前回までのあらすじ!
ペロペロ大好き変態教授・私の、501でのハイパーな日々は続いていく……。
シールドを張れないエイラに、試作品のシールド展開装置を貸し出す私。
喜ぶエイラだったが、自身の怠慢をサーニャに咎められ、気まずい関係となってしまうのだった…。
サーニャ「私…そんなのに頼るエイラなんかに守って欲しくない……!」
エイラ「……二回も…投げる事ないじゃないか……」
――私自室・研究室――
私「……おーし、できた! 『火炎放射機用音声AI・ロケットブースター装着用』!」
私「まあ、既存の音声を小型記憶板に移植するだけだったから、そう苦労はしなかったけど……きちんと鳴るかな?」カチッ
≪…怒りだ! 生きることへの憤怒だ!!≫
私「お、鳴る鳴る。成功ーっと」
私「名前は……そうね、『Flight Unit-RocketrY ver.』、『飛行ユニット・ロケットバージョン』から取って、
『FURY』<フューリー>というのはどうかな!? フハハハハ……!!」
コンコン
私「!! …誰よもう…せっかく盛り上がってる所に……はーい、開いてるわよー」
ガチャッ…
エイラ「……わ、私……」
私「あら、エイラちゃん。どしたの?」
エイラ「そ、その……返しに来たんだ。もう…使わないだろうからさ……」ドサッ
私「……サーニャちゃんに何か言われたわね?」
エイラ「……こんな…こんなのに頼るなら……ま、守って欲しくないって……! うわぁぁぁぁん……」
私「あーよしよし……」ギューッ
エイラ「うぁぁぁぁぁん…! 私ぃ……!!」グスッエグッ
私(おほぁァ――ッ! 髪! 髪がいいにおい!! ああ…なんか全体的にフワフワして…いかん……抑えろ私……!)
――数分後――
私「……落ち着いた?」
エイラ「……ああ……」
私「……100億円」
エイラ「……?」
私「あのシールド展開機のレンタル料よ」
エイラ「!!? な、な、ななななな……!!」
私「……なによー、それで人が助かるんなら安いもんでしょ? …ま、今回は未使用だったし、特別に割愛したげるけど……」
エイラ「…つ、使ってたら…請求するつもりだったのか……?」
私「……まーね。…それにしても……なんだってサーニャちゃんに見せびらかしちゃったのよ?
『ただのランドセルなんダナ』なんて言い張ってればさ、喧嘩なんてしなくて済んだのに」
エイラ「……ああ。その通りだナ……」
私「……特訓、続けるの?」
エイラ「……私は…サーニャを守っていたいんだ…。そして…いつもサーニャのそばに居たい…。
だから…サーニャの横に他の誰かがいると思うと……。…子供っぽいのは分かってる。でも……でも……」
私「……エイラちゃん」
エイラ「なんだ……?」
私「エイラちゃんは……サーニャちゃんが好き?」
エイラ「当たり前だ! 世界中の誰よりも!」
私「サーニャちゃんが幸せなら、自分はどうなってもいい?」
エイラ「え……?」
私「サーニャちゃんを守るためなら……死すら厭わない? ……サーニャちゃんのために…命を枯らす覚悟が、あなたにはある……?」
エイラ「わ、私……ど、どういう……?」
私「……これを見て」カチャッ
エイラ「…? 何だ? 腕時計…?」
私「シールド展開機の小型版よ。……これなら、大気圏外に持って行っても、サーニャちゃんには気付かれないわね」
エイラ「!? な、なんで先にこれを出してくれなかったんだヨ! おかげで……!」
私「まあ聞きなさい…。そりゃあね、私もそれを最初に出そうとは思ったわよ。
