前回までのあらすじ!
シャーリー「……私も行くよ。5分間……なんとか奴を引きつけてみせる」

娘≪そういうことなら、お望み通り――捻って、潰して、終わらせたげる!≫

シャーリー「……終わらせはしないさ。あたしが、あたし達がいる限り。
……行くぞ、デカブツ」



――航空母艦・天城、甲板――

娘≪あれれー? ウィッチは1人だけ? どうしたのかな? 一緒に死んでくれるお友達もいないのかなー?≫

シャーリー「ああ。……一緒に生きて帰る友達しか、こっちにはいないんだよ」

娘≪――ふーん。ま、いいや。何企んでるのかわかんないけど、まずはあなたから堕としてあげる≫

シャーリー「へーえ、こっちの作戦も分かんないのか? どうした、神様は全知全能なんだろ?」

娘≪――うるさい。さっきはママン解析してて傍受しそこねただけ。今からはもう、全部分かるもん。
作戦会議したってムダだよ≫

シャーリー「悪いな、作戦会議なら済んだ。あとはお前を倒して、私を助けるだけさ」

娘≪――マキナ、あなた気に入らない≫

シャーリー「……そりゃ奇遇だなあ。……こっちもだよ」



将軍「……イェーガー大尉。準備はいいか」

シャーリー「ああ。いつでもいける。段取り通り、そっちの砲撃と一緒に飛びこむよ。……それにしてもさ」

将軍「うん?」

シャーリー「……まさか、艦隊みんなが残ってくれるとは思わなかったよ」

将軍「……どいつもこいつも、『船に乗った時に命は落とした』などとほざくんでな。……まったく、カッコつけおって」

シャーリー「……フフ、そっか」

将軍「……奴の言う通り、これからは小手先の作戦は通じん。奴を打ち破るには、正面突破しかないだろう」

シャーリー「真っ向勝負、か」

将軍「……苦手かね?」

シャーリー「まさか。……いつも通りだよ」

将軍「……そうだったな。君達はいつもそうだった。
――いくぞ」

シャーリー「――ああ」



――アドリア海上空――

将軍「……砲撃、開始ィ!!」

シャーリー「ッ!」

――将軍の合図と共に、嵐のような艦砲射撃が放たれる。
   それに乗じて、あたしも滑走路から巨大コアに向かって飛び立った。

娘≪きゃはははは! 痛い痛ーい! きゃははははははは!!≫

杉田「くそ……奴め、なんて硬さだ!」

娘≪もー、いったいなー。――身の程知らずのオッサンどもが。
きつーくお仕置きしないと、ね!≫

ババババババババッ!!

将軍「あれは……小型ネウロイか!」

シャーリー「任せろっ!」ドガガガガッ!

――巨大コアから放出された小型ネウロイに、M1918の連射を浴びせる。

ネウロイ「」パキィン! パキィン! パキィン!

娘≪あれれ、やられちゃった。――でも、いいもんね。いくらでもいるもん。
そーれそれそれ、らららららーん!≫

ババババババババッ!!

ネウロイ「」ビュオンビュオン!

シャーリー「ッ! またか!」

ネウロイ「」バシュウッ!

シャーリー「くっ!」ヒュバッ!

――縦横無尽、不規則に動き回りながらビームを放つ小型ネウロイ。
   あの小刻みな動きに対応できなければ、あっという間にビームの集中砲火を浴びてしまう。
   そうだ、こんな時は……!

シャーリー「これだっ!」カチッ

≪サイクロン!≫

――ストライカーに着けられたツマミを捻ると、どこからともなく合成音が発せられた。
   同時に、ストライカー内の魔導回路がモードチェンジするのを感じ取る。

シャーリー「この機動性なら……っ!」

ネウロイ「」バシュウッ!

シャーリー「見切った!」ダダダダダッ!

――ずっと前に、私がP-51Dに着けてくれた新機能。
   ツマミを捻ることで、機動性重視モード、速度重視モード、バランスモードの3タイプに、魔導回路を調節することができる。
――冴えないおじさんの声が鳴るのは、正直必要性が分からないけど。

ネウロイ「」パキパキパキィン!

シャーリー「よし!」

ネウロイ「」ギュオオオッ!!

