俺「うう・・・寒・・・」

早朝。基地の宿舎の中にある兵舎で、ルーデルの専属整備師である俺が目を覚ました。周りにはまだ寝ている兵士がいるが、俺はルーデルの機体を整備したり、
ハンガーの掃除をしたり整備器具の掃除をしたりと・・・課業時間内にできることもまとめてしようと考え誰よりも早く起きるのだ。
俺はバリバリと頭を掻きながら整備服に袖を通す。一瞬その整備服の冷たさに身震いしてしまう。

俺「・・・なんだか、今日は一段と冷えるな」

カタカタと震えながら俺はコートを羽織防寒対策を完璧にして、外へと出た・・・すると

俺「・・・」

そこには一面の雪景色が広がっていた。


~~しばらくして~~

ルーデル「ふう・・・雪、か。また今年も降ってきたのか」

そんなことをボヤきながらうんざり顔で歩くのは、急降下爆撃のエースであるハンナ・U・ルーデルである。ルーデルもかなり早く起きている。本来ならまだ
起床にはまだ程遠いのだが・・・彼女には別の目的があった。

ルーデル「(さて・・・俺の奴はいるだろうか?)」

ルーデルの目的・・・それは最近彼女が自分の愛機であるシュツーカの専用整備師として任命した俺であった。俺とほんの数日前に出会ったルーデルは、
俺の言葉と笑顔がなぜか自分の胸にとても熱く残っており、俺のことを考えただけで今までの自分では想像もできないような慌て振りや乙女らしい反応を
してしまうのに戸惑いながらも、俺のことが気になって気になってしょうがなかったの俺が近くに居るととても安心するということでルーデルは整備班長に無理を言って、
俺を自分専用の専属整備師にしたのだ。そのときの整備班長の顔も面白かったが、それを後々告げられた俺の表情もなかなかと面白かったのはルーデルの記憶に新しい。

ルーデル「ふふ・・・あのときの俺の呆け顔といえば・・・ふふふ・・・っては!?お、落ち着け私。これではただの危ない人間ではないか・・・落ち着いて落ち着いて・・・」

果たして今までのクールなルーデルはどこに言ったのやら・・・戦場では今まで通りなのだが、こと基地にいて俺と一緒に居ると高揚感と幸福感でいっぱいになるのだ。
ルーデルは若干緩んだ口元をきゅっと結んで何時もの凛々しい顔つきへと戻る。

ルーデル「よし・・・大丈夫だな」

ルーデルはぺしぺしと自分に気合を入れるように頬を軽く叩き気合を入れて、ハンガーへと向かおうと・・・したとき

「雪だ雪だ!!ハハハハッ!!!!!」

急に聞こえてきた声。しかも全力疾走しているようでダダダダダーーー!!!と凄まじい駆け足で走っている。ルーデルは一瞬きょとんとして誰が
はしゃいでいるのかと思いつつ、なんだかどっかで聞いたことがある声だなと思ったルーデルはそちらのほうへと視線を向けると、

俺『すごかァ!!すごかァ!!こいが雪か!!まっこて綺麗じゃのぅ!!』

すごく、すごく嬉しそうに飛び跳ねながら雪を触っている俺がいた。俺はいつもの訛りの入ったカールスラント語ではなく、生まれである鹿児島弁で嬉しそうに
はしゃいでいた。

ルーデル「・・・」

ルーデルは普段は温厚で優しい、まじめに見える俺がこのように雪如きではしゃいでいるのに驚いているのか、ぽかんとした顔で見ていた。

俺「ハハハハ・・・・は?」

ルーデル「あ」

瞬間、俺とルーデルの視線があった。俺はルーデルと視線が会うと、そのまま動かなくなり、ジッと俺のことを見ていた。

俺「・・・」

ルーデル「・・・」

俺「・・・あの、見て・・・ましたか・・・?」

ルーデル「いや、その・・・まあ・・・すまん」

若干顔を引きつらせながら聞く俺に、ルーデルは気まずそうに答える。俺はその答えを聞いて顔を紅くしながら

俺「す、すみませんお恥ずかしいところを見せてしまいまして・・・!!」

ルーデル「い、いや、別に気にするな。そういうこともあるだろうからな・・・(それにいい物が見れたからな)」

ボソリと心の中でそう呟くルーデル。俺はルーデルの顔を見ながら非常に気まずそうにちらちらとルーデルを見る。

ルーデル「・・・俺は、雪を見るのは初めてなのか?」

先ほどの俺を見たときもそうだが、俺のはしゃぎようはとてつもなかった。俺は少し言いずらそうに頬を掻きながら答える。

俺「ええ・・・私が住んでいた鹿児島は雪なんて降りませんでしたからね・・・何年かに一度ぐらいは降るそうですが、少なくとも俺が住んでいた頃は一度も降りませんでした」

なるほど、それなら先ほどのあの反応も納得がいく。ルーデルはなるほどなるほどと頷ずく。そしてピンと何かを思いついたように手を叩く。そして足元にある
雪を非と一掬いしてギュッギュッと固める。

ルーデル「(今の話を聞いた話だと・・・俺は雪での遊びを知らないようだな・・・よし)」

俺「あの、ルーデル大尉。何をしているので「ふん!!」ふがっ!!」

バシッと、俺の顔面に雪球をぶつけた。ルーデルはふふんとした顔になりながら、

ルーデル「雪合戦・・・というのを知っているか?互いに雪玉を投げ合う遊びだ。なかなか楽しいぞ?」

といった。最初ぽかんとした顔をしていた俺だったが、ルーデルの言葉を聞き、二カッと笑い、

俺「そうですか・・・ならこっちも手は抜きませんよ!!」

俺はすぐに足元の雪をすぐに握りこみ、ヒュッとルーデルに雪玉を投げた。

ルーデル「ハブッ!!」

その雪玉がルーデルの額に当たる。なかなか硬く握りこまれたのか、そこそこ痛い。ルーデルはすぐに雪玉を作り

ルーデル「やったな!!」

俺に投げつける。俺はそれをかろうじて避けて雪玉を投げ返す。

俺「そう何度も当たりませんよ!!お返しです!!」

ルーデル「ふふん、あたるものか!!」

ヒュンヒュンと雪玉を投げつけあいながら、二人は笑った。俺は始めての雪を楽しみ、ルーデルは童心に帰り、互いに雪玉を投げあった。




その後、少し早めに起きたアーデルハイドが現れ、その姿を見られて顔を真っ赤にした二人がいたとかどうとか・・・。
最終更新:2013年02月15日 12:58