夜 エイラ・サーニャの部屋

エイラ「……」

ベッドに横になり、思案に暮れる


――エイラ『だったら最初からできるミヤフジに守ってもらえばいいダロ!!』


エイラ(なんであんなこと言っちゃったんだろう…)

サーニャに…嫌われたかな?

<ドンドン

エイラ「ん?」

部屋のドアがノックされる

俺『俺だ。入っていいか?』

エイラ「ああ、いいゾ」

<ガチャ

エイラ「珍しいナ。お前がこっちの部屋に来るなんて」

起き上がり、ベッドの横に腰掛ける

俺「まぁ、な…話があるんだ」

歯切れの悪い言い方をする

エイラ「話?とりあえず座れ」

ポンポンと自分の横のベッドを叩く

俺「ああ……で、単刀直入に言おう。サーニャと喧嘩したな?」

エイラ「! ナンデ知って…」

俺「エフィがサーニャと話をしたみたいでな。教えてくれたんだ」

エイラ「……」

エフィの奴…

俺「…諦めるのか?」

エイラ「…サーニャにも同じこと言われたよ」

俺「サーニャはお前になんと言っていた?」

エイラ「…諦めるからできないんだ、って」

俺「で、お前はなんと言った?」

エイラ「…だったらミヤフジに守ってもらえ」

俺「そんで、サーニャは?」

エイラ「…バカって…怒って…」

俺「はぁ…なんでサーニャが怒ったかわかるか?」

エイラ「…私が、すぐに諦めたから」

俺「ちょっと違う」

エイラ「え?」

違う?違うって……?

俺「思い出せ。サーニャはお前にどうして欲しいとか言ったか?」

エイラ「あ…」

そうだ。サーニャは私を励まそうとしただけだ。それを私は……

俺「サーニャはお前がすぐに諦めたから怒ったんじゃない。宮藤に守ってもらえと言われたから怒ったんだ」

エイラ「……」

……サーニャ……


俺「サーニャは、お前に守って欲しかったんじゃないのか?」


エイラ「……っ!」

………私は………なんて………バカなんだ………――っ!!

俺「エイラ。お前にとっては、サーニャはなんだ?」

エイラ「……大切な、人……一生の、親友ダ…」

泣きそうになるのをこらえる

俺「その言葉は、嘘じゃないな?」

エイラ「嘘なんかじゃ、ない…誓ってもいい」

目に涙を浮かべながらも、はっきりとした口調で告げた

俺「そうか。なら、その親友に何をしてやりたい?お前はどうしたい?」

エイラ「…私は、サーニャを守りたい……俺、シールドの特訓、また手伝ってくれ!」

俺「エイラ……その、ここまで盛り上げておいてあれなんだが……」

エイラ「?」

急に口ごもる俺……今度はナンダ?

俺「作戦決行は明日だ」

エイラ「はい!?」

俺「中佐が話してるのを聞いちまって…訓練飛行許可は下りないだろう」

エイラ「そ、それって…」

俺「守るなら、練習なしのぶっつけ本番、ってことだ」

エイラ「そ、そんな……」

俺「確実性に賭けて、宮藤にサーニャを託すという方法もあるが…」

エイラ「ヤダ!それだけはイヤダ!」

俺「なら、張れるか分からない自分のシールドに賭けるか?」

エイラ「ウッ……」

また泣きそうな顔をする

俺「…すまん、言い方がきつかった。俺は別にお前を責めている訳じゃない。良く考えてから行動しろってことだ」

エイラ「……」

俺「じゃあ、俺は部屋に戻るよ。今晩は一人でゆっくり考えろ。あと、これだけは言っておく」

エイラ「?」


俺「手が届くうちに手を伸ばせ」


エイラ「……」

俺「じゃ」

<ガチャ…キィィ…バタン

エイラ(………私は………)



 翌日 ハンガー

シャーリー「ふふ~ん、似合ってるじゃないか、ルッキーニ」

ルッキーニ「あづいよ~」

タワー型殲滅作戦の準備が進められている

と言っても、防寒着を着込むだけなのだが

宮藤「バルクホルンさんのコート、ちょっと大きい」

身長差が10センチ近くあれば、そうだろうな

ペリーヌ「無いよりはマシでしょ?」

エイラ(ナンデお前がサーニャのマフラーしてんダヨー…)

