ハイデマリー「味はどうですか?」
俺「うん、美味しいよ」
ハイデマリーがフォークで煮物を突き、それをベットに寝たままの俺の口に運んでいく
ハイデマリー「塩加減はどうです?少し辛いかもしれませんが」
俺「これくらいで良いと思う。それに俺は元々濃い味付けの方が好きだよ」パクパク
ハイデマリー「はい・・・どうぞ」
気を失った後、俺は501基地まで運ばれ医療室のベッドでずっと眠っていたようだ
その間ずっとハイデマリーが俺の世話をしてくれていたらしい
服まで着替えさせてくれたのはちょっと恥ずかしいな
俺「それにしても静かになったね・・・」
ハイデマリー「ええ、皆さんはいつも通りに過ごしていますよ」
ベットの脇の机にはには皆が持ってきた贈り物が置かれていた
何かの本や猫と妖精の置物、大きな瓶に花束、お菓子各種と小さな虫の標本箱、ブロマイド...多種多様過ぎる
俺「でも起きた時は本当にビックリしたよ。ハイデマリーが泣きながら抱きついてくるから・・・」
ハイデマリー「だって・・・本当に嬉しかったんです」
ハイデマリー「あのまま起きなかったら私は...
俺「・・・心配掛けさせてゴメン。ちょっと張り切りすぎちゃった」
ハイデマリー「・・・これ以上は無茶しないでくださいね?」
俺「うん。努力する」
今にも泣きそうな彼女を抱き締め、背中を軽く撫でてあげる
彼女が何かを言おうとした瞬間、扉から人が入ってきた
宮藤「・・・すみません!ノックもしないで...
俺「いやいや、構わないよ。何か用があるのかい?」
宮藤「はい。ミーナさんがハイデマリーさんを呼んでいます」
ハイデマリー「・・・分かりました。すぐに行くと伝えて下さい」
宮藤「では私は仕事に戻りますので!...」
扉から飛び出していく軍曹。それを眺めていると何かに膝を叩かれる
ハイデマリー「その・・・いつまで抱きしめているのですか?」
真っ赤な顔が俺の胸から見上げていた
俺「気が済むまでかな」
ハイデマリー「・・・後でならずっと抱きしめても良いんですよ?」
俺「分かった。妥協する」
解放されたハイデマリーは立ち上がると裾の乱れを綺麗に直し、食器を机の脇に置いた
ハイデマリー「すぐ戻ってきますのでその間コレを食べて下さい」
ハイデマリー「行ってきます、俺さん」
俺「行ってらっしゃい」
彼女の後ろ姿を眺めていると思わず声を掛けられた
女医「まったく・・・最近の若者は盛んねぇ」
俺「居たんですか」
女医「貴方の能力なら簡単に見つけられるでしょ?・・・と言いたい所だけど」
女医「魔法力、今は尽きているんじゃないのかしら?」
俺「ご名答です」
女医「一時的に昏睡状態になるまで魔法力を消費。一体どんな事をしたのよ?...いや、言わなくて良いわ。聞きたくもない...」
俺「少し外に出ても良いですか?」
女医「良いわよ。ただ食堂からコーヒーを一杯持ってきて頂戴。ブラックの砂糖無しで」
俺「はいはい。分かりました」
上着を着て静かに廊下まで出る。誰も居ない廊下を歩き、食堂前の屋外に向かう
俺「久しぶりだな」
トンビ「....」パタッパタッ
俺「調子、どうだ?」
トンビ「」パタパタ
俺「なら良かった・・・今回は無茶し過ぎたからな・・・」
トンビ「ピーヒョロロ...」
俺「やっぱ扱いにくい物を出すんじゃ無いよな。一から勉強しないと・・・」
トンビ「・・・」バサッバサッ
彼は大きく風を切る様に空高くまで羽ばたき、上昇気流に乗って旋回を始めていた
俺「コーヒー入れてくるか・・・」
俺「飛べ飛べトンビ 空高く~」
俺「鳴け鳴けトンビ 青空に~」
俺「ピーヒョロー ピーヒョロー...ん?」
なんだろう...話声が聞こえる...
