ある日の昼下がり。滑走路に大型の輸送機がやってきた。
俺「ふう、やっと物資が来たかぁ」
飛行機の後部ハッチからエッコラ荷物を運びながらハンナ・U・ルーデル大尉の専属整備士である俺がニコニコ顔で呟く。
整備士「今回は扶桑からの物資が多いらしいぜ?よかったな俺」
俺「ええ、本当によかったですよ」
ニコニコ笑いながら俺は答える。それほど嬉しかったのだろう。ここ最近扶桑からの物資が少なくて若干困っていたのだ。
俺「ふう・・・後は食料や部品とわかて「おーい俺!!」あ、はいなんですか?」
誰かに呼ばれ俺が振り向くと、そこには整備班長が立っていた。その手にはなにやら包みらしきものがあった。
整備班長「この荷物はどうやらお前個人宛に送られてきたぞ」
俺「なんだろ?・・・あ、実家のじいちゃんからだ」
包みについていた住所を見て、俺の祖父が送ってきてくれた荷物のようだ。まあ包みといっても麻袋に荒縄で肩掛けを作った包みなのだが・・・
細かいことは気にしないでおこう。
俺「いったいなにが入ってんのかな・・・ってこれは・・・!!」
俺は入っていたものに驚愕する・・・はたしてそれは・・・?
~~しばらくして~~
ルーデル「ん?・・・何をやっているんだ俺は・・・」
カツカツと廊下を歩いていた急降下爆撃航空団第十中隊の隊長ルーデル・U・ルーデルは、窓の外でなにやらせっせと枯葉を集めていた。
俺「~~♪」
そして集めた枯葉の中になにやら・・・新聞紙で巻いた何かを枯葉の上におき、マッチで枯葉に火をつけた。
ルーデル「(焚き火・・・?でも何か置いていたようなきもするが)・・・行ってみるか」
幸いいまは暇だ。聞きにいくこともできるだろう。ルーデルはよしっと頷き俺の元へと向かった。
俺「早く焼けないかな~」
わくわくとした顔をしながら俺は新聞紙で巻いたものが焼けるのを待っていた。そこら辺に転がっていた枝でつつきながら転がしていると、
ルーデル「何をやっているんだ俺?」
ルーデルが後ろから声をかけた。俺はそれに驚き肩をビクリと動かし、後ろを振り向く。
俺「な、なんだルーデル大尉ですか・・・脅かさないでくださいよ・・・」
てっきり整備班の奴らだと思った・・・といいながら俺は胸をなでおろす。ルーデルはその俺にふふと笑い、話を続ける。
ルーデル「いやなにお前が何かしているのが見えてな・・・何をしていたんだ」
ルーデルの言葉に、俺はふうと息を吐く。
俺「な、なんだそんなことですか・・・これは芋を焼いているんです」
ニコリと笑い、俺はルーデルに答える。それを聞いたルーデルは頭をかしげる。
ルーデル「芋?じゃがいもを焼いているのか?」
ルーデルにとっては芋とはじゃがいも・・・物心付いたころから食べてきたものだ。だが、俺は違いますよ。と言いながら手を振る。
俺「俺が焼いているのはサツマイモ・・・扶桑の有名な鹿児島の芋です」
俺の故郷は鹿児島で、祖父は畑を耕している。これはその一部だろう。俺はそろそろいいかな、といいながら塊を取り出した。
俺「あちあち」
手の内で何度も転がし、別の持っていた新聞紙を取り、パカリと割る。ルーデルはその内側を見て驚く。
ルーデル「・・・黄色になっているのか」
じゃがいもとはまた違う色にルーデルは驚く。ここまで黄色いのは見たことがないのだ。俺はそんなルーデルの言葉にニコリと笑い、
俺「よかったらどうぞ」
新聞紙で包んだもう一つを俺に差し出した。ルーデルはそれをきょとんとした目で見て、
ルーデル「・・・いいのか?」
俺「ええ、それにまだたくさんありますから大丈夫ですよ」
少なくとも、俺が確認しただけでもあと十数本はあるためぜんぜん余裕である。ルーデルはそれをあろがとうといい受け取る。
ルーデル「どれじゃあいただこうか」
ルーデルは焦げた皮をとりその実にかぶりついた。そして目を見開き、口の中の芋を飲み込んだ後
ルーデル「・・・甘い」
サツマイモのほのかな甘さにルーデルは驚く。
俺「サツマイモは別名甘藷とも言われていますからね。扶桑では甘味に使うこともあります」
俺は軽く説明をしながら自分もうまそうに食べる。ルーデルはパクパクとサツマイモを食べ
ルーデル「・・・うまいな」
俺「ええ、とても」
扶桑の秋の味覚に触れるルーデルであった。
ルーデル「そういえば俺。これは甘味の材料にも使われるといったな」
俺「?ええ、言いましたね。芋ようかんは特に有名ですね」
ルーデル「お前は作れるのか?」
俺「・・・作って欲しいんですか?」
ルーデル「・・・(コクリッ)」
俺「・・・(クスッ)わかりました作りましょう」
ルーデル「・・・ありがとう」
秋の味覚をさらに楽しもうとしているルーデルだった。
最終更新:2013年02月15日 12:56