結局エイラは、サーニャを守るとも託すとも決断できないで居た

俺(エイラ…)

彼女がどのような決断をしようと、俺はそれを支持するつもりだが、

俺(……)



サーニャ「……」

こちらもこちらで、仲直りの話を切り出すことも、守って欲しいと言う事もできなかった

ネウ子「サーニャお姉さん」

サーニャ「?」

ネウ子「がんばって…」

サーニャ「…うん」


バルクホルン「ん?これは?」

机の上に、お茶の入ったカップとポットが置かれている。匂いがいつもと違う

リーネ「ジンジャーティーを作ってみました。体が温まりますよ」

バルクホルン「ふむ。いただこう」

そういって、紅茶でも飲むように口に運ぶが、

サーニャ「~~~っ!」

エーリカ「まじ~…」

バルクホルン「いや、それでもなかなか……ウグッ」

宮藤「あ、後から来る…」

坂本「だが、薬だと思えば、どうということは無い」

俺「…お茶は飲みやすいのが一番ですよ」

俺はコーヒーしか飲まんが

ネウ子「あの…一つ、いい?」

一同「?」

俺「なんだ?」

ネウ子「本で、読んだの、だけど…その、お茶には……頻尿、効果が…」

俺「……飛ぶ前に飲むモンじゃないってことね」

結構重要な情報だぞ、それ

一同「…」ブルッ

…さっさと行って来い



 滑走路先端


<ブゥゥゥン


滑走路に巨大な魔方陣が浮かび上がる


ウィッチ11人が、三段ピラミッドの形になっている。後は空へと上がるだけだ


ネウ子「うまく、行く、かな」


俺「行ってくれなきゃ困る。失敗すれば、あの二人は二度とこの地面を踏めなくなる」



――作戦指針



ミーナ「出撃します!」


一同「了解!!」



――第一打ち上げ班五名の通常動力により、サーニャと宮藤及び第二打ち上げ班を高度10000mまで運ぶ



<ブォォォォ


カウントダウンが0になり、11人が空へと飛び立つ


段々出力を上げていく第一打ち上げ班


高度は順調に上がり、間も無く10000mにさしかかろうとしていた


サーニャは魔導針を展開し、ネウロイのコアの位置を探ろうとする


誘導型ハマーを使いこなすには、敵の位置を完璧に把握する必要がある


ただたんに、あそこに当たれ!と念じて撃てばいいだけなのだが、


その『あそこ』がどこなのかはっきりしていないと意味が無い


サーニャ(X=043.45,Y=013.58,Z=33333.00……大丈夫、できる)


そんなサーニャを見つめるものが一人


エイラ(……)


エイラ、その人である


エイラ(サーニャ…)



――第一打ち上げ班離脱後、第二打ち上げ班はブースターに点火。サーニャと宮藤を、高度20000mまで押し上げる



<ゴォォォォォォ


脳を揺さぶられるような衝撃を感じながら、エイラたちが高度を上げていく



――その後、サーニャと宮藤がブースターに点火。33333mまで上がり、弾道飛行に移行。コア破壊へ向かう



ペリーヌ「時間ですわ!!」ゴォォォ


<ブシュッ!ゴォォォ!!


高度20000m。サーニャと宮藤のブースターが点火され、二人が上昇していく


エイラ(サーニャ…)


第二打ち上げ班であるエイラが、彼女についていけるのはここまで



――俺『なら、張れるか分からない自分のシールドに賭けるか?』



エイラ(これでいいんだ……ミヤフジになら、サーニャを任せられる……)


高度を上げ、遠ざかっていくサーニャを見送りながら、エイラは自分に言い聞かせる



――エイラ『…私は、サーニャを守りたい……』



エイラ(あんなこと言ったけど、私には、やっぱり、無理だよ……)



そのときだった



サーニャ「……」ゴォォォ


上昇するサーニャ……


エイラ「……」ゴォォ…


それを見上げるエイラ……









エイラ・サーニャ「「……――っ!!」」









二人の目が合った








エイラ(サーニャ……サーニャっ!!)



