前回までのあらすじ!
501に、私のお父さん(犬型ロボット)とジェットストライカーがやってきた!
父「『外見以外は人間』と言え!」

カールスラントの新兵器・ジェットストライカーを私教授に「ポンコツ」と言われ、腹を立てたバルクホルン。
その優位性を示すため、シャーリーのレシプロと対決するが、何と魔力を使い果たし、海へ落ちてしまったのだった!
私(……ったく! だからあれほど言ったってのに……!)



――501基地、医務室――

ゲルト「……う、ん……こ、ここは……?」

私「天国ね。色よしハリよしな2つの山が……」ジーッ

ゲルト「!!? な、わ、私いいいいいいいい!!?」ガバッ!

エーリカ「あ、起きた」

ゲルト「……? どうした、みんな……揃って…私の顔に何か……?」

宮藤「バルクホルンさん! 良かったぁ……!」ウルッ

エーリカ「トゥルーデ、海に落っこちたんだよ?」

ゲルト「わ、私が? まさか……」

ミーナ「……魔法力を完全に使い果たしたのよ。覚えていないの?」

ゲルト「ば、馬鹿な…! 私がそんな初歩的なミスを……」

坂本「…大尉のせいじゃない。おそらく問題は……あのジェットストライカーにある」

私「問題がある、ってレベルじゃないわ。……問題しか無いわよ、今のままじゃ」

テッコテッコテッコ…

私「あ、お父さん。……どうだった?」

父「……見てきたが、構造に随分と無理がある。あれでは魔法力を吸い過ぎるぞ」

ゲルト「……試作機に問題は付き物だ。…あのストライカーは素晴らしい。実戦配備するために…まだまだテストを……!」

ミーナ「駄目よ。あなたの身を危険にさらすわけにはいかないわ。…バルクホルン大尉!
あなたには当分の間、飛行禁止と自室待機を命じます!」

ゲルト「…! そんな、ミーナ!」

ミーナ「……これは命令です」

ゲルト「……了解した……」

ミーナ「それと、現時点をもって、ジェットストライカーの使用を禁止します!」

私(……"使用"は、ね)



――翌日、バルクホルン自室――

ゲルト「……ふっ! ……ふっ!」ギシッギシッ

私(…おお……脇が……脇が!)ハァハァ

ゲルト「…………」(気のせいか? 何やら視線が……)

私(あ、汗でじっとり……いいわーいいわー! 胸も! 胸も揺れて! 
何!? 何なのアレ!? 下着で懸垂とか! 下着で懸垂とか!)ハァハァ

ガラガラガラ…

宮藤「!? ば、バルクホルンさん?」

リーネ「何してるんですか?」

ゲルト「? ああ、お前たちか……トレーニングだ。私が落ちたのは……ジェットストライカーの為ではない。
私の力が……足りなかったからだ」

宮藤「ええっ!? またあれで飛ぶつもりなんですか!?」

私(!! ず、ズボンが! ズボンが下がって! ああ……引き締まってる! 是非とも…是非ともペロペロ……)ジュペロ

シャーリー「……無駄だ。諦めろ」

リーネ「! シャーリーさん!」

ゲルト「……何をしに来た。私を笑いに来たのか? リベリアン」

シャーリー「いや、私のやつを探しに」

宮藤「へ? 私さん?」

私(! しまった、シャーリーか! くそっ! 何とかバレずに……)ゴソッ…

エーリカ「…あれ? 私じゃん。何してんの? 私の部屋で」

ゲルト「!!?」

私「!?? ば、馬鹿な! カモフラ率は80%だったのに! ……あっ!」 

シャーリー「……やっぱりそこにいたか、私!」

ゲルト「わ、私!? な、なぜハルトマンのゴミの中に埋まって…!?」

私「ああっ! しまった! ……くそっ! なんで私を?」

シャーリー「お父さんに頼まれたんだ。『アイツは放っておくとロクな事をしないから、よければいっつも見張ってやってくれ』って」

私「全く、余計な事を……私だってね、別に隙あらばペロペロしようと機会を窺ってたわけじゃないのよ。
いや、できるならペロペロしたいけど。いやむしろさせて下さいお願いします」

