俺「人型ネウロイはまだ生きてるっ!!」


竹井「!!」

俺「さっきのビームは人型を狙っていた!あの人型には何か秘密があるはずだ!」

竹井「・・・サーニャさんとエイラさんはネウロイの探索を!」

エイラーニャ「了解!」

竹井「他のみんなは輸送機の撤退支援を!」

フェル「タケイは!?」

竹井「殿を勤めます!全員、状況開始!」


俺「クソッ・・・応答してくれよ、ネウロイ・・・」カタカタカタ・・・

俺(このアドレス・・・新手のネウロイか・・・?)

俺(今までの方法じゃ変換できない・・・新種のネウロイなのか・・・?)

ズン!

俺「うぉぉっ!?」

フェデリカ「どうしたの!?」

ルチアナ「はぁ・・・はぁ・・・ちょっと手がすべちゃって・・・」

フェデリカ「怪我をしたの!?きついなら撤退を!」

ルチアナ「大丈夫です!やれます!」

フェデリカ「でも・・・」

フェル「オーケーオーケー、ちょっと我慢してね」キィーン・・・

ルチアナ「隊長!」

フェル「こんなもん?」

ルチアナ「ありが・・・」

ビィーーーッ!

フェル「きゃぁっ!?」

ルチアナ「大丈夫ですか、隊長!」

マルチナ「敵がもう迫ってきてるよ!!」


サーニャ「人型、発見しました!」

エイラ ガシッ 「お・・・オモイ・・・」

ネウ子『・・・・・・』

竹井「みんな聞いた?輸送機と人型ネウロイを守りつつ全機退却・・・きゃぁっ!?」

フェル「タケイ!?」

竹井「わ、私なら大丈夫!だから早く撤退を!」

フェデリカ「基地、聞こえる!ドミニカいる!?」

ドミニカ『ザッ・・・聞こえてる!これより撤退支援に向かう!』

フェデリカ「ヴェネツィア上空に巨大なネウロイの巣が発生!陸軍にも掛け合ってヴェネツィア国境の警備を増やさせて!」

ドミニカ『ジェーン、任せた!』

ジェーン『た、大将!?もぉ!・・・こちら504、付近の航空団、応答願います!』


サーニャ「足の速いネウロイが15機、このままだと追いつかれます!」

アンジー「・・・私に任せてください!」

フェデリカ「アンジー!?」

アンジー「俺少尉、過去に例を見ないネウロイの鹵獲成功だ。くれぐれも落とされるなよ!」

フェデリカ「アンジー!戻って!・・・竹井!アンジーが!」

フェデリカ「・・・・・・竹井?竹井!?」

竹井「だ・・・大丈夫よ、フェデリカ・・・聞こえてる・・・」

フェデリカ「ぜんぜん大丈夫じゃないわよ!竹井っ!」

フェル「タケイ!?」キィーン・・・

竹井「・・・フェル・・・?」

フェル「応急処置だけど・・・基地までもって・・・タケイ!」


アンジー「来い、ネウロイども!この先一匹たりとも通しはしない!」

ドミニカ「勇ましいね」

アンジー「ドミニカ大尉!?」

ジェーン「手伝います!」

アンジー「ジェーン大尉まで・・・ロマーニャ防衛は!?」

ジェーン「パティさんが向かってますし、ほかの部隊にも援軍を要請しました。私たちもこいつらを片付けてすぐに向かいましょう!」

アンジー「わかりました!」

ドミニカ「それじゃあ行くぞ、相棒!」

ジェーン「任せてください、大将!」


504基地―――

フェデリカ「医療スタッフ!竹井を!」

医療班「はい!」

フェデリカ「人型ネウロイはまっすぐ第8倉庫へ!」

俺「わかりました!」

フェデリカ「私はすぐに戦域に戻るわ!あとの指示は任せたから!」

俺「や、やってみます!」

サーニャ「私たちも行きます」

エイラ「アイツらを連れ戻さねートナ」

フェデリカ「あなたたち・・・いいわ、行きましょう」

フェル「フェデリカ」

