人工ウィッチ 2

俺「ストライクウィッチーズ?」 >>559-666
作者: ID:bN6enlk60
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559 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:04:45.02 ID:SO7hg4AV0
前々スレまでのあらすじ


エーリカ「人工ウィッチ?」

男「あんた達の名前になんか興味はない」


― 射撃訓練 ―

坂本「おや、あいつも射撃訓練か。お手並み拝見といくかな」

男「……」スッ

ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ !!

エーリカ「全然当たってないね」

バルクホルン「狙いの補正もせずに撃ち続けるだけ、さまになってるのは射撃姿勢くらいのものだ!
    この距離の静止目標も命中させられずに、どうやってネウロイと戦うつもりだ。せめてもっと小口径の、装弾数が多く弾膜を張れる銃に持ち替えたらどうだ」

男「……小口径じゃ大物の爆撃機を落とせない」

560 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:07:44.72 ID:SO7hg4AV0
― 飛行訓練兼、哨戒飛行 ―

男「……」

バルクホルン「いいか少尉。今回飛行するエリアは一応ネウロイの勢力圏から離れているが、遠からず出現が予報されてもいる。
    もし接敵した場合は、お前は後方で待機するんだ。分かったか?」


『む……サンダーヘッドより501stリーダー、お客さんだ。12機。ベクター020、60km。エンジェルズ30。トゥーパリェフ (大型爆撃機) 級1、ラロス級3の戦爆連合中隊が3個』

バルクホルン「おい、少尉!?」

男「……」ギュオオオオ!!

芳佳「早い!」

エーリカ「一人でやる気ー?」

561 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:10:21.17 ID:SO7hg4AV0

エイラ「トゥーパリェフに……」

芳佳「着陸(?)した!?」


男「……ネウロイのコアは艦首付近、正中線上……」ピタッ (銃口を押し付ける)

男「  く   た   ば   れ   」
ドンドンドン!

ドガァァァン!!


あらすじ終わり

562 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:11:56.16 ID:SO7hg4AV0


芳佳「すごい、あの至近距離の爆発も防ぎきってる」

エイラ「……あれなら、回避は要らないかもナ」

ミーナ「銃撃の腕も、確かに必要ないわね」

バルクホルン「滅茶苦茶だ!あんな戦い方で生き延びられるはずが無い!」


エーリカ「……ふーん」

563 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:16:05.97 ID:SO7hg4AV0

ミーナ「少尉。何故命令を無視したのですか?」

男「……」

バルクホルン「……」イライラ

ミーナ「あなたは確かにネウロイを撃墜しました。しかし、私はあなたに『後方で待機しろ』『編隊に戻れ』と命令したはずです」

男「……」

バルクホルン「……」イライライラ

ミーナ「少尉、聞いているのですか?」

男「……」

バルクホルン「……」イライライライライライラ

バルクホルン「いい加減にしろ貴様!!」

564 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:23:21.85 ID:SO7hg4AV0

芳佳「うわぁ!」

エイラ「ひぇ!」

バルクホルン「独断専行、命令無視!英雄にでもなったつもりか!?」

男「……」

バルクホルン「貴様、聞いて――」グイ

男「触るな」ガシ!

バルクホルン「!?」

ギリギリギリ...バシッ

ミーナ.oO(トゥルーデと渡り合った……?)