シャーリー「本心出てるぞー」

私「はっ! ま、まぁとにかく! 私はね……"取り引き"に来たのよ」

ゲルト「取り引き……だと?」

私「そう。バルクホルン? ……ジェットストライカー、直してあげてもいいわよ」

ゲルト「!?」

シャーリー「な、直す!? だ、だって……」

私「ま、直すって言っても、ほんのちょっと細工をするだけだけどね」

ゲルト「! ふ、ふざけるな! …あれは…あのジェットストライカーは……我が祖国の技術の、血と汗の結晶だ!
それをお前は何と言った…? 一日も早く戦争を終わらせようとする人々の努力を……お前はポンコツ呼ばわりしたんだぞ!」

私「!」

ゲルト「…何を言われようが……お前のような奴に、あの傑作を触らせはしない!」

シャーリー「……じゃあ、その傑作とやらで命を落としてもいいのかよ!?」

ゲルト「……私は、もっと強くならねばならないんだ! 祖国を…世界を! 奴らから取り戻すために……!」

シャーリー「……この分からず屋! お前が…お前が死んだら、クリスちゃんは!」

ゲルト「……ッ!」

私「……ねえ、バルクホルン」

ゲルト「……何だ……どっちにしろ、私は今は乗れない。お前がどう改造しようと……」

私「…言い方を間違ったわ。直すんじゃない…"強化"するのよ。
……忘れてた。どんな技術も…最初は必ず、誰かの思いから始まるんだ、って……。
…そ、その……悪かったわよ。ポンコツだなんて言って……」

ゲルト「…………」

私「約束するわ。あなたも、世界も…一緒に守れるような物を作る、って。
私は…できれば…死んでほしくない。悲しんでほしくないのよ。あなたにも、あなたの国のウィッチや女性にも……
……そして、あなたの妹さんにも。だって………………」

ゲルト「………………」









私「………………ペロペ」

ゲルト「結局それかっ!!」

シャーリー「……はぁ……」(なんで肝心な所でイマイチ決まらないんだろ)

私「……まぁ、そんな訳で……どうかしら?」

シャーリー「何が"そんな訳"だっ!」

私「謹慎破って出撃しても大丈夫なぐらいには……してみせるわよ」

ゲルト「……具体的に、どうなるんだ」

シャーリー「!?」

宮藤「ば、バルクホルンさん、それじゃあ…!」

ゲルト「……動機は不純だ…。不純すぎる。だが……
そいつは、悲しんでほしくないと言った。……軍人なら…その意に添わない理由は無い!」

私「グウッドォ! ありがと、バルクホルン! あんた最高の軍人よ!
……いい、今回の事件の原因は、あのストライカーがあなたの魔力を吸いすぎたことにあるわ。
だから…魔導エンジンに特殊なフィルターを掛けて、魔力の吸収量を約30%抑える」

ゲルト「30%!? そんなに減っては……」

私「ご心配なく! 残りはジェットパックへ特殊燃料を直接流し込んで補うわ。エーテル水に非対称ジメチルヒドラジンと
テトラニトロキシドを合成した、特別製のね」

シャーリー「!! そ、そんな危ないもんまで作ってたのかよ!」

私「エーテル水がいい安定剤になってくれたわ。
……ただ、燃料タンクは外付けだから、そこまで多い量を乗せられるわけでもないの。エンジンの暴走を抑えて飛べるのは…せいぜい10分、ってとこね」

ゲルト「…つまり、10分以内にネウロイを掃討しなければならないというわけだな?」

私「そ。……やっぱ無理?」

ゲルト「…ふっ、憎い聞き方だ…。……『無理だ』などと言うと思ったか!」

私「オッケー! ……じゃ、払ってくれるわね?」

ゲルト「……は? な、何の事だ?」

私「何って…報酬よ、報酬! …まさか、私がタダでやると思った?」

ゲルト「な……! ふ、ふざけるな! 謝る代わりにタダでやるとか…そういう流れだろうが、普通は!」

私「んなわけないでしょー? 『世の中やっぱりギブ&テイク』!
……まあ、別に払ってくれなくてもいいのよ? 私が強化をしないだけだし。
どっちにしろ、しばらくは飛行禁止なんでしょ? ……まあ、無理に払う事は無いわよねー」

ゲルト「……くそっ、分かった、分かったよ。払おう……。金だな? 金だったら……」 

私「ああ、現金だったら…そうね、丁度あなたの年収ぐらい」

ゲルト「!!?」

シャーリー「わ、私! 流石に今回ばかりは…!」

私「何よー、いつも言ってるでしょ、研究には金がかかるんだって…。
ま、一文も払わなくていい選択肢もあるんだけどね。例えば……
そう、脇とか…脇とか。あ、あと脇もあったわね」ジュペロ

ゲルト「!! わ、わ、わ、脇だとおおおおっ!?」

私「どう? その瑞々しい脇のペロペロたったの5分。それだけであなたもハッピー、わたしもうれピー。
あ、ちなみに指なら6時間。腕は4時間。フトモモは20分ね」

ゲルト「くっ……!」(…どうする! こいつは…この変態は! 技術だけは本物だ……しかし……!)

