われたんです」
坂本「チッ、あのクソジジイ……」
リーネ「え?」
坂本「いや、なんでもない。仕方ない、小瓶とボーイズの弾倉を貸してくれ」
リーネ「あ、はい。どうぞ」
ミーナ「一体何を?」
坂本「説明するより見たほうが早い。すぐに済む」
坂本は小瓶の栓を抜き、入っていた液体を弾倉の中へ注ぎ始めた。
坂本「こんなものか。そしてよく振って、と」
ボトルに注いだ液体を混ぜるように、弾倉をガチャガチャと振る。
そして、弾倉を逆さにして中の液体を捨てた。
坂本「出来たぞ。一、二発あのネウロイに撃ってみろ。ああ、皆少し離れておけ」
リーネ「は、はい」
エーリカ「なんとなく想像がつくなー」
宮藤「えっ、ほんとですか?」
シャーリー「まあなー。わかってないなら楽しみにしてな」
リーネが銃を構え、狙いをつける。
リーネ「いきます!」
リーネが引き金を引いた。炸裂音と共に弾丸が飛び出す。
弾は一直線に飛び、ネウロイへ突き刺さった。
エイラ「!」
エイラが一瞬早く反応し、隣にいたサーニャの耳を塞ぐ。
弾丸が命中した箇所が一瞬光ったかと思うとネウロイが内側から膨張し、轟音と共に爆散した。
宮藤「きゃあ!」
ルッキーニ「うじゃあ!」
バルクホルン「馬鹿な、ありえん……」
ミーナ「たった一発であのタイプのネウロイを撃墜、いいえ、粉砕するなんて……。これが男中将の固有魔法の力なの?」
宮藤「え?どういうことですか?」
坂本「さすがだなミーナ、説明する前に気がつくとは。そうだ、これが男中将の固有魔法、
本人は『燃えたぎる血潮』などと言っているが正確には『血液媒介型炎熱魔法』の能力だ」
ルッキーニ「にゃ?あたしと一緒?」
坂本「少し違うな。お前の場合は多重展開したシールドの先に熱魔法を展開させる。
だが男中将の場合は自身の血でないと熱魔法を展開できないんだ」
宮藤「あ、だからさっきリーネちゃんの弾倉に血を流しこんでたんですね」
坂本「ああ。魔法の発動する条件は本人が決められるらしいが、今回は『激しい衝撃を二度受けたら』とかだろう」
宮藤「どうして二回なんですか?」
エーリカ「一回だとリーネが引き金を引いた瞬間私達黒こげだよー」
宮藤「あ、そっか」
リーネ「す、すごい……。まるで爆弾を撃ち出したみたいでした」
ペリーヌ「でも、朝に固有魔法を見せて頂いた時にはこんなに威力はありませんでしたけど?」
坂本「そこらへんはまあ、本人のさじ加減らしい。気分の問題とも言っていたな」
シャーリー「なんていうか、あのおっさんらしい豪快で滅茶苦茶な固有魔法だな」
坂本「だが、その滅茶苦茶なもののお陰で扶桑海軍が度々救われたのも事実だ」
坂本「迷惑な上官だが、頼りになるのは確かだ。それがまたなんとも腹立たしいんだがな」
ミーナ「ふふ、頼りになる上官なんて素晴らしいじゃない。さあみんな、基地に帰りましょう。全機帰還します!」
坂本「まあ、頼りにはなるがな……。うん、いや、だがなあ。うーん……」
男は基地の管制塔から戦闘の様子、そして自身の固有魔法の威力を眺めていた。
男「やはり……、か。少し予定を早めるか。いや、今更だな」
男「さて、戦乙女達を出迎えに行くか」
男「ふふふ、頼もしい娘たちよ」
竹井「あら、男さん!お久しぶりです!」
男「おお、竹井!いやあ、見違えたなあ。こんなにベッピンになって、はっはっは」
坂本「なんだか面白くないぞ」
だいたいこんな感じになる予定!
最終更新:2013年02月06日 23:34