「大和にロマーニャを託す事になるわね・・・」
「だが大和の技術はウォーロックの流用だ。信頼出来る物では無い!」
「私の真烈風斬さえ完成すれば・・・ネウロイの巣なぞ一撃で・・・」
「せめて俺さんも居れば嬉しいんだけど・・・」
「アイツには休んでもらった方が良いと私は思うのだが・・・」
「今は休ませてやろうぜ・・・」
俺(ヤバイ事が起きそうだな・・・早くあの技を会得しないと)
俺「返して下さいよー!」
ハイデマリー「もう今日は寝て下さい!本は私が預かります!」
俺「・・・はーい」ショボン
俺「もう寝ます。お休みなさい・・・」モゾモゾ
ハイデマリー「ゆっくり休んでください・・・もう」
坂本「何の騒ぎだ?」
ハイデマリー「坂本少佐...」
坂本「? 物理学に電磁気学・・・シュナウファーが読む物では無さそうだが?」
ハイデマリー「これは俺さんの持ち物ですが・・・彼ったら休まなきゃいけないのに寝ないで勉強していたんです」
坂本「それで取り上げたのか・・・なら仕方あるまい」
ハイデマリー「こんな夜に騒がせてしまって申し訳ありません」
坂本「良いんだ。後で私からも俺に言っておこう」
ハイデマリー「それは・・・いえ、お願いします。彼はちょっと頑固な所があると思うので...」
坂本「それにしても奴は何を学ぼうとしていたんだ?」
ハイデマリー「私にも検討がつきません。でも・・・あの時の技には関係していると思うんです」
坂本「・・・聞く理由が増えたな」
俺「ラザフォード...やはりこの時代でもいるんだな」
俺「電荷が持い...方向が変えられないのか」
俺「...ダメだ。効率向上には魔法理論から入るべき...」
坂本「入って良いか?話があるんだが」
俺「...ええ。入って、どうぞ」
坂本「・・・勉強か」
俺「そうです。後で学者でもなろうかなって...」
坂本「新しい技の開発、と言ったらどうなんだ」
俺「・・・ハイデマリーから聞いたんですか」
坂本「お前は一体何を作ろうとしているんだ?」
俺「・・・・・・Gamma-ray Amplification by Stimulated Emission of Radiation」
俺「既に前回の実験でX線レーザーの実現に成功しています。より改良を加えれば出力を上げれるはずです」
坂本「出力を上げる・・・前の時は倒れる程に魔法力を消費したのにそれ以上の力を使うのは・・・」
俺「魔法力が枯渇する、以前に変換時の負荷で死ぬでしょうね」
坂本「そこまでしなくても!...
俺「オペレーションマルス。ネウロイ化させた大和でベネツィア上空のネウロイの巣を攻撃する作戦」
坂本「・・・どうしてその事を知っているんだ?」
俺「一応情報は集める主義なんでね・・・知り合いの学者から電話で聞いたんですよ」
俺「・・・作戦までには俺も戦えるようになっているでしょう。だから切り札として持っておきたいんです」
俺「もしかしたらそれまでに新しい魔法変換の方式を思い付くかもしれませんしね」
俺「だからこの事はハイデマリー...皆には黙っておいてくれませんか?」
坂本「・・・分かった。黙っておこう」
坂本「だが夜更かしまでして研究はするな。シュナウファーはお前を心配してああやってくれたんだぞ?」
俺「・・・了解です」
俺「ダメだ・・・何も分からない」
俺「この論文は使えないし...魔法分野で近い物といえば...光系か?でも参考になるのが無いな」
俺「ペリーヌ中尉のトネールは...電磁気系統の固有魔法だし...いや、彼女から学べるほど時間が無い...」
作戦開始まで既に12時間を切っている。だが進展した所は何も無かった。
俺の魔法変換の理論は今までの任務に合わせ時間をかけて完璧に構築した物だ。今更変更出来る物じゃない・・・
俺「大量の魔法力を制御出来れば何も問題無いんだがなぁ・・・」
途方に暮れていると誰かが扉をノックしてきた。
入ってきたのはハイデマリー。どうやら俺を心配して今日も来てくれたようだ。彼女が口を開くより先に俺から話を切り出す
俺「今日はさすがに寝るよ。もうこれ以上出来る事は無い」
怪訝そうな顔をしたものの、本と論文の束を片付ける俺の姿を見ると一緒に手伝ってくれた
ハイデマリー「皆が寝た後にこっそり起きるのは無しですよ?」
俺「ははははは...そんな事しないって」
ハイデマリー「・・・なら今日は一緒に寝ましょう」
俺「いやここは保健室だしベットもそこまでふかふかじゃないし...はい分かりました」
