花壇―――

俺「道すがら説明したけど、わかった?」

サーニャ「大丈夫です」

俺「それじゃ始めようか」

サーニャ「私は何をすればいいんですか?」

俺「さっきの耳を生やして電波を受信してみて」

サーニャ「はい」ピョコ

俺「ケータイ、県外だけどとりあえず実家に電話してみる」ピポパ

トゥルルルル・・・トゥルルルル

サーニャ「ん・・・きました」

俺「(やっぱつながらないか)どんな感じ?」

サーニャ「速い・・・感じで、突き抜けるような・・・?」

俺(ケータイの電波は確か・・・1GHzくらいだったかな?)

俺「ラジオはもっと遅い感じなの?」

サーニャ「はい」

俺(この子は電波を感覚として捉えているのか。そういえばなんだっけ・・・ねうろい?)

俺「ネウロイはもっと速い、それとも遅い?」

サーニャ「速いです。無線や軍事回線よりはるかに高い音・・・だと思います」


エイラ「アイツら、何してんダ」

芳佳「だめですよ覗きなんて」

リーネ「そういいながら一緒に覗いてるけど・・・」

エイラ「お前はサーニャが心配じゃないのカ?」

芳佳「心配・・・じゃないけど、興味はあるかなぁ・・・」

リーネ「芳佳ちゃん・・・」


俺「ネウロイはラジオより高周波の電波、もしくは音波を出すわけか・・・」

俺(ところでネウロイって何だっけ? こんなことになるんならアニメ見とくんだったなぁ)

俺(まぁ過ぎたことはしょうがない。今俺にできることは戦ってる彼女たちの力になることだ)

俺(せっかくパソコンがあるんだし、ネウロイの周波数とかをサンプリングすれば少しは役に立てるんじゃないかな)

サーニャ「あの・・・ひとつ聞いてもいいですか?」

俺「え?・・・俺に答えられる範囲だったら何でも聞いてくれ」

エイラ&芳佳&リーネ コソコソ

サーニャ「ネウロイは・・・人間は、勝ちましたか?」

俺「・・・・・・」

エイラ&芳佳&リーネ 「!」

俺「それは、答えられない質問だ」

サーニャ「ど・・・どうして?」

俺「俺がここで勝ったっていえば、どこか気が抜けてサーニャちゃんが撃墜されてしまうかもしれない」

サーニャ「そ、そんなことは・・・」

俺「逆に負けたっていえば、戦っても負けるなら戦わないほうがいいと思うかもしれない」

サーニャ「・・・・・・」

俺「(アニメ見てなくて)ごめん」

サーニャ「いえ・・・大丈夫です。俺さんは悪くないですから」

俺「そういってもらえると助かるよ」


ルッキーニ「なにやってんの?」

エイラ「おまっ!静かにしろヨ!気づかれるだロ!」

ルッキーニ「かくれんぼ? あたしもやるやる~!」

芳佳「ルッキーニちゃん静かに!」

サーニャ「みんな?何をしてるの?」

リーネ「いや、その」

エイラ「これは・・・ダナ」

芳佳「る、ルッキーニちゃんとかくれんぼを!」

エイラ「そうダそうダかくれんぼをしようと」

ルッキーニ「でもやる前から隠れてたよね?」

サーニャ「・・・・・・」

俺「別に見てて面白いものでもないけどな」

芳佳&リーネ「ごめんなさい!」

俺「俺は別にいいけど・・・」

サーニャ「・・・私も、きにしないから」

エイラ「サーニャ!」

サーニャ「エイラ、エイラも謝って」

エイラ「う・・・ゴメンナサイ」


リーネ「ルッキーニちゃん、行っちゃったね」

エイラ「アイツに機械の話をしてもムダダナ」

芳佳「それで何をやってたんですか?」

俺「俺のはネットワーク専攻の工学部学生なんだけど」

リーネ「???

