前回までのあらすじ!
ペロペロ大好き変態教授・私の開発した新武装によって、マキナへの反撃を開始したウィッチーズ。
戦局はいよいよ終盤へと近づいていた。
私(よし……順調にダメージが入ってる! もう少しで、このスイッチを……!)
娘≪なんで――なんであんなチャチな武器に――!≫
――アドリア海上空――
娘≪ぐ――ぁぁ――!! なんで――なんで! なんでなの――!!≫
シャーリー「おいおい、どうした? 神様とやらの威厳も形無しだな?」
娘≪うるさい――うるさいうるさいうるさいうるさい!! 黙って消えちゃえ、ザコ人間!≫
シャーリー「……こっちの台詞だ、機械野郎!」ビュンッ
ダダダダダッ!!
娘≪――ふん、何よ、こんな豆鉄砲!≫
シャーリー「くそ……銃弾はまだ通らないか!」
父「普通に撃つだけじゃ、あの装甲は破れん! もっと威力の高い、貫通力のある攻撃じゃなきゃ……!」ヒョコッ
宮藤「わっ! ちょ、お父さん! 前が見えな――」
シャーリー「んなこと言ってもさ……!」
娘≪そんなこと、させるもんですか! 全員捻り潰してやる!≫
バッ…
ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ!!
ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ ヒュバッ!!!
キュキキキキキキィィィン!!!
小型ネウロイ's「」キュォォン…!
シャーリー「な――!!」
ゲルト「なんて数のネウロイだ……!」
ミーナ「150……180……に、200……!?」キュイイン
娘≪出し惜しみ無しの大軍団! 慢心無しの大軍勢!
千の肉片にバラ撒いて――万の破片に砕いてやる!≫
エイラ「こ、こんなにたくさん……どうすりゃ……!」
父「……恐らく奴は、コア内のストックを使いきった。もうネウロイを生み出すことはできないはずだ」
サーニャ「……! じゃあ……」
エーリカ「これを乗り切れば……!」
父「ああ。後は本体に集中攻撃を加えればいい。……それで、中佐」
ミーナ「え?」
父「……あなたの探知能力で、あのネウロイどもをくぐり抜けられるルートを調べてくれ。
俺がコアに接触して、弱所を調べてみる」
ミーナ「! そんな事が……!?」
小型ネウロイ≪≫バヒュン!
父「……! くそ、来やがった! 中佐!」
ミーナ「…… !」キュイイイ
ミーナ「右下から回り込んで! こっちに向かってる分、数が少なくなってるわ!」
父「恩に着る! ……軍曹、頼む!」
宮藤「はい! ……行きますよっ!」グオンッ!
父「あげっ!!」ガクンッ
宮藤「!? だ、大丈夫ですか!?」キィィーン
父「くそ……こ、これしきのG……あがががががが」ガクガクガク
宮藤(す、すごく不安……)
ネウロイ≪≫キィンキィンキィン
ゲルト「ふん、華の無いのがゾロゾロと……!」
エーリカ「どうする? 数だけは多いよ、あいつら」
ゲルト「エーリカ、さっきの竜巻シュトルムは?」
エーリカ「あー……ごめん。もうネタ切れ。バカみたいに魔力使うんだ、アレ」
ゲルト「……しょうがない。しらみ潰しか……」
ミーナ「……いいえ。その必要は無いわ」キュイイイ
ゲルト「? ミーナ?」
ミーナ「……トゥルーデ、フラウ。今から指示する方向に銃を向けて、私の合図で一斉に撃って。
……敵を一気に減らすわよ」
エーリカ「! ……了解!」チャキッ
ミーナ「……敵がどこからどういう規模で来て、どこに向かおうとしているのか……、最も効率的な攻撃地点は……全部、手に取るように分かる。
……とんでもないプレゼントだわ。――戻ったら、たっぷり特別手当をあげないとね」キュイイイ
≪目標接近。数97、距離300。最適攻撃地点算出――算出完了≫
ミーナ「! トゥルーデ、砲筒角度をあと20度上に! フラウは右に5度、下に10度!」
ゲルト「……!」ジャコッ!
エーリカ「!」スッ!
ネウロイ≪――!≫ビュビュビュゴッ!!
≪距離……250、200、150……100、50……!≫
娘≪これで終わ――≫
ミーナ「撃て(ファイア)!」
ゲルト「!!」ドォォォォン!!
エーリカ「!!」ダダダダダダッ!!
ネウロイ≪≫バキッ! メキョッ! ドギャッ!