私「……あ、それとうなじは10分。胸なら2分。×××は――」

シャーリー「わ、わ―――っ!! ストップ! ストップ!!」

ゲルト(年収を払えば…確かにプライドは守れる。だが…クリスの入院費もあるんだぞ…!
だからと言って、脇をペロペロさせてしまうのは……ッ! 何か…何か大事な物を失ってしまうような気がする!)

私「……あ、そうだ、別にあなたに払ってもらわなくても……」

ゲルト(妹か尊厳か妹か尊厳か妹か尊厳か妹か尊厳か妹か尊厳か妹か尊厳か妹か尊厳か妹か尊厳か)ギリリ…ッ





私「……妹さん、クリスちゃん、っていうんだって?
…………ふふ、可愛い名前ねぇ……」ジュペロッ!





ゲルト()



ゲルト(…い……い……い……)



ゲルト(……妹ッッ!!!!)



ゲルト「うおおおおおおおおおおおおおおおおクリスうううううううううううううううううう!!!!!!
安心しろおおおおおおおお!! お姉ちゃんが守ってやるからなあああああああああああああ!!!」ドゴオオオン!

私「あ、じゃペロペロしても……」

ゲルト「いいか! クリスには…クリスには! 指一本触れさせんぞ!
さあ! 好きにしろ! 脇だったな、いいだろう! とっととペロペロしろ!」

シャーリー「そ……そこまでやるか……」

私(……やっぱり、妹さんの事で攻めるのが得策みたいね)

私「さーて、じゃあそういうことなら……早速!」ワキワキ

ゲルト「あ、ああ……」

私「……あ、じゃあシャーリー達は…悪いけど外に出てもらえる?」

シャーリー「えっ? あ、ああ……」

私「…あ、もしかして……混ざりたい?」

ゲルト「!?」

シャーリー「なっ! そ、そんな訳ないだろ! ……私!」

私「ん?」

シャーリー「そ、その……あんま迷惑かけるなよ! ほ、ほら! 行くぞ宮藤、リーネ!」

宮藤「へ? あ、はい!」

ギィ…バタン!

私「……『迷惑掛けるなよ』…ですって。…何だ、意外と心配してくれてるのね?」

ゲルト「……シャーリー……」 

私「……さて、では気を取り直して……大丈夫よ、天井のシミを数える間に……」

ゲルト「……あ、そ、その…なんだ、私……」

私「? どしたの?」

ゲルト「あー…っとだな……その、こういうことは……初めてなんだ…。だから……その……




…………や、やさしく…してくれ……」カァァァッ








私(……その瞬間、私の理性は500万光年の彼方へ吹っ飛んだ) 


――扉の外――

シャーリー「……あ、ハルトマン忘れてた」

宮藤&リーネ「えっ!!?」


――5分後――

ガチャッ…

宮藤「!」
リーネ「!!」
シャーリー「!!!」

私「!……なによもう、聞いてたのー?」

シャーリー「お、終わったのか?」

私「きっちり5分。……いやー、一生の思い出になったわ。こう……ちょっと舌を動かす度に甘ーく……
あ! そうだ、とっとと取り掛からないと!」ダッ!

シャーリー「あ、お、おい私!?」

リーネ「……い、行っちゃいましたね」

ゲルト「……み、宮藤……」ヨロッ

宮藤「! ば、バルクホルンさん!」

ゲルト「……クリス……宮藤……こんなになっても……お姉ちゃんはな……お前達を……」

シャーリー「い……いったい何が……?」

エーリカ(す……すごい…あ、あれが本物の……)ドキドキ



――ハンガー――

父「……でな、理想としては…看護婦さんだな、やっぱり……。こう……優しく包み込んでくれるような……」

整備兵1「おお……通ですね」

整備兵2「さすが私教授の御父上なだけあるっスねー」

私「お父さん! 仕事よ、手伝って!」

整備兵1「あ、私教授。どうも」

父「ん? 何だ、私か。珍しいな。お前がそんな仕事熱心になるとは」

私「ま、報酬たっぷり貰っちゃったしね。バルクホルンから」

整備兵2「!! お、おい! 聞いたか!」

整備兵3「ああ……ついにバルクホルン大尉までも毒牙に……!!
あの人の欲望は底無しか……!?」

私「素晴らしかったわ……普段しっかりしてる人が、こう、どんどん乱れていくってのは……!
『う…ああっ、わ、私ぃ…! や、優しくしろと…言ったじゃ…ああっ!』
『ふふ…すっごく……すっごく可愛いわ…大尉…。もっと…もっと可愛くしてあげるわね……』レロロッ
『ふああっ! や、やめろ…そ、そこは…んんっ! あぁぁん…!』」