彼女の視線に耐えられず、仕方なくベットの片方を空ける
彼女はベットに横になるとすぐに俺の体を抱きしめ、ギュッと身を寄せてきた
ハイデマリー「起きたらダメですからね?・・・」
俺「こんなに良い抱き枕があればぐっすり寝ちゃうさ・・・お休み」
「起きて下さい。朝ですよ?」
俺「・・・ふぇ?今何時?」
ハイデマリー「...今は8時半です」
女医「ぐっすり眠れたようね」ニヤニヤ
俺「・・・お二人ともおはようございます」
女医「固有魔法は大丈夫?」
俺「んっ...」
前と変わりなく発現する羽耳と魔導針。魔導針が部屋内部の状況を送ってくれた
俺「大丈夫です」
女医「なら早く行って来なさい。作戦開始まで時間が無いわよ?」
俺「はい!」
急いで制服に着替え、ハイデマリーと一緒に格納庫まで向かう
既に格納庫では皆がストライカーを履き、武装を持って待機していた
ミーナ「俺さん!出撃出来るの!?」
俺「多分大丈夫です!」
直ぐにBf-110に乗り込みMG151/20を引っ掴む。エンジンを軽く動かしベルトリンクをチェック。どれも問題無い
俺「久しぶりに飛べますからねっ!」
横では同じようにハイデマリーも出撃用意を行っている。心なしか楽しそうに見えた。
ミーナ「今回の作戦目的は...既に知ってるようね」
バルクホルン「かなりの長期戦になるぞ。行けるか?」
俺「・・・準備完了。いつでも行けます!」
ハイデマリー「用意出来ました!」
ミーナ「これよりオペレーションマルスの為に大和の護衛任務を開始します。全機発進!」
『了解!』
サーニャ≪方位105より敵接近!≫
シャーリー≪こっちで撃墜する!≫
バルクホルン≪右舷の敵は殲滅したぞ!≫
エイラ≪ほら!こっちだこっち!≫
俺「宮藤さん!高熱源が大和に接近しています!」
宮藤≪分かりました...今防いでいます!...≫
坂本≪リーネ!宮藤を狙っている奴を倒せ!≫
リーネ≪はい!≫
俺「空が狭い・・・な」
エイラ≪俺!攻撃支援を頼む!私の目の前に居る奴だ!≫
俺「了解。方位081、高度3215m、距離16km...ファイア」
戦場を駆ける赤いレーザー光。ネウロイのビームよりも紅い光が黒い船体に当たり、一瞬で装甲を溶かしていく。
エイラ≪ありがと!≫
俺「どういたしまして」
ハイデマリー「俺さん後ろに!・・・
赤色レーザーが迫ってくるネウロイを捉え、メーザーが敵を一撃で蒸発させる。
俺「魔法力の無駄だ...」
すぐにMG151/20を構え、残った後続の敵を徹甲弾で薙ぎ払った。
ハイデマリー「周囲の警戒も怠らないでください!」
俺「そんなに言われても・・・こんなに目標が多いと分かりずらいんだよ・・・ッ!!」
多くのネウロイが飛び交いビームと銃撃が放たれている中、俺の索敵能力もかなり鈍っている
俺の能力は大雑把に言えば熱探知。俺にとって今ここは非常に熱い戦場だ...
ハイデマリー「6時の方向から敵が来ます!」
俺「くっ...」ドッドッドッドッ...
俺「弾切れだ!援護してくれ!」
MG151/20の代わりに掌を前に突き出す。それと同じくしてハイデマリーのMG151/20が迫りくる敵中型ネウロイを捉える。
俺「シュターリュン!」
ハイデマリー「落ちて!...」ドッドッドッドッ...
20mm炸裂弾が敵装甲を穿ち、ボロボロになった船体が赤黒い光に包みこまれ爆発、四散した。
俺「ありがとう!」
ハイデマリー「早くリロードを!...」ドッドッドッ!!
彼女が近づく敵を落としていく中、俺は手早く弾倉を取り替える
弾倉を取り換えた時、既に大和は予定地点まで辿り着いていた
乗組員≪魔導ダイナモ起動!≫
眼下に見える大きな戦艦が段々ネウロイへと変わっていく...
皆も驚いているらしく、インカムから歓声や唖然とする声が入ってきた
ハイデマリー「本当にネウロイ化させたんですね・・・」
俺「なんとまぁ・・・あんなデカイ物を変えるとは」
この事を話してくれた学者もやたら興奮していたが・・・確かにスゴイ技術だ
杉田≪大和浮上!≫
6万トンを超える巨体がゆっくりと上昇してゆき、ネウロイの巣に向かって進撃を開始していく
ミーナ≪大和のネウロイ化は成功のようね。一旦天城に戻りましょう≫
指示に従い皆と共に天城に着陸する。一息ついた時には大和は巣まで1000mの地点まで来ていた
大和は強い衝撃波を起こしながら巣の外壁に突っ込み、主砲を巣に向ける
杉田≪今だ!主砲斉射!≫
......起こるはずの爆発、衝撃波も何も起きない。一体何が起きているんだ?