……それがとんでもない欠陥品じゃなかったらね……」
エイラ「……!?」
私「これは……さっきの大型シールド展開機の開発中に…副産物として出来たものなの。
使い方は簡単。ここ…時計で言うと文字盤にあたる部分のボタン。これを押すだけ。本物と比べても遜色ないシールドが形成されるわ。
……ただ、大きな欠点が1つあるの」
エイラ「ど、どんな……?」
私「ただでさえ無理のある構造のシールド展開機をここまで小型にしたんだから、使用者には凄まじい反動が来るわ。
……この機械の動力源は、人間の意志――つまりは、脳よ」
エイラ「の、脳!?」
私「そもそも、魔力という物の源は、ある種のイマジネーション――人の意志、覚悟なの。守りたい物を強く、ひたすら強く心に思い浮かべることで、この機械は
作動するわ。……それも、ただ守るんじゃない、自分を犠牲にしてでも守りたい、というぐらいじゃなきゃ」
エイラ「……で、は、反動って……?」
私「……守りたい物に明確なビジョンがなかったり、中途半端な覚悟だったり……その程度の意志でこの機械を使った場合……、
魔力の流れをコントロールできなくなって、魔力が一気に脳に逆流するわ。…最悪の場合、脳機能が停止する…!」
エイラ「!? じゃ、じゃあ…死ぬかも知れないってことか!?」
私「……あなたが本当にサーニャちゃんを愛して……彼女に全て、本当に全てを捧げてもいいと思っているなら……、
死ぬことはないかもね、少なくとも……」
エイラ「……さ…サーニャ…………」ガクガク
私「……それ、あげるわ。料金は結構よ。もともと欠陥品だしね」
エイラ「…………」
私「……よく考えなさいな。別に使わなくたって、作戦に支障が出るわけでもないんでしょう?
……でも、心の底からサーニャちゃんを守りたいなら……もしかしたら、力を貸してくれるかも、ね」
エイラ「…………ああ、じゃあな…」タッタッタッ…
ギィッ…バタン!
私「……愛と死を見つめて、か」
私「……うらやましいな…そこまで愛せる人がいる、って……」
――夜、池――
サーニャ「…………」プカプカ
サーニャ(……エイラ……)
サーニャ(……私……酷い事……)
エーリカ「サぁ――――ニャぁ―――――――ん!!!」ドッパァーン!!
サーニャ「!!?」
エーリカ「い、いったぁ……」ヒリヒリ
サーニャ「は、ハルトマンさん……?」
エーリカ「あっはは、そんなことがあったんだ」
サーニャ「笑い事じゃありません……」
エーリカ「……で、サーニャんはどうしたいんだい?」
サーニャ「っ……それは……」
エーリカ「任務じゃ仕方ない、か……」
サーニャ「…………」
エーリカ「……なんなら、相談してみる?」
サーニャ「えっ?」
エーリカ「ちょうど相談に乗ってくれそうなのがいるし。……ねー、私?」
私「!!? ば、馬鹿な! ステルス迷彩が見破られるとは……!」ブォン!
サーニャ「!? わ、私さん!?」
エーリカ「景色が微妙に歪んでたからねー」
私「そ、それだけで……さすがは世界のエース、格が違う……」
サーニャ「私さん、どうしてここに……?」
私「そりゃーデバガ……あ、いや、そう! 散歩よ、散歩! 夜の! あっるっこー、あっるっこー!」
エーリカ「散歩ってステルス迷彩付けてやるもんなの?」
私「ぐっ……」
エーリカ「…ま、いいか。そう言えば、ペロペロしてもらうのもまだだったしね」
私「! うへへ……いいのぉ? いいのぉ……?」ジュペロッ
(一糸纏わぬ裸体一糸纏わぬ裸体一糸纏わぬ裸体キャホオオオオゥ!!!)