男「ネウロイは墜とす。俺が、だ。それをお前たちがどう思おうが、知った話か」


エーリカ.oO(一瞬はだけて見えたあの胸にあったのは……)

565 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:26:14.94 ID:SO7hg4AV0
― 帰投中 ―

バルクホルン「……」

ミーナ「……」

男「……」

ギッスギッス


エイラ「おいミヤフジ、気まずいゾ」ヒソヒソ

芳佳「私もですよ!」ヒソヒソ


芳佳「あ、皆さん、基地が見えてきましたよ!いやー、無事に帰ってこれてよかったですねぇー」


男「先に降りさせてもらうぞ」

バルクホルン「……好きにしろ」

ミーナ「……」

ギッスギッスギッスギッス


芳佳「あうー……」

566 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:31:21.25 ID:SO7hg4AV0
― 基地、ハンガー ―

男「……」スタスタ

ミーナ「待ちなさい少尉。あなたには一週間の飛行停止処分を下します」

男「……断る」

ミーナ「嫌だというなら、拘束――」

ハミルトン「それは駄目だ、させられないな、中佐」

ミーナ「ハミルトン中佐」

ハミルトン「彼の作戦行動に関する権限は、私に一任されている。あなたにではない」

ミーナ「現場指揮官は私か坂本少佐です。命令を無視する味方は、戦場ではときに敵以上に危険です。そんなことを許すわけには――」

567 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:37:17.46 ID:SO7hg4AV0

ハミルトン「中佐、これは連合軍システム軍団、ひいては連合軍総司令からの命令だ。命令なんだよ、お嬢さん。
    分かるだろう?彼の試験を妨げるものなど、あってはならないのだよ」

バルクホルン「あれが試験だと?自殺行為の間違いじゃないのか」

ハミルトン「しかし彼はネウロイを撃墜した。戦果は聞いている。私はこの結果にはおおいに満足して――」

男「……――」フラッ バタン

エーリカ「!?」

エイラ「なんダ?倒れたゾ」

男「ぐ……あ……」ビクッビクッ

ミーナ「衛生兵を!宮藤さん!」

芳佳「はい!」

569 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:56:24.62 ID:L+iQEKAr0
人口ウィッチの続きか
期待

570 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:57:20.72 ID:x3AYsnbfO
待ってたぞ
ワッフルワッフル!

571 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 13:58:09.95 ID:IsYtosxc0
いいぞ、待ってた

572 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:04:02.61 ID:SO7hg4AV0

ハミルトン「待ちたまえ」

ミーナ「中佐!?」

ハミルトン「彼のメディカルチェックは私の担当だよ、任せておきたまえ――おい」

白衣の男達 (システム軍団スタッフ) 「……」ザッザッザッ

白衣の男達「持ち上げろ、行くぞ」 グイッ

男「……」グッタリ

白衣の男達「やはり急激な魔力消費は負担が――」 「――の副作用――」「なぁに、代わりはいくらでも――」ザッザッザッ

574 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:06:10.76 ID:SO7hg4AV0

バルクホルン「わけが分からん」

エーリカ「……元々ウィッチじゃなかった人があれだけの魔力を得るんだもん。たぶん、けっこう無茶な処置を受けてるんだよ」

芳佳「今のは、その副作用ってことですか?そんな、酷い」

ミーナ「反抗的なのも、それが理由だったのかしら」

バルクホルン「……無理やり魔力を発現させられて、酷い副作用に悩まされて、か……」

エーリカ「トゥルーデ、ちょっとかわいそうって思ってる?」

バルクホルン「ふ、ふん!どんな事情があろうと、命令無視など許さん!」

エーリカ「からのー?」

バルクホルン「しかし、少し言い過ぎたかも知れんな……『英雄にでもなったつもりか』とは。
    そうでもしないと、自身の境遇に納得ができないのだろう。すこし無神経だったか――ハッ!」

エーリカ「優しーね、トゥル~デ~」ニシシ

バルクホルン「お前が言わせたんだろうが!」

576 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:08:09.76 ID:SO7hg4AV0
― 次の日 ―

バルクホルン「起きろハルトマン!とっくに時間だぞ!」

エーリカ「ううん……あと50分……」ムニャムニャ

バルクホルン「ふ、ざ、け、る、な、起きろ!」

577 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:10:24.99 ID:SO7hg4AV0
― 食堂 ―

エーリカ「ふわー……あ」トコトコトコ

宮藤「あ、ハルトマンさん。もう皆さん朝食は済んでますよ」

エーリカ「んーごめんごめん、何か残り物ちょーだい。……あれ?」

スタスタスタ

エーリカ「ご一緒していい?はい、ミソスープ」

男「……ふん」モソモソ

エーリカ「君も寝坊したの?」

男「……」モソモソ

エーリカ「宮藤の料理は美味しいねー」モグモグ

男「……」ズズズ...