俺「無線LANやGPSの論文が終わらなくて、昨日がんばってたんだよ」

エイラ「無線しかワカラン」

俺「簡単に言うとレーダーやら無線機やらの技術を勉強してたんだ」

芳佳「すごいですね!私は機械とかさっぱりで・・・」

俺「そんなに難しくもないよ。それにこの時代の機械は俺の時代より古いものばかりだから俺みたいな半端な学生でも理解できる」

エイラ「でもどうしてサーニャなんダ?」

俺「サーニャちゃんはラジオをそれで聞けるんだよね?」

サーニャ「は、はい」ピョコピョコ

俺「無線通信の一環で周波数を調べればネウロイのことがわかるかと思って」

サーニャ「ネウロイの声は普通の人には聞こえないけど、この機械なら聞こえるかもしれないって」

エイラ「ソ、ソウナノカ!?」

リーネ「すごい!そしたらナイトウィッチじゃなくても夜に飛べるってこと?」

芳佳「そうなの?サーニャちゃん!」

サーニャ「え、えーっと・・・」

俺「成功すればな。もうちょっと時間がかかりそうだし、実際にネウロイから声を収集できれば楽なん」

ウーーーーーーーー・・・




ウーーーーーーーー・・・

サーニャ「敵襲!?」

芳佳「行こう、リーネちゃん、エイラさん、サーニャちゃん!」

リーネ「うん!」

エイラ「ほら、サーニャ」

サーニャ「まって!・・・俺さん」

俺「ん?」

サーニャ「さっき、実際に声を収集できればいいって言ってましたね」

俺「ああ。でも実際はプロペラ音やら銃撃音で聞こえなくなるだろうし、無理は言わないよ」

サーニャ「・・・はい」

俺「ほら、みんなが待ってるぞ」

サーニャ「・・・・・・俺さん。その、けぇたい///」

俺「あ、わすれてた。はい」

サーニャ「はい。それじゃぁ、いってきます」


ミーティングルーム―――

坂本「今回の敵はラロスとラロス改の編隊が3つだ。この程度なら楽だと思うが、気を引き締めていけよ!」

ミーナ「出撃は坂本少佐、バルクホルン大尉、ハルトマン中尉、クロステルマン中尉、リネット軍曹、宮藤軍曹、以上6名です」

一同「了解!」

サーニャ「あの・・・」

ミーナ「あら、どうしました?サーニャさん」

サーニャ「私も、行かせてくれませんか?」

エイラ「えええっ!?」

ミーナ「夜の哨戒任務もあるけれど・・・大丈夫?」

サーニャ「はい」

ミーナ「そう・・・なら、出撃を許可します」

エイラ「さ、サーニャがいくなら私も行く!」

ゲルト「お前まで出たら基地の守りはどうする?」

エイラ「うぐぐ・・・シャーリーとルッキーニがガンバッテ・・・」

サーニャ「エイラ、私は大丈夫だから」

エイラ「デモ・・・」

ゲルト「お前はいい加減にサーニャ離れしろ!」

エーリカ「トゥルーデはいつまでたっても妹離れできないけどね」

ゲルト「なっ・・・い、今はいいだろそんなことは!///」

坂本「もういいか?それじゃ、出撃だ」タッタッタッ

ペリーヌ「少佐、まってください!」タッタッタッ

ゲルト「エイラは基地で待機だからな!」タッタッタッ

リーネ「行こう、芳佳ちゃん」

芳佳「うん・・・(サーニャちゃん、どうしたんだろう)」タッタッタッ

エーリカ「ほらほら、さーにゃん、いくよ!」

サーニャ「あぅ・・・」

エーリカ「俺くん関連でしょ?」

サーニャ「えっ!」

エーリカ「がんばってよ、さーにゃん!応援してるからさ!」タッタッタッ

サーニャ「・・・///」タッタッタッ

エイラ「さ・・・サーニャ・・・」ガクッ


食堂―――

俺「とりあえずすることがないから食堂に戻ってきた。最低一名の監視が必要らしいし」

シャーリー「お、俺じゃないか。どうした?こんなところで黄昏ちゃって」

ルッキーニ「暇~?暇なら鬼ごっこしようよ鬼ごっこ!」

俺「いや、暇って言えば暇なんだけどな・・・」

俺(そういえばケータイはミーナさんの許可が必要だけどパソコンは必要ないのか?)

