翌日、午後1時
私は医務室で医師と話をしていた。
ハイデマリー「彼の容態はどうです?」
医師「ずっと羽を生やしたまま寝ていますよ」
ハイデマリー「何か分かった事はありませんか?」
医師「どうとも・・・扶桑の人間ではあると思うのですが」
医師「衣服は特殊な繊維で出来ているみたいです。後彼の持ち物は
整備士達が調べています」
ハイデマリー「彼を見に行っても?」
医師「・・・多分大丈夫でしょう。扶桑の人に危険な方は居ないと聞きます」
彼にお礼を言い、医務室から彼がいる個室に向かう。
廊下は静かだ。今までここにいた
ナイトウィッチの皆も私を残して最前線に出てしまった。
今この基地にいるのは私と医師、地上部隊一個小隊と整備チームだけ。
ハイデマリー(皆元気にしているかな・・・)
そうしている間に個室の前まで辿り着く。
中からは小さな寝息しか聞こえてこない。まだ寝ているみたいだ。
ガチャ...
部屋の中はベットと棚、小さな椅子しか無い。そしてベットには...
俺「......」
医者の言った通りに寝ている彼の姿。
私は椅子をベットの横に置き、座って彼の様子を詳しく見てみる事にした。
ハイデマリー(この魔導針・・・リヒテンシュタイン式じゃない)
彼の魔導針は針ではなく4つの六角形が頭を覆うように配置されている。
ハイデマリー(一体どんな能力が...)
俺「ん......」
ハイデマリー「!」
俺「.......」
寝返りをうっただけみたいだ。まだ起きる様子は無い。
ハイデマリー(それにしても...)
ハイデマリー(この部屋...暖かい)
外の気温は20度付近。だがこの部屋の中は外よりもかなり暖かい。
ハイデマリー(多分この暖かさを発しているのは・・・)
俺「.......」
彼の固有魔法は魔導針では無いようだ。熱放射...なのかもしれない。
でもそれだと魔導針が出ている理由が分からないわ...
確認の為に手袋を外し、彼の額にゆっくりとかざしてみる。
俺「.......」
ハイデマリー(ただ単に体が暖かいだけではないみたいね)
俺「・・・・・・」
ハイデマリー(日向ぼっこしてるみたい...)
俺「・・・あのー」
ハイデマリー「!! ごめんなさい!思わず気になってしまって...」
俺「何が気になったのは分かりませんが・・・貴方が俺を助けてくれたんでしょうか?」
ハイデマリー「どうしてその事を・・・?」
俺「えーっと・・・どう言ったら良いでしょうか」
俺「なんとなく・・・貴方の手の感じが落下していく間に抱いてくれた手と同じだったんです」
俺「どう言ったら良いのか分かりませんが・・・助けてくださってありがとうございます」
ハイデマリー「貴方のお名前を聞かせてもらっても?」
俺「俺は"俺"です。○○県の△△高校3年生。貴方は・・・」
ハイデマリー「私はカールスラント空軍第1夜間戦闘航空団第4飛行隊所属、ハイデマリー・W・シュナウファー大尉です」
俺「待ってください、ここは日本では無いのですか?」
ハイデマリー「ここはカールスラントです」
俺「えっ」
ハイデマリー「理解できました?」
俺「パンツ一丁で空を飛ぶ、魔法、ネウロイ...」
彼はそのまま頭を両手で抑えていた。
その手が頭の羽に触れる。
俺「? 何だコレ?」
ハイデマリー「羽耳ですよ?」
俺「・・・鏡はありますか?」
棚にあった手鏡を彼に渡した。彼は穴が開くほど頭を見ている。
俺「これは...トンビ?後この光ってるのは...」
ハイデマリー「索敵の為の魔導針と思いますが私のとは形状が違うみたいです」
俺「そういえば貴方も・・・」
私は彼の前で羽耳と魔導針を出現させた。
俺「・・・これは貴方の話を信じる以外に道はありませんね」
俺「俺はこの後どうなるんです?」
ハイデマリー「一応上層部に知らせて扶桑まで送ってもらう事は出来ます」
俺「扶桑・・・でもここの扶桑は向こうの日本とは違うでしょう」
俺「もし行っても俺が出来る事なんて・・・」
ハイデマリー「・・・なら」
俺「?」
ハイデマリー「ここで一緒に戦ってくれませんか?」
俺「戦うって...ネウロイとですか?」
ハイデマリー「無論無理強いはしません。ですが今ここの戦力は少なくなっています」
ハイデマリー「もし良かったら・・・」
俺「・・・」
俺(可愛い子と一緒に空を飛べる...このチャンスを逃す訳にはっ!)
思えば俺の向こうの世界での人生、短いながら女の子と接点を持つ事は殆ど無かった。
そう、今俺は人生の2週目を歩んでいるんだ。なら・・・
俺「俺みたいなのが戦力になるのなら・・・喜んで戦わせてもらいます!」
ハイデマリー「良かった・・・」
俺「でも俺は空を飛んだ事も魔法も使ったことも無いド素人ですよ?」
ハイデマリー「大丈夫です。全て私達が教えますから!」
俺(この人に教えてもらえるなら・・・良いかな)
ハイデマリー「もうこんな時間...私はこれから夜間哨戒に行きますね」
窓から見える空は夕暮れで赤く染まっている。話しているうちに時間がかなり経ったようだ。
ハイデマリー「後で食事を届けさせておきます。では...」
俺「お仕事頑張ってくださいね。シュナウファー大尉」
ハイデマリー「はい・・・行ってきます//」
バタンッ
俺「・・・あの人・・・困ってそうだから断れなかったなぁ」
俺「まぁ良い人そうだし大丈夫かな。それに可愛いし・・・」
ピーヒョロロ...
外から聞こえる鳥の声、多分これは...
窓を開けしばらくすると一匹のトンビが窓枠に留まってきた。
トンビ「」ジーッ
俺「すまん。俺のせいで別の世界まで連れてきてしまったみたいだ」
俺「・・・怒ってる?」
トンビ「...」ブンブン
俺「怒ってないのか?」
トンビ「」コクコク
俺「・・・後で俺の食事、一緒に食べるか?」
トンビは多分雑食性だ。(食事が何が出るかは不明だが)何でも食べれるだろう。
トンビ「」パタパタ
俺「すまないな・・・」
そのまま俺は食事が来るまでトンビと会話?していたのであった...
最終更新:2013年02月07日 13:47