エーリカ「昨日は大変だったみたいだけど、体はいいの?」

男「何のつもりだ」

578 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:12:16.03 ID:SO7hg4AV0

エーリカ「ん?」

男「一緒にお食事、なんて間柄でもないだろう。何故俺に関わる」

エーリカ「んー?なんでだろ。興味?」

男「迷惑だ」

エーリカ「いやー、この味噌汁おいしーねー」ズズズ...

男「聞いてないのか、こいつ」ズズズ...

エーリカ「ねぇ、美味しいと思わない?」

男「不味い。食えたものじゃない」

バルクホルン「何だと貴様!?」

エーリカ「うわ、トゥルーデいたの?」

バルクホルン「通りがかりだ!貴様、宮藤の料理が不味いというのか!」

男「ふん」

579 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:13:29.83 ID:SO7hg4AV0

宮藤「あ、あの、バルクホルンさん、私は気にしてませんから。すいません、お口に合わなかったみたいで」

バルクホルン「宮藤が謝る必要はない!作ってもらった料理に対して不味いと抜かすとは、礼儀以前の問題だ!
    そもそも、これのどこが不味いと――」ズズーー

エーリカ「あ」

バルクホルン「ブホァアアアア!?」ブーーー!

男「!?」

宮藤「バルクホルンさん!?」

エーリカ「あー、彼に渡した味噌汁、私があれ思い切り混ぜてたからさ……」

バルクホルン「肝油!?ハルトマン、貴様あああああ!!」

580 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 14:14:58.26 ID:YxzUHbTL0
それは本当に食えたもんじゃないな…

581 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:15:32.98 ID:SO7hg4AV0

エーリカ「あっはっはっはっは、ごめんごめん。――でも少尉、さっきまで普通に飲んでたよね」

バルクホルン「こんなものを平然と……?」

芳佳「(ペロ)……うぷっ」

男「……」

エーリカ「ねぇ少尉、君、実は味覚ないんじゃない?射撃が下手っぴなのは、触覚にも異常があるからだったりして」

バルクホルン「なに……?」

男「……ちっ」

エーリカ「それも人工ウィッチ化の副作用なの?それに、君の服の下――」

男「黙れ」

エーリカ「ん?」

男「知りたがりは早死にすると相場が決まっているぞ」

エーリカ「……はーいはい。今日のところは、ここまでにしとくよ」



芳佳.oO(一歩間違えればただのすごく悪質ないたずらなのに、なんか真面目な話ってことになってる……。これがエース……)ゴクリ

582 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:18:20.05 ID:SO7hg4AV0
― 数日後、基地台所 ―

エーリカ「宮藤ー、今日のご飯はー?」

芳佳「今日はコンソメのスープにしようかなと思います」

エーリカ「お芋いただきー!」

芳佳「あ!それはまだ茹でたて――」

エーリカ「あちちち!」

芳佳「あーあー。手、見せてください」ピョコ

エーリカ「ふーふー」

芳佳「もう、つまみ食いなんかするからですよ」キィィィン

エーリカ「えへへ、ごめんごめん」

芳佳「はい、応急手当終わりました。一応、医務室でお薬塗ってもらって下さい」

エーリカ「はーいよ」

584 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:19:17.99 ID:SO7hg4AV0
― 医務室前 ―