俺(あとは・・・ラジオか、それより周波数の高い受信機が必要だな)

俺 ブツブツ

エイラ「ナァ、俺」ショボーン

俺「ん?」

エイラ「お前、サーニャに何か言ったか?」

俺「なにかって?」

シャーリー「そうそう!あたしも気になってたんだよなぁ」

ルッキーニ「サーニャが飛びたいなんて珍しいよね!」

俺「・・・まさか」

エイラ「やっぱお前カ!サーニャになんていったんダヨ!?」


上空―――

サーニャ「交戦距離まで、約2万」

坂本「私も確認した。陣形そのままで接敵するぞ」

サーニャ「・・・」ポチポチ

芳佳「サーニャちゃん?」

サーニャ「ひぁっ!?」

芳佳「それ、俺さんの・・・なんていったっけ?」

サーニャ「けぇたいって言うんだって」ポチポチ

芳佳「それで何してるの?」

サーニャ「これを技術者の人が言ってたんだけど、これはラジオにもなるって」ポチポチ

芳佳「へぇ!すごいんだね!こんなに小さいのにラジオが聞けるんだ!」

サーニャ「でも、やり方がわからなくて・・・」ポチポチ

芳佳「うーん、私も機械は苦手だからなぁ・・・」

サーニャ「あっ」ポチ

芳佳「どうしたの?」

サーニャ「・・・見つけた!」


食堂―――

ルッキーニ「くかー・・・うじゅ・・・」zzz

シャーリー「ネウロイの声を実際に聞きたい!?」

俺「ええ」

シャーリー「でも無理だろ。飛行機で近づくわけにも行かないし」

俺「俺も無理だって言ったんですけど、もしかしたら・・・」

エイラ「そもそもどうやって声を採るんだヨ?レコードでもまわしながら戦えっテカ?」

俺「サーニャちゃん、行くときに俺のケータイをもって行ったよな?」

エイラ「ソウダナ」

俺「あれには音を録音・・・いえ、蓄音のほうがわかりやすいか?その機能があるんだ」

シャーリー「すげーなそれ!」

エイラ「ミライノキカイコエー!・・・それでサーニャがアレを持っていったのカ」

俺(まぁ、音波であるならそれでいいんだけど・・・サーニャちゃんは音波と電波の違いを理解してるのか?)

エイラ「デモサ、それってサーニャが自分から近づかなきゃならないわけだヨナ?」

俺「まあ、近いほうが音が大きく聞こえるのは常識だな」

エイラ「オマエ、サーニャにそんな危険なマネをさせてんのカ!?」ダン!