整備兵2「おお……! おお……!」

私「はい、お終い。続きが聞きたかったら5万円ねー」

整備兵3「くそーっ! またその手口ですか!」

私「安いもんでしょー? あ、そうだ、お父さん、ジェットストライカーは?」

父「……お前のすぐ横だ」

私「あらほんと。気付かなかったわ」

整備兵1「いいんですか? それいじっても……中佐に許可が……」

私「大丈夫大丈夫。使用は禁止されてても……整備までは禁止してなかったしね。
……それっ、『分解』!」

パキャアアアン!

整備兵2「うおっ! …く、鎖が一瞬で……」

整備兵1「あの技術の全ての原動力がペロペロってのも凄い話だよな」

私「さーて……ちゃっちゃと片付けますか」

整備兵3「そんな簡単に出来るもんなんですか?」

私「私だけだったら、5時間はかかるかも知れないわね。でも……お父さん!」

父「……ああ。魔力の伝達経路でいいな?」

私「ええ。お願い!」

父「…正直アレ苦手なんだが……致し方あるまい!」ペタッ!

整備兵2「? どうしたんです、お父さん。ジェットストライカーにお手なんかして……」

キュイイイイイイイイイン!!!

整備兵1「……? 私教授、お父さんは…何を?」

私「お父さんの特殊機能というか……まあ、固有魔法みたいなものよ。
機械に直接接触することで、電気回路、熱量の分布、そして魔導エンジンの魔素伝達経路……そーいうのが全部分かっちゃうんだって。
……まあ、私もお母さんに聞いた話だから、詳しくは分からないんだけど……」

整備兵3「す……すげえ……」

私「ええ……科学者にとってこれほど便利な能力も無いわ。……でも……」

父「……ゼハー…お…終わったぞ……ゼハー……」

私「一回使うとすっかり回路がバテちゃうのよね、これが……」

父「わ、私……い、いいか? ……これから…言う…4つの…場所に……」ゼハー

私「ああ分かってる分かってる! はい! どこ?」パカッ

父「ま……まずは…な……」


――10分後――

私「……よし、これで……最後!」カチッ!

整備兵2「ひゃー……あんな複雑そうなのを……」

整備兵1「同じ人間とは思えねえな……」

私「…………」

父「よ、よし、できたか……」

私「まーね。魔素フィルター、特殊エーテル液体燃料タンク…。問題は無いわ。一つも、ね」

父「しかし……ここまで急ぐ必要があったのか? 別に今日、あの大尉が出撃するわけでも……」

私「……どうかしらね、案外、規則を破って飛び出していっちゃうかもよ?」

整備兵3「あのバルクホルン大尉がですか? そんなまさか……」

私「ま、『備えあれば嬉しいな』ってね」

父「……『憂いなし』じゃなかったか?」

私「……わざとよ、わざと」

ウウウウウウゥゥゥゥゥゥ――――ッ!!!!

父「! この警報は!?」

私「…お出ましの合図よ。あの黒野郎どものね」

坂本「私!!」

私「……来たわね。準備は完了してるわよ!」

坂本「助かる! …よし、行くぞ!」

ペリーヌ「はい!」

エーリカ「…………」(それにしても…トゥルーデ、あんな声も出るんだ……)

私「? どしたの、エーリカちゃん?」

エーリカ「!!? う、ううん! なんでもない! じゃ、行ってきまーすっ!」 
(…ずっと聞いてたって言ったら……やっぱり怒るかな)

私「……?」



――地中海上空――

ミーナ『目標は、ローマ方面に南下中! ただし、徐々に加速している模様!』

坂本「こちらも捕捉した! これより… !? 
な、分裂した!?」

エーリカ「5対5か……ちょうどいいじゃん」

坂本「……よし、各自散開、各個撃破! ここから先に行かせるな!」

全員「了解!!」


坂本「……シャーリー!」

シャーリー「ん? どうした、少佐?」

坂本「コアのある本体は、あの真ん中のやつだ。かなり速い……!」

シャーリー「……ラジャー、任せとけって!」

坂本「頼んだぞ!」ブゥゥ――ン!!