エーリカ「…でも、サーニャんの相談が終わってから、ね」
私「えーそんな殺生なぁー」(は……生えてない……)
エーリカ「サーニャんの教育に悪いでしょ?」
私「…まあ、そりゃそうかもしれないけど……」
(…待てよ…見せつけるのもそれはそれで……)ジュペロ
サーニャ「あ、あの…私さん……!」
私「ん?」
サーニャ「その……エイラ、どんな様子でした…?」
私「エイラちゃん? ああ……、
……悩んでたわよ。どうしたらいいんだ、って」
サーニャ「……そう、ですか…」
私「ああ…それから、あのシールド展開機、返しに来たわ。もう使わないから、だって」
サーニャ「…………」
エーリカ「どうするつもりなのかな、エイラのやつ」
私「……さあて、ね。なんとかして頑張るんじゃない? 自分の力で」
エーリカ「……ふーん」(…何か隠してるな)
サーニャ「……エイラ……」
私「……エイラちゃんの事、好き?」
サーニャ「…嫌いなわけ、ありません。エイラは…いつも優しいし…、いっつも……私の事を第一に考えてくれて……。
……そ、その…私だって、エイラの事……だ……大好きですっ…」カァァッ
エーリカ(なにこれキュンとした)
私(やばいこれやばい抱き締めたい)
「……そっか。……なら…ベタな励ましだけど……信じてみたら?」
サーニャ「え?」
私「エイラちゃんが本当にサーニャちゃんを大事に思ってるなら……きっと、その…何とかなるわよ。
だから…エイラちゃんが何をしようとも、何を言おうとも……受け止めてあげて」
サーニャ「!…私さん…もしかしてエイラと何か……」
私「…なーんにも。ただちょっと……応援したくなっちゃった、それだけよ」
エーリカ「…………」
サーニャ「……私さん……」
私「…ん?」
サーニャ「その…ありがとうございます。相談に乗ってくれて……」
私「……いいのよ。別に…大したことはしちゃいないわ」
私「……月がよく見えるわね、今夜は……」
父「つっきがァ~でったでったぁ~、つっきが~あぁ出ぇ~たヨーイヨイ」ルンルン
私「…………空気読めやクソ親父」
エーリカ「あれ? お父さん?」
サーニャ「今お帰りですか?」
父「ああ、思ったより買い物が長引いてな。あ! そうだ聞いてくれ! アレッシアさんがな、何と俺の服まで――」
私「どりゃぁぁぁぁぁぁっ!!」ドギャァァッ!!
父「うごぉぉぉぉっ!!?!?」ドッパーン!!
エーリカ「あ、池に……」
父「がぼっ! ごばっ…! わ…わた……ふ、ふざけん……!! あぼごっ!」ゴボゴボ
私「テメーがふざけんなこのドサンピンがァ!! テメーがルンルン気分でお出かけと洒落こみやがったおかげでなァ!!
こちとら全部マニュファクチャァよ!! 一言言ってから出かけやがれこのノータリン駄犬がァ!!」
父「がばっ…! そ…それ…はすまなぼごっ! ……し! 沈む!しずむがばなごぼっ……」ゴボゴボ
私「……大丈夫よ。この前防水加工はしておいたからね。…底でずっと炭坑節歌ってなさい。朝には引き上げてあげるから」
父「!!? あ……あんまりだばごぼっ……!!」ブクブクブク…
サーニャ「わ、私さん…! 可哀想ですよ、助けてあげてください…!」
私「ケジメよケジメ。いくらサーニャちゃんの頼みとあってもこれだけはね。……それに、私泳げないし。
大丈夫よ。
ロボットは溺れないわ。泳げないだけでね」
エーリカ(けじめ…? ああ、扶桑のヤクザの……)
サーニャ「……あ、本当だ。池の底歩いてる……」
父(つ……冷てえ……水も娘も……あまりにも冷てえ……)
――そして…作戦決行の日、ハンガー――
バルクホルン「……」ズーン
私「…? どーしたのよ2人して。葬式みたいな顔になって…」
シャーリー「いや……ジンジャーティーがまずくって……」
バルクホルン「流石にあれは……」
私「へーえ。…ま、私お茶ってよく分かんないけど」
バルクホルン「あまり飲まないのか?」
私「まあね」
シャーリー「…あ、そうだ私、AI付けるとか何とか言ってたけど、どうなったんだ?」
私「…フフフフフ……5機全部にバッチリ付けさせてもらったわ! …まあ、ぶっちゃけ何の役にも立たないんだけど……」
シャーリー「なーんだ、ただ喋るだけか」
バルクホルン「おおよそ実用的とは言い難いな……」
私「まあ聞いてみなさいって。燃えるわよー、このボイス。それっ」カチッ
≪私は宇宙からの帰還者…! 地上に戻るとき、灼熱の世界を見た!!≫
シャーリー「!?」
バルクホルン「!?」
≪そこで見出したものは何だと思う! …怒りだ!!