俺「俺だって女の子に危険なマネをさせたくないよ・・・」

俺「帰ってきたらサーニャちゃんにちゃんと言う。そもそも未来人の俺がでしゃばるのはよくない。それに」

エイラ「それに?」

俺「一食一飯の恩義ってのが日本・・・扶桑にはあるんだ」

エイラ「どういう意味だ?」

俺「お世話になった家族には恩義を返せって言葉だよ」

俺「俺が恩を返すのに、そのせいでその家族を怪我させたくない」

シャーリー「家族、か」

エイラ「オマエ、結構恥ずかしいこと言ってるゾ」

俺「え・・・マジ?」

シャーリー「うん」

エイラ「後で帰ったら言うんだロ?『大事な家族に怪我をさせたくない』ッテサ!」

俺「・・・絶対言うなよ!さすがにそれは恥ずかしすぎる///」


上空―――

ゲルト「うおりゃぁぁぁ!」ダダダダダッ

エーリカ「逃がさないよっ」ダダダッパリーン

サーニャ「行きます・・・」シューシューシュー ドンドンドンパリーン

坂本「突っ込む! 宮藤、ついて来い!」

芳佳「はいっ!」

坂本「でやーーっ!」ズバッ

坂本「コアをはずしたかっ?宮藤!」

芳佳「あたれっーーー!」ダダダダッパリーン

芳佳「やったーーっ!」

ペリーヌ「宮藤さん!横から来てますわよ!」ダダダダッパリーン

芳佳「ありがとうございます、ペリーヌさん!」

ペリーヌ「まったく、いつまでも世話のかかる・・・」

リーネ「ペリーヌさん、後ろ!」

ペリーヌ「えっ!?」

リーネ ドンッパリーン「大丈夫ですか?」

ペリーヌ「え・・・えぇ。助かりましたわ」

ゲルト「まったく、戦闘中に油断するな!次が来るぞ!」


ブロロロロ・・・

ミーナ「みんな、お疲れ様」

エイラ「サーニャー」

サーニャ「あの、ミーナ中佐」

ミーナ「なにかしら?もしかして怪我したとか?」

エイラ「なに!それは大変ダ!宮藤!」

芳佳「は、はい!サーニャちゃん、どこに怪我を!?」

サーニャ「だ、大丈夫・・・どこも怪我なんてないよ」

芳佳「よかった~・・・じゃなくて、エイラさん!」

エイラ「わ、私じゃなくて、ミーナ中佐ダロ!」

ミーナ「あらあら。それでサーニャさん、どうしたの?」

サーニャ「あの、俺さんのけぇたいの使用許可をいただきたいのですが・・・」

ミーナ「あら・・・それなら、今後は彼の荷物はすべてサーニャさんが自分で判断してちょうだい」

サーニャ「で、でも・・・」

ミーナ「そのかわり、サーニャさんが危険だと思ったらすぐに言ってね」

サーニャ「わかりました。あの、ありがとうございます」タッタッタッ

エイラ「サーニャ、待ってくれヨ~」タッタッタッ


ミーナ「・・・・・・」

坂本「どうしたミーナ。つらそうな顔をして」

ミーナ「・・・えっ?・・・そうね、少し事務続きで疲れちゃったのかしら?」

坂本「だったらたまには一緒に風呂でも入るか?はっはっは」

ミーナ「(・・・美緒とお風呂・・・///)そ、そうしようかしら・・・」


食堂

サーニャ「こ、ここにいたんですね・・・」ゼェハァ

俺「さ、サーニャちゃん!・・・どうしたの?」

サーニャ「あの、ミーナ中佐から許可をもらってきたので、さっきの続きを・・・」

俺「え?・・・そんなに急いでないから、大丈夫だよ。それより疲れてるでしょ、はい椅子」

サーニャ「あ・・・どうも・・・」

俺「さっきまでシャーリーさんと飲んでたからコーヒーならあるけど、飲める?」

サーニャ「はい・・・大丈夫です」

俺 コポコポコポ

俺「はいこれ。砂糖とミルクは?」

サーニャ「あの・・・少し」

俺「はいよ」カタッ

サーニャ「ありがとうございます」

俺 ズズズッ

サーニャ ズズズッ

サーニャ「あの」

俺「ん?」

サーニャ「これ・・・ネウロイの声、録音してみたんですけど、できてますか?」

俺「・・・本当にとってきたのか」

サーニャ「そのほうがいいって」

俺「可能なら、だよ。そのためにサーニャちゃんが危険なことをする必要なんてない」

サーニャ「それで少しでもほかのみんなが助かるなら・・・」

エイラ「それでサーニャが怪我をシタラ元も子もないジャナイカ!」

サーニャ「エイラ!」

俺「サーニャちゃん、待機中にエイラと話し合って決めたんだ。この件に関しては最後まで安全策をとる」

サーニャ「で、でも・・・」

俺「そもそも俺がここにいること自体がイレギュラーなんだ。俺ががんばりすぎると歴史が変わってしまうかもしれない」

エイラ「コイツさっき、『お世話になった家族からけが人を出したくない』とかぬかしテヨ」

俺「ちょっ!それは言うなって言っただろ!///」

エイラ「真っ赤になってヤンノー!」

俺「こ、これはだな・・・」

サーニャ「・・・ふふふっ」

エイラ「・・・へへっ」

俺「・・・はははっ」


俺「とりあえず今回採ってきた分は使わせてもらう。もうやってしまったことだしな」

サーニャ「あの、さっきミーナ中佐から俺さんの荷物の使用許可権限をいただきました」

俺「つまり?」

サーニャ「次からは私に言ってくれればけぇたいもぱそこんも使っていいですよ」

俺「よしきた!早速パソコンを使わせてもらう!」

俺(あと、ついでにかばんの中身もチェックしておくか)

俺「パソコン、ケータイ、イヤホンマイク、小型スピーカー、アダプタ各種、ハードディスク、大学ノート、筆記用具、それから・・・」

俺「PSP、DSi、mp3プレイヤー、財布、鍵・・・こんなもんか」

俺(アダプタ各種があったのは不幸中の幸いだったな。これでケータイとパソコン、マイクが使えるし、もしかしたらこの世界の機械を接続することもあるかもしれない)

俺(小型スピーカーは友達が要らないからくれたもので、かばんに入れっぱなしにしてたけど、使えるかもしれない)

サーニャ「どうですか?」

エイラ「なんかよくワカラン機械がゴチャゴチャ出てきたゾ・・・」

俺「そういえば・・・二人とも、コンセントって、ある?」
最終更新:2013年03月30日 23:01