ザザァ...ザパァ...
「………あれ・・・ここは・・・」
「なんで砂浜に・・・?」
タァァァン...ダダダダッ...
「銃声...?ここはどこなんだ・・・」
?『当たらないのなら近づいて撃つ。簡単でしょう?』
?『さすがです隊長!...なんでしょうかね...』
「女の子の声・・・」
?『?...ねーねー、あそこに人が倒れてない?』
?『え?・・・あら、本当だわね……』
「くっ...ぜんぜんうごけない...」バタッ
「あれ…ここは…部屋の中?」
?「あ、起きたよ隊長!」
?「回復が早いわね~。ルチアナ、彼の為に何か飲み物を持ってきて頂戴。あと竹井も呼んでおいて」
?「分かりました」バタンッ
俺(・・・なんであんな服装なんだ?)
「まぁ良いや...えーっと・・・君達は・・・」
?「あ、自己紹介がまだだったわね」
フェル「私はフェルナンディア・マルベッツィ。長いからフェルで良いわ」
マルチナ「僕はマルチナ・クレスピ。ティナで良いよー」
フェル「あと、さっき出ていったのはルチアナ・マッツェイ小尉よ。ウチの参謀役ってところね」
俺「自分は・・・俺です。今回は助けてもらって...」ペコッ
フェル「あらあら…やっぱりちゃんと…」
マルチナ「生えてるねー」
俺「・・・何の事です?」
フェル「ほら、その頭」
俺「え・・・えぇ!?何だこれ!?」ワシャワシャ
マルチナ「あれ、もしかして知らなかったの?」
俺「・・・頭に羽が付いていて驚かない人なんて居ないって...うわ、根元から頭に付いてる...」ワシワシ
フェル「どっかの軍から迷い込んだのかと思ったけど当てが外れたわね」
ルチアナ「隊長、大尉をお連れしました」
竹井「こんにちは・・・」
俺「嘘だろ…羽もちゃんとあるし…感覚まである…」
竹井「・・・少し落ち着くまで待った方が良いわね」
竹井「えーっと・・・君は"日本"という国から来たのね」
俺「はい...でも...」
フェル「でも?」
俺「思い出せないんです・・・ここに来るまでの記憶が・・・」
マルチナ「でもどこから来たかは覚えてるんでしょ?」
俺「それは情報的な記憶で...何をしてきたのかはさっぱり・・・」
ルチアナ「多分一時的な記憶喪失ですね」
俺「その...もし良ければ大使館まで連れて行ってもらえますか?日本大使館まで行けばきっと...」
フェル「・・・あんたの記憶が不確かなのかは分からないけど、この世界に"日本"という場所は存在しないわよ」
俺「え?・・・でも竹井大尉は日本生まれじゃ...」
竹井「私は扶桑皇国の生まれよ。貴方は扶桑の生まれに見えるけど・・・扶桑皇国の歴史で日本という名前を聞いたことは無いわ」
俺「そんな......いやいや、まだ手は・・・」
俺「自分が見つかった時、何か持ち物は持っていませんでした?!」
ルチアナ「持ち物ですか?確かにありましたよ・・・このカバンですね」
俺「ああ、ありがとう……」ガサガサ
俺「よし!防水で良かった・・・電波さえあれば・・・」
フェル「それは何なの?」
俺「何なのって・・・携帯ですよ、携帯。皆持ってるでしょう?」
俺「・・・あれ、圏外なのかな…」カチカチ
竹井「その機械、
初めて見る物だわ…もしかして技術省の方なのかしら」
マルチナ「うわー!凄い機械だよコレ!何か映ってる!」
俺「そりゃ映ってるに決まってるでしょう…圏外表示以外は何も問題無いな…」カチカチ
フェル「この右端に映っている数字は何の意味があるの?」
俺「日付ですよ。2012年4月22日...」
フェル「・・・もう一回、言ってくれるかしら?」
俺「もう一回?…西暦2012年4月22日ですよ」
ルチアナ「竹井大尉・・・まさか・・・」
竹井「…そう、みたいね」
俺「じゃあここは別世界とでも言うのですか!?