シャーリー「! くそ、まだいたのか!」

ネウロイ「」バシュウッ!

シャーリー「うぉっと!」ビュイン!

――ネウロイの放ったビームを、間一髪でシールドで受け止める。
   今度の奴らは……動きがさっきよりも速い。軌道は直線的になっているが、その分スピードが増しているみたいだ。

シャーリー「それなら!」カチッ

≪アクセル!≫

――ならばこちらも、やることは決まっている。
   ……加速!

シャーリー「だぁぁぁっ!!」ダダダダダッ!

ネウロイ「」パキィィン!

――ネウロイの間を高速で駆け抜けながら、弾丸を叩き込む。
   普通の大型ネウロイと違って、この小型ネウロイは非常にもろい。
   量産したために防御面が犠牲になった、ということだろうか。

シャーリー(……確かに数は多い。けど、対応できないレベルじゃない)

――そう。動き自体は単純だし、攻撃も当たらなければ済む話だ。

シャーリー(……いける。いけるぞ……!)



――同時刻、巨大コア内部――

私(……よし! 流石シャーリー……!)

娘≪あっちゃー―― ? ママン?≫

私「え? ……何よ」

娘≪――ママン、なんか嬉しそうだね。さっきまでこの世の終わりみたいな顔してたのに≫

私「……そう?」

娘≪――たくらみが上手くいきそうなのかな?≫

私「! ……さあね。何の企みかしら」

娘≪たとえば――全部のAIを使って、マキナを"殺そう"としてる、とか?≫

私「……!!」(まさか……スイッチを持ってるのがバレて……!?)

娘≪――ふーん。でも、大丈夫だよね。心配しなくても、ママン、ぜったいそんなことしないもん≫

私「……え?」

娘≪マキナはママンが大好きだから、ママンだってマキナが大好きだよね。
大好きなマキナを"殺す"なんて、ママンはぜったいしないよね。ね、ママン!≫

私「…………」

私(……お父さんたちはきっと、AI強制停止システム……PANTSを発動するはず。
それまで……なんとしてもこのスイッチを……)



――航空母艦・天城――

将軍「今だ! 主砲、撃てぇ!」

ドォン! ドォン! ドォン!

杉田「おのれ……やはり、牽制程度にしか……」

将軍「逆に考えろ、牽制ならできる。ターゲットを分散させながら時間を稼ぐんだ」

ルッキーニ「みんな、魔力は!?」

ゲルト「もう少し……もう少しだ……!」

ミーナ「お父さん、そっちはどう!?」

父『ああ、あと少しだ! 魔力が回復した奴から格納庫に来てくれ! 武装とAIを渡す!』

ゲルト「? 武装はともかく……AIもだと?」

父『なに、すぐに分かる! ――あ、そうそうそのパーツは向こうに――』ブツッ

エーリカ「あ、切れちゃった」

ミーナ(……時間が無いわ。一刻も早く回復しないと……!)



――巨大コア内部――

ドォン! ドォン! ドォン! 

私(……やっぱり、あの程度の砲撃じゃダメージは与えられないか。でも……)

娘≪――っっ――メンドくさいなあ、もう!≫

私(……冷静な思考が乱されてる。このままもっと時間を稼げば……!)

娘≪――やっぱり、突撃しか能の無いザコじゃダメだね。
数で押し切れると思ったけど――甘かったかな≫

私「……え?」

娘≪読み違えちゃった。いくら無機物出したって、黙ってブッ壊されちゃのがオチだよね。
――うんうん。反省反省っと≫

私「……?」

娘≪――ママン、マキナが生まれたばっかりのころ、たくさんクイズ出してくれたよね。今度は、マキナからクイズだよ。
問題! 人を殺すのにいちばんピッタリなカタチって、なーんだ?≫

