数年前、カールスラント撤退戦-

ズダダダダダダダダダ

バルクホルン「俺少佐!戦線はもう崩壊しかけています!!このままでは…」

エーリカ「魔法力ももう限界だよ!!弾薬もマガジン一個分!」

俺「敵の数は…子機、中型、大型合わせて残り約1000…か。全く…」

カールスラントに大規模なネウロイの侵略が行われていた。全く冗談じゃない、いかに歴戦のウィッチ達といえども目の前を遥か彼方まで埋め尽くすネウロイを相手にすることなんて出来はしないだろう。

我がカールスラント軍第7航空戦闘部隊は上層部が決定したカールスラント放棄に伴う撤退支援、つまりは殿部隊の1つである。


戦争においてこの部隊が生き残る確率はとてつもなく低い…まして撤退戦線は長時間に渡る戦闘で魔法力と銃弾を使い切っていた。

このままじゃ全滅は必至、俺の固有魔法は混戦状態じゃ全力を出せない。

エーリカ、ミーナ、そしてトゥルーデ…彼女たちは死なせない、この先必ず必要になる才能を持っている、それに…。


俺「ミーナ中尉。・・・・・・・・・・・…‥‥‥頼めるか?」

ミーナ「少佐!だめですそんなことは!」

俺「君ならわかっているだろう?皆善戦してくれているが圧倒的に敵戦力が大きすぎる。我々の予想を遥かに超えていた数だよ」

ミーナ「しかし!」

俺「固有魔法も君は知っているはずだ。ある程度なら味方がいても当てることはないさ。ただこの規模に全力をぶつけるとなると…ね」

ミーナ「っ…わ、わかりました。撤退します」

俺「すまんな。…………こちら俺。各機聞こえるか?ロベルタ曹長、ケリー軍曹はドロップ中尉に従え、バルクホルン少尉、ハルトマン曹長はミーナ中尉に従い戦線を離脱せよ。第7航空戦闘部隊は現中域より離脱し第二次防衛ラインまで避難民の誘導、救助にあたれ。繰り返す…」

耳につけたインカムから支持を出しつつ迫り来る無数のビームを避けて迎撃していく、ノイズが結構あるがおそらく聞こえているはずだ。


バルクホルン「お…ガッ……い……ザザザ…おい!!」

インカムからノイズ混じりの聞きなれた怒鳴り声がする。相変わらず・・・くく。

俺「どうしたバルクホルン少尉、指示が聞こえなかったか?」

バルクホルン「俺少佐!いや俺!!どうしてそっちに行く!!」

俺「全員で撤退したら追われるだけだろ。それに今の部隊でまともに戦えるのは俺のみ、特に一対多数ならな」

バルクホルン「馬鹿者!一人で残るというのか!?」

俺「そうだ」

バルクホルン「またお前はそうやって私を……私を置いていくのか……」


また…か。確かに二度目だ。でも俺がやるしか無い。死にたいわけじゃない、名誉が欲しいってわけでもない。ただ…


俺「お前は俺がついていてやらんとダメらしいからな、ちゃんと戻ってくるさ’トゥルーデ’」

バルクホルン「っっ」

俺「エーリカ、ミーナ、彼女を頼んだぞ。」


そう言って通信機の電源を落とす。これ以上彼女の声を聞いていたら決心が揺らぎそうだった。意外と俺はダメなやつかもしれない。



俺「さーってと。やりますか。」
最終更新:2013年02月15日 13:28