マルチナ「僕たちももちろんついていくからね!」

ルチアナ「もちろん私も行きます」

フェデリカ「・・・ついてきなさい三変人!」

フェル「その名で呼ばないでっていつも言ってるでしょ!」

ブロロロロ・・・


俺「いったか・・・・・・総員!なにをぼさっとしている!彼女たちがいつ戻ってきてもいいように医療スタッフと整備班は用意をしておけ!」

俺「技術部!ネウロイを運ぶのを手伝え!こいつは重いぞ!」

技術士「おう!」

俺「・・・・・・」

技術士「・・・・・・」

俺「・・・って、早く運べよ!」

技術士「いや・・・だ、だって、ネウロイだぜ?」

俺「わかった、もういい!お前らは整備班を手伝ってろ!俺がやる」ヨッコイショ

技術士「・・・すまねぇ」

俺「俺だってすぐにネウロイと分かり合えるとは思ってない。でも、自分から歩み寄らなきゃ友達は作れないんだ」

俺「そうだろ・・・サーニャちゃん」



ロマーニャ北部、ヴェネツィアから撤退中―――

ドミニカ「これで20機!」カチン

ドミニカ「なっ?弾が・・・」

ジェーン「大将!さがって!」ダダダッパリン・・・

ジェーン「はぁ・・・はぁ・・・」

アンジー「ジェーン大尉!後ろ!」

ジェーン「えっ?きゃああっ!」

ドミニカ「ジェーン!」ドン!「ぐぁっ!?」

ジェーン「大将!?」

ドミニカ「だ、大丈夫だ・・・」

ジェーン「ぜんぜん大丈夫じゃありません!」

アンジー「・・・ドミニカ大尉、ジェーン大尉を連れて先に行ってください」

ジェーン「・・・援護に来てこれは・・・すみません」

アンジー「もうすぐ近くの基地から援軍がきます、私は気にせずドミニカ大尉を!」

ジェーン「・・・・・・御武運を!」ブロロロロッ・・・

アンジー「了解!」ジャキッ!



フェデリカ「ドミニカ!ジェーン!アンジー!・・・まだ無線がつながらない・・・もっとスピードは出せないの!?」

操舵士「無理ですこれ以上は!」

フェデリカ「・・・三人とも、無事でいて・・・っ!」

「ザッ・・・ザザッ・・・」

フェデリカ「ジェーン!?」

ジェーン「少佐・・・大将が!・・・ぐっ!」

フェデリカ「あなたは!?」

ジェーン「たいしたことは・・・それより大将を・・・くっ」バシュインバシュイン!

フェデリカ「赤ズボン隊の三人は戦線の撤退支援!」

三変人「了解!」

フェデリカ「エイラとサーニャは周囲の警戒と状況予測を」

エイラーニャ「了解!」

フェデリカ「ジェーン、アンジーは!?」

ジェーン「中尉は最・・・で・・・ザザッ・・・法力もな・・・ザッ、ザーーーッ・・・」

フェデリカ「ジェーン!?ジェーン!?応答しなさい!」

サーニャ「二人を発見・・・北北東約2000です」

マルチナ「見つけた!」

ルチアナ「ここから援護射撃をします・・・!」ガチャッ・・・ダン!

エイラ「私が先行する、ついて来イ!」


フェル「二人とも!大丈夫!?」

ジェーン「・・・くっ・・・フェルさん・・・?」

フェル「すぐに治療するわ!応急手当程度だけど・・・」キィーン・・・

フェデリカ「終わったら二人を輸送機に入れて!その後すぐにアンジーを!」

フェル「わかってるわ!」

マルチナ「僕が先に行ってアンジーを探してくる!」

ルチアナ「待って!私も先行します!」

サーニャ「わ、私も!」

ブロロロロ・・・


アンジー「もう弾も魔法力も残り少ない・・・か」

アンジー「・・・オストマルク、カールスラントと私は撤退戦に縁があるな」

アンジー「ふっ・・・こうなったら、一体でも多く道ずれにしてやるっ!」キィーン!

ダンッ!