エーリカ「ばんそーこばんそーこ、と。あれ?『使用中』?なにが――」

男(医務室の中)「ぐあああああ!!ああああああああ!!」

エーリカ「うひゃ!?」

ミーナ「フラウ」

エーリカ「ミーナ!中で何が起きてるの?」

ミーナ「彼の『メディカルチェック』中よ」

エーリカ「メディカルチェックって……この声、ただ事じゃないよ」

ミーナ「ええ。機密といって、私も何をしているのかは知らされていない。彼、何をされているの……?」

エーリカ「……ミーナ、私この前見たんだけど、あいつの――」

ガチャ

男「……」フラフラ

ミーナ「少尉!?メディカルチェックは終わったの?いいえ、何をされていたの!?」

男「……あんたには関係ない」フラフラ スタスタ

585 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:21:29.72 ID:SO7hg4AV0

ミーナ「少尉、あなた」

ハミルトン「それ以上は、無用に願いますよ、ヴィルケ中佐」

エーリカ「……」ジトー

ミーナ「ハミルトン中佐、あなたはこの実験で何をしているのですか」

ハミルトン「最初に申し上げた通りですよ?人工ウィッチの実戦試験・評価です」

エーリカ「さっきの叫び声は?ただ事とは思えないけど」

ハミルトン「機密事項ですよ」

ミーナ「それが通るとでも思うのですか」

ハミルトン「彼はあなたに助けを求めましたかな?」

ミーナ「……いえ」

ハミルトン「そうでしょう?では、仕事があるので、失礼」



エーリカ「……べー、だ。何あいつ」

ミーナ「どうしたらいいのかしら」

587 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 14:24:31.58 ID:x3AYsnbfO
wktk

592 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15:07:34.91 ID:SO7hg4AV0
― 次の日 ―

ウウウ――――

ミーナ「ネウロイ出現!スクランブルチーム、出撃準備!」

男「俺も、出る」

ミーナ「無茶です、許可できません!そんな顔色で……」

ハミルトン「許可しよう、行きたまえ」

男「……」スタスタスタ

ミーナ「あ、待ちなさい少尉!……ハミルトン中佐!!」

ハミルトン「彼に対する直接指揮権は私にある。何度も言った通りにね」

ミーナ「いいえ、今度という今度は認められません。彼の顔色を見ていないのですか?いえ、そもそも彼にメディカルチェックと称してどんな処置を?
    あなたの言う『メディカルチェック』の度に、少尉の健康状態は悪化しています」

593 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15:09:03.94 ID:SO7hg4AV0

ハミルトン「『チェック』の内容については機密事項だ」

ミーナ「あんな状態でネウロイと戦うことは自殺行為以外の何ものでもありません」

ハミルトン「大丈夫だよ、我々の『調整』は完璧だ、ネウロイごときに、彼は殺せんさ、ふふふふふ」

エーリカ「ネウロイ『には』殺せない、ね。あの人が自分で寿命を使い切って死ぬのは勝手ってこと?」

ミーナ「え?」

ハミルトン「おや?」

エーリカ「彼の胸に埋まってる装置――魔力炉が、彼の命を魔力に換えてる。それがあの異常に強力な魔力の正体でしょ」

ハミルトン「おやおや。ご存知だったとは。ふふ、では一つだけお教えしよう。
    確かに私たちは、メディカルチェックとして彼を『調整』している。『治療』ではなく、戦うための『調整』だ。
    戦う力を維持する為に、確かに彼は自身の寿命をすり減らして魔力に換えている。全て、彼自身の意思でね」

エーリカ「あいつの?」

ハミルトン「あの闘志だけは、『調整』では得られないものだ。自身の命さえ躊躇わずに差し出すその闘志。彼はきわめて貴重な被験者だ。ふふふふふ」

エーリカ「うえー……」


エーリカ「ミーナ、あの人もう行っちゃったよ」

ミーナ「……追いましょう。せめて一人で戦わせることだけは防がないと」

595 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15:13:45.51 ID:SO7hg4AV0
― 戦場 ―

男「死ね、滅べ。燃えて、墜ちろ!」

ドガガガガ!!


