幕間 エルマさんのいない水曜日
36 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/09/03(土) 16:19:15.66 ID:VSw892kw0
幕間 エルマさんのいない水曜日
俺「つまり、エントロピーっていうのは、化学変化の方向を調べるのにとても有用な値であって……」
エイラ「え~……訳分かんねぇヨ…。」
ニパ「俺さん、もうちょっと分かりやすく説明して…。」
俺「あ、ああスマン…。エントロピーっていうものは系の乱雑さを表す値だ。」
ニパ「え……………え…?」
エイラ「ああもう…エルマ先輩だったらもっと上手く説明してくれるのに…。」
ニパ「俺さん教え方下手…。」
俺「うぐっ……。」
エイラ「エルマ先輩を出セ、エルマ先輩を!」
俺「し、仕方ないだろうがっ! レイヴォネン少佐は用事でヘルシンキに行かれているんだから!」
ニパ「でも俺さんの説明じゃ全然分からないし…。」
エイラ「しょうがないから今日の教練は中止ダナ。」
俺「ま、待てって! う~ん………あっそうだ。」
ニパ「どうしたの?」
37 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/09/03(土) 16:20:20.95 ID:VSw892kw0
俺「ウィンド。」
ハンナ「はい?」
俺「お前、熱力学は大体習ってたよな? ちょっと教鞭取ってみろ。」
ハンナ「え?」
ハンナ「孤立系の自発変化において、エントロピー変化⊿Sは0より大きい…つまり、エントロピーは増加します。
このことから、系のエントロピーを測定することで、孤立系でのある変化が自発変化であるかを調べることが出来ます。」
ニパ「ふむふむ。」
エイラ「なるほど、そういうものなのカ。」
俺「うん、今日はこれくらいにしておこう。お疲れ、ウィンド。」
ハンナ「ふぅ……人に何かを教えるのって、思ったよりも難しいですね。」
エイラ「でも、俺より断然上手かったゾ!」
ニパ「上手かった!」
ハンナ「ありがと。」ニコッ
38 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/09/03(土) 16:22:05.19 ID:VSw892kw0
俺「お前らなぁ…。でも、
初めてであれだけ出来たら上等だ。やっぱりお前はこういうの向いてんのかもな。」
エイラ「ハッセは面倒見イイよナ。姿は似ているのに、ニパとは大違いダナ。」イヒヒ
ニパ「ムムム…。」
俺「お前らはそろそろ新人の世話をしないといけなくなるだろうからな。ウィンドと……そこでカードを弄っているニッシネン。」
ラウラ「えっ……ああ。」
俺「お前なぁ……もう習ったことだから退屈なのは分かるけど、教練中に遊ぶのはやめろよ…。」
ラウラ「いや…あんまり俺さんの話が退屈すぎてな。」
俺「相変わらずお前は思ったことをハッキリと……」
エイラ「なー…俺ってハッセとラプラに妙に甘くないカ?」
ニパ「今だって私達だったら思いっきり怒鳴りつけてるのに…。」
俺「俺にコイツらを怒鳴りつけることなんて出来ないよ。正直、お前らも俺よりもコイツらの言う事を信じろよ?」
ラウラ「俺さん、いくらなんでもそんなことは…」
俺「謙遜すんな。お前らは俺よりも技術も才能もある。経験だって充分。人としての器の大きさも俺なんかとは段違いだ。
もう立派なエースで、立派な先輩ウィッチだよ。」
ハンナ「そう…なんですかね?」
俺「うん、そうだよ。もう充分人の上に立てる人間だ。」
39 :熊はひばりに恋をした[sage]:2011/09/03(土) 16:25:47.12 ID:VSw892kw0
ラウラ「人の上に立つ……か。実感が湧かないな。」
俺「だろ? 今回のこのL中隊のお前らにとっての存在意義はそれなんだよ。
人の上に立つっていうことを、レイヴォネン少佐を見て学ぶ。上層部の狙いはそれなんだろうよ。」
ラウラ「レイヴォネン少佐と……俺さんだろ?」
俺「俺は人の上に立てるような人間じゃない。せいぜい偉ぶってまだ芽が出ていない種を焚きつけてやることくらいしか出来ないよ。」
ラウラ「そんなことはないと思うが…。」
ハンナ「俺曹長だって、この隊をエルマ隊長とは別の形で引っ張ってくれていますよ。」ニコッ
俺「そうか……そう言ってもらえると素直にうれしいな。」
ラウラ「私も……俺さんやエルマ隊長みたいに………ならないといけないのか。」
俺「んにゃ。誰かみたいになる必要はないんだよ。レイヴォネン少佐にはレイヴォネン少佐の、俺には俺の、お前らにはお前らのやり方で人を引っ張っていけばいい。
お前らがそれを見つけられるようにするのが、俺とレイヴォネン少佐の仕事だよ。」
ハンナ「私にあったやり方かぁ…。」
おわり
最終更新:2013年02月07日 14:03