お前にもあの灼熱のブラックアウトを感じさせてやろう!!≫
シャーリー「……」
ゲルト「……」
≪3! 2! 1! …イグニッション・ファイヤァァ―――――ッ!!≫
私「いやー、丁度いいのが残っててよかったわ。もともとは火炎放射機用の音声なんだけど……」
シャーリー「…例に洩れず、これも誰かに収録してもらったのか?」
私「ええ。数年前にね。オラーシャ人だったわ。宇宙に行ったことがあるんだって。
なんか"撃て"とか書かれたヘルメット被ってる、危ない人だったけど……」
ゲルト「……あ、ああ……その…すまん、外してくれ……」
私「!!? ええーっ、どーしてよ!?」
≪地獄の灼熱が、私を浄化してくれる!!≫
ゲルト「いや……その、なんか縁起が……」
シャーリー「……ああ、これは……」
私「?」
私「……というわけで、不本意ながら……FURYは外されることになりました」
整備兵2「ロケットで燃えるとかシャレにならんもんな」
私「……ジョーク通じないわねー、軍人ってのは……」
父「ジョークのつもりだったのか?」ブルブル
私「あら、お父さん。なんか寒そうね」
父「誰かさんに池に放り込まれたからな。感覚器官がどうも鈍くなった」
私「そりゃよかった。そのうち寒さも感じなくなるわよ」シレッ
父「ったく、ああ言えばこう言う……!」
私「何とでも言いなさいって」
整備兵3「……あ、そろそろ発射みたいですよ」
整備兵達「みなさーん! ご武運をー! 頑張ってくださいねー!」
宮藤「! ありがとうございまーす! 必ずやっつけてきますからねー!!」
ミーナ「私さーん! 整備兵のみなさーん! 調整、ありがとうございました!」
私「気にしないでください、中佐ぁー! これも仕事のうちですからー!」
ミーナ(…明日が給料日だからご機嫌ね……)
「ふふ、ありがとう!」
私「…さて……エイラちゃーん!!」
エイラ「? な、何だー?」
私「……後悔だけは、しないようにね」
エイラ「!!」
サーニャ「……?」
私「……おっと、そろそろね」
ミーナ「10!」
坂本「9!」
ゲルト「8!」
シャーリー「7…!」
エーリカ「6!」
ルッキーニ「5ぉ!」
リーネ「4…」
ペリーヌ「3!」
エイラ「2……」
宮藤「1!」
サーニャ「……!」
バギュウウウウウウウウウウウウウン……!!!!!
整備兵1「おお……!」
整備兵2「よっしゃああ! 行けええっ!!」
私(……さて……)
私(見せてもらうわよ……エイラちゃん?)
――高度20000メートル――
ペリーヌ「…! 時間ですわ!」ガシャン!!
リーネ「はい!」ガシャン!!
ルッキーニ「行っといで、芳佳、サーニャ!」ガシャン!!
エイラ「…………」(サーニャ……私は……)
サーニャ「……」(エイラ……どうして…? どうしてそんなに……哀しい顔…)チラッ
エイラ「……!!」
エイラ「サー……ニャ……」
(なんで……なんで…サーニャぁ……そんなに……寂しそうなんだよぉ……)
『……あなたが本当にサーニャちゃんを愛して……彼女に全て、本当に全てを捧げてもいいと思っているなら……』
エイラ(……私は……私は……!!)