サーニャ「北東、ネウロイが集まってる・・・?」

パッ

マルチナ「・・・!?今の光・・・」

ルチアナ「アンジェラ中尉の炸裂弾!?」

マルチナ「いそぐよっ!」







少将「で、隊の損害状況は?」

フェデリカ「報告書のとおりです」

少将「・・・戦闘機12機損失、ウィッチが5名軽症、3名重症、うち一人は意識不明だと!?」

フェデリカ「・・・もうしわけありません」

少将「この作戦には軍以外からも多くの関心が寄せられていた。それがこんな有様だとは・・・」

フェデリカ「返す言葉もありません」

大将「もう起こってしまったことだ」

少将「しかし・・・」

大将「それより報告にあったネウロイの巣、あれは本当なのか?」

フェデリカ「504部隊全員が確認しています」

大将「・・・これまでの数倍から十数倍ほどのネウロイの巣・・・そんなものが・・・」

大将「504は再建までどれくらいかかる?」

フェデリカ「・・・早くて1ヶ月、完全に立て直すのに3ヶ月ほどです」

大将「1ヶ月か・・・ではその間、504は一時戦線を退避し他の部隊をロマーニャ防衛に当てよう」

少将「いえ、ロマーニャ公直属の赤ズボン隊を邪険に扱うことはできません。彼女たちに任せましょう」

大将「しかし・・・」

少将「こちらから支援を送る。1週間で立て直したまえ」

フェデリカ「・・・っ、ご命令なら」

大将「・・・本当に大丈夫かね?」

フェデリカ「・・・やってみせます。『パンタローニ・ロッシ』の名誉にかけて」


フェデリカ「それでは、失礼します」

少将「待ちたまえ。この資料の最後のページ・・・ネウロイを“保護”したというのは?」

フェデリカ「・・・・・・人型のネウロイは我々と友好的でしたが、それ以外のネウロイは人型ネウロイを敵性として攻撃しました」

フェデリカ「よって我々が保護、救出を行いました」

大将「・・・友好的なネウロイと、それを阻むネウロイか・・・」

少将「わかった。支援は近日中に送ろう」

フェデリカ「ありがとうございます。それでは・・・」


504基地―――

フェデリカ「・・・以上の命令で、私たちはこれからもロマーニャの防衛を任されたわ」

ジェーン「この戦力じゃ無理じゃないですか・・・?」

フェデリカ「なんとかするわ。幸い元501の二人もいるしね」

サーニャ「わ、私たち・・・ですか?」

フェデリカ「期待してるわ」

エイラ「マカセトケ!」

フェデリカ「それと・・・支援物資と補充要員が明日には来るから用意しておいてね」

ジェーン「はぁ・・・竹井大尉もいないし、また書類仕事が・・・」

俺「作戦前も酷かったけど・・・作戦が終わったあとのほうが書類が多いってどうなってんだ・・・」


第8倉庫―――

俺「よう、ネウロイ。調子はどうだ?」

ネウ子「」

俺「まだ起きてないのか・・・お前にはいろいろ話を聞きたかったんだけどな」

俺「ま、寝てる間は安心しろ。ネウロイを怖がってほとんどこの倉庫には人が来ないからさ」

ギィッ・・・

俺「(って言ってるそばから誰か来たし)誰だ?」

サーニャ「わ、私です・・・」

俺「サーニャちゃんか。散らかってるけど好きなところに座ってくれ」

サーニャ「は、はい・・・あの、ネウロイは?」

俺「まだ目を覚まさない。人間で言えば意識不明ってヤツだな」

俺「サーニャちゃんも調べてみてくれないか?何か分かるかもしれない」

サーニャ「はい・・・」ピョコッ

サーニャ「・・・・・・?」

俺「どうかした?」

サーニャ「いえ・・・ふと気になったことがあって」

サーニャ「このネウロイは・・・瘴気を出さないんですか?」

俺「ああ、そのことか」

俺「俺も詳しくは分からないんだが、ネウロイの生命力みたいなものが自己修復に必死で瘴気を撒いてる暇がないんだって」

サーニャ「・・・そうなんですか・・・それじゃあ、意識を取り戻したら瘴気を出すってことですよね?」

俺「そうだなぁ・・・その前に説得して出さないようにしてもらえれば一番なんだけど、できるかどうか」


ギィッ・・・

エイラ「サーニャー、ここにいるカのー?」

サーニャ「エイラ」

俺「どうかしたのか?」

エイラ「皆で他のメンバーのお見舞いに行こうって話になってサ」

