―食堂―
俺「…ハァァ」ガクッ
宮藤「あの、俺さん?どうかしたんですか?」
俺「あ、いや、別に。なんでもないよ」
バルクホルン「なら食べろ。軍人たるもの朝からしっかりだな」
エーリカ「あーもー、朝から説教なんて聞きたくないよー」
今日はエイラやサーニャもそろっての朝食だ。夢見が悪かったのと、心臓ドッキリのせいで朝から疲れてしまった
例の『もの』の最終調整が残ってる。それが終われば、プランBは実行を待つのみとなる
実行しないに越したことはないが…
サーニャには昨晩、プランBの概要を説明した。『もの』の使い方も説明済みだ
問題はあいつかな…今はサーニャを信じるしかないか
俺「…ふぅ」モグモグ
サーニャ「俺さん、大丈夫ですか?昨日うなされてましたけど…」
俺「え?ああ…ちょっと、昔のことを、夢にね…」モグモグ
サーニャ「そうですか…」
ミーナ「昔?」
俺「…そういえば数人には話してませんでしたね。まぁ、ご飯時にする話じゃないんで、また後で」
坂本「そうか…と、それはそうと、なぜお前がうなされていたことをサーニャが知ってるんだ?」
一同「あ」
俺「…」アセダバー
友「…アーア」
エイラ「サ、サーニャ(;x;)」
宮・リ「」キャー
エーリカ「」ニシシ
坂本「」キョトン?
ミーナ「」ハァ
バルクホルン「…お前ぇ」ヒョコン
周りの視線が痛い!大尉は使い魔発現させて今にも殴りかかってきそうなんですけど!?
俺「ちょっと待ってください!俺は何もやましいことはしてない!」
バルクホルン「嘘だっ!」バーン!
俺「即答!?なぜそう言い切れる!?」
バルクホルン「」クイクイ
俺「ん?」クルッ
サーニャ「///」マッカ
またかー!
バルクホルン「隙あり!」ドゲシッ!
俺「ギャー!!」
…どんな風にボコボコにされたかの詳細は、彼の名誉のために言わないでおこう
―ハンガー―
俺(今日は厄日か?朝からひどい目にあった。誤解は解けたからよかったけど)
ロマーニャ軍がネウロイ撃破に失敗し、ウィッチ隊の出番となった
作戦概要はこうだ
まず、エイラ・宮藤・リーネ・ルッキーニ・友からなる打ち上げ班が、俺とサーニャを高度12000mまで押し上げる
目標高度到達後、フェンリルのエンジンに点火。そのまま30000mまで上がる
弾道飛行に移り、敵撃破後、速やかに降下し帰還する。実に簡単
俺(友にはプランBのことを伝えた。話に乗ってくれてよかったよ)
今は作戦の準備中。おのおの、ユニットのチェックなどを行っている
俺(ついさっき『もの』の最終調整も終了したし、フェンリルに何かあっても大丈夫だな)
俺とサーニャは極寒の成層圏まで上がるので、防寒装備を用意している
サーニャはブラウンのコートと赤いマフラー。よく似合ってる
俺はというと
俺「普通に厚着でいいんだけどなぁ…魔法で生命維持できるし」
パイロット「念のためと気分出しだ」
戦闘機パイロット用対Gフライトスーツ(パイロットの私物)着せられてます
俺「おい!パラシュートはいらないだろう!?」
パイロット「だから念のためと気分出しだって」
俺「フライトスーツをコスプレか何かと勘違いしてないか!?」
…最近出番なかったからやさぐれたのか?