『……後悔だけは、しないようにね』
エイラ(……するもんか……)
エイラ(……するもんかっ! サーニャが……サーニャが笑ってくれるならっ……!!)
エイラ「嫌だっ!! 私が……私が! サーニャを守るっ!!」
ギュイイイイイイイイインッ!!
サーニャ「! 何してるの、エイラ!?」
エイラ「……サーニャ、私は……サーニャのためなら、なんだってできる! 諦めたくないんだ!
私は……私はどんな目に遭ったっていい! だから……だから!
私が……私がサーニャを守るんだぁ――――っ!!」
サーニャ「え……エイラ……!」
宮藤「……」グッ…
エイラ「! み、宮藤……!」
宮藤「……行きましょう。行ってあげてください、エイラさん!」ギュオオオッ!!
リーネ「よ、芳佳ちゃぁん!」
ペリーヌ「む、無茶ですわ! 帰れなくなりますわよ!?」
サーニャ『……大丈夫です。私が……エイラを連れて帰ります!』
ペリーヌ「! さ、サーニャさん!」
サーニャ『必ず連れて帰ります……だから…!』
ペリーヌ「む……無茶苦茶ですわ……」
ルッキーニ「いっけぇー! サーニャ! エイラぁー!」
ゴゴゴォォォォォォォ…ッ!!!
エイラ「あ…さ、サーニャぁ……」
サーニャ「……行こう、エイラ……!」
エイラ「…! うん……うん!」
ゴォォォォォォォォォォォォ…………!!
――地上・基地、滑走路――
整備兵3「……! み、見えた! あの光……!」
整備兵2「よし……行け…行ってくれ! サーニャさん、宮藤さん…!」
私「……ふふっ。あれなら…心配いらないわね」
父「ん?」
私「……ねえ、お父さん。お父さんの目って……けっこう良かったわよね?」
父「ああ。頑張れば望遠鏡並にもなるぞ?」
私「……何が、見える?」
父「…特別な物は、なーんにも。……仲睦まじい、狐と猫が見えるだけだ」
私「……そうね。見えるわ……私にも」
――高度33333メートル――
エイラ(……地球、か……)
エイラ(……きれいだナ……なあ、サーニャ……?)
サーニャ「……」ニコッ…
ギュッ…
エイラ(……サーニャの手……あったかい……)
エイラ「……なあ、サーニャ。…私はやっぱり……弱いよ」
サーニャ(……? エイラ? 何……?)
エイラ「結局……自分の力だけでシールドを張るなんて……できなかった。……ごめんな、サーニャ…私は…カッコ悪いままだ……」
サーニャ(どうしたの、エイラ? 宇宙じゃ声は……)
エイラ「……でもナ、サーニャ…。私は……サーニャを守れるなら……サーニャの笑顔が見れるなら……、
どんなにカッコ悪くったっていいんだ。たとえ命を落としたって……絶対に後悔なんかしない……」
サーニャ(! エイラ! ネウロイが……! エイラ!)
エイラ「……! 来るか、ノッポ野郎……! いいぞ、来いっ!
今宵のエイラ・イルマタル・ユーティライネンは一味違うぞ……!!」
コォォォォォォォ……!!!
エイラ「……サーニャ……」
サーニャ(……エイラ?)
エイラ「……今までずっと言いたくて……でも…言えなかった。
……ありがとう。…大好きだ、サーニャ……!」
バッ!!
サーニャ(エイラ! エイラ……!?)
…カァァァァァァァァァ――――ッ!!!!!!
――地上・基地、滑走路――
父「! お、おい、まさか……!!」
私「……ええ、本当……」
ミーナ『わ、私さん!? 聞こえる!? エイラさんが、宮藤さんの代わりに……!』
私「…ええ、知ってるわよ」
宮藤『エイラさん……! やった! やったぁーっ!! 私さん! エイラさん、エイラさんがシールドを……!』
私「……よく見えるわ。ここからでも……」
私(……帰ってきたら、謝らなきゃね……)
――高度33333メートル――
エイラ(……っ! 手が…痺れる…ナ…。でも……ビームは……受け切った……!!)