私「……何をするつもり?」

娘≪もー、質問してるのはこっちだってば。
――はーい、時間切れー。――ふふふっ、答えは、答えはね――≫



――航空母艦・天城――

兵士「! 将軍! 巨大コアより、多数の小型ネウロイが射出!」

将軍「くそ、またか……何体だ?」

兵士「……! い、いえ……それが……11体です!」

ミーナ「たった11体……!? 小型でそれだけなの?」

兵士「はい!」

杉田「どういうことだ……先程と比べて、明らかに規模が減っているが……」

兵士「……! 小型ネウロイ、視認できました! …………!?」

宮藤「……!!! そ、そんな……あれ……あれって……!!?」

ゲルト「!! ば、バカな……あれは……まさか!?」



――アドリア海上空――

シャーリー「…………」チャキッ

――新手として現れた、11体のネウロイ。そのフォルムには見覚えがあった。
   丸みを帯びた、細身の体。動物の耳のような突起。できそこないの彫刻にも見える、シンプルな手足。
   ……そう、あれは――。







人型ネウロイ「…………」





――巨大コア内部――

娘≪きゃははは! 驚いてる驚いてる!≫

私「あれは……! なんで――」

娘≪んーっとね、コアに記録があったんだ。驚いたなー、こんなネウロイもいたんだね。マキナの素体そっくり。パクリだよこれ≫

私(……そのボディに関して言えば、パクったのはこっちなんだけどね)

娘≪――でも、性能はいいみたいだよ。いろいろアレンジしてもヘーキだったし。――あとは――≫

シャーリーの声≪――うまく引っ掛かってくれるといいんだけどな≫

私「――!?」

娘≪ぷっ――きゃははははは! どう、どう!? あのウィッチの声真似! すごいでしょ、そっくりでしょ!
他にもいろいろ出来るんだよ!≫

私「…………ッ」ギリッ

シャーリーの声≪あっ、また怒らせちゃったか。ごめんな、悪気は無かったんだよ≫

私「……今すぐ止めなさい。ありえないくらいに不愉快だわ」

娘≪――あーあ。――そんなに大事? あのウィッチが≫

私「…………」

娘≪――ふーん。そう。――そうなんだ。
――それじゃ、始めちゃおっかな≫



――アドリア海上空――

人型ネウロイ「」ギュウンッ!

シャーリー「っ!」ビュンッ!

人型ネウロイ「」ヴィィィン!

シャーリー「はっ――! くっ……!」ビュイン!

――1体目の突進はかわしたものの、その後に2体目のビームが続く。
   なんとかシールドで受け止めたが――。

人型ネウロイ「」バシュバシュバシュッ!

シャーリー「――! くそ、後ろか――」

――シールドを背後に貼り直す暇は無く、なんとか避けようと体を旋回させる。

ビュンッ! …ジジッ!

シャーリー「ぐぁっ……!」

――肩に焼けつくような、鋭い痛み。しまった。カスったか……!

シャーリー「……っそおおっ!」ダダダダダッ!

人型ネウロイ「」ヒュンヒュン

――M1918の連射も、何なくかわされる。小回りは、さっきの小型ネウロイの比じゃない。
   もっと近づかなければ、無駄弾を撒き散らすばかりだ……!

シャーリー「なら……っ!」ギュオッ!

人型ネウロイ「――!」

シャーリー「食らえっ!」ダダダダッ!

――1体に狙いを絞って接近し、弾を撃ち込む。
   向こうもビームを撃ってはくるが、何なくシールドで防ぐことができた。

ガキャキャッ!

人型ネウロイ「――!!」

シャーリー「! やった、当たった!」

人型ネウロイ「――! ――!!」

――まるで痛みに体を悶えさせるように、ネウロイの体が小刻みに揺れる。
   ……とどめを刺そうと、さらに近づいた、その時。



人型ネウロイ≪や……止めて! 来ないで!≫

シャーリー「――!?」



――航空母艦・天城――

将軍「……!? ば、バカな……」

ミーナ「ね、ネウロイが……喋った……!?」



――アドリア海上空――

シャーリー「そん……な……!?」

人型ネウロイ≪なんで……なんで!? なんでわたしを殺そうとするの!?
痛い……痛いよ……≫

シャーリー「くっ……!」チャキッ

シャーリー(騙されるな! ネウロイが喋るわけない!)

人型ネウロイ≪怖い……怖いよ……血が出てる……痛い……やめてよぉ……!≫

――ちぎれた腕を抑えながら、ネウロイは震える声で言う。
   傷口は少しも再生せずに、赤黒い液体を流し続けていた。

シャーリー(……違う! 違う違う違う! あれは血じゃない……ネウロイに血が流せるわけない!)