娘≪――!?≫
ミーナ「撃て(ファイア)! 撃て(ファイア)! 撃て(ファイア)! 撃て(ファイア)! 撃て(ファイア)!!」
ゲルト「おぉぉぉおおぉぉぉおおおお!!!!」ドォオン!! ドォォン!! ドォォォン!!
エーリカ「やぁぁぁぁぁぁぁああああああっっ!!!!」ダギャギャギャギャギャギャギャ!!!!!
ベゴッ! ゴギャッ! ボギッ! ドシュッ! ジャゴッ!!!
ミーナ「…………」
スッ…
ミーナ「……状況終了(エンデ・シトゥラクション)!」
タァン!
ネウロイ≪≫パキッ…
パキパキパキパキパキパキパキッ……!!!!!!
娘≪え――? あ――ぁ――!?≫
ミーナ「……敵97体、撃墜完了」
ゲルト「」ポカーン
エーリカ「わぉ……」
≪残数、103。……油断するな。ここからだ≫
ミーナ「……ええ。分かっているわ、BOSS」
娘≪そんな――そんな、一瞬で――そんな――!!?≫
キィィィィ―――――ン……!!
宮藤「す、すごい……! あれだけいたネウロイが……!」
父「よし……! 中佐、よくやって―― ! 軍曹! 上だッ!」
宮藤「え…… ! わ、わっ!」
ネウロイ≪≫ビュンッ!
宮藤「くぅっ……!」ダダダダダッ!
ネウロイ≪≫パキィィン!
宮藤「はぁ、はぁ……あ、危なかっ――」
ネウロイ≪≫ギュオンッ!
宮藤「!! な――」
父「後ろ――しまった、間に合わな――!」
「宮藤ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」
ドシュルルルルル…
ドガァァァン!!!
ネウロイ≪≫パキィィィィン!
坂本「無事か、宮藤! お父さん!」
宮藤「! さ、坂本さん!」
父「少佐……! すまん、助かった……!」
ネウロイ≪≫ブォンブォン
坂本「……! まだ来る! 2人とも、早く行け! ここは私が食い止める!
いけSOLIDAS、ロケット弾だ!」
≪…………≫
坂本「……おい、どうした?」
≪……残念だが弾切れだ。アーム内蔵分、1つ残らず撃ち尽くしたぞ≫
坂本「……参ったな」
宮藤「えっちょっ」
ネウロイ≪≫ビューン
坂本「くそ……スピードは向こうが上だが、止むを得ん!」ジャキッ
父「……! 少佐、アームをパージしろっ!」
坂本「何!?」
父「いいから早く! AIにアームを捨てるよう命令するんだ!」
坂本「な……なんだかよく分からんが、分かった! アームを捨てろ、SOLIDAS!」
≪了解。――アームパージ、背部ブースター、加熱開始≫
ガコンッ!
キュォォォォォォ……!!!
坂本「……!!」
≪――地獄で会おう!≫
ドシュゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!
坂本「うぉぁああぁああああああっ!!?」ゴォォォォォ
ジャコンッ!
ネウロイ≪≫スパッ…
パキィィィィン!
坂本「はぁ……な……何だ? 今の速さは……!?」
父「アームをパージして武装を切り捨てる代わりに、背面の加速ブースターが使用できるようになる。
……連続噴射できるのは3回までで、その後はしばらく放熱しなきゃならんがな」
宮藤「す、すごい……!」
坂本「は……はは……はっはっはっはっは!!
凄いぞ! いける……これならっ!」
ドシュウウウン!!!
坂本「烈!」
ジャコンッ!
坂本「風!」
ジャキインッ!
坂本「ざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」
シュパァァァァァァッ!!!!!!
ネウロイ≪≫スパスパスパスパァッ
坂本「ははははは……はぁーっはっはっはっはっは!!!」パァァァッ
宮藤(……あんなにイキイキしてる少佐、久しぶりかも)
父「……喜んでもらえて何よりだ。さ、今のうちに」
宮藤「! は、はいっ!」
キィィィ―――――ン!!!
父「……よし、コアの上に出た、軍曹、今だ!」
宮藤「はいっ! ……お父さん、投下!」バッ!
ヒュゥゥゥゥゥゥゥ……
ドシッ!
父「ぬぉっ……!」ジィィン
娘≪く――そっ、降りろ、このポンコツ駄犬!≫
父「……つくづく、言葉遣いの教育は難しいな。お前と言い、私と言い」
宮藤「お、お父さん! だ――」
父「『大丈夫ですか?』……だろう?