乗組員≪魔導ダイナモ停止!主砲撃てません!≫
杉田≪なんてザマだ・・・!!≫
副長≪艦長・・・≫
杉田≪もはやこれまでか・・・≫
杉田≪皆、良く戦ってくれた。しかし大和の魔導ダイナモが起動せず主砲が撃てない≫
杉田≪作戦は失敗した≫
ペリーヌ「失敗!?」
リーネ「そんな・・・負けちゃうの?」
バルクホルン「バカな・・・」
ルッキーニ「うえぇぇぇん...」
杉田≪全艦16転回頭。戦線を離脱する≫
坂本「まだだ!まだ終わって無い!」
ミーナ「美緒!?」
坂本「俺!これを預かってくれ!」
彼女は俺に刀を託すとストライカーに飛び乗り、勢い良く大和に向かって飛んでいく
坂本≪私の魔法力で魔導ダイナモを再起動させる!≫
宮藤「無茶です!坂本さんにはもう魔法力が...」
坂本≪大丈夫だ。真烈風斬は撃てなくても魔導ダイナモに使える魔法力は残っている≫
坂本≪ありがとう・・・皆≫
宮藤「坂本さん!...」
坂本≪うてぇえええええ!!・・・≫
大和の主砲から轟音と共に砲弾が放たれ巣に命中した
巣は沢山の白い破片に包まれ、衝撃波と共に今まで立ち込めていた黒雲が晴れてゆく...
サーニャ「ネウロイの反応消滅・・・」
宮藤「坂本さんは!?」
ペリーヌ「少佐...」
乗組員≪レーザーに反応あり!大和です!≫
杉田≪おお!あの爆発の中で...≫
バルクホルン「やったぞ!」
エイラ「大和が無事なら少佐も無事だな」
ルッキーニ「勝ったー!!」
ミーナ「おかしいわ・・・ネウロイ化が解けてない」
ハイデマリー「ネウロイの反応が復活しました!」
破片が晴れ、今まで巣があった所には大和を超える大きさのコアが存在していた
コアからビームが照射され、近くにいた戦艦がいとも簡単に切断される
エーリカ「戦艦が一撃だ!」
ミーナ「なんという破壊力なの・・・」
俺「見て下さい!...コアの上部に坂本少佐が!」
シャーリー「少佐が・・・」
艦長≪少佐を救え!攻撃開始!≫
ロマーニャ海軍の戦艦がコアに向けて主砲を放つ。だがコアに直撃する前にシールドで止められて...
宮藤「あのシールドは・・・扶桑の物です!」
ミーナ「ネウロイは少佐の魔法力を利用しているのよ・・・」
杉田≪ネウロイがシールドを使うとは・・・もはや我々にはどうする事も出来ない≫
乗組員≪リットリオ撃沈!≫
エイラ「こんなんじゃ全滅しちまうぞー!」
サーニャ「私達に出来る事は・・・」
ミーナ「何も無いわ・・・勝ち目が無いのよ」
ハイデマリー「ここまで来て諦めるしか無いなんて・・・」
俺「・・・」
あの技を使ってなら・・・ネウロイを撃破出来るかも知れない
俺一人の犠牲で皆が助かるなら...
俺「・・・?」
体内の魔法力に何か異変が起きている。どこからともなく漏れている感じが...
俺(この刀が魔法力を吸収しているのか?)
俺「・・・皆さん。誰でも良いのでこの刀の事を知っている方はいませんか?」
ミーナ「こんな時にどうして...