坂本「まるで阿修羅だな」

エーリカ「……」

597 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 15:52:49.38 ID:x3AYsnbfO
おもすれー

599 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:04:51.39 ID:SO7hg4AV0
― 501戦隊基地、廊下 ―

{エーリカ「あ、いた。ねー君――」

男「」バタン

エーリカ「うわっ!」

男「ぐ……か……」ビクビク

エーリカ「また発作!?医療スタッフを呼ば――」

―――

男(調整中)「ぐあああああ!!ああああああああ!!」


ハミルトン「『治療』ではなく、戦うための『調整』だ。戦う力を維持する為に、
    確かに彼は自身の寿命をすり減らして魔力に換えている」

白衣の男達「なぁに、代わりはいくらでも――」

―――

エーリカ「駄目だ、あいつらには任せられない。よし」グイッ

男「……」グッタリ

エーリカ「ううう、お、重いー」ズルズル

600 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:06:39.46 ID:SO7hg4AV0
― その夜、エーリカとバルクホルンの部屋 ―

バルクホルン「ハルトマン!ジークフリート線を越えることは許さないと何度言ったらわかるんだ!またゴミが増えてるじゃないか!」

エーリカ「ゴミじゃないよー、使うものだよ」

バルクホルン「お前が使うものなら、なおのことお前の領地でどうにかしろ!これも、これもこれも!」ポイポイ

ポイポイポイ...グラグラ

バタバタバタ!!

バルクホルン「うわあ!?」

「あー、トゥルーデがいじるからバランスが崩れたんだよー」

バルクホルン「いっそう侵食がぁぁぁぁ!もう怒ったぞ!今夜からしばらく私はミーナの部屋を借りる!
    ここを片付けるまで、帰ってきてやらないからな!」

エーリカ「ええー?トゥルーデ行かないでー!」

バルクホルン「こんなときばかり、哀れっぽい声を出すな!」バタン!

601 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:09:59.19 ID:SO7hg4AV0

エーリカ「……はぁ。さて、ねー起きてる?」

ゴソゴソ

男「……俺はまだ生きてるのか。てっきりゴミ山に埋葬されたものだと思ってた」


エーリカ「ゴミ山とは酷いなー。せっかく匿ってあげたのに」

エーリカ「脈に、体温……どうやら容態は安定してるね。ああ、良かった」

男「医学の心得があるのか」

エーリカ「まーね。戦争が終わったら、医者になりたいんだ。勉強もしてるし」

男「……戦争が終わったら、か」

エーリカ「君は、この戦争が終わったらどうするの?」

男「考えたこともない――システム軍団の連中を呼んでくれ、体を動かせるようにしなければ」

エーリカ「まぁまぁ、そう焦ることはないじゃん。ゆっくりしてきなよ。また『調整』されるだけでしょ」

男「そうしなければ戦えない。……『匿った』とは、連中からということか?余計なお世話だ」

602 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:11:40.49 ID:SO7hg4AV0

エーリカ「……君の戦いは、見てると胸が詰まるんだよ」

男「なに?」

エーリカ「どうしてそうまでして戦うの?自分の命を磨り減らしてまで」

男「……知っていたのか」

エーリカ「うん」

男「物事には対価が必要だ。ウィッチでないものが戦う魔力を得ようとすれば、こうするしかない」

エーリカ「だから、なんでそこまでするの?無理やりやらされてるわけじゃないんでしょ?
    君はいつも独りっきりで戦ってるみたい。誰かにやらされてるんじゃなくて、誰も寄せ付けないで」