――エイラ『……ミヤフジになら、サーニャを任せられる……』


――エイラ『私には、やっぱり、無理だよ……』



……そんなの、ただの言い訳だった


本当は、守りたかった


サーニャを、この手で


エイラ(私は……私は……)


溢れ出した思いは、もう、止まらなかった




エイラ「嫌だっ!!…私が…私が……サーニャを守るっ!!」ゴォォォォォ!!




弱まりかけたブースターに再び点火。エイラがサーニャに追いつこうと急上昇する


サーニャ「何してるのエイラ!!」


エイラ「サーニャ言ったじゃないか!諦めるからできないんだって!私は諦めたくないんだ!」


サーニャ「エイラ…」


宮藤「エイラさん…」



エイラ「私が、サ ー ニ ャ を 守 る ん だ ぁ ぁ ぁ っ ! !」ゴォォォォォォォォッ!!



ありったけの魔力をブースターに流し、必死に上へ上へと向かう


だが、それでも追いつけない


パワー切れ寸前のエイラと、点火したばかりのサーニャとでは、推進力に違いがありすぎる


エイラ(くそぉっ!上がれよ!!上がってくれよぉ!!)ゴォォォォ!!


諦めたくない


その一心でブースターを吹かし続け、必死に手を伸ばす



――俺『手が届くうちに手を伸ばせ』



エイラ(お願い!届いて!!)ゴォォォォ!!


そんなエイラに、


<ギュッ


エイラ「!?」


手が差し伸べられた


エイラ「ミヤフジ!?」


宮藤「エイラさん、行きましょう!」


<ゴォォォォォッ!!!


サーニャと同じく、点火したばかりでパワー全快の宮藤の後押しを受け、エイラが一気に高度を上げ、


エイラ「サーニャ!」


サーニャ「エイラ!」


追いついた…………!


宮藤によって押し上げられてきたエイラを、サーニャがしっかりと受け止める


エイラ(アリガトナ!やるよ!)


心の中でお礼を言う


リーネ「芳佳ちゃん!!」


ペリーヌ「無茶よ!魔法力が持ちませんわ!帰れなくなりますわよ!!」


サーニャ「…私が、エイラを連れて帰ります」


リーネ「え?」



サーニャ「必ず連れて帰ります!」



エイラ「!」


サーニャ「…」ニコッ


ペリーヌ「む、無茶苦茶ですわ…」


ルッキーニ「行っけー!サーニャ!エイラ!」


お互いをしっかりと支えあい飛んで行く二人は、すぐに見えなくなってしまった





――高度33333m


――空気もない、極限環境


――気温マイナス70度。自分の吐息も聞こえぬ静寂の世界


――魔法がなければ、一瞬で死に至る。過酷な空間


パワーが完全に切れ、役目を終えたエイラのブースターが切り離される


サーニャのブースターも、今はジェットの噴射を止めており、慣性でネウロイとの距離をつめる


地平線上にネウロイの先端――コアが見えてきた


こちらに気づいたのか、その先端部分が割れて展開し、ビームを放つ


エイラ「!」


ここでは未来予知は役に立たない。正確には、今までの未来予知に使い方では


旋回して回避することはできない。シールドを張り、防御するしかない


エイラ「っ!」ブゥゥン


今、この瞬間。エイラは、実戦ではじめてシールドを使った


小さくも大きくも無いそのシールドは、なにものにも破られない


愛する人を、大切な人を守りたい。エイラのその思いが、シールドを強固なものにしていた


サーニャ(まだ……焦ってはダメ)


ハマーの弾数は9発


すべてプラズマガス弾頭誘導弾だが、仕留め損なえば、後は無い


サーニャ(まだ……もう少し……)


落ち着いてハマーの照準を合わせる


サーニャ(まだ……まだ……)


<キィィィィン!!


サーニャ(!?)


突然頭に鳴り響くネウロイの声…ここは音が聞こえないはずじゃ……?


エイラは必死にシールドを張り続けている。エイラにはこの声が聞こえていない?


<35…49…49…20……14…32…35…90


サーニャ(何…今の……?)


今度は頭に数字が流れ込んで来た……これは一体


その時、手を握るエイラの手が緩んだ。合図だ


サーニャ(!)


次の瞬間。ほんのカンマ一秒。ネウロイの攻撃がやんだ


サーニャ(当たって!)