俺「大切な事なんです!誰か知りませんか?」
宮藤「・・・その刀は烈風丸です。持つ者の魔法力を吸収すると坂本さんが言っていました・・・」
俺「・・・こんな所に最後のピースがあったなんて」
ハイデマリー「俺さん?」
不思議そうに見つめる彼女に俺は微笑みかける。何をするのかを悟り、声を上げようとする彼女の口を優しく指で止めた。
俺「援護、してくれるか?」
ハイデマリー「・・・分かりました」
俺「...ありがとう」
俺はMG151/20を甲板に置き、烈風丸を構えて再度ストライカーに乗り込む。
ハイデマリーは少しの間悲しそうな顔をしたが、二三度首を振るといつもの冷静な表情でストライカーに乗り込み銃を構えた。
ミーナ「俺さんにハイデマリーさん・・・すぐにストライカーから降りて下さい!」
俺「残念ですがそれは出来ません。これより坂本少佐の救助、及びネウロイの撃破に向かいます」
ミーナ「これは命令です!今すぐ...」
ハイデマリー「全機、作戦開始!」
俺達はミーナ中佐の声をかき消すようにエンジンを吹かし、最大出力で一気に上昇した
インカムを切り、そのままネウロイの巣へと俺達は突っ込んで行く
ハイデマリー「・・・後で怒られちゃいますね」
俺「ミーナ中佐は優しいから大丈夫さ・・・前方に敵多数!」
ハイデマリー「私が道を作ります!突っ切って下さい!」
俺「・・・愛してるよ。マリー」
俺「うぉおおおおおおおおお!!」
彼女が護衛のネウロイに向かって掃射を行い、コアまで続く白い破片の中を俺は突っ切っていく
破片の雲を突っ切り、コアの周りに張られたシールドに向かって剣先を突き刺した
俺「・・・ヘイムダル!!!」
刀全体に蓄えられていた魔法力を一気にガンマ線へと変換
高出力のガンマ線レーザーがシールドを貫徹しコアへ照射、コアを一気にプラズマ化させる
俺「貫けぇぇぇえええええええええええ!!」
コア内部をガンマ線とプラズマが浸食してゆき、反対側から上空へと青紫の光が放たれていく...
次の瞬間、コア全体が白に眩しく輝いた
俺「終わったな・・・」
パリンッ!
コアが砕けると共に烈風丸も柄のみ残して全て崩壊した。エネルギーの負荷に耐えられなかったのか...
ふと上を見上げてみる。落ちていく少佐とそれを受け止めようとするハイデマリーの姿が見えた
俺「作戦終了...」
俺はそのまま目を閉じ、動かせなくなったストライカーを脱ぎ捨ててゆっくりと落下していった・・・
- 1949年10月、ノイエカールスラント、ノイエスベルリン、夜
俺「飛ぶ飛ぶトンビ 空高く~」
俺「鳴く鳴くトンビ 青空に~」
俺「ピーヒョロー...
チャールズ「おーい!ここに居たのかー!」
俺「なんだお前か・・・どうしたんだ?」
チャールズ「次の実験の話なんだが...」
俺「ルビーメーザーの事か?」
チャールズ「そうそう。機材の事で聞きたかったんだ」
俺「大丈夫だ。ルビーはオラーシャから、機材は扶桑から、液体ヘリウムはリベリオンから取り寄せる事になってる」
チャールズ「・・・その人脈はどこから来てるんだ。後研究資金も...」
俺「あまり気にしてはいけない」
チャールズ「はいはい。後お前さんのペットさんがご機嫌斜めだ。アンモニアの瓶をひっくり返すわ...」
俺「分かった。後で行く」
俺「そうそう、明日飲みに行かないか?オラーシャの連中も混ぜてさ」
チャールズ「あの研究しか頭に無い奴らを?」
俺「ウォッカで釣れば良い。それに研究ばっかりじゃ面白くないだろ?」
チャールズ「確かにそうだな・・・後でこっちから話しておくよ!」
彼が研究所へと走っていく姿を見、そのまま星空を見上げる
俺「丁度5年前か・・・あの時見てた星空と一緒だな」
俺「元気にしているか?マリー」
ハイデマリー「今回の哨戒地域、分かっていますね?」
ウィッチ「大丈夫です・・・・・・中佐、質問宜しいでしょうか?」
ハイデマリー「はい、何でしょう?」
ウィッチ「その指輪はどなたから貰われた物なんでしょうか?」
ハイデマリー「これは・・・」
彼女の手にはルビーの指輪が輝いていた。彼女はそれをゆっくりと撫でながら話し始める
ハイデマリー「私の大切な人が作ってくれたんです」
ウィッチ「軍人さんですか?それともウィッチの..」
ハイデマリー「今はノイエカールスラントで技術開発を行っていますよ」
ウィッチ「学者さんでしたか・・・失礼しました」
ハイデマリー「夜間哨戒、頑張ってくださいね」
扉が閉まって数分後、彼女は書類作業を止めて窓の外を見る。
滑走路から飛び立っていく機影。すぐに東へと針路を変え、高度を上げていった。
ハイデマリー「あの時の星空・・・俺さんと一緒に
初めて飛んだ時と同じ・・・」
ハイデマリー「・・・頑張ってください、俺さん」
最終更新:2013年02月07日 13:51