芳佳「お昼ごはんの準備ができましたよ」
 という訳で、俺達は図書館から引き揚げ、芳佳と食堂に向かったた。

 リーネ「いらっしゃい///」
 エーリカ「あ、さっきの人だー」

 食堂には、リーネとエーリカの他に、ふわふわの金髪に、眼鏡をかけた女の子もいた。
 この娘は、他の女の子と違ってスカートを履いていており、パンツ丸出しではない。
 まともな(服装の)人もいんだ、と俺達が安堵した瞬間。
 その女の子が、ものすごい剣幕でやってきた。

 女の子「ちょっと宮藤さん、こんなところに殿方を連れてくるなんて!」
 芳佳「え……」
 女の子「いったいどんな了見ですの? みんなに見つかったらどうなるか…!」
 芳佳「違うんです、ペリーヌさん。この人達は、取材で…!」
 ペリーヌ「取材って、誰が許可したんですか!」

 金髪眼鏡の女の子と、芳佳が押し問答を繰り広げているとき、また別の女の子がやってきた。
 やや茶色のかかった髪を2つに束ねた、いかにも真面目そうな雰囲気の女の子だった。
 女の子「宮藤、そいつから離れろ!!」
 芳佳「バルクホルンさんっ…!」

 ああ。
 何もかもが滅茶苦茶だ。
 エーリカが「うるさい人がいるから、見つからないようにね」と言っていたのは、こういうことか。
 エーリカの方を見たら、やれやれといった感じで笑っていた。 

 そうしたら、また別の女の子がやってきた。
 長い黒髪をポニーテルにまとめ、眼帯をした女の子。
 白い詰襟の制服は、大日本帝国海軍の第2種軍装とよく似ている。
 整備俺「(で、下に着てるのはやっぱりスク水…?)」
 多分、一度見たら忘れられない、強烈なヴィジュアルだ。

 女の子「何の騒ぎだ!」
 芳佳「こちらが、さっき話した…」
 坂本「誰だ貴様らは!」
 芳佳「坂本さん、違うんです、この人達は、扶桑から……」
 坂本「返答によっては叩き斬る!!」
 芳佳「聞いて下さい、坂本さん!!」
 坂本「ええい離せ宮藤、誰だこいつらは!」
 芳佳「記者さんですよ、扶桑からやってきた。さっき話したでしょう、坂本さん!」
 坂本「何だと、こいつらか!?」

 ああ、くそ。
 何もかもが滅茶苦茶だ。本当に何もかもが滅茶苦茶だ。
 俺達、完全に置いてきぼりじゃないか。

 俺達が頭を抱えたくなったとき、エーリカが立ち上がった。
 エーリカ「はい、みんな、そこまでー。まずはみんな落ち着こう、ね?」
 ぱんぱんと手を叩きながら、エーリカが言った。
 その一言で、すっかり毒気を抜かれたようだった。

 坂本「すまない、宮藤。私としたことが」
 芳佳「はい」
 坂本「扶桑から客人が来ていたのだな。忘れていた。」

 整備俺「扶桑の、百里ヶ原航空基地から取材で来ました。整備俺少尉です」
 操縦俺「同じく、操縦俺候補生です」
 坂本「私と宮藤の取材、ということでいいか?」
 整備俺「はい、その通りです。できれば4人で打ち合わせをしたいのですが」
 坂本「そうだな。食事の後、昼休みが終わったら私の執務室へ。
    宮藤、そのときは案内してやれ」
 整備俺「了解しました。よろしくお願いします」

 ペリーヌ「記者の方でしたのね。わたくしとしたことが、とんだ勘違いを」
 何だこの娘の変わり身は。感情入ってねえー。
 バルクホルン「だが、聞いてないぞ。取材だなんて」
 坂本「ああ、それは、どうやら本国の方手違いがあったようだ。重ねてすまない」
 坂本「まずは飯だ。お前達も食え。宮藤とリーネの作る飯は美味いぞ」
 操縦俺「ここで食っていいんですか」
 整備俺「喜んでいただきます」

 という訳で、俺達は、なんとか坂本と話す段取りを付け、昼メシにありついたのだった。
 エーリカ「2人とも、こっちこっち。わたしの隣でいいよ」
 整備俺「あ。はい///」
 操縦俺「(整備俺さん、なんで照れてんですか…)」
 エーリカ「大変だったね。まあ、坂本少佐と上手くやってよ」
 整備俺「…努力します」

 俺達は、特に何かを話す訳でもなく、黙々と料理を口に運んだ。
 それでも、気まずい沈黙というわけではないので、ひょっとしたら、
 エーリカはこういうキャラクターの割に、意外と無口な性質なのかもしれないと思った。

 ――――さて。
 芳佳、リーネ、エーリカ、ペリーヌ、バルクホルン、そして坂本。
 最初に会った3人は比較的好意的だったが、
 ペリーヌとバルクホルンの2人にはあまり歓迎されていないようだ。
 坂本は…、どうなのだろう?
 この世界で生き残るには、まず坂本を味方につけることが必要だと思う。

 そして、この基地には、他にはどんな人(ウィッチ含む)がいるのだろうか。
 俺達は、この世界でも軍人を続けると決めた以上、やっぱり気になった。
最終更新:2013年03月30日 01:56