そう念じ、引き金を絞る……





―――――――――――――――――





エイラとサーニャは、しっかりと手を繋いだまま、ゆっくりと降下していた


彼女らの後ろには、撃破したネウロイの破片が散らばり、光り輝いていた


エイラ「……!…」


サーニャ「?」


エイラ「?」


エイラが何か話そうとしたが、サーニャには伝わらない


忘れていた、ここは真空空間だった


サーニャの肩に手を当て、少し抱き寄せ、お互いの額を当てる


これなら、骨伝導で話ができるはずだ


エイラ「聞こえるカ?」


サーニャ「…うん」


いろんな思いが溢れ出てきて、伝えたいことがなかなか言葉にならない


でも、まずはこれを伝えねばならない


エイラ「ゴメンナ…」


サーニャ「…ううん、私も。見て、エイラ。オラーシャよ」


エイラ「うん…」


二人の視線の先には、広大な土地を有するオラーシャがあった


サーニャ「ウラルの山に、手が届きそう…」


そういって、片手を前へと伸ばす


ウラル山脈の向こう側。東オラーシャのどこかに、サーニャの両親が居る


サーニャ「このまま、あの山の向こうまで飛んでいこうか……?」


エイラ「!」


それはつまり、一緒に死んでくれ、と言っている様なものだった


だが、エイラは何の迷いもなく答える


エイラ「いいよ……サーニャと一緒なら、私はどこへだって行ける」


彼女の頬を、一筋の涙が伝う


サーニャ「…嘘……ごめんね。だって、今の私たちには、帰るところがあるもの」


エイラ「ああ……会わなきゃいけない奴もいる」


わっと泣き出したくなるのを必死にこらえる


二人はお互いをしっかりと支えあい、サーニャはブースターに再び点火


弾道飛行から脱し、地上へ向かい降下する


エイラ「あいつが、誰かを守りたいって言う気持ちが、ちょっとだけ、分かった気がするよ」


二人は視線をウラルからアドリア海へ移した


やがて、半島からはみ出すように位置している基地島が見えてきた


エイラとサーニャの、帰る家が………





―――――――――――――――――





 地上 基地滑走路

ネウ子「見て!」

エフィの指差す先、エイラとサーニャがこちらに向かって降下してくる

バルクホルン「来たか」

宮藤「サーニャちゃん!エイラさぁん!」

ミーナ「ホッ…」

<オーイ!!

ゆっくりと滑走路に進入し、

<エイラ「タダイマー!」

着陸する

宮藤「おかえりなさい!」

ミーナ「おかえり」

バルクホルン「よく戻った」

ネウ子「おかえり…」

俺「おかえり、エイラ…」

エイラ「…ただいま」

二人で向かい合い、しばし見つめあう

俺「……やってくれたな」

エイラ「私は、やるときはやる女ダ」

フフンと誇らしげに笑う

俺「でも……あんな無茶はこれっきりにしてくれよ」

エイラ「ナ、ナンダ?心配してくれたのカ……?」

俺「そりゃ…な……///」

エイラ「ん……///」

二人して顔を赤くしながらうつむく

エイラ「……アリガトナ」

俺「え?」

突然の感謝の言葉に戸惑う俺

エイラ「『手が届くうちに手を伸ばせ』…意味がわかったよ」

俺「……そうか」

そういって微笑む

いつかのときのように、今の二人に、それ以上の言葉は必要なかった


サーニャ(頭に響いた、ネウロイの声)

――<35…49…49…20……14…32…35…90

サーニャ(あれは……一体……)



 その日の夜 謹慎部屋

命令違反、独断専行により、エイラには三日間の謹慎処分が言い渡された

三日で済んだだけマシだが、要するに、三日の間サーニャ、俺との面会を禁ずる、ということだ

俺とサーニャにも、できる限りエイラとの接触は避けるように、とやんわり注意されたが、

俺(そんなの俺が聞くと思うか?)