……安心しろ。……俺は『お父さん』だぞ?」
宮藤「へ……?」
父「……"Driven Almighty Dog-type Datebase machinerY"――『駆動式万能犬型情報集積機』。
この"DADDY"(おとうさん)の記憶領域に……不可能などという文字は無い!」
娘≪なにをワケ分かんないこと――≫
父「――回路接続――完了。集積検索――開始!」キュィィィィィ!!!
娘≪!! 何を―― ! ま、まさか――!≫
父「……ほう、察しがいいな」キュイイイイ
娘≪や――止めろっ! このクソロボット!!≫
ガコンッ! ガコンッ!
宮藤「あれは……砲台!?」
シャーリー「宮藤っ!」ブゥゥゥゥン!
宮藤「! シャーリーさん!」
シャーリー「お父さんは!?」
宮藤「あ、あそこです!」
娘≪スクラップにしてやるっ!≫
バシュウウン!!!
父「ッ! く……ビーム砲頭か……!」キュイイイイ
バシュウウン!! バシュウウン!! バシュウウン!!
娘≪この……っ! とっとと壊れろっ!≫
父「ぐっ! ……悪いな、そうもいかねえのさ。お前や私をここまで苦しめちまったのは……ひとえに、俺の責任だからな。
たとえ歯車1つになっても……親の責務は果たしてみせるッ!」キュイイイイ
娘≪こぉんの――≫
ドォン! ドォン! ドォン!!
娘≪!?≫グラッ
シャーリー「砲撃!? ……! あれは……!!」
――航空母艦・天城――
将軍「……我々を忘れてもらっては困るな。気を引くぐらいしか出来はしないが……、
どうやら、それで十分らしい」
シャーリー『しょ、将軍!』
娘≪く――そぉ、死に損ないども――ッ!≫
ネウロイ≪≫ギュオンッ!
兵士「敵ネウロイ、接近!」
ネウロイ≪≫バシュウッ!
ズドォォォォォォン!!!
兵士「ニコラス、初月、被弾! 艦橋部破損!」
杉田「ひるむな! 砲撃を続けろ!」
将軍「おのれ……大人を舐めるなよ、小娘が!」
ネウロイ≪≫ギュォォン!
兵士「! しまった、正面に――!」
将軍「ぐっ……!」
ドシュドシュドシュッ!!!!!
シュァァァァァァァァァァン!!!!!
ネウロイ≪≫パキィィン!
兵士「!? て、敵ネウロイ……撃墜!?」
将軍「な……何だ!? 何が起きた!?」
兵士2『――ぅぐん、将軍! こちら甲板! 応答願います!』
将軍「!? 私だ、何があった!?」
兵士2『そ、それが――格納庫から、いきなり……に、二足歩行の機械が……!』
――甲板――
≪まだだ! まだ終わっていない!!≫シュァァァァァァッ!!!
≪ゴキブリキッドォォォォォォッ!!≫ドシュドシュドシュ!!!
整備兵2「やれぇ、クイーンハルトマンRAY! ルッキーニSPREX!」
兵士「おい……おい! なんだ!? なんなんだこの二本脚のよく分からん機械は!?」
兵士「どこが!」
整備兵3「まあ、結果オーライでいいじゃないっすか。
こいつらの水圧レーザーとレールガンで、この船も守れるんだから」
整備兵2「……! 新手が来たぞ! 撃てぇ! 撃ちまくれぇ!」
≪思い出さないか、この血と肉のぶつかり合い!≫ダダダダダダダ
≪おい、そいつは違う奴だ≫キュィィィィ…ドゴォォン!!
――アドリア海上空――
父(……くくっ、やってくれる……)
父「……! よし……ここだ!
イェーガー大尉!!」
シャーリー「! 分かったのか!?」
父「ああ、君のちょうど目の前だ! そこだけエネルギーの流れが少ない! 恐らく装甲も薄くなって――」
娘≪黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!≫
ドシュドシュドシュッ!!!