俺「竹井大尉は入院してないんだっけ?」

エイラ「怪我自体はたいしたことなかったからナ。疲れて眠ってるだけだってサ」

俺「そうか・・・よかった」ホッ

エイラ「ムムムッ・・・」

サーニャ「・・・・・・」ムスッ・・・

俺「い、いや、竹井大尉にはお世話になってるし・・・それに」

エイラ「それになんだよ?」

俺「この隊に二人を引っ張ってきたのは竹井大尉だからさ。二人に会えたって意味で感謝してるんだ」

エイラ「・・・そーゆーことなら・・・少しは感謝してやってもいいかナ」

サーニャ「・・・それでエイラ、いつお見舞いに行くの?」

エイラ「そうだった!サーニャ、すぐに準備するゾ」

サーニャ「え・・・今すぐ?」

エイラ「フェデリカ少佐がどうしてもっていうからサ」

俺「俺は仕事があるから、二人で行っておいで」

サーニャ「そうですか・・・・・・それじゃ、いってきます」

俺「いってらっしゃ~い」


病院―――

医師 ドタドタ

サーニャ「あそこって・・・アンジェラ中尉の部屋よね?」

エイラ「なんか忙しそうダナ」

ガチャッ

竹井「二人とも、来てくれたのね」

エイラ「フェデリカ少佐に連れてこられたんダ」

サーニャ「竹井大尉・・・寝てたんじゃ?」

竹井「起きてすぐにフェデリカに言われてね。みんなの様子を見に来たのよ」

フェデリカ「それでアンジーはどうかしたの?」

竹井「安心して。さっき目を覚ましたの。あとは体が治るのを待つだけだって」

ジェーン「どのくらいかかりそうですか?」

竹井「2ヶ月くらいだそうよ」


ガチャッ

医師「もう大丈夫です」

竹井「そうですか。ありがとうございます」

医師「また何かあったら呼んでください」タッタッタ・・・

ガチャッ


アンジー「・・・・・・」ボー・・・

フェデリカ「もう大丈夫なの?」

アンジー「フェデリカ少佐・・・」

フェデリカ「全治2ヶ月ですって?よかったじゃない。すぐに治るわよ」

アンジー「2ヶ月ですよ!?そんなに待っていられません!」

竹井「アンジェラさん、本当はあなたとパトリシアさんの二人は本国に戻って療養するはずだったのよ」

フェデリカ「そんなに待ってられないなら自力で直して戻ってくること。わかった?」

アンジー「・・・了解しました」

フェデリカ「リハビリ、がんばってね」

フェデリカ(あなたはまだ飛べるんだから・・・)


第8倉庫―――

俺「この前の新手のネウロイ、これまでの言語変換が使えなかった」

俺「新しい方法を探すしかないわけか・・・」

俺(何人かの部下を使って解読グループを作るか)ブツブツ

俺(それともフェデリカ少佐に頼んで暗号解読の専門家とかを呼んでもらうとか)ブツブツ

パソコン ピピッ・・・

俺「ん?なんだ・・・?」

俺「勝手にインターネットに接続・・・ってことは、ネウロイがしゃべったってことか・・・」

俺 チラッ 「起きたのか・・・?」

ネウ子『・・・・・・』

俺「動かないけど・・・こっちから話しかけてみるか」カタカタカタ・・・

ネウ子『あ・・・う・・・』

俺「・・・寝言か?ネウロイでも寝言いうのかな・・・」

俺(それにしてもさっきから頭が痛い・・・風邪でも引いたのか・・・?)

俺 ヨロッ・・・

俺(あれ・・・おかしいな・・・耳鳴りが・・・・・・)

俺 ドサッ・・・

ネウ子『・・・・・・』


ブゥーン・・・

フェデリカ「ドミニカも元気そうだったわね。パティは真横でのろけられて大変でしょうけど」

エイラ「あの二人は何なんだ・・・見せ付けてんのカ?」

竹井「あれが自然体なのよ」

サーニャ「・・・自然に仲良くできるんですね・・・羨ましいです」

フェデリカ「あらあら、あなただって彼と仲良くしてるじゃない?」

サーニャ「えっ!・・・あ、あの人は・・・///」

エイラ「・・・・・・」ガマンガマン

フェデリカ「ま、あなたが彼と仲良しなのはみんな知ってるから、今後は堂々としてなさい!」

サーニャ「ど・・・堂々と・・・///」

エイラ(み、未来予知でもして気を紛らわせるんダ!)ピョコッ

エイラ(あれ?でも未来予知したらこの二人の会話を予知するってことカ?)