人型ネウロイ≪やめて……やめてよぉ! わたしの友達に酷い事しないで!≫ギュアンッ!

シャーリー「っ!?」バッ

――上空から聞こえた、別の声。
   慌てて上を向くと、違う人型ネウロイがこちらに全速力で迫って来ていた。

シャーリー(まずい……やられる!)ダダダダダッ!

――反射的に、引鉄を引いていた。ただ連射するだけの、工夫も何もない攻撃だ。
   だがネウロイは、少しもそれを避けようとせず――。


人型ネウロイ≪――あぁあぁあぁぁああぁぁああ!!!!!≫

ブシャッ! ビチャビチャビチャッ! グショッ!


シャーリー「――――っっ――!!」

――全弾、命中。人型ネウロイの頭部が、腕が、胴体が。穴だらけになって粉砕される。
   おぞましいくらいにリアルな血糊と断末魔を撒き散らしながら、人型ネウロイは海へと落ちて行った。


シャーリー「う……うぁ……うぁぁぁぁ……っ!」


――銃を持つ手が震える。全身から嫌な汗が次々と噴き出る。
   違う。違うんだ。あれは人じゃない。ネウロイなんだ。
   あんな悲鳴も、あんな血も、全部、全部偽物の……!


人型ネウロイ≪ぁ――あぁぁ――!! なんで……なんで……!≫


ルッキーニの声≪――なんで殺したの……シャーリー……!!≫


シャーリー「――!!? え……」


――耳を疑う。腕の千切れた人型ネウロイから発せられた、この声は……!

ルッキーニの声≪いや……いや! いや! 来ないで、シャーリー! いやだ……死にたくないよ!≫

シャーリー「る、ルッキ――」

ゲルトの声≪やめろ……やめてくれ、シャーリー! なぜ仲間が殺し合うんだ……!≫

シャーリー「ば、バルクホルン――!?」

宮藤の声≪助けて……助けて、お父さぁん……!!≫

リーネの声≪なん、で……シャーリーさん……私達……友達じゃ……!!≫

ペリーヌの声≪それが……貴女の本性ですのね……!≫

シャーリー「ち……違う……」


――吐き気がする。頭が痛い。
   ……やめろ。


エーリカの声≪いざとなったら、こうやって仲間まで殺すんだね≫

坂本の声≪――こっちは、これでも……お前を信じて……≫

ミーナの声≪――そうよね。戦争だもの。……仕方ないわ……≫

シャーリー「やめろ……」


――さっきの血飛沫と断末魔が、何度も何度もフラッシュバックする。
   ……やめろ。やめてくれ。


サーニャの声≪いや……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!≫

エイラの声≪たのむ……私はどうなってもいい、でも、サーニャは……サーニャだけは……!!≫


――嘘だ。これは全部嘘なんだ。
   あれはネウロイ。人じゃない。だから……だから……。






シャーリーの声≪――そうだよ。……あたしが、殺したんだ≫



シャーリー「やめろおおおおおおっ! やめてくれえええええっ!!!」







娘≪――あーあ。ホントに優しいんだね、あなた≫

ガシッ!!

シャーリー「っ!? ぐうっ……!」

――突然、首や胴体に絞められたような痛みが走る。
   ……何だ。何が起こった――?

娘≪でも、その優しさが命取り、って奴かも。すごいなー、ここまで騙されてくれるとは思わなかったよ≫

シャーリー「な――に――?」

――周りにいる人型ネウロイから、あの"娘"の声が聞こえてくる。
   その中の何体かは、腹部からヘビのようなアームを伸ばし、あたしの首や胴を絞め上げていた。

娘≪どうだった? ウィッチのみんなの声真似。すっごく似てたでしょ!≫

シャーリー「あ――ぐっ……!」チャキッ

娘≪させないよ、っと≫バチンッ!

