ルーデル「・・・何を作っているんだ?俺軍曹」
ある晴れた日。ルーデルは爆撃任務を終え、シャワーで汗を流した後小腹が空いたので
何か食べるものがないかと探しに調理室に立ち入ったところ・・・彼女の専属整備士である
俺軍曹がなにやら台所で作っているのが見えた。
俺はルーデルの言葉を聞き、顔を上げると、ニコリと笑い答える。
俺「あ、ルーデル大尉お疲れ様です。いまちょっとお菓子を作っていまして・・・」
その手元にはなにやら赤茶色の塊が並んでいた。傍らにはその材料なのか赤色の塊と、白い練られたベタベタした塊が置かれている。
ルーデル「菓子・・・?扶桑のか?」
菓子、と聞きルーデルが多少身を乗り出す。そう、何を隠そうルーデルは甘いものには目がなく、好物の一つなのである。
俺はええ、と答えながら作業を続ける。
俺「おはぎ、という扶桑のお菓子の一つです。ちょうど今日扶桑から届いた物資の中に小豆ともち米があったので普段からお世話になってる皆さんに・・・と思って作ってるところです」
俺の言葉にルーデルはふむ、と答え薄い笑みを浮かべる。
ルーデル「(むしろこちらがお世話になってるぐらいなのにな・・・本当、相手のことばかり考える男だ)」
俺は普段からルーデルの身の回りの世話を初めとしたウィッチや基地の隊員達のことを思い、
色々と仕事を引き受けたりする。それもあってかたまに便利屋のようなこともさせられるが、本人は特に気にしてはいないようだ。
そんなことを考えていると、俺はあっと声を出し、手元にあったおはぎを一つとりルーデルのほうへと差出した。
俺「ルーデル大尉。ちょっと味見をしてくれませんか?」
ルーデル「・・・いいのか?」
ルーデルは目の前に差し出されたおはぎを見つめた後、俺に聞いた。俺はええ、とにこやかに答える。
俺「自分自身で味見はしていいとは思ったんですけど・・・やっぱり他の人の意見も聞きたいですし・・・」
ルーデル「そうか・・・それなら遠慮なくいただくとしよう」
そういって、ルーデルは俺の手からおはぎを受け取った。
ルーデル「(思った以上にベタベタしているものなのだな・・・)それでは頂くとしようか」
しばらくおはぎを繁々と見た後、ルーデルはおはぎを口にした。
ルーデル「(ほう・・・これはなかなか・・・)」
口の中に広まる甘み・・・食材本来の甘みが噛むごとに広がる。さらに半殺しにしたもち米の食感も楽しませてくれる。
ルーデルはさらにパクリパクリと残りを食べ、あっという間に一個を完食してしまった。
ルーデル「うむ・・・なかなかうまかったな」
俺「お粗末さまです」
ルーデルの言葉に、俺は苦笑いを浮かべながらルーデルの評価を受け取った。
すると、
俺「・・・あ、ルーデル大尉。ちょっと動かないでください」
ルーデル「ん?なんだいったい・・・っ!?」
急に、俺にそう言われなんだろうと思ったルーデルは、怪訝な顔になりながらも動かないでいた・・・そしたら、俺が顔を近づけてきた。ルーデルはなにやらドクンッと心臓が跳ねる様な感覚になった。
俺はルーデルの顔に手を近づけ・・・、
俺「・・・よし、取れた。もう大丈夫ですよルーデル大尉」
ルーデル「・・・え?」
思わず、そんな間抜けな声を出してしまったルーデル。よく見ると、俺の指にはあんこの粒が付いている。
俺「口の端にあんこを付いてましたよ」
ルーデル「・・・ああ、すまなかった」
俺はあんこが付いている人差し指を軽く振り、ルーデルに見せる。ルーデルはなにやらがっかりのようなそんな気がしないでもなかったり・・・。
すると、そんな残念がっているルーデルを他所に、俺はあんこの付いた人差し指を自分の口に持っていき・・・
俺「ん」
ルーデル「なっ・・・」
ルーデルは思わず絶句してしまった。なぜなら、今俺が口に含んだ人差し指についていたあんこは先ほどまでルーデルの口の横についていたものだからだ・・・つまり、
ルーデル「(こ、これは間接的なキ、キスなのでは・・・?)・・・」
俺「あれ?どうしたんですかルーデル大尉。顔なんか赤くしちゃって・・・」
ルーデル「な、なんでもない!!決して何でもないぞ!!」
俺「は、はあ・・・そうですか(なんだか珍しく慌ててるな・・・どうしたんだろう?)」
顔を紅く染めるルーデル。それにまったくわからず首を傾げる俺・・・はたして今後どうなることやら・・・。
オマケ
ルーデルと俺がそんなやり取りをしているとき。調理室の入り口の前では・・・
アーデルハイト「・・・」
ウィッチ1「・・・」
ウィッチ2「・・・」
ルーデルの部隊の副隊長を務めるアーデルハイトとその部下であるウィッチたちが入り口にたむろしていた。
ウィッチ1「・・・甘いですね」
ウィッチ2「甘いですわ」
アーデルハイト「・・・甘いな」
本来ならこの三人。小腹が空いたため何か食べに来たのだが・・・中では隊長のルーデルと専属整備士の俺がなにやら甘い空気をかもし出している・・・つまりは入ろうにも入れない状態なのだ。
ウィッチ2「・・・私、お腹すいちゃってしょうがないんですけど・・・」
アーデルハイト「私もだ・・・だがな、あの中に入る勇気はお前にあるか?残念だが私にはない」
ウィッチ1「私にもないですね」
三人「「「・・・」」」
三人は一度顔を合わせ・・・
アーデルハイト「しばらくしたらまた来るか」
ウィッチ1、2「「賛成です」」
三人はその場を邪魔しないように音もなく調理室を後にした。
後日、夕食時にウィッチ三人がいつもの倍の食事を摂っていたとか・・・。
最終更新:2013年02月15日 12:51