パラレルワールドなんてSF作品の話でしょう...」
フェル「そのパラ何とかは分からないけど、それしか説明のしようが無いじゃない」
俺「そんな・・・・・・でもどうして・・・」
マルチナ「まぁ記憶が無いんでしょ?じゃあこのままこの世界に居ても良いんじゃないの?」
ルチアナ「ティナ、それは...」
俺「…確かに、それはそうなのかも知れませんね...」
竹井「・・・どちらにせよ、今貴方を送り返せる方法は分からないわ」
竹井「送り返してあげたい気持ちはあるけど…今は色々と込み入っているの。それまでは待って欲しいわ」
俺「さっき話で出てきた『ネウロイ』との戦いですか」
竹井「ええ。だから扶桑の知り合いに...」
フェル「タケイ、せっかくの戦力よ。この際部隊に率いれたらどう?」
ルチアナ「それは少し強引過ぎませんか?彼は戦闘経験が無いのに...」
マルチナ「別に良いんじゃない?飛んでいたら何とかなるよきっと!」
俺「・・・・・・しばらく一人にしてくれませんか」
竹井「俺くん・・・分かったわ。何かあったらすぐに呼んでね」
俺(…別世界に飛ばされて、記憶も無くした揚句に頭から耳を生やして…)
俺(竹井さんの言う通り日本...扶桑に行くのも良いかもしれないけど・・・)
俺「……どうすりゃ良いんだ…?」
フェデリカ「・・・そういえば、あの子はどうしているの?来てから3日は経ったけど」
竹井「ずっと病室に居るわ…いきなりこの世界に来た事がショックだったようね」
フェデリカ「天姫が食事を運んでいるのよね?何か変化は無かった?」
諏訪「それが・・・話しても『うん』や『そうだね』しか言わなくて...」
フェル「…仕方ないわね。私から話を聞いてみるわ」
竹井「任せたわ。フェル」
フェル「・・・まったく...男ならハッキリキッチリ決めないとダメでしょーに...」ブツブツ
フェル「俺ー?居るんでしょ?」
俺「・・・はい」
フェル「ずっと悩んでいたの?」
俺「ええ。あと記憶も思い出せないかなと…無駄でしたけどね」
フェル「で、どうするかは決めたの?」
俺「・・・・・・」
フェル「分かったわ。じゃあもう一回、アンタの状況を説明するからちゃんと聞くのよ?」
俺「…分かりました」
フェル「ゴホン・・・今の俺には2つの道があるわ」
フェル「1つ目は扶桑に行く道。タケイが知り合いを紹介してくれるらしいから、そこで働くなり勉強するなり色々出来るって訳」
フェル「2つ目は・・・ここで戦う道。不思議な事にアンタには・・・」
フェル「使い魔が居る。私達と同じウィッチという事なのよ。世にも珍しい男のウィッチという事。OK?」
俺「ええ・・・」
フェル「タケイが言うには…男のウィッチである以上、何らかの特殊な能力があるかもしれないらしいわ。私にはそう見えないけど…」
フェル「まぁもし、こっちの道を選ぶならウィッチの訓練をして、空を飛んで、ネウロイを蹴散らしてもらうっという事」
俺「・・・一つ聞いても?」
フェル「ん?何?」
俺「フェルナンディア中尉は何の為にウィッチに?」
フェル「…ロマーニャを守る為よ」
フェル「私は運良く・・・運悪くかもしれないけどウィッチになった。だから自分が出来る事をしないと!と思ったわけ」
俺「なら・・・自分も戦ってみましょうか・・・」
フェル「意外に軽い決断ね」
俺「フェルナンディア中尉もそれほど考えては無かったんじゃないんです?その口ぶりを聞く限りは」
フェル「あらあら、バレちゃったわね・・・」フフフ
フェル「じゃあ明日から訓練よ! あ、そうそう。訓練自体はそんなに厳しくないから・・・厳しい訓練なんてだーれも喜ばないし」
フェル「それともう一つ!私の事はフェルで良いから!中尉中尉言われたらこっちが恥ずかしくなるわ」
俺「分かりました。フェル・・・・・・」
フェル「・・・どうしても何か付けたいなら隊長でも付けなさい。ルチアナやティナはそう呼ぶから」
俺「了解、フェル隊長」
フェル「しっかし本当に俺は幸運だわねぇ~。別世界から飛ばされたらウィッチになっているなんて・・・」
俺「そうですね・・・」
俺「本当に、幸運ですよ」
最終更新:2013年03月30日 01:34