というわけで、謹慎部屋の前まで来ました

俺「…エイラ、起きてるか?」

エイラ「! お、俺!?」

ベッドに横になっていたのか、立ち上がり、ドアに駆け寄る音がした

俺「開けるなよ……悪いこととは分かってるんだが…会いたくて」

ドア越しに会話する

エイラ「……」

俺「…言いたいことが、一つだけあるんだ」

エイラ「ナ、ナンダ?」

俺「………エイラ」

エイラ「?」



俺「……愛してる」



エイラ「!?///」

俺「…それだけ言いたかった……じゃあ」

エイラ「ま、待って!」

俺「?」

エイラ「ナンダヨ、急に…その……」

俺「…ようやく分かったんだ」

エイラ「へ?」

部屋のドアに背をむけ、寄りかかる

俺「実はな、今回の作戦。できれば、お前には行ってほしくなかった」

エイラ「…」

俺「どう考えても無茶。宮藤の代わりにお前が行けば、作戦は失敗…二人とも死ぬと思ってた」

エイラは黙って聞く。人が何かを打ち明けるときは、まずは黙って聞いてあげるものだ

俺「だから、お前がサーニャと一緒に上がったって聞いたときは…泣きそうなくらい不安になった。お前が死ぬんじゃないかって」

エイラ「……」

俺「お前が戻ってきたとき、驚くよりも何よりも、うれしかった…失わずに済んだって」

エイラ「……」

俺「お前を失いかけて分かったよ…俺にとってエイラは、自分が思っている以上に、大切な存在なんだって」

エイラ「……///」

独白を続ける俺に、エイラはかつての自分を重ねていた

俺「だからエイラ。もう一度言わせてくれ………愛してる」

今度はさっきよりもはっきりと言った

エイラ「…ドア越しに言う台詞か、それ///」

恥ずかしさのあまり、少し高圧的な言葉を言ってしまう

俺「ハハッ、俺たちらしいだろ?」

エイラ「フフッ、そうかもナ」

ヘタレな二人のエース

彼らの笑いあう声は、しばらく続いたと言う



 廊下

サーニャ「俺さん、ちょっといいですか?」

俺「ん?どうした?」

エイラに愛をささやいてきた帰り、部屋に戻る途中、サーニャに呼び止められた

サーニャ「あのタワーネウロイについてなんですが…」

俺「…俺の部屋に行こう。エフィと一緒のほうがいい」

サーニャ「はい」


 俺・エフィの部屋

ネウ子「で、話って?」

サーニャ「うん。あのネウロイを倒そうとしたとき、声が聞こえたの」

俺「声?」

んな馬鹿な。成層圏の真空空間で声が聞こえるわけがない

サーニャ「頭に響く感じで……数字が聞こえたんです」

ネウ子「数字…」

サーニャ「これ」スッ

ポケットからメモを取り出す。聞いた数字を忘れないように書き留めて置いたもののようだ

紙にはこう書いてあった

ネウ子「35…49…49…20……14…32…35…90」

俺「なんだこりゃ…」

規則性もへったくれもないな

ネウ子「何かの、暗号…?」

サーニャ「20と14の間に、ちょっと長めの間がありました」

俺「数字四つで一グループか」

ネウ子「……」

ワンタイムパッドか?だがそうするとキーとなるアルファベットがないし、25以上の数字があるのはおかしい

扶桑語のひらがな五十音……90があるからなしだ

無線の周波数でも、時刻でもない……とすると

ネウ子「座標……じゃ、ないかな」

俺「かもな」

サーニャ「座標?」

ネウ子「うん、多分、緯度と、経度」

俺「最初の四つが緯度で、後の四つが経度だとすると……」

ペンを取り出し、メモに記号を書き足していく

――35゚49'49.20" N 14゚32'35.90" E

サーニャ「北緯約35度、東経約14度…」

ネウ子「はい、地図」

エフィが机の上にヨーロッパの地図を広げる

俺「ありがとう。この座標が指す場所は…」

緯度と経度の目盛りを指でなぞり、二本の直線が交わる場所を探す

その交わった場所は、

ロマーニャのシチリア島から南に93キロ




一同「マルタ島?」




世界で初めて、海水から生活用水を生み出した島だった


 ―次回予告

 俺「毛布ぐらいはかけて寝ような」


 ネウ子(反応は小さいけど、近くに居る……敵……)


 エイラ「いや、私よりもうちょっとある…お前、着痩せするタイプカ…」


 ネウ子「姉さんだって、着痩せ、する」


 俺「まだだ!10秒台まで縮めてやる!」


 ネウ子「せいっ!」


 エイラ「ギャァァッ!!///」ビクンッ!
最終更新:2013年02月15日 12:46