サーニャ(…すごい……! すごいよ……エイラ……!
……ありがとう。後は……任せて)
エイラ(……行け…いけえええっ、サーニャぁぁぁっ!!!)
カァァァァッ!!!!!
サーニャ(! ば、爆風が……! ダメ、飛ばされ……!)
ギュッ!!!
サーニャ(!!)
エイラ(……大丈夫だ。私が……サーニャを……!)
サーニャ(エイラ……エイラぁっ……!)
エイラ(……ああ…なんだか……ぼんやり……そろそろ……なのかナ……)
サーニャ(ありがとう……ありがとう……)
サーニャ(もう……大丈夫よ、エイラ……)ニコッ…
エイラ(…!! ああ……)
エイラ(……星……地球……綺麗だ……でも……一番綺麗なのは……)
サーニャ(……? エイラ……?)
エイラ(……よかったよ。最期に…こんなに……綺麗なものが見られた……)
エイラ「……本当に、愛してるよ……サーニャ……」
サーニャ「エイラ……エイラ……! 起きて……エイラ!」
エイラ「………………あれ…? サーニャ……?」
サーニャ「! よかった、起きた……」
エイラ「……あれ……? 私、確か……どうして生きて…………?」
サーニャ「エイラ…魔力が切れかけたのね……眠っちゃってたのよ……」
エイラ「……そうか……生きてるんだな……私は…………。
……よかった……よかったぁ……! サーニャぁぁ……っ!」
サーニャ「!? え、エイラ? どうしたの……?」
エイラ「うわぁぁぁぁん! 何でもない! 何でもないんだよぉぉ…サーニャぁぁぁ……!!」
サーニャ「……? ふふ……おかしなエイラ……。
ねえ……見て、オラーシャよ……」
エイラ「……うん……」
サーニャ「ウラルの山に……手が届きそう。
……このまま、あの山の向こうまで……飛んで行こうか」
エイラ「! さ、サーニャ……!」
サーニャ「…………」
エイラ「……いいよ……」
サーニャ「えっ…?」
エイラ「サーニャと……サーニャと一緒なら! ……私はどこへだって行ける……!」
サーニャ「…! …嘘。……ごめんね。今の私達には……帰る所があるもの。
……さぁ、帰りましょう、エイラ……」
エイラ「うん…うん……!」
サーニャ「……あ、そうだ、エイラ」
エイラ「ん?」
サーニャ「シールド張る前に、私に何か言ってたでしょ? 何て言ってたの?」
エイラ「!!!?? そ、そそそそそそれは……それは……!!」
サーニャ「……教えてくれないの?」
エイラ「え! えっと……そ、その……! あ、あれはダナ、め、面と向かってっていうと…やっぱ……その……」カァァァッ
サーニャ「……エイラの、けち」
エイラ「!!??! け、けち…けちって…! ご、誤解だ! 違うんだよ、サーニャぁぁぁ――!!」
――地上・基地、滑走路――
整備兵2「! お、戻ってきたぞ!」
整備兵3「やったな、サーニャさんと……あれ? エイラさん……?」
私「……ま、一件落着、ってとこかしら」
父「……くくっ」
私「何よ?」
父「いや……お前が言うのか、と思ってな」
私「……どう、あの2人の顔は……」
父「…幸せそうだ。これ以上ないってぐらいにな……」
私「……なら、オールオッケーじゃない?」
父「…ああ。そうだな……」
私「……ねえ、お父さん。見て、あの2人の髪……」
父「うん?」
エイラ「おぉーい! 私ぃー!」
サーニャ「私さぁーん!」
私「……本当に綺麗な、星の色……」
最終更新:2013年02月07日 14:24