エイラ(意味ネェ・・・って、あれ?)キィーン・・・

エイラ「・・・ネウロイ?」

フェデリカ「・・・えっ!?」

サーニャ ピョコッ、キィーン・・・「・・・近いです・・・これは・・・!?」

竹井「距離と方角は!?」

サーニャ「・・・・・・504基地内部です」

フェデリカ「なんですって・・・!?」

フェデリカ「飛ばすから、しっかりつかまって!」

ブゥゥゥゥン!


第8倉庫周辺―――

ザワザワ・・・

フェデリカ「状況は!?」

技術仕官「はっ。例の人型ネウロイが回復したと思われますが、瘴気で直接確認できてません」

技術仕官「ネウロイからの攻撃などは今のところありませんが・・・」

サーニャ「俺さんは!?」

技術仕官「周辺にはいらっしゃらないので・・・おそらく中にいるものと・・・」

サーニャ「っ!?」ダッ!

エイラ「サーニャ!?」

フェデリカ「サーニャさん、まって!」

ギィッ・・・バタン

エイラ「私も!」

フェデリカ「ちょっとまって」

エイラ「離せ少佐!」

フェデリカ「ほら、あれ」

エイラ「?」

タッタッタッ・・・

竹井「遅くなってごめんなさい」チャキッ

エイラ「フソウトウ・・・竹井大尉も持ってたのカ」

竹井「一応ね。あなたたちも知ってる美緒・・・坂本少佐に教わったのだけれど・・・それはまたあとで」

フェデリカ「各員!非常時のために周辺500メートル圏には入らないで!私たちが確認するわ!」

竹井「それじゃ、突撃します!」


サーニャ「俺さん・・・どこ?」

カツカツカツ・・・

サーニャ「っ!」

ネウ子 ツンツン

俺 「」

サーニャ「俺さんから・・・離れて!」

ネウ子『・・・・・・』


エイラ「サーニャ!」

サーニャ「・・・・・・」

ネウ子『・・・・・・』

フェデリカ「ネウロイさんが起きたのはいいけど、俺さんが眠ってるのは困るのよ」

竹井「・・・・・・」チャキッ

ネウ子 スッ

サーニャ「え?」

エイラ「・・・ケータイ?」

竹井「たしか、1ボタンのあとに5ボタンだったかしら・・・」ピピッ

ネウ子『この人間は、生きてるの?』



翌朝、医務室―――

俺「・・・あれ?ここは・・・」

サーニャ「・・・・・・」ウトウト・・・

俺「医務室?たしか倉庫で仕事をしてて・・・倒れたのか?」

サーニャ「・・・・・・」ハッ!