シャーリー「よーし……一丁派手に行くか! それっ、ツマミ上っ!」カチッ!

≪アクセル!≫

シャーリー「行くぞおおおおっ!!」バシュウウウウン!!


ネウロイ「」キィィィィィン!!

シャーリー「あいつだな……それっ!」ダダダダダッ!!

ネウロイ「」ヒュン! ヒュン!

シャーリー「なっ!」

ネウロイ「」バシュウゥゥゥゥゥゥゥッ!!

シャーリー「うわああっ! く、くそっ! アクセルでも足りないのか!」 

ネウロイ「」ゴォォォォォォォッ!!!!

シャーリー「くそっ、まだだ! まだ……終わるもんか!」



――同時刻・501基地、バルクホルン自室――

シャーリー『くそっ、まだだ! まだ……終わるもんか!』

バルクホルン(シャーリー……)

バルクホルン(……くそっ! 私は…私は……っ!)

『エンジンの暴走を抑えて飛べるのは…せいぜい10分、ってとこね』

バルクホルン(……10分、か……)

バルクホルン(…済まないな、ミーナ……私は…やはり……
飛ばずにはいられない)

バルクホルン(……ふふ、クリス……驚くだろうな……)

バルクホルン(……私は今から……自分の意志で……



…………初めて命令違反をするぞっ!)



――ハンガー――

宮藤「シャーリーさんたち、大丈夫かな……」

リーネ「うん……。……あれ? …!」

宮藤「? どうしたの、リーネちゃ…… !」

バルクホルン「……はぁ……はぁ……」

宮藤「ば、バルクホルンさん!」

バルクホルン「…増援、だったな」

リーネ「え!? あ、はい」

バルクホルン「……お前達のスピードでは間に合わん。…私が行く!」

宮藤「そ、そんな! やめてください、そんな体で! み、ミーナ中佐を――」

パッ!

宮藤「!? い、インカムが……」

私「……行かせたげてよ、芳佳ちゃん」

リーネ「わ、私さん!?」

私「……いい、10分よ。それが、あなたが意識を失わずに帰還できるタイムリミット。ネウロイを倒したら……すぐに誰かに支えてもらって、そのストライカーを外して。排出装置は内股のところにあるわ」

ゲルト「ああ…分かった。……その、私……」

私「……どうしたの?」

ゲルト「……こちらこそ、済まなかった。お前を馬鹿にして……」

私「…それは、全部終わってからゆっくりと聞かせてもらうわ。…そう、例えばベッドの上とかでね」

ゲルト「!! お、お前という奴は……っ!」カァァァッ

私「おーおー、怖い怖い! ……さ、早く行きなさい。愛しのシャーロットが待ってるわよ」

ゲルト「……ふっ、全く……つくづく参るよ、お前には。

…………ゲルトルート・バルクホルン! …発進する!!」

コォォォォォォォォォ…
ドゴホォォォォォォォォォォォォォン!!!!!

リーネ「い……行っちゃった……」

宮藤「…でも……どうしてだろ? バルクホルンさん、シャーリーさんとは……」

私「……さーて、何でかしらね」フフッ

父「案外、目に見える物だけじゃないんだ。……友情というやつは」

宮藤「?」



――地中海上空――

坂本「……よし、こちらは撃墜完了! 残りは!?」

ペリーヌ「あとはシャーリーさんの分だけですわ!」


ネウロイ「」キィィィィン!

シャーリー「…よし、捉えた! くらえっ!!」

…ガチッ!

シャーリー「! な、ジャムった!?」

ネウロイ「」バシュウ! バシュウ!

シャーリー「……くそっ! 万事休すか…!」




ダゴォォォォォォォン!!!


ネウロイ「」ベキョッ!!
パキッ…パキッ!
パキィィィィィィィン!!

シャーリー「!? な、何だ!?」

ゲルト「うおおおおおおおおっ!!」ダダダダダッ!!

ネウロイ「」バギョッ! メギョッ!!
パキィィィィィィィィン!!

シャーリー「ば、バルクホルン! な、なんで……」

ゲルト「……ふん! 不甲斐ない部下の面倒を見るのも、上司の務めだからな」ゴォォォォォ…!