――脱出しようともがくが、無駄な抵抗だった。M1918も叩き落とされてしまう。
   目の前にいるネウロイ達は、あたしを放すつもりは微塵もないらしい。

娘≪でもさ、あなたも結構単純だよね。ちょーっとリアルなだけの"殺されたフリ"なのにさ。
だいたい、ネウロイから血とか出るわけないでしょー? もっと冷静に考えなきゃ、ね≫

ギリギリギリ…ッ!

シャーリー「がはっ――!!」



――同時刻・巨大コア内部――

私「あ……ああぁ……!」

娘≪――やっぱり、人を殺すのは人の形でなくっちゃ。
戦争なんて、もともとは人間同士の殺し合い。都合のいい共通の敵を作って、人殺しから目を背けて――。
そんなことやってるから、こんな三文芝居に騙されちゃうんだよ。そうでしょ、ママン?≫

私「やめて……シャーリーを放しなさい、マキナ!」

娘≪――『やーだよ』って言ったら、どうする?≫

私「止めなさい! さもないと……」

娘≪ふーん。さもないと、どうするのかな? 体中にコード差されて、腕だって片方は吹っ飛んでる。
だいたい、そこから動けないでしょ? ママンは黙って見てればいいの≫

シャーリー『ぐ……あぁっ……!!』

私「っ……! シャーリー!?」

娘≪――ふふっ、乱れてる乱れてる。――ねえ、ママン。
――絶望って、一体どんな気持ちなのかな?≫

私「え……」

娘≪――たとえばさ、目の前で、大切な人が体をブチブチに千切られて殺されたら――。
ママンの精神回路は、どんなノイズを見せてくれるのかな?≫

私「――!! や――」

娘≪――ふふっ≫



――航空母艦・天城――

ルッキーニ「しゃ、シャーリー!」

杉田「くそ……砲撃用意だ! あのネウロイを――」

将軍「ダメだ! あの小ささでは狙いをつけられない!」



――巨大コア内部――

私「やめて――やめて! マキナ、お願い!! それだけは……っ!」

娘≪心配ないよ、ママン。あんな女いなくたって、マキナが代わりになったげるから。ね?≫

シャーリー『ぁ――が……っ……』グググッ

私「いや……いや! やめなさい! やったら殺すわよ!」

娘≪――ふふふっ≫

シャーリー『ぐ……ぁぁっ……!!』ギリギリッ

私「絶対、絶対に殺すわよ! やめなさい……やめて……お願い!」

娘≪――ふっふふふふふふ――≫

シャーリー『――っぁあっ…………!!』ググググッ

私「嫌……嫌! やめて……やめてよ、お願いだから、ねえ、マキナぁ!!」

娘≪――――気持ちいいっ!≫



……ゴリィッ……ッ!!




私「嫌ぁぁぁぁあぁぁああぁああぁあぁぁあぁぁあっ!!!」




ダァン! ダァン! ダァン! ダァン! ダァン!
ベキベキベキッ! バギョッ!

娘≪――!?≫

私「……!? え……!?」





――アドリア海上空――

シャーリー「…………?」

――いよいよ最期か、と覚悟を決めたその時。
   突如聞こえた、5発の砲撃音。それと同時に、絞め上げる力が、ふっと消えうせる。

娘≪な、なに――何が起きて――≫

シャーリー「え……?」

――見れば、今まであたしを捕らえていた人型ネウロイは残らず粉砕され、ただの鉄片と成り果てていた。

  「……全く、これだからリベリアンは。あれぐらいの欺瞞、軍人が見抜けなくてどうする」

シャーリー「……!!」

――聞き覚えのある声。機械の合成音なんかじゃない、人間の肉声。
   憎まれ口を叩く割には、親愛のこもった静かな声色。

――まさか。

シャーリー「……あ……ああ……!」

――振り向いた目に映ったのは、身長の倍以上はあろうかというカノン砲に、まだ煙が薄く立ち昇る4門の機関砲。
   そして……低く音を立てる『深紅のストライカー』。

  「……うん? どうした、何を微笑んでる? ……捕まってたにしては、余裕があるじゃないか」

シャーリー(……まったく……)


――全く。こんなタイミングで来やがって。
   ……宮藤の前だからって、カッコつけすぎだぞ。






ゲルト「……待たせたな、シャーリー」


シャーリー「……バルクホルンっ!!」
最終更新:2013年02月07日 14:32