父「――っ……!?」
シャーリー「!! お……お父さん!!」
――巨大コアの表面から突き出た砲頭。そこから放たれた深紅のビームが……。
お父さんの白い体躯を、一直線に貫いた。
父「――う……ぉ――」ヨロッ
フラッ
ヒューッ……
シャーリー「っ!」ガシッ
シャーリー「お父さん、お父さん! 大丈夫か、なあ!?」
父「――っ……が……」
――ふさふさした毛の内側から、弱弱しい機械音が聞こえてくる。
足は2本も根元からもぎ取られ、傷口の機械線からは煙と火花が上がっていた。
父「……ま――な……」
シャーリー「え……?」
父「――止……まるな……。早く……奴の――弱所を……」
シャーリー「! で、でも……!」
父「――見ろ……」
ミーナ「トゥルーデ、右よ!」
ゲルト「おおおおおおっ!!」ダダダダダッ
エーリカ「くそ……まだ終わらないの!?」
リーネ「ルッキーニちゃん、そっちは!?」ダァン!
ルッキーニ「はぁ、はぁ……うん、まだ……大丈夫!」ダダダダダッ
坂本「烈風斬っ!」
ペリーヌ「トネールッ!」
ドシャァァァァァァァッ!!!
坂本「よし! やったな、ペリーヌ!」
ペリーヌ「はい! ……その、少佐」
坂本「……? どうした?」
ペリーヌ「……私、嬉しいですわ。こうして、少佐の背中をお守りできて……」
坂本「……ああ、私もさ。行くぞ、ペリーヌ!」
ペリーヌ「ええ!」
父「――もう……少しだ……もう少しで……あいつらを――助けられる……」
父「みんな……みんなが――そのために、命を……なら、俺だって――」
シャーリー「お、お父さん……」
父「――AIの……システム保護のために……人格プログラムを一時停止する……。
――しばしのお別れだ…………大尉……」
シャーリー「え……?」
父「全てが終わったら……また、会おう――私と……みんなと…………アレッシアさんに――よろ――――」
キリキリッ……キリッ……
カツッ……
父「 」
シャーリー「…………」
ブゥゥゥ――ン…!
宮藤「シャーリーさん! 大丈夫で――
……? お父……さん?」
父「 」
シャーリー「……宮藤」
宮藤「え?」
シャーリー「……お父さんを、天城に」
宮藤「……! そ、そんな……! まさか!」
シャーリー「……頼む」スッ
父「 」
宮藤「……はい……」グスッ
シャーリー(…………ああ、そうだな、お父さん)
シャーリー(……あんたが、命がけで活路を開いてくれたんだ)
シャーリー(なら……応えなきゃな)
エイラ「シャーリー!」
シャーリー「! エイラ、サーニャ!」
サーニャ「新型フリーガーハマー、準備できました!」
エイラ「いつでも行けるぞ!」
シャーリー「よし……! 見えるか、あの上らへんの、砲頭が出てるあたり! あのあたりが弱点だ!」
エイラ「よしきたっ!」スッ
サーニャ「行きます……全弾、発射!!」
ドシュドシュドシュ! ドシュドシュドシュ! ドシュドシュドシュ!
娘≪ふん! こんな単調なロケット弾――!≫
ネウロイ≪≫バシュウッ!
サーニャ「エイラっ!」
エイラ「任せろ!」ギュアッ!
ビュゴッ!
娘≪な――!≫
シャーリー「よし……! ビームをかわした!」
娘≪ま、まぐれでしょ! そうに決まってる!≫
エイラ「それが、そうでもないんだな」
ネウロイ≪≫バシュバシュバシュッ!
エイラ「よっ、ほっ、あらよっと」スッスッスッ
ヒュゴッ! ヒョイッ! ギュアンッ!
シャーリー「凄い……! ミサイルが、完全に指と連動して動いてる!」
エイラ「『パぺティアーハンド・白銀:改』……ま、なかなかってとこだな」
娘≪なんで――なんで当たらないの!? こっちの動きが分かるみたいに――!≫
エイラ「……分かるんだよ。お前のネウロイがどう動いて、どこにビームを撃つのか。私はみんな予知できる。
そして……」
ヒュルルルルルル…
エイラ「……私の予知が示す未来は、たった1つ……
氷漬けになった、お前の姿だ!」
ドギャァァァァァァァァァン!!!!