俺「おはよう、サーニャちゃん」

サーニャ「俺、さん・・・俺さん!」ダキッ

俺「うおっ///」

サーニャ「俺さん・・・死んじゃったかと思った・・・」

俺「・・・・・・ごめん」ナデナデ


俺「つまり、ネウロイが回復したから勝手に瘴気が出てきて俺が倒れたってこと?」

サーニャ「はい」

俺「・・・それじゃネウロイとコミュニケーション取れないな・・・」

サーニャ「私たちウィッチなら魔法力をつかって耐えることができますけど・・・」

俺「ネウロイの瘴気・・・あとで資料を見直しておく必要があるな」

俺「あとは・・・そういえば先日ウォーロックの研究資材が届いてたな」ブツブツ・・・

サーニャ「俺さん?」

俺「あ、ごめん。どうかした?」

サーニャ「いえ、また寝ないで仕事を続けちゃうかと思って」

俺「あはは・・・たぶんやっちゃうな」

サーニャ「私が見に来ますから、無理しないでくださいね」

俺「わかった。そういえば、ネウロイは今どうしてるの?」

サーニャ「それは、エイラと竹井大尉が―――」


竹井「あなたはネウロイのリーダーなの?」

ネウ子『ネウロイとは?』

竹井「あなたたちのこと。私たちはあなたたちをネウロイと呼んでるの」

ネウ子『私という個体は集団の一つでしかない』

エイラ「ひらネウロイってことカ?」

ネウ子『そもそも我々に集団的指導者は存在しない』

竹井「ではどうやって集団行動を?」

ネウ子『我々は本能で動く。集団的行動を本能で行っているに過ぎない』

エイラ「オマエはどうなんだヨ?」

ネウ子『私という個体はおそらく特殊な例』

竹井「理性があるかどうかは不明、コミュニケーションは難しい・・・か」

ネウ子『私から質問を行いたい』

竹井「なにかしら?答えられることなら答えるけれど」

ネウ子『先ほどの人間は?』


食堂―――

俺 ペラッ「瘴気・・・魔女のシールドがなければ長く生きることができない。植物や土壌などに感染し生産力などを低下させる働きがある」

俺「これ、地中の微生物とかを殺してるんじゃないだろうな・・・」

俺「だとすれば瘴気は生命体にとって単純な毒ですむんだけど・・・」ブツブツ

サーニャ「俺さん・・・」

俺「あ、ごめんごめん・・・つい、ね。気になることは調べたくなる性質で」

竹井「俺さん、起きて大丈夫なの?」

エイラ「あんまり無茶すんなヨ、困るのはサーニャなんだから」

俺「あはははは・・・」

サーニャ「え、エイラったら・・・」

エイラ「いいか俺!サーニャは夜間哨戒に行く前と行った後、寝ないでずっとオマエを見てたんだからナ!」

俺「え・・・」

サーニャ「エイラ、それは・・・」

エイラ「サーニャに感謝するんダナ」

俺「ありがとう、サーニャちゃん」

サーニャ「・・・///」

俺「あと、教えてくれてありがとう、エイラ」

エイラ「え・・・べ、別に感謝なんかいらないゾ!」

俺「あはは」


食後―――

俺「みんなの様子は?」

竹井「ジェーン大尉と501の二人、ここにいる私を含めた四人はすぐにでも戦えるわ」

竹井「ドミニカ大尉は全治1ヶ月、飛べるようになるまで1ヶ月半ってとこ」

竹井「アンジェラ中尉は飛べるまで2ヵ月半、パトリシア中尉は3ヶ月ってとこかしら」

エイラ「パトリシア中尉はそんな大怪我してなかったゾ?」

竹井「彼女は魔法力を全部使い切ってしまったから回復に時間がかかるの」

俺「赤ズボントリオは?」

サーニャ「たいした怪我じゃないので1週間ぐらいで復帰できると思います」

竹井「・・・俺さん、あのネウロイ、どうするの?」

俺「瘴気はどうなっていますか?倉庫から溢れてます?」

竹井「そうだとしたらすでに倒すか退却命令が出てるわ」

俺「なら、倉庫を開けない限りは大丈夫なんですね?」

竹井「ええ。でもあなたじゃ中に入ることは・・・」

俺「では頼みがあります」



第8倉庫前―――

俺「まずネウロイ語変換を逆変換してブリタニア語をネウロイ語にする」

俺「次に接続対象は無線LAN、変換したネウロイ語をアドレス入力して・・・」

竹井「彼は何をしているの?」

サーニャ「たぶん、あの薄い機械『ぱそこん』からネウロイに電波を送って会話をしようとしているのかと」

竹井「そういえばネウロイを呼び出したときもこちらから声をかけるとかいってたわね」

俺「あー、ハローCQ,ハローCQ。こちら俺、ネウロイさん聞こえる?」カタカタ・・・