ふとウィッチたちのほうを見ると、友とエイラがなにやら話し込んでいた
プランBのことは話すなと言ってあるから、大丈夫だと思うけど、
俺「そう思いますよね?」
シャーリー「思う。仲いいと言えば、俺とサーニャも最近仲いいよな」
俺「…話題転換が無理やりすぎません?」
シャーリー「いいじゃん別に。で、どこまで行ったんだ?」ワクワク
俺「知ってますか?フライトスーツにはナイフとかいろいろ仕込んであってですね」ニヤァ
シャーリー「わかった、これ以上聞かない」ゾワッ
正確にはサバイバルキットの中にナイフがあるってだけだけど
坂本「そろそろ時間だ!出撃するものは滑走路に集合!」
一同「了解!」
さぁ、仕事の時間だ
BGM:ttp://www.youtube.com/watch?v=bMvfXEGpfYc&feature=feedlik
滑走路の先端で人間ピラミッドを組む
俺「重くない?」
友「魔力で強化してあるから平気」
俺「さいですか」
坂本「カウントダウン開始!」
HMDのスイッチを入れ、前に向き直る
体の大小関係上、俺はサーニャを抱える体勢になる
それで自然と顔が近くなるわけだが、
サーニャ「?」キョトン
あんま気にしてないみたい。サーニャの恥ずかしがる基準がよくわかんないなぁ
ルッキーニ「7!」
ペリーヌ「6!」
リーネ「5!」
宮藤「4!」
友「3!」
俺「2!」
サーニャ「…1」
リフトオフ。打ち上げ班が上昇を開始する
高度は順調に上がっていく。HMDに表示される高度計とタイマーに目を凝らす
高度計が10000mを示した。あと少しで切り離しだ
俺(あと1500…1000…500…)
俺「今だ!切り離せ!」
言うと同時に、フェンリルのエンジンを噴かす
友「了解!」
打ち上げ班のメンバーが次々離脱する
そんな中1人、なかなか離脱しないものが居た。エイラだ
俺(そういえば、エイラとサーニャ、仲直りできてないって…)
エイラの顔には、悔しさや悲しさ、いろんな感情が混ざった表情が浮かんでいた
俺にはそれが、涙をこらえているように見えた
俺(エイラ…)
サーニャも気になるのか、不安げな表情でちらちらとエイラを見ていた
そりゃそうだ、生きて帰ってこれる保障はない。そうなれば、一生仲直りできないままだ
俺はHMDでエンジン状態を確認する。何も異常はない
それなら、フェンリルに何かあったときのための作戦、『プランB』を行う必要はない
だが…
俺「…あー、こちら俺。フェンリルのエンジンに異常を確認(棒」
『え!?』
俺「これより、作戦をプランBに移行する」
サーニャ「!」
女の泣き顔にゃ勝てねぇよ
エイラ「え?異常…?」
エイラ(状況が読み込めない。え?つまり、作戦失敗?でもプランBって…えぇ)
混乱していると、友に手を握られた
エイラ「友!?」
友「行って来い」ニッ
エイラ「え?」
呆けていると、友は私をサーニャのところまで引っ張り上げた
俺はサーニャを離し、わざとエンジンの出力を落とす
サーニャの下に回り、隠していた『もの』…改造型魔導ロケットブースターを取り付ける
友にも1セット渡し、エイラのユニットに取り付けさせる
ペリーヌ「あ、あなたたちなにをして…!?」
友「だーかーらー、プランBだって」
ペリーヌ「はぁ?」
最後の止め具をはめ終わり、準備が整った
俺「使い方は話したとおりだサーニャ!そいつで成層圏まで行って来い!」
サーニャ「はい!」ニコッ
ブースターに魔力が送り込まれ点火する。エイラをしっかりと抱き、一緒に、高度を上げていく
改造型の出力は改造前の2倍。ここから30000mまで余裕であがれる
帰りはエイラのブースターを使う。なんてたって一回ぽっきりの使い捨てだ。使い方はサーニャが教えるだろう
友「2人の目標高度到達を確認。帰投する」
ミーナ『ちょっと待って!プランBなんて聞いてないわよ!?』
アー、やっぱり来た…こうなったら
俺「俺です。おっかしーなー、シャーリーさんに伝えておいてくれって言ったはずなんですが…」
もちろん嘘。本当は秘密にしてくれと言った。頼む、話をあわせてくれシャーリーさん
ミーナ『シャーリーさん?』
シャーリー『…すまん!忘れてた!』
シャーリーさんマジ聖母!
俺「というわけです」
ミーナ『…わかりました、とりあえず戻ってきてください』
俺「了解」
罰とは行かずとも、お説教ぐらいはあるかな
宮藤「みんな!あれ!」
彼女の指差す先では、ウィッチのシールドがネウロイのビームを防いでいた
シールドを張っていたのは、
俺「エイラ…」
彼女の張る、決して大きくはないシールド。でもそれは、俺が見た中で一番強いシールドだった
俺(今回は譲るよ、エイラ。だから、必ず生きて帰って来い)
聞かれないように心の中でつぶやく
友「あいつらは帰ってくるよ。絶対」
まるで心を読まれたようなセリフを吐く
友「だってあいつらだぜ?白百合とダイヤのエース」
俺「ふふっ…そうだな」
その言葉通り、彼女らは無事生還した
1本のマフラーを、2人で仲良く巻きながら
――つづく
最終更新:2013年02月07日 15:34