男「お前には……お前たちには理解できないさ」

エーリカ「なんで?」

男「話したくない」

エーリカ「そーやってすぐ拒絶する」

男「……」

603 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:13:52.45 ID:SO7hg4AV0

エーリカ「こんどはだんまりねー。まぁいいや。じゃあこっちの話を聞いてよ。
    トゥルーデ……バルクホルン大尉ね、いつも規律規律ってうるさいあの娘。
    あの娘は、もうクリスっていう妹以外の肉親が残ってないんだよ」

男「……」

エーリカ「だからその妹を守るため、安心して暮らせる世界のために戦ってる。宮藤も、たくさんの人を守りたくて戦う。
    リーネもサーニャもエイラも坂本少佐もペリーヌも、みんな。だからなんだってわけじゃないけど」

男「……」

エーリカ「ここにいる人はみんな、それなりに背負うものがあって戦ってる。
    でも、守りたいものがあるっていうのは、希望があるっていうこと。だからみんな戦いの中でも笑ってられる。
    君の戦いからは、それが感じられない。なんとなくだけど、悲しさしかないみたい」

男「……くっく、良いセン突いてる」

エーリカ「ねぇ、話してくれない?」

男「……」

エーリカ「話してくれるまでは帰さなーい」

男「……チッ」

604 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:14:54.32 ID:SO7hg4AV0

男「……俺にあるのは復讐だけだ」

エーリカ「復讐?」

男「そう、家族と故郷の復讐だ。カールスラントの小さな村。ある日空が黒い影に覆われ、全てが炎の中に消えた。
    俺だけがその日たまたま村の外にいて、かろうじて逃げ延びた」

エーリカ「それは……辛いね」

男「別に同情して欲しいわけじゃない。あの女も、似たような境遇だろう。不幸自慢で張り合うつもりはない。
    ただ、俺の戦う理由はそれだ。それ以外は何もいらない」

エーリカ「堅いなー」

男「なに?」

エーリカ「復讐が悪いこととは言わないけどさ……でも、少しくらい自分の幸せも考えたらいいのに」

男「お前に何が分かる、家族を、故郷を喪った俺の何が!」

エーリカ「故郷がネウロイに占領されてるのはわたしも同じだよ、同じカールスラント人だもの」

男「お前には家族が……!……いや、すまん。不幸自慢などするつもりはないんだ。
    だが、俺はもう、ネウロイへの憎しみ以外のものが見えない」

エーリカ「ううーん……憎しみ以外のもの、かー。なんでもありそうだけどねー。美味しいものとか」

606 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:15:45.63 ID:SO7hg4AV0

男「俺にはもう味覚が残ってない。嗅覚も。触覚だって半分は麻痺してる。お前が以前言った通りにな」

エーリカ「あ、そうだったっけ」

男「分かったろう、もう人並みの幸せなど望める体じゃないんだ。望むつもりもない」

エーリカ「ううー、まだあるはずだよ、それでも。あ、恋とかは?」

男「……」

男「……なぁ、俺からも聞いていいか。なぜ俺に付きまとう?興味本位にしては、しつこすぎる」

エーリカ「え?……うーん。なんでだろ?」

男「……お前は、とんでもなくタフな女か、とんでもないバカ女かのどちらかだろうな」

エーリカ「かもね。でも、その方が楽しいよ、絶対にさ」

男「……」

エーリカ「ちょっとでいいから、生き続けようとしてみなよ」

男「……考えておこう」

607 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:16:49.21 ID:SO7hg4AV0
― 数日後 ―

バルクホルン「待て少尉。貴様、また訓練中に命令を無視したな」

男「……」

バルクホルン「貴様がそれなりのリスクを背負って戦っていることは分かる。そうまでして戦いたい理由があるであろうこともな。
    しかし、それでも、だからこそ、命令には従え。生き残るには連携が必要だ。戦い抜いてこそ勝利が見える」

芳佳.oO(また「関係ない」ってつっぱねられそう)

エイラ.oO(またギスギスしそうだナ~)