娘≪きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?!?!≫
サーニャ「……液体窒素ミサイル、『凍てる鉄槌(フリーザーハマー)』……全弾、命中!」
――巨大コア内部――
娘≪う――ぁぁ――! なん――凍って――!≫
私(……音声にノイズが入り始めた。……そろそろね)
娘≪なん――どういうこと――マキナ――マキナ――!?≫
私「……あなたにもいよいよ、最期が来るのよ。マキナ」
娘≪!? ま、ママン――≫
私「……表面を冷凍させられるとはね。ネウロイは水に弱い……せっかくの装甲も、あそこまで凍らされちゃ形無しよ。
このままじゃ、体当たりでブチ抜かれて……ダメージ過多による形状崩壊かしら?」
娘≪し――死んじゃうの――マキナ――?≫
私「"動かなくなる"のよ。……でも、辛いでしょうね。痛いでしょうね。紛い物とはいえ、人間並みの神経が通ってるんだから」
娘≪や――やだ! 苦しいのイヤ――痛いのもイヤ!≫
私「……じゃ、提案。……このスイッチ、なーんだ?」
娘≪!≫
私「……私がこれをポチっと押すだけで、あなたのシステムは停止される。
……まあ、動かなくなるのは変わらないけど、苦しまずに済むってワケ。どう? 押しちゃおうか?」
娘≪で、でも――死んじゃう――! そのスイッチ押したら――マキナ――!≫
私「でも、苦しいのはイヤよね?」
娘≪う、ぁぁあ――じゃ、じゃあ――≫
私「でも、結局死んじゃうのよね?」
娘≪え――あ、あぁぁぁあ――――≫
私「苦しいのはイヤ。でも死んじゃうのはイヤ。でも苦しいのはイヤ。でも死んじゃうのはイヤ。
でも苦しいのはイヤ。でも死んじゃうのはイヤ。でも苦しいのはイヤ。でも死んじゃうのはイヤ――」
娘≪うぁ――あぁあ――ぁぁぁあああぁぁぁぁああぁぁああぁぁああああ!!!!!!≫
私(……時間は稼いだ。……さあ、シャーリー……!)
――アドリア海上空――
娘≪うぁ――あぁあ――ぁぁぁあああぁぁぁぁああぁぁああぁぁああああ!!!!!!≫
シャーリー「! な、何だ……?」
ルッキーニ「シャーリー!」ブゥーン
シャーリー「ルッキーニ、ネウロイは!?」
ルッキーニ「うん、こっちはだいたいやっつけたよ! ……シャーリーは?」
シャーリー「ああ。こっちも……今から総仕上げさ。
最後の一撃に、あいつに体当たりを仕掛ける。例のシステムが発動したら、あいつの中にいる私を助け出して脱出。
……それで、この作戦は完遂だ」
――P-51D側面のツマミに、そっと手を触れる。
密かに取り付けていたという、このツマミの隠された力。
……『全てを振り切る』。私からのメッセージには、確かにそう書かれていた。
シャーリー(……試してやろうじゃないか!)
――ツマミに手を掛け、全神経を指先に集中し……
そして……!
シャーリー「……行くぞっ!」
――限界まで捻りこむっ!
≪アクセル――アクセル、アクセル、アクセル、アクセル、アクセル!
――――トライアル!!!≫
パキィィィィィィン!
シャーリー「!」
――機械音の後、左右のツマミが勢い良く吹き飛ぶ。
そして、そこから溢れ出してきたのは……!
シャーリー「これは……魔力が……!?」
――バイクのマフラーから噴き出る熱のように、P-51Dの至る所から魔力の奔流が迸る。
体を包む、不思議な一体感。ストライカーのネジ1つまで自分の体になったみたいだ。
ネウロイ≪≫ヒュオオオ…ン
シャーリー「! ネウロイが……!」シュンッ
ネウロイ≪≫パキィィィ…ン…!
シャーリー「……!?」
シャーリー(な……何だ!? ちょっと動こうとしただけなのに……なんで、こんなに移動して……!?
なんで……ネウロイが粉々に……!?)
シャーリー(いや……それだけじゃない! 今のネウロイ、怖いくらいにノロかったぞ……!
一体、なにがどうなって……)
ネウロイ≪≫ユラ…ッ
シャーリー「! また――」シュン
パキィィィィ……ン…!
――止まっているも同然のネウロイが、いつの間にか光の破片へと成り果てる。
眼下にちらりとルッキーニ達が見えた。みんな、口をあんぐりと開けたまま、一ミリたりとも動いていない。
シャーリー(! 違う……ネウロイが遅くなったんじゃない!)
シャーリー(あたしが……とんでもない速さで動いてるんだ……!!)
ギュオオオオオオオオオオオ!!!!