ネウ子『あなたは・・・あのときの?』

俺「お、返事が返ってきた」

竹井「本当に会話してるのね・・・言葉を介さず話すなんて・・・」

サーニャ「ナイトウィッチならそれも可能ですけど」

竹井「そうなの?見慣れてないと不思議な光景ね」

俺『俺は彼女たちと違って直接会うことができない。瘴気があるからだ』カタカタ

ネウ子『瘴気とは』

俺『ネウロイが空気中に排出している物質で、人間・・・いや、ネウロイ以外の生物に対して有毒性を持つ物質だ』カタカタ

俺『もし可能ならばそれを止めて欲しいんだけど』カタカタ

ネウ子『・・・・・・難しい』

俺『難しい?無理ではなく?』カタカタ

ネウ子『止めることはできるが、私の体が形を保てなくなる』

俺「・・・・・・」

俺『たしかネウロイの体は金属で増殖するって聞いたけど?』カタカタ

ネウ子『たしかに』

俺『それなら、一定周期で金属を摂取すれば瘴気を出さなくても体を保てるんじゃないか?』カタカタ

ネウ子『試したことがない』

俺『じゃあ試してくれないか?』カタカタ

ネウ子『了解した』

俺『いいのか、そんな簡単に』カタカタ

ネウ子『あなたたちと相互理解するにはそれが一番早いと考えた』

俺『わかった』

俺「竹井大尉」

竹井「なにかしら?」

俺「瘴気が完全に消えるのってどのくらいですか?」

竹井「・・・わからないわ。ただ、完全にネウロイに支配された土地でも10年ほど経てば土地が戻るということを聞いたことがあります」

俺「10年か・・・話は変わりますけど、今空いている倉庫って他にあります?」

竹井「確か・・・5番倉庫がガラクタ置き場になっているって報告が・・・」

俺「それだ」

サーニャ「それがどうしたんですか?」

俺「ネウロイは瘴気がないと体が保てないらしい。だから瘴気をとめてもらう代わりに金属で自身の体を回復してもらうことにしたんだ」

竹井「・・・妙案ね」

俺「二人とも、ネウロイを第5倉庫に移動するのを手伝ってくれないか?」

サーニャ「もちろんです」

竹井「私はフェデリカに報告してくるわ」

俺「そうですね。そのほうがいいかもしれません」

竹井「それじゃ、後は頼んだわよ」


数日後―――

俺「ネウ子~、飯持ってきたぞ~」

ネウ子『ありがとう』

エイラ「コイツ、今しゃべったのカ!?」

サーニャ「でも横から声が聞こえたような・・・」

俺「彼女の言葉が俺のパソコンから聞こえるようにしたんだ」

エイラ「でもずいぶん棒読みだナ」

俺(エイラに言われたくないだろうけど・・・)

俺「まあ“ゆっくり”だし、仕方ないだろ・・・」

サーニャ「ゆっくり?」

俺「いや、こっちの話」

ネウ子『早く、おなかすいた』

エイラ「ネウロイでも腹減るのか?」

ネウ子『比喩的表現。そろそろ体が崩壊しつつある』

俺「うわ、ごめん!はいこれ」

ネウ子『もぐもぐ』

サーニャ「口から食べるんですね」

ネウ子『比喩的行動。どこからでも摂取可能』

エイラーニャ「・・・・・・」

俺「んじゃ、今日も定期診断するから」

ネウ子『了解』クパァ

サーニャ「・・・コア?」

俺「まさかウォーロックの機材が役に立つとは思わなかったな」ガチャガチャ

エイラ「あんまりいい印象がないけどナ」

俺「まあな・・・あれ、ネウ子。昨日より回復量減ってないか?」

ネウ子『体感では同じ』

俺「・・・そこまで大きく減ってないのか・・・何かあったら言ってくれよ」

サーニャ「ネウ子って・・・ネウロイさんのことですか?」

俺「ああ。人型とか、ネウロイとかじゃ紛らわしいないだろ?」

エイラ「でもネウ子ってネーミングはどうなんダ?」

俺「いや、名前付けたの俺じゃなくて・・・」

ネウ子『ダメ?』

エイラ「あ・・・いや、ウン・・・いいと思うゾ、ウン」

ネウ子『よかった』

サーニャ「いい名前だと思うわ、ネウ子さん」

エイラ「そ、そーか・・・?」

俺「ん?何か言ったか?」

エイラ「な、なんでもない」


一週間後、食堂―――

フェル「たっだいま~!」

竹井「お帰り、三人とも」

ルチアナ「本当はまだ体の節々が痛むんですけど・・・」

マルチナ「ずっと休んでも居られないしね!」

エイラ「ムリだけはすんなヨ?」

フェデリカ「これで7人。とりあえずは何とかなる人数ね」

ウウーーーーーーーー!