男「……ご忠告には痛み入る」

バルクホルン「!?」

芳佳「あれ?」

エイラ「?」

男「だが、命の使い切り方は自分で決める」

バルクホルン「お、おいそれは――」

男「俺のことは、気にかけてくれるな」スタスタスタ

609 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 16:17:41.21 ID:SO7hg4AV0
― 廊下 ―

エーリカ「最初は、あれくらいが限界かなー」

男「見ていたのか」

エーリカ「うん。でも、まぁ、よくできました。ふふっ」ナデナデ

男「触るな……。ふん」

614 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 17:02:02.66 ID:x3AYsnbfO
エーリカにナデられたい

653 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:31:10.47 ID:SO7hg4AV0
>>609から続き

― ブリーフィングルーム ―

ミーナ「カールスラント国境付近で、ネウロイに妙な動きが見られるようです。そこで、ウィッチによる強行偵察が要請されています。
   美緒、説明を」

坂本「うむ。先だっての大攻勢を撃退されて以来、この方面でのネウロイの作戦行動は小康状態にあったのだが、ここ」パシ

坂本「戦略偵察チームのカメラが、このあたりにネウロイらしき影が集結中なのを捉えた。詳細な作戦目標はこの一帯だ」

男「……!」

坂本「そこで高高度を行く偵察機のカメラではこれが限界だ。低空でより目標に接近して情報を収集する必要がある。
    そこでわれわれの出番というわけだが、当該地点はネウロイ勢力下だ。
    発見される危険性を少しでも避けるため、このミッションは一機のみでこれにあたる。そこで、誰が――」

男「俺に行かせてくれ」

坂本「ふむ?」

ミーナ「少尉、実験のついでで任せるには、この作戦の重要度は――」

男「実験は関係ない。そこは俺の故郷なんだ。頼む、行かせてくれ」

ミーナ「……いいでしょう」

654 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:32:36.93 ID:SO7hg4AV0
― 出撃当日、ハンガー ―

エーリカ「や、おはよー」

バルクホルン「ハルトマン?」

ミーナ「珍しいわねフラウ、こんな朝早くに」

男「……何のようだ?」

エーリカ「ただの見送りだよ、邪険にしないでよー」

男「ふん」

エーリカ「隙ありー!」

チュ

男「?」

バルクホルン「な!」

ミーナ「え!?」

655 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:33:20.63 ID:SO7hg4AV0

エーリカ「頬の触覚、半分は残ってるんだから、ナニされたかくらい分かるでしょ?」

男「何のつもりだ?」

エーリカ「復讐以外にも、モチベーションって必要かと思ってさー。
    君けっこう良い男だしね。無事帰ってきたら、こっちにしたげる」チョンチョン

バルクホルン「フラウ!?」

男「……ふっ」

エーリカ「ああ、笑った!?今、鼻で笑った!?」

男「発進するぞ、邪魔だ」バルルルルルル...

エーリカ「べー、だ!」

658 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:38:01.57 ID:SO7hg4AV0
― カールスラント、作戦目標地点周辺 ―

男「初めての帰郷がこんな形とは、皮肉なものだ」





男「見えてきた。これは……」

659 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:38:53.34 ID:SO7hg4AV0
― 501戦隊基地 ―

男『501stリーダー、ターゲットインサイト。ネウロイはここに分巣――基地を建設しようとしているようだ』

ミーナ「なんですって」

男『よりにもよって俺の故郷に……ゴミ虫どもめ……!』

ミーナ「落ち着きなさい、少尉。もう十分です、帰投してください。基地建設の阻止は後日改めて――」

男『うわガガガ!......ザー...ドンドンドン!...』

ミーナ「少尉!?」

男『ザー...ちっ、迎撃機と対空砲...ザー...のすごい...数だ』

ミーナ「損害は?逃げ切れそうですか?」

660 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:39:33.84 ID:SO7hg4AV0

男『ザザ......ネガティブ。どうやら逃がす気はなさそうだ。それに、俺もここを背にして逃げるつもりはない。もう二度とな。
    一機残らず始末してやる……!』