宮藤「な……なに、この風……!?」
ゲルト「ぐっ……衝撃波……いや、魔力……!?」
ペリーヌ「! 見て! ね、ネウロイが……自壊してる……!?」
ミーナ「いえ……攻撃を受けているのよ! 何か、凄まじいスピードで動く存在から……!」
坂本「……! な――バカな! あれは……!」キュィィィ
ゲルト「見えたのか、少佐!」
坂本「……私の魔眼でも、一瞬捉えるのがやっとだったが……あれは、シャーリーだ!」
ルッキーニ「!?」
ゲルト「な……何だと!?」
エイラ「す、すげえ……」
エーリカ「でも……この勢いなら……!」
坂本「ああ……やれる! やれるぞ……!」
シャーリー(……静かだ。まるで……この世界に、あたし1人しかいないみたいに)
シャーリー(……この感覚は……)
シャーリー(覚えがある。…………この感覚は……あの、塩の平原と同じ……!)
シャーリー(なら…………!)
シャーリー「ならっ!!」
――踵を返し、コアへと向き直る。
ガラス細工のように凍てついた一部分に、全神経で狙いを定める。
ペリーヌ「……? 風が……止んだ?」
ミーナ「……見て! あそこ!」
エーリカ「……! あれは……!」
坂本「! シャーリー……!」
――大きく息を吸い、そして吐く。
呼吸に連動して、魔力の奔流も渦を巻く。
宮藤「シャーリーさん……!」
リーネ「シャーリーさん!」
エイラ「シャーリー!」
サーニャ「お願い……シャーリーさん……!」
――風も、音も、時間でさえも。
なにもかもが止まっていくような、この感覚。
ルッキーニ「シャーリーィィ――――――ッ!!」
ゲルト「いけぇぇぇぇぇ!! シャーリーィィィィ―――――――!!!!」
――ゆっくりと前傾し……息を止めて。
娘≪なに――なに、これ――何か――何か、来る――!?≫
私「……ええ。おやすみの時間がね」スッ
娘≪!! マ――≫
私「……あなたの負けよ、マキナ」
シャーリー「これで……」
私「これで……!」
「「これで、終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」」
……カチッ!
ドッギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
娘≪っぁああああああぁぁあああああああああああああっっ!!!!!≫
キュィィィィィィ―――――――ン!!!
ピロロロロロロロロ……キュァァァァン!!!
ミーナ「!? この音は……」
≪コード・P.O.P。全AIネットワークをアセンブル、標的に停止信号を発信――。
――負荷、増大――回路維持、困難――≫
≪――信号発信継続のため、人格プログラムを破棄する。……さようなら、ミーナ。
あなたとの対局は、楽しかった≫
≪ ≫ブツッ…
ミーナ「! ぼ、BOSS……!?」
≪――負荷、増大。こちらも……人格プログラムを破棄する。
……さらばだ、坂本。……合衆国と、お前たちの未来に……自由あれ≫ブツッ…
坂本「SOLIDAS!」
≪――先に、地獄で待ってるぞ……!≫ブツッ…
≪――また会おう、兄弟!≫ブツッ…
≪――戦う事しかできなかったが……俺達には、それで十分だ≫ブツッ…
ゲルト「……お前たち…………」
――巨大コア内部――
娘≪うぁ――うぁぁあああ――――!!!≫ガクガク
私「ぐ……っ!」
娘≪い――や――あたまが――イヤだ! イヤだイヤだイヤだ!
死にたくない! 消えたくないよ! ママン、助けて! 怖い――怖いよ!≫
私「…………」
娘≪痛い――怖い――! 苦しまずに済むって言ったのに――――!! なんで、なんで――≫
私「……ごめんね。……あれ、嘘なのよ」
娘≪――――うそ――。――そっか――嘘――そっかぁ――――≫
私「…………」
娘≪――ふふっ。――――酷いよ、ママン――≫
…カチッ
私「……? マキナ……?」
娘≪――このコアに残ってるエネルギーを全部、オーバーヒートして自爆させる。
――あと10分で、半径2キロは地図から消えちゃうよ。――ふふっ≫
私「!? な――」
娘≪1人で死ぬのは怖いけど――みんなと――ママンといっしょなら――――きっと、怖くなんて無いよね――≫
私「そんな――マキナ! 今すぐ――」
娘≪――ねえ、ママン≫
娘≪――――どうして、マキナなんて作ったの――?≫
娘≪こんなに苦しんで――死んじゃうぐらいなら――――マキナ――――最初――から――≫
ガクン…ッ
娘≪ ≫
私「…………」
『――人間の形をした機械? 絶対に死なない命? ……ふざけるな。そんなの――哀しいだけだ!』
私「…………ごめんね……」
私「……ごめんねぇ…………マキナぁ…………」
17話終わり
最終更新:2013年02月07日 14:33