俺「ニーパ、おっぱい揉ませて下さい」


 陸を駆ける風に新緑が混ざる今日この頃、
 俺はいつものようにニパにおはようの挨拶を送る。
 寝起きの彼女は少しばかり色っぽく、ひどく俺の劣情を駆り立てる。
 が、耐えねばならない。これは試練でも何でもなく、朝の挨拶なのだから。


ニパ「…あの、さ」

俺「ん?」

ニパ「前から言おうとは思ってたんだけどさ」


 眠そうに気だるげに、彼女は俺から目を逸らす。


俺「うん、なんだいニパ」


 戸惑うように、諦めきった笑みを浮かべて彼女は言った。


ニパ「そういうのって、好きな人にやるものじゃないの?」




 ――――You Are My Sunshine!―――――


opだと思ってくれると<ttp://www.youtube.com/watch?v=gX_uKoWFs88&feature=related





 俺は執務室の客用テーブルに突っ伏していた。
 向かいのソファにはプンスキー伯爵と下原さん。ラル隊長は奥の机でコーヒーを楽しんでいる。


俺「…俺、どうすればいいんですか」

クルピンスキー「…すっごい断り文句だねそれ。ボクだったら寝込むかな……」

下原「ほ、ほら!ニパさんは鈍感ですし…」


 何も無いところを拭きながらぐずぐず泣く俺は悲惨だ。
 クルピンスキーは頷きながらも面白そうに俺を見てるし、
 ラルは久しぶりに仕事をしているようだし…
 下原が必死に励ますが効果は無いように見える。


俺「―――あ、」

下原「どうしました?」

俺「これ、名案だ」


 死に体の様にぐでりとテーブルに突っ伏していた俺が立ち上がる。
 袖で乱暴に目元を拭うと、ラルの机に両手をついた。


俺「隊長、給料三ヶ月分を前払いでください」

ラル「…要件を聞こうか」

俺「俺、考えたんです」

ラル「何をだね?」

俺「ニパのおっぱいを半永久的に合法で揉む方法です!」

ラル「大尉早く!もう誰でもいいから!」


                           ◇◇ ◇


 ホワイトボードの前で正座。
 どこからか出てきたホワイトボードにはロスマン先生が向かい、ぴょこぴょこ背伸びしながら何やら書き込んでいる。
 その一生懸命な彼女が何とも可愛らしく、下唇を噛んで気合で鼻血を耐えていると、書き終わったらしい先生に睨まれる。
 仕方ないじゃないか。だって可愛いんですよ先生。


ロスマン「隊長、そろそろ解雇で良いんじゃないでしょうか」


 びしっと指を指される。
 舐めていいのか、焦らされる興奮を味わえというのか、やはりこの人は至極扇情的だ。


クルピンスキー「いやぁ壮観だねぇ…ボク尊敬しちゃうよ」


 ホワイトボードには「雑用の解雇、その後について」とあり、国外追放に二重丸が付いていた。
 その下には今までやって来たらしいこと、
 深夜にニパの部屋に侵入
 熊さんに熊さんと言う
 鼻血が規格外兵器ets……もう先生ったら、そんなに俺の事を見ていたなんて。
 照れ臭くなって思わず頬が染まる。


俺「いや、先生の気持ちも分かりますが俺にはニパが――――」

ロスマン「ッ誰が!……それに、そんな不純な動機でニパさんに告白なんて以ての外です!」

俺「おっぱい揉んだら犯罪ですか!」

サーシャ「扶桑には石抱きという文化があるそうで……ね、下原さん」

下原「え、えええとですね……図りかねます!」


 石抱き……江戸時代に行われた拷問の一つ。算盤攻めともいう(Wikipedia参照)
 いったいどこで調べたんだこの人は。でもなんだかむらむらする。
 うわあと頭を抱える下原さんを横に、熊さんが頭が痛いといった風に口を開く。


サーシャ「いいですか俺さん。俺さんにはどうでもいいかもしれませんが女の子にとってはとても大事なことなんですよ?」


 告白って。
 それはもうロマンチックであってほしいし、いつだって少女の様に思いを馳せるものである。
 だから胸が大きいから等という動機で可愛い後輩が告白されてしまうのはなんだかなと思うのだ。

 それにニッカ・エドワーディン・カタヤイネンという少女は恋愛というものを諦めているフシがある。
 だからこそ鈍いというか、それでこそ彼女というか。サーシャはふうと息を吐いた。


サーシャ「ですから…うーん……」

俺「いいえ熊さん、心配無用です」


 どうしたものかと目を閉じると、するりと俺の声が入って来た。
 恋に詳しい某伯爵は今だソファに座ったまま、実に楽しげに俺の言葉を待っている。


俺「俺、ニパの事が好きみたいです」


俺「だからね、指輪を渡して好きだよって言いたい」


 そう言ってはにかむ様に笑う俺に、つくづく変な、面白い奴だとラルは思う。
 唐変木の癖に妙に気立てが良い少年。それなのに、それなのにだ。
 気付いていなかったと思うと笑いが込み上げて来るのだ。
 そう、一言で括るのならば―――――


ラル「若いなぁ、俺」


 変に静かな空気を破ったのはラル隊長の間延びした、柔らかい声だった。
 続くプンスキー伯爵の笑い声。彼女は優雅に足を組み直して言う。


クルピンスキー「いまさらかい?俺君」

俺「はい、ようやく」

クルピンスキー「仕方ないね、俺君の為に一肌脱ぐかな」

俺「あ、全部でお願いします」

ロスマン「駄目だこいつ……」


 頭を抱える先生。だが、それでもみんな笑っている。
 ニパのおっぱいは揉めなかったけれど、今日は心が軽いような気がした。
 きっと俺には時間があって、その針を進める程、彼女に近づいているからだろう。




最終更新:2013年03月30日 02:35