シャーリー「な、なにぃ!? ……ん? おい、どこ行くんだ」キィィィィィン!

ゲルト「……はぁ…はぁ……くそっ、少々暴れすぎたな……加速が……」ゴオオオオッ!!

シャーリー「! お、おい! バルクホルン!」

ゲルト(排出スイッチを……くっ! 手が……動かん……!)

シャーリー「ま、待て! バルクホルン!! ……くそっ! 間に合ええええっ!」キィィィィィン!!

ゴオッ……キィィィィィィィィィィン!!!

ドゴォォォ――――――――ン!!!!


エーリカ「! あ、あの音は……」

坂本「……『音の壁』か」

宮藤「坂本さぁーん!」ブウゥゥン!!

坂本「宮藤! 来てくれたか」

リーネ「少佐、ネウロイは!?」

坂本「ああ、バルクホルンがやってくれた! だが…どうも問題発生らしい…!」

宮藤「!! しゃ、シャーリーさんは!?」

坂本「バルクホルンを止めに……ほら、あそこだ!」


シャーリー(……く、くそっ! …届け……届け!)

キイィィ―――――ン!!

シャーリー(! 届いたっ!)
「おい、バルクホルン! 大丈夫か!?」

ゲルト「……し、シャーリー……無事か?」

シャーリー「! あ、ああ! 待ってろ、今排出スイッチを……」

ゲルト「……ふふ…不甲斐ないのは……私も、か。
……なあ、シャーリー……」

シャーリー「あ、あれ……どこだ、スイッチ…? くそ、聞いておけば……!」

ゲルト「……全く……凄い奴だよ。私の奴も……そして…お前も」

シャーリー「……! ば、バルクホルン!」

ゲルト「……すまん、手が…動きそうにないんだ。内ももに……スイッチがある。それを……」

シャーリー「あ、ああ! 待ってろ! ……
……なあ、バルクホルン……」

ゲルト「……どうした? 早く……」

シャーリー「…その…ありがとう。助けてくれて、さ……。すごいよ、お前も……」

ゲルト「……ああ。……ありがとう。シャーリー……」


ミーナ『少佐! トゥルーデ達に連絡は!?』

坂本「ああ、インカムは繋がっているようだ。今…… ?」

私『? どうしたんです?』

坂本「いや、何か揉めているらしい。聞いてみろ」

私『? どしたのかしら……
ハーイお2人さん、どう? うまくいった――』


シャーリー『え、えーと…ここか?』プニッ

ゲルト『な! ち、違うだろうが! どこを触っている! もっと下だ!』

シャーリー『しょうがないだろ! ただでさえ見にくいんだから……えーっと、うわっ!』プニュン

ゲルト『!! なっ、なっ、なっ!! し、シャーリー! そこは……そこは!』

シャーリー『わ、わーっ! ふ、不可抗力だって! いきなり風が!』クイッ

ゲルト『んぁっ…! こ、このぉ…っ! ゆ、指を動かすな! 馬鹿者が……っ!』

シャーリー『へ、変な声出すなって! ちくしょう! なんでこんな押しにくいとこに……!』



私『…………ごめん。お邪魔したみたいね』プツッ

エーリカ「……えっ、えっ! こ、これって……」カァァァッ

坂本「触るだの触らないだの……何の話だろうな?」

ルッキーニ「うん。どーしたのかな、ミーナ?」

ミーナ『えっ! わ、私!? え……あ、そ、その……ねえ? ペリーヌさん』カァァッ

ペリーヌ「え!? え、え……」(……まさか、あの2人が……)

宮藤「も、揉めているってそういう……!?」カァァッ

リーネ(……いいなぁ…私も……芳佳ちゃんと……)

ゲルト『まったく! お前と言う奴はぁぁぁぁっ!』

シャーリー『なにをーっ! この堅物やろおおおおっ!』




――こうして、501を震撼させた、ジェットストライカー事件は幕を閉じた。

――この後、私教授は無断改造をしたことについて、ミーナ隊長からこってりとお説教。本来ならもっと重い罰であるが、
結果的にネウロイを撃退することができた事なども加味し、3日間の自室謹慎・ペロペロ禁止を言い渡される。

私「あァァァんまりだァァァ――――ッッ!!」

――また、バルクホルン、シャーリーの両名は、妙に暖かい目の隊員たちが見守る中、無事に帰還。


……その日の夜はどういうわけか、宮藤がお赤飯を炊いたという。
最終更新:2013年02月07日 14:22