ミーナ「少尉、一人では無理よ、なんとか逃げ切って、応援を要請――」

エーリカ「ちょっと貸してミーナ」

ミーナ「フラウ?」

エーリカ「こちらエーリカ……そう意固地にならないでさ。帰ってきたら、イイコトしたげるよ?」

バルクホルン「ハルトマン!?」


男『――ふふ』

エーリカ「……?」

男『お前は、タフでいいやつだ。お前のようなやつに会えてよかった』

エーリカ「それなら――」

男『だが、すまんな。俺にはやはりこの生き方しかできん。
    ……それに、その貧相な体の色香に惑わされて命を惜しんだと思われるのは、癪だからな』

エーリカ「っ――。この、馬鹿やろー!」

661 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:40:23.11 ID:SO7hg4AV0
― カールスラント、作戦目標地点 ―

エーリカ『馬鹿やろー!』

男「くっくっ……」 ポイ (無線機を放り捨てる)


男「では、いくぞ!」


ダダダダダ!

ギィン!ギィン!

ダダダダダ

ドガン!!




662 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:41:19.38 ID:SO7hg4AV0

男「はぁ、はぁ、はぁ。残存弾数ゼロ、ストライカーも被弾だらけ。残りの敵の数は……」

ウヨウヨ

ワサワサ

男「ふん、ゴキブリみたいにキリ無く沸きやがって……。口惜しいが、ここまでだな。
    だが、故郷よ、お前をやつらの好きにはさせんぞ――魔道炉、フルドライブ!」キィィィィィィィィ...

ダダダ!
ダダダダダ!

男「ネウロイども、必死になって撃ち落としきたな。お前たちにも恐怖があるのか!?
    だが、もう遅い!は、ははは、ははははははははは!!」

663 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:42:02.88 ID:SO7hg4AV0



カッ




ドガァァァァァァァァァァン!!

664 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:42:59.12 ID:SO7hg4AV0




ミーナ「ガリアからも閃光が見えたそうよ」

バルクホルン「では、ネウロイの基地は」

ミーナ「おそらく、跡形も残ってないでしょうね。その村も」

エーリカ「……」

バルクホルン「……フラウ、やつは故郷をネウロイから守ったんだ。とんでもなく不器用なやり方だが、やつは確かにやり切った」

エーリカ「……うん」

ミーナ「戦隊、気をつけ!カールスラント――少尉に向け、敬礼!」

ビシッ!


666 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:46:46.60 ID:WBLCLoYnP

エーリカ「結局、名前も呼んでくれないまま逝っちゃったね……馬鹿……!」




(終わり)

667 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:48:38.05 ID:WBLCLoYnP
クオリティ低くてすまん
他人の妄想ベースだとここらが限界らしい
じゃあの

668 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:50:57.67 ID:x3AYsnbfO
やるじゃん
GJ

669 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 19:54:00.36 ID:CyhLUo4G0

良かったぜ

670 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:57:34.28 ID:FpvJa2WAO

エーリカのイイコト凄く気になるんだけどそっち√のエピソードはないのかい?

671 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:00:46.51 ID:vPXUuTle0
ハッピーエンドにしてほしかった

672 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:05:04.96 ID:L+iQEKAr0

良かったよー

674 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:14:53.29 ID:WBLCLoYnP
>>670
いざ求められるとわたわたしてしまうエーリカと、
興味津々でエロいことしてくれるエーリカと、
女は度胸とばかりにさばさば応じてくれるエーリカ、

どれがいいか決めたら自分で書いてみるといいぞ

675 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:23:09.01 ID:x3AYsnbfO
カッコイイけどなんか寂しいな、男





  • 綺麗に纏められていてかなり好き。 -- 名無しさん (2011-03-11 14:02:21)
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最終更新:2013年01月28日 12:47