フェデリカ「って、言ってるそばから・・・竹井?」

竹井「行くわよ、みんな!」

一同「了解!」


竹井「こちら竹井、本部、聞こえますか?」

フェデリカ「感度良好よ」

竹井「サーニャさんによると敵は大型が1機だそうです。ほかに伏兵などの気配は?」

フェデリカ「レーダー上では無いわ。速やかに撃墜、帰還すること」

竹井「了解」

フェデリカ「ふぅ・・・」

コンコン

フェデリカ「どうぞ?」

俺「失礼します」

フェデリカ「俺さん?今は戦闘中よ?」

俺「少し気になることがあって」

フェデリカ「何かしら」

俺「ヴェネツィア撤退戦の各員のスコア、ならびに戦闘状況の確認を行いました・・・正確にはほかにやる人が居なかったんですけど」

フェデリカ「ルチアナが倒れてたからね・・・それで?」

俺「うちの部隊だけじゃなく、撤退戦に参加したほぼ全員の撃墜スコアがこれまでの撤退戦の半分前後になっていました」

俺「実際に戦況報告書を読ませていただいたところ、陸空問わず『以前のネウロイよりも防御力が上がっている』との報告がありました」

フェデリカ「・・・・・・」

俺「一応、彼女たちには可能な限り火力の増加を指示しましたけど・・・」

フェデリカ「ありがとう・・・私ももしかしたらと思ってたんだけどね」

俺「やっぱり・・・」

フェデリカ「ええ。新しい巨大なネウロイの巣、およびそこから現れるネウロイは新型と呼ぶにふさわしい防御力、もしくは回復力を持っているわ」


上空―――

竹井「硬い・・・!?」

ジェーン「コアまで攻撃が届きません、どうしますか!?」

竹井「可能な限り広域に攻撃、コアの位置を特定しだいその位置を集中攻撃します!」

フェル「了解!」


エイラ「くっそ~・・・コアはどこだ!?」ダダダダッ

竹井「・・・これだけやってないとなると・・・移動タイプかもしれないわ」

マルチナ「この大型がコア移動するなんてどこ狙えばいいのさ!」

ジェーン「それにこの防御力、削るだけでも弾を消耗してしまう・・・ぎゃぁっ!?」バシュン!

竹井「このままでは・・・」

ルチアナ「竹井大尉、これは使えませんか?」

フェル「・・・って、あんたなんで爆弾なんてもってきてるのよ!?」

ルチアナ「俺少尉に火力重視といわれて・・・」

フェル「だからってボーイズ対戦車ライフルと爆弾しか持ってきてないってどういうことよ!」

竹井「今は助かるわ。弾は3つ・・・三人とも、お願いできる?」

マルチナ「まかせてよ!」

ルチアナ「了解です」

フェル「りょ~かい!」

竹井「一斉に爆撃を行います。タイミングはフェルナンディア中尉、お願いします。ほかのみんなは三人の援護を!」

一同「了解!」


エイラ「こっちだこっち~!」

竹井「はあぁぁっ!」ダダダダッ!

フェル「・・・・・・今っ!」

ドフッ!ドフッドフッ!

ジェーン「コアがっ!」

エイラ「当たれッ!」

パリーン!

サーニャ「・・・ネウロイの反応消滅、撃墜しました」

竹井「了解、全機帰還します」

フェル「いや~、手間取ったわね~」


フェデリカ「何とかなったみたいよ?」

俺「・・・よかった」

フェデリカ「竹井、あとで報告書をお願い」

竹井『了解』

俺「・・・確か今回のネウロイは新しいネウロイの巣から出現したらしいですね?」

フェデリカ「ええ。あの巣はこれまでの巣より大きいから、より性能のいいネウロイが出てくるのかも」

俺「・・・ネウ子に聞いてみます」

フェデリカ「ネウ子?」

俺「人型ネウロイの名前です。自分で考えたそうで」

フェデリカ「・・・後で私も会いに行こうかしら?」

俺「彼女は我々に友好的です。喜んでくれますよ」
最